JP2002189252A - 光学ユニット及びそれを用いた映像表示装置 - Google Patents

光学ユニット及びそれを用いた映像表示装置

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JP2002189252A
JP2002189252A JP2000389952A JP2000389952A JP2002189252A JP 2002189252 A JP2002189252 A JP 2002189252A JP 2000389952 A JP2000389952 A JP 2000389952A JP 2000389952 A JP2000389952 A JP 2000389952A JP 2002189252 A JP2002189252 A JP 2002189252A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】コンパクトで、冷却効率のよい投射型映像表示
装置を提供する。 【解決手段】 光源ユニットから出射された光を映像信
号に応じた光学像を形成するライトバルブ手段である映
像表示素子と、光を映像表示素子に照射する照射手段
と、映像表示素子から出射した光を投射する投射手段と
を備え、上記光源ユニット、照射手段、映像表示素子、
投射手段を支持または構成する構造体の少なくとも一部
分を構成している発熱体、熱源あるいはエネルギの熱変
換体の少なくとも一箇所に熱線放射膜、あるいは、ふく
射熱発散膜、例えばセラミック膜を密着させたことを特
徴とする映像表示装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶パネル、又は
映像表示素子などのライトバルブ素子を使用して、スク
リーン上に映像を投影する投射装置、例えば、液晶プロ
ジェクタ装置や、反射式映像表示プロジェクタ装置、投
射型リアプロジェクションテレビ等の光学ユニット、投
射型映像表示装置及び冷却方法に係わり、特に光源、光
学素子、ライトバルブ素子に入射する光により発生する
熱および周辺構造体を冷却し、安定した映像を投射する
技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】液晶パネル等のライトバルブ素子に、電
球などの光源からの光を当てて、液晶パネル上の画像を
拡大投射する液晶プロジェクタ等の投写型映像表示装置
が知られている。
【0003】この種の映像表示装置は、光源からの光を
ライトバルブ素子で画素毎の濃淡に変えて調節し、スク
リーンなどに投射するものである。例えば、液晶表示素
子の代表例であるツイステッド・ネマティック(TN)型液
晶表示素子は、透明な電極被膜をもつ一対の透明基板間
に液晶を注入して成る液晶セルの前後に、各々の偏光方
向が互いに90°異なるように2枚の偏光板を配置したも
のであり、液晶の電気光学効果により偏光面を回転させ
る作用と、偏光板の偏光成分の選択作用とを組み合わせ
ることにより、入射光の透過光量を制御して画像情報を
表示するようになっている。近年、こうした透過型ある
いは反射型の映像表示素子では、素子自体の小型化が進
むとともに、解像度等の性能も急速に向上している。
【0004】このため、該映像表示素子を用いた表示装
置の小型高性能化も進み、単に従来のようにビデオ信号
等による映像表示を行うだけでなく、パーソナルコンピ
ュータの画像出力装置としての投射型映像表示装置も新
たに提案されている。この種の投射型映像表示装置に
は、特に、小型であることと、画面の隅々まで明るい画
像が得られることが要求される。しかし、従来の投射型
映像表示装置は、小型化するために、映像表示素子のサ
イズを1.8“(インチ)から1.3“、0.9”、0.
7“、0.5”へと小さくする必要が生じた。この時、
光源の光を映像表示素子のサイズに集光するため、単位
面積当たりの光束量が急激に増加する。パネルサイズに
合わせてランプ光源の光を集光するため、パネルが小さ
くなると、パネル、レンズ、偏光板、PBS、色分離ミ
ラー、合成プリズム、波長板、投射レンズ等に到達する
光の面積も小さくなり、光による発熱量も増加、また、
ランプ光源の光を集光し、反射するリフレクタも小型化
するため、高いワット(W)のランプになるにつれて冷却
の問題が重要となってきている。したがって、従来の空
気冷却方法では冷却性能が不十分であるといった問題が
ある。
【0005】冷却に関しては、例えば、光源からのラン
ダムな偏光光を一方向の偏光方向に揃えて液晶表示素子
に照射する光学系としては、公開特許公報平4−633
18号公報に開示されているような偏光ビームスプリッ
ターを利用して、光源から出射するランダムな偏光光を
P偏光光とS偏光光に分離してプリズムを用いて合成す
るものがある。しかし、S偏光光路に漏れ込んで入射し
た不要光を遮光することができず、従来、映像表示素子
近傍の偏光板の温度上昇を引き起こしていた。
【0006】以上より、液晶表示装置の明るさおよび画
質向上ということと、小型化という2つの観点から、各
光学素子、構造体、回路素子のそれぞれの効率よい冷却
の対応が必要となっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】小型化した光学エンジ
ンは全体として単位面積当たりの光束量が増加し、パネ
ルや偏光板等の光学素子、構造体、での発熱量が大きく
なる。
【0008】更に、投射型映像表示装置に使われる液晶
パネルでは液晶の応答時間が長い。このため、従来の投
射型映像表示装置のように、液晶パネル、偏光板、光源
ユニット等の光学素子を放熱フィン、あるいは軸流ファ
ン、シロッコファン等により風を流して冷却していた
が、単位面積当たりの発熱量が増加してきたため、効率
が悪くなってきた。
【0009】本発明の目的は小型、高輝度であり、冷却
効率のよい、新規かつ有用な投射型映像表示技術を提供
することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の目的を達成する
ために、第1の発明での光学ユニットは、光を出射する
光源ユニットと、該光源ユニットから出射された光を映
像信号に応じた光学像を形成するライトバルブ手段であ
る映像表示素子と、該光源ユニットから出射された光を
該映像表示素子に照射する照射手段と、前記映像表示素
子から出射した光を投射する投射手段とを有する光学ユ
ニットであって、前記光源ユニットと前記映像表示素子
と前記照射手段と前記投射手段の少なくとも何れか1つ
を支持する支持体を有し、 該支持体と前記光源ユニッ
トと前記映像表示素子と前記照射手段と前記投射手段の
少なくとも一部分を構成している発熱源の少なくとも一
部に、ふく射熱発散膜を密着させた構成とする。
【0011】第2の発明での光学ユニットは、前記ふく
射熱発散膜がセラミック膜である構成とする。
【0012】第3の発明での光学ユニットは、光を出射
する光源ユニットと、該光源ユニットから出射された光
をS偏光光またはP偏光光の一方の偏光光にそろえるた
めの偏光変換手段と、該偏光変換手段からの出射光を映
像信号に応じた光学像を形成するライトバルブ手段であ
る映像表示素子と、該偏光変換手段からの光を該映像表
示素子に照射する照射手段と、前記映像表示素子から出
射した光を投射する投射手段とを有する光学ユニットで
あって、前記光源ユニットと前記偏光変換手段と前記映
像表示素子と前記照射手段と前記投射手段の少なくとも
何れか1つを支持する支持体を有し、該支持体と前記光
源ユニットと前記偏光変換手段と前記映像表示素子と前
記照射手段と前記投射手段の少なくとも一部分を構成し
ている発熱源の少なくとも一部にセラミック膜を密着さ
せた構成とする。
【0013】第4の発明での光学ユニットは、光を出射
する光源ユニットと、該光源ユニットから出射された光
を波長帯域を周期性を持って切り替える光学特性切替素
子と、該光源ユニットの出射光から照射手段を介して、
映像信号に応じた光学像を形成する反射型のマイクロミ
ラー型映像表示素子と、投射手段とを備え、該光学特性
切替素子から順次出射された複数の色の光を該反射型の
マイクロミラー型映像表示素子に入力し、反射光のうち
ON光を該投射レンズに入射する光学ユニットであっ
て、前記光源ユニットと前記光学特性切替素子と前記映
像表示素子と前記照射手段と前記投射手段の少なくとも
何れか1つを支持する支持体を有し、該支持体と前記光
源ユニットと前記光学特性切替素子と前記映像表示素子
と前記照射手段と前記投射手段の少なくとも一部分を構
成している発熱源の少なくとも一部に、セラミック膜を
密着させた構成とする。
【0014】第5の発明での光学ユニットは、光を放射
する光源ユニットと、該光源ユニットから出射された光
をS偏光光またはP偏光光の一方の偏光光にそろえるた
めの偏光変換手段と、該偏光変換手段からの出射光の波
長帯域を電子的に、かつ周期性を持って切り替える光学
特性切替素子と、該光源ユニットの出射光から映像信号
に応じた光学像を形成するライトバルブ手段である映像
表示素子と、複数のレンズから構成された結像光学系
と、前記映像表示素子から出射した光を投射する投射手
段とを備え、該光学特性切替素子から出射された複数の
色の光を該結像光学系を通して該映像表示素子に照射
し、該結像光学系が該光学特性切替素子の像を該映像表
示素子上に結像させ、該映像表示素子から出射された光
を該投射手段に入射するように構成した光学ユニットで
あって、前記光源ユニットと前記偏光変換手段と前記光
学特性切替素子と前記結像光学系と前記映像表示素子と
前記照射手段と前記投射手段の少なくとも何れか1つを
支持する支持体を有し、該支持体と前記光源ユニットと
前記偏光変換手段と前記光学特性切替素子と前記結像光
学系と前記映像表示素子と前記照射手段と前記投射手段
の少なくとも一部分を構成している発熱源の少なくとも
一部にセラミック膜を密着させる構成とする。
【0015】第6の発明での光学ユニットは、光を放射
する光源ユニットと該光源の出射光を映像信号に応じた
光学像が形成されるライトバルブ手段である映像表示素
子とを有し該映像表示素子の上に照射させる作用を有す
る照明手段と、該映像表示素子から出射した光を投射す
る投射手段とで構成され、前記照明手段は、矩形ないし
円形ないし多角形の出射開口を持つ少なくとも1つの反
射鏡を有する光源ユニットと、該出射開口近傍に設けら
れた複数の集光レンズにより構成され、該光源ユニット
から出射した光を集光して、複数の2次光源像を形成す
るための第一のアレイレンズと、複数の集光レンズによ
り構成され、前記複数の2次光源像が形成される近傍に
配置され、映像表示素子に第一のアレイレンズの個々の
レンズ像を結像させる第二のアレイレンズと、前記光源
あるいは前記第一のアレイレンズあるいは前記第二のア
レイレンズからの光をP偏光光とS偏光光とに分離する
偏光ビームスプリッターと、該偏光ビームスプリッター
の出射光であるP偏光光とS偏光光のいずれかの偏光方
向を回転するためのλ/2位相差板と、該P偏光光とS
偏光光のいずれかの偏光光を反射させるための反射部か
ら構成される偏光合成手段とを有し、前記第一のアレイ
レンズと前記第二のアレイレンズの少なくとも何れか一
方のレンズ光軸の縦配列方向あるいは横配列方向のいず
れかのピッチに偏光ビームスプリッターの光軸を適合さ
せて複数個の偏光合成手段を配列し、前記光源と映像表
示素子の間に介在させた光学ユニットにおいて、前記光
源ユニットと前記偏光変換手段と前記映像表示素子と前
記照射手段と前記投射手段の少なくとも一部分を構成し
ている発熱源の少なくとも一部に、セラミック膜を密着
させた構成とする。
【0016】第7の発明での光学ユニットは、前記映像
表示素子を反射型の映像表示素子で構成し、該反射型映
像表示素子に固定あるいは密着している遮光板と、裏面
板と、放熱手段の少なくとも一部に前記セラミック膜を
密着させた構成とする。
【0017】第8の発明での光学ユニットは、前記光源
ユニットは反射鏡を有しており、該反射鏡において、少
なくとも1つ反射鏡の光反射面以外の領域と外面部と冷
却必要部分と、ランプバルブの所定部分の少なくとも一
部に前記セラミック膜を密着させた構成とする。
【0018】第9の発明での光学ユニットは、前記セラ
ミック膜を略黒色または低反射色とした構成とする。
【0019】第10の発明での光学ユニットは、前記セ
ラミック膜の対向位置にふく射熱吸収手段を設けた構成
とする。
【0020】第11の発明での光学ユニットは、前記ふ
く射熱吸収手段を光学ユニットの外装に設ける構成とす
る。
【0021】第12の発明での光学ユニットは、前記セ
ラミック膜の対向位置のふく射熱吸収手段をセラミック
膜とした構成とする。
【0022】第13の発明での光学ユニットは、前記セ
ラミック膜の表面と、ふく射熱吸収手段の少なくとも何
れか一方の面に冷媒が流動するための冷媒流動手段を設
けた構成とする。
【0023】第14の発明での映像表示装置は、前記第
1乃至第13の発明の何れかの光学ユニットと、入力映
像信号に応じて前記映像表示素子を動作させる信号処理
回路とを有する構成とする。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を用いて説明する。
【0025】図1は、本発明の第1の実施の形態を示
す。
【0026】本第1の実施の形態は、電子的に入射光を
色分離する電子的色分離手段として、光透過型のものを
用いた光学エンジンの冷却の必要部分にセラミック膜を
付着させて冷却を行う構成例である。
【0027】図1において、1は光源ユニット、2は複
数の微小な集光レンズより成り複数の2次光源像を形成
する第1のアレイレンズ、3は複数の微小な集光レンズ
より成り該第1のアレイレンズの個々のレンズ像を結像
する第2のアレイレンズ、4は該第2のアレイレンズ側
からの光をP偏光光とS偏光光に分離する偏光ビームス
プリッタ、4aは該偏光ビームスプリッタの出射光であ
るP偏光光とS偏光光のいずれかの偏光方向を回転する
ための1/2波長位相差板、5、6は光を集める第1の
集光レンズとしてのコリメータレンズ、16は反射によ
り光路の方向を変える反射ミラー、8は第2の集光レン
ズとしてのコンデンサレンズ、9aは所定方向の偏光光
を通す第1の偏光板、7は電子的制御で入射光を色分離
する電子的色分離手段、10は偏光ビームスプリッタ、
11は1/4波長位相差板、12は反射型液晶パネルや
マイクロミラー式パネル等の反射型表示素子、13は投
射レンズユニット、9bは第2の偏光板である。上記第
1のアレイレンズ2から偏光ビームスプリッタ10及び
1/4波長位相差板11までの光学系は、上記表示素子
に対する照明光学系を構成する。
【0028】上記構成において、上記光源ユニット1の
光源部19から出た光は、楕円面または方物面または非
球面のリフレクタ1にて反射集光され、上記第1のアレ
イレンズ2で複数の2次光源像を形成した後、上記第2
のアレイレンズ3で該複数の2次光源像を結像し、該結
像光が、偏光ビームスプリッタ4でP偏光光とS偏光光
とに分離され、1/2波長位相差板4aで該P偏光光と
該S偏光光のいずれかが偏光方向を回転され、コリメー
タレンズ5、6で集光されて、反射ミラー16に略45
゜の入射角で入射する。該反射ミラー16では、反射に
より光路方向が変更される。該ミラー16からの反射光
は、コンデンサレンズ8で再び集光されて第1の偏光板
9aに入る。該第1の偏光板9aでは所定の偏光方向の
光のみ透過し、偏光の純度を上げる。ここで、偏光の純
度を上げて、電子的色分離手段7に入射させることによ
り、該電子的色分離手段7からの出射光の色の純度を上
げることができる。該偏光板9aから出た偏光光は、電
子的色分離手段7で電子的な制御(該色分離手段への電
圧印加・非印加)により色毎に偏光を制御される。例え
ば、赤(R)緑(G)青(B)色光の偏光を交互に90
゜回転させ、S偏光光とP偏光光を切換える。第1の偏
光板9aによって所定の偏光方向の光である赤(R)緑
(G)青(B)の光が順次に抽出され、偏光ビームスプ
リッタ10に入る。該偏光ビームスプリッタ10では、
この実施の形態の場合は、入射して来た光を反射して、
外側部に配した1/4波長位相差板11を介し反射型表
示素子12に照射する。該反射型表示素子12は、表示
する画素に対応する(例えば、横1024画素、縦76
8画素など)数の映像表示部が設けてある。そして、外
部より入力される映像信号に基づき駆動回路で駆動さ
れ、上記照射された光を該映像信号に対応して光の偏光
状態を変調し、反射光として再び該偏光ビームスプリッ
タ10内に出射する。光の偏光状態と偏光ビームスプリ
ッタ10の透過及び反射の偏光軸との関係で、投射レン
ズ13側へ出射する光量と光源部19側へ出射する光量
が決まる。このようにして、外部入力映像信号に従った
画像を投影する。反射型表示素子が黒表示を行う場合
に、出射光の偏光状態は入射光と略同一であり、そのま
ま、入射光路にそって、光源側に戻される。該偏光ビー
ムスプリッタからの出射光は、P偏光光である。該第3
の偏光板9bでは、P偏光光のみを透過する構成であ
る。これにより、偏光スクリーンの使用が可能になる。
また、該第3の偏光板9bの偏光度を偏光ビームスプリ
ッタ10より高くすることにより、偏光ビームスプリッ
タからのS偏光光のもれ光をカットでき、スクリーン上
のコントラストを向上できる。該投射レンズユニットか
らの光はスクリーン等に拡大投射されて映像を映し出
す。
【0029】かかる第1の実施の形態構成では、上記の
ように、照明光学系中の光学要素のうちの上記リフレク
タ1、第1のアレイレンズ2、第2アレイレンズ3、偏
光ビームスプリッタ4、偏光板9a、電子的色分離手段
7、第2の偏光板9b、偏光ビームスプリッタ10及び
1/4波長位相差板11と、反射型表示素子12等の光
が通過する有効範囲以外の裏面部や周辺部、あるいは、
これらを保持あるいは支持する構造物に、セラミック膜
等の放熱手段を設ける。このセラミック膜は、液体セラ
ミックや粉末状セラミック等を塗布したり、焼結等によ
り成形可能であるが、本願発明は特に限定するものでは
ない。また、このセラミック膜はセラミックを主成分と
する材料から生成される。これにより、光の照射を受け
て発生した熱が、熱伝導および熱伝達によりセラミック
膜に伝わり、セラミック膜は、表面が荒く、表面積が大
きくなるので、発熱効率が増大し、なおかつ、セラミッ
ク膜なので、遠赤外線等による放熱効果が大きい。すな
わち、遠赤外線を含む熱線は、ふく射により放熱され、
冷却効果を得ることが可能となる。よって、発熱源の中
で放熱を考えている部分に簡単に塗布すれば、冷却効率
が向上し、同時に集光する光束量も増大できるので、よ
り明るい映像表示装置ガ実現できる。また、その部分を
軸流ファンやシロッコファンを使って単に冷却を行うよ
りも、セラミック膜を塗布してファンで冷却する方が、
さらなる冷却効率向上が可能で、しかもファンの能力を
下げることも可能で、低価格、低騒音、低消費電力、小
型の軸流ファンやシロッコファンが選択できるので、セ
ット全体で同様の効果が可能である。
【0030】当然ながら、発熱源に設けられている金属
板、ヒートシンク等の金属やガラス等からなる放熱用部
品に塗布しても、放熱効果が増大する。
【0031】図2は、本発明による第2番目の投写型液
晶表示装置の一実施形態を示す、光学系構成図である。
【0032】図2において、投射型液晶表示装置には、
光源1があり、光源1は、超高圧水銀ランプ、メタルハ
ライドランプ、キセノンランプ、水銀キセノンランプ、
ハロゲンランプ等の白色ランプである。光源1は、円形
ないし多角形の出射開口を持つ少なくとも1つの反射面
鏡5と、この光源1から出される光はライトバルブ素子
である液晶表示素子2を通過して投射レンズ3に向か
い、スクリーン4へ投影される。
【0033】光源19の電球から放射される光は楕円面
または放物面または非球面のリフレクタ1にて集光さ
れ、第一のアレイレンズ2に入射する。光は第一のアレ
イレンズ2を通過後、第二のアレイレンズ3を通過し、
この出射光は第二のアレイレンズ3の各々のレンズ光軸
の横方向のピッチに適合するように配置された各々のレ
ンズ幅の略1/2サイズの菱形プリズムの列へ入射す
る。このプリズム面には偏光ビームスプリッター4の膜
付けが施されており、この入射光は偏光ビームスプリッ
ター4により透過光はP偏光光、反射光はS偏光光に分
離され、該P偏光光は偏光ビームスプリッター4の出射
側面に配置されたλ/2位相差板4aにより偏光方向が
90°回転し、S偏光光となり、コンデンサレンズ5に
入射する。また、前記S偏光光は反射を繰り返し、隣接
する偏光ビームスプリター4の出射面から出射され、コ
ンデンサレンズ5に入射する。コンデンサレンズ5、6
は、少なくとも1枚以上の構成であり、正の屈折力を有
し、このS偏光光をさらに集光させる作用を持ち、この
コンデンサレンズ5、6を通過した光は透過型表示素
子、例えば液晶表示素子12を照射する。液晶表示素子
12の入射側にはS偏光光を透過する入射偏光板9aを
配置する。従来の投射型液晶表示装置では入射偏光板9
aと液晶表示素子12と出射側偏光板9bの組合せによ
り、一方向の偏光光しか透過しないため透過光量が約半
分になっていた。しかし、本実施の形態では偏光ビーム
スプリッター4を用いるため、光源19から出射するラ
ンダムな偏光光の偏光方向を揃えて液晶表示素子12に
入射するため、理想的には従来の投射型液晶表示装置の
2倍の明るさが得られる。
【0034】この液晶表示素子12を通過した光は、例
えばズームレンズであるような投射手段13を通過し、
スクリーンに到達する。前記投射手段13により、液晶
表示素子12に形成された画像は、スクリーン上に拡大
投影され表示装置として機能するものである。
【0035】図2の実施の形態は、液晶ライトバルブと
して透過型液晶表示素子12をいわゆる色の3原色のR
(赤色)、G(緑色)、B(青色)の3色に対応して合
計3枚用いた3板式投射型表示装置を示している。本実
施の形態において、偏光ビームスプリッター4の出射光
は、全反射ミラー17aによりその光路を90°折り曲
げられ、光軸に対して45°の角度に配置されたB(青
色),G(緑色)反射ダイクロイックミラー16によ
り、R(赤色)の光は透過し、B,Gの光は反射する。
透過したR光線は、R用全反射ミラー17によりその光
路を90°折り曲げられて、液晶表示素子前コンデンサ
レンズ8及び入射偏光板9を通過し、対向電極、液晶等
で構成された液晶表示素子12に入射され、液晶表示素
子12の光の出射側に設けられた出射偏光板11を通過
する。
【0036】液晶表示素子12には、表示する画素に対
応する(例えば横800画素縦600画素各3色など)
数の液晶表示部が設けてある。そして、外部より駆動さ
れる信号に従って、液晶表示素子12の各画素の偏光角
度が変わり、最終的に出射偏光板11の偏光方向と一致
する方向になった光が出射され、直交方向になった光が
出射偏光板11で吸収される。この途中の角度の偏光を
持った光は、出射偏光板11の偏光角度との関係で偏光
板を通る光の量と偏光板に吸収される量とが決まる。こ
のようにして、外部より入力する信号に従った画像を投
影する。
【0037】出射偏光板11を出射したR光線は、R光
線を反射させる作用を有するダイクロイックプリズム2
7にて反射され、例えばズームレンズのような投射手段
13に入射し、スクリーンに投射される。
【0038】一方、B,G反射ダイクロイックミラー1
6を透過したB光線とG光線は、G反射ダイクロイック
ミラー20に入射し、このミラーによりG光線は反射
し、液晶表示素子前コンデンサレンズ8及び入射偏光板
9を通過し、液晶表示素子12に入射し、液晶表示素子
12の光の出射側に設けられた出射偏光板11を通過す
る。出射偏光板11を出射したG光線は、G光線を透過
する作用を有するダイクロイックプリズム27を透過
し、投射レンズ13に入射し、スクリーンに投射され
る。
【0039】また、G反射ダイクロイックミラー20を
透過したB光線は、リレーレンズ21を透過し、全反射
ミラー22によりその光路を90°折り曲げられてリレ
ーレンズ21を透過後、全反射ミラー23によりその光
路を90°折り曲げられて液晶表示素子前コンデンサレ
ンズ8及び入射偏光板9を通過し、液晶表示素子12に
入射され、液晶表示素子12の光の出射側に設けられた
出射偏光板11を通過する。出射偏光板11を出射した
B光線は、B光線を反射させる作用を有するダイクロイ
ックプリズム27にて反射後、投射レンズ13に入射
し、スクリーンに投射される。
【0040】以上より、R,G,Bそれぞれに対応した
光線が色分離手段及び色合成手段により分離、合成さ
れ、投射レンズ13によりR,G,Bそれぞれに対応し
た液晶表示素子12上の画像を拡大し、スクリーン上に
各色の画像を合成し拡大した実像を得るものである。同
図において、電源回路24、映像信号回路25のように
配置し、また、吹き出しファン26により光源19で発
生する熱を外部に導く作用を有する。また、本実施の形
態では偏光合成手段によりランダムな光源からの出射光
を一方向に揃えるため、入射偏光板の熱の発生が少なく
なる。但し、まだ十分とはいえず、上記偏光板9、1
1、液晶表示素子12等の光による発熱体の光通過の有
効面以外にセラミック膜を施すと、例えば、偏光板9の
周囲のガラス部分あるいは偏光板付ガラス板を保持する
構造体、すなわち偏光板調整構造体等や、液晶表示素子
12の入射側の遮光板あるいは開口部を除く本体周辺あ
るいはそれを固定支持している構造体等、にセラミック
膜を塗布することにより、遠赤外線にる放熱効果の増大
と、表面積の増加による放熱効果の増大の両方を可能と
する。また、リフレクタ1、各種レンズ群、反射ミラー
の光の通過または反射する有効範囲以外の部分の少なく
とも一部分にセラミック膜を塗布し、さらにこれらの光
学素子から熱が伝わる構造体にもセラミック膜を塗布し
て冷却効率を向上できる。もちろん、反射ミラー17、
22、23やリフレクタ19の裏面等に塗布する場合
は、できるだけ均一に塗布すると、熱ムラが少なくな
り、安定した光学性能を保持できる。あるいは、放熱方
向や、放熱によるリフレクタ19内部の熱気流のながれ
をコントロールする場合は、あえて、設計値に従って、
塗布する部分と塗布しない部分を設けたりして、塗布す
る部品と塗布しない部品も生じる場合がある。リフレク
タ1を保持しているランプハウス29あるいはランプハ
ウス29を構成する遮光板等のリフレクタ側面にセラミ
ック膜40を施しし、冷却ファン26によりランプハウ
スを冷却すると、冷却効率がさらに向上する。これは、
リフレクタ1からの熱線が、ランプハウス29側のセラ
ミック膜で効率良く吸収され、光源19からの放熱を完
結させるので、リフレクタ1からの遠赤外線を積極的に
ランプハウス29が吸収し、冷却ファン26が、ランプ
ハウスを強制冷却するので、冷却効率がさらに向上する
ものである。さらにIR透過ミラー17aの裏面、ある
いは裏面側に対向して配置された透過して捨てるIR光
を受ける構造体28、にセラミック膜40を塗布する
と、IR透過ミラー17aからのIR光の吸収を効率良
く行える。また、この構造体28を金属板などにしてI
R光が入射する部分にセラミック膜40を塗布し、この
裏面側に同様のセラミック膜40を施して冷却効率を向
上する場合もあり、また、この裏面側は金属のままとし
て、冷却ファンからの冷却空気を流し、空冷することに
より、あるいは、両方の方式を組み合わせることによ
り、冷却効率を格段に向上することが可能となる。
【0041】また、電源回路24及び映像信号回路25
を同図に示すように配置し、この回路の発熱部分、すな
わちコンデンサやICチップ、電源回路のヒートシンク
を必要とする部分、トランス、あるいは回路を保護して
いるカバー、金属膜、EMI等ノイズ対策金属板等にセ
ラミック膜40を施すことにより、回路および装置全体
の冷却効率を向上でき、かつヒートシンクを無くしたり
または小型化できるので、回路部分および装置全体を小
型化することができる。もちろんEMI対策シールド板
等は、穴が空いている場合があり、ランプ光源19から
発生する熱線を受けるのに近い部分に配置すると、逆に
熱を吸収することが可能なので、ランプ光源19の放熱
手段としても有効に使える。この時、冷却ファン26に
より金属板等を冷却してやる、さらに高効率の冷却が可
能となる。
【0042】したがって、投射型液晶表示装置では、冷
却効率が向上できるので、装置全体の小型化と、さらに
ハイパワーの光源が利用可能であるので、明るさ等の性
能向上を同時に実現することができる。
【0043】図3は本発明による投射型映像表示装置用
光学エンジンの第3の実施の形態を示す模式図である。
図において、図1と同じ構成要素については同じ符号を
付し、その説明を省略する。
【0044】図1の実施の形態では、電子的光学特性切
替素子を使用したが本実施の形態ではカラーホイール等
の回転方式の光学特性切替素子7aが使用される。光源
ユニット1,19から出射された光は、楕円鏡1あるい
は集光レンズにより、光学特性切替素子7aに集光され
る。光学特性切替素子7aでは、カラーホイールあるい
は回転プリズム等で代表され、時系列的にR、G、B光
やR、G、B、W(ホワイト)光等の色分離を行ってい
る。光学特性切替素子7aでの時系列的な色光は、ガラ
ス棒状のライトパイプ20、あるいはミラー構成のライ
トファネルに入射する。もちろん集光光を広げてテレセ
ントリック光学系に光を戻し、第一マルチレンズおよび
第二マルチレンズを通過させても良く、映像表示素子1
2上にて光分布がより略均一分布になれば、どの方式を
利用してもよい。該光学特性切替素子7aから順次出射
された複数の色の光を該反射型の映像表示素子12、例
えばマイクロミラー型映像表示素子あるいは反射型液晶
表示素子、に入力し、反射光のうちON光を該投射レン
ズ13に入射し、OFF光を投射レンズ13に入射しな
いように設計する。この時、前記光源ユニット、照射手
段、映像表示素子、投射手段、および構造体の少なくと
も一部分を構成している発熱体、熱源あるいはエネルギ
の熱変換体の少なくとも一箇所にセラミック膜を密着さ
せた構成とする。具体的には、前記カラーホイールの騒
音防止のためのカバー部18に付着させ、さらにヒート
シンクを設けて、このヒートシンクにセラミック膜40
を付着させる等して、冷却効率を向上させても良い。さ
らには、反射型映像表示素子12の裏面あるいは裏面に
熱が伝わるように設けたヒートシンク35にセラミック
膜40を付着させることにより、放熱効率が向上するの
で、現在対角寸法が1.3“サイズから0.7”サイズ
である映像表示素子12を0.5“あるいは0.3”サ
イズへと、より小型化の映像表示素子が利用でき、さら
にハイパワーの光源を利用できるので、明るさ向上と装
置全体の小型化を同時に達成できる。
【0045】他にも光源であるランプ官球の不要光出射
部、リフレクタ開口部に近い部分のランプ自体の先端部
のガラス柱から出た電極ワイヤの接点部やガラス部分、
リフレクタ1、ライトパイプ20等や、これらの光学素
子を支持固定している構造体、例えばライトパイプ20
を保持する構造体30にもセラミック膜orセラミック
ス膜を塗布し、従来より効率良く放熱することが可能で
ある。
【0046】また、OFF反射光が、例えば全反射プリ
ズム14から投射レンズ13の開口部以外に出射し、迷
光とならないように、遮光板15等にて受光するか、構
造ケース等で受けるなどして、実施しているが、この遮
光板15も光エネルギーが熱に変換され、熱が発生する
ので、受光部分の反対側にセラミック膜40などの放熱
部材を塗布、または吸着、または固定、または接着し
て、光の放熱効率、冷却効率を向上させる。以上のよう
に、本発明では、相当部分の冷却性能向上が可能であ
り、間接的効果としてはセット全体の小型化、高輝度も
同時に達成できる。
【0047】図4は本発明による投射型映像表示装置に
おける透過型パネルに具体的に適用した実施の形態を示
す模式図である。図4(a1)において、光の入射側に
遮光板45を取付け、当然ながら遮光板45は、迷光や
乱反射を防ぐために黒色にしてあるので、熱を吸収しや
すい。したがって、図4(a2)の本発明のようにセラ
ミック膜40を施せば、放熱効率が向上し、かつ遮光板
45および映像表示素子12自体の冷却も可能となる。
このとき入射面に偏光板や1/2λ板が設置されている
場合は、映像表示装置12の側面方向の遮光板や映像表
示素子12自体の周辺面にセラミック膜40を塗布し熱
線の放熱がおこなえるように工夫しても良い。
【0048】当然ながら、映像表示素子12自体にセラ
ミック膜40を塗布して、遮光及び冷却を同時に行うよ
うにしても良い。遮光に関しては、光の通過エリアを除
いてセラミック膜40を施せば可能であり、この時、セ
ラミック膜40の材料を黒く、あるいは低反射色にした
り、または黒色膜を施して、遮光効果を強化しても良
い、当然、光から吸収した熱線は光の当たらない外周部
に伝わり、再び放熱され冷却が進行していく。 本実施
の形態において、図4(b1)は偏光板9や1/2λ板
11あるいは1/4λ板等の位相差板や特定波長偏光回
転素子、金属蒸着偏光板、蒸着板、ミラー等を示してお
り、特に偏光板や位相差板11の場合を図(b1)に示
す。11aは位相差板の本体であり、白板ガラス、青板
ガラス等の光学ガラスやサファイヤガラス等のガラス基
板上に貼り合せてある。この時、図4(b2)に示すよ
うに、光通過の有効範囲を除いて、外側にセラミック膜
40を施せば、冷却効率が格段に向上する。さらに、冷
却条件、例えば冷却ファンからの冷却風の流れに従い、
塗布する場所を調整すると冷却風の上流から下流に対す
る温度分布からくる冷却ムラを略均一にでき、偏光板や
位相差板11aあるいはガラス基板の熱による膨張ある
いは収縮率を制御でき、光の通過する中心と通過しない
外周部、あるいはコーナ部分に発生する位相差ズレや複
屈折を低減できる。
【0049】図5は本発明による投射型映像表示装置に
おける反射型パネルに具体的に適用した実施の形態を示
す模式図である。図5(a)に従来の冷却を示す。図に
おいて、反射液晶パネルの場合は、光は入射側に存在す
る1/4λ板11を通過し、反射型映像表示素子12に
入射する。この入射光は反射型映像表示素子12により
ON光とOFF光で偏光方向が回転させられ、反射し出
射する。この映像表示素子12の裏面は、放熱用に金属
板が設けられていたり、図のように放熱フィン35が固
定されている。この放熱フィンは、冷却ファンにより直
にあるいは流路を介して導かれる冷却風36により冷却
され、映像表示素子12上に発生した熱を放熱する構成
であった。マイクロミラー式反射型映像表示素子の場合
は、光の入射側に位相差板11が存在しないのみで、冷
却構成は概略同じである。
【0050】図5(b)は、本発明のセラミック膜40
を映像表示素子12の裏面に塗布した構成であり、非常
に簡単な構成であるが高い冷却効率を得ることが可能と
なる。
【0051】セラミック膜40から放熱される遠赤外線
は、空気と熱交換を行い、冷却風36により、さらに冷
却効率が向上する。構成が簡単なので、低コスト、小型
化には最適である。
【0052】図5(c)は、図5(b)のセラミック膜
40の対向側に、金属板やセラミック板などの熱線吸材
を設けた発明である。したがって、セラミック膜40か
ら発っせられる遠赤外線は、対向側の熱線吸収材37を
熱し、これに吸収され、熱線吸収材37の温度が上昇す
る。この時、冷却風36でこの熱線吸収材37を冷却し
て、映像表示素子12の発熱を放熱していく構成であ
る。
【0053】これにより、図5(b)よりも高効率で高
速な冷却システムとなる。当然ながら、熱線吸収材37
の映像表示素子12側にはセラミック膜40を塗布する
と、さらに遠赤外線の吸収効率が向上し、全体構成の冷
却効率がさらに高効率となる。
【0054】当然ながら、冷却風36は、映像表示素子
12の表面、裏面および熱線吸収材37の全てを冷却し
ても良く、また、各部品に対し、この風の当てる割合を
調整して、温度管理や温度分布を調整することが可能で
ある。これにより、温度ムラの少ない、また温度勾配の
無理のない最適冷却設計が可能となり、冷却効率向上で
きる。当然ながら、セラミック膜40や熱線吸収材37
の色は黒色が望ましく、迷光の散乱を防ぐことが可能で
ある。
【0055】図5(d)は、放熱フィン35の少なくと
も一部にもセラミック膜40を施しており、映像表示素
子12からの放熱が、図5(a)よりも高効率に行え、
かつ熱線吸収材37の映像表示素子12側にはセラミッ
ク膜40を塗布しているので、さらに遠赤外線の吸収効
率が向上し、冷却効率がさらに高効率となる。
【0056】この時、冷却風36でこの熱線吸収材37
を冷却して、映像表示素子12の発熱を放熱していく構
成である。
【0057】以上より、本発明は、従来の代替えとして
の低コストな冷却から、高効率の冷却までを可能とし、
映像表示素子12の幅広い冷却ニーズに対応可能であ
る。
【0058】図6は本発明による投射型映像表示装置に
おける光源の冷却方法に具体的に適用した実施の形態を
示す模式図である。図6(a)に示すように、リフレク
タ1の反射する有効範囲以外の部分の少なくとも一部分
にセラミック膜を塗布し、さらにリフレクタ1から熱が
伝わる構造体にもセラミック膜を塗布して冷却効率を向
上できる。もちろん、リフレクタ19の裏面等に塗布す
る場合は、できるだけ均一に塗布すると、熱ムラが少な
くなり、安定した光学性能を保持できる。あるいは、放
熱方向や、放熱によるリフレクタ1内部の熱気流のなが
れをコントロールする場合は、あえて、設計値に従っ
て、塗布する部分と塗布しない部分を設けたりして、塗
布する部品と塗布しない部品も生じる場合がある。
【0059】図6(b)に本発明のさらに冷却効率向上
の発明を示す。リフレクタ1を保持しているランプハウ
スあるいはランプハウスを構成する遮光板41等のリフ
レクタ側面にセラミック膜40を施し、冷却ファン26
によりランプハウスを冷却すると、冷却効率がさらに向
上する。これは、リフレクタ1からの熱線が、ランプハ
ウスの遮光板41側のセラミック膜40で効率良く吸収
され、光源19からの放熱を行うので、リフレクタ1か
らの遠赤外線を積極的にランプハウスの遮光板41が吸
収し、冷却ファン26が、ランプハウスごと遮光板41
を強制冷却するので、冷却効率がさらに向上するもので
ある。もちろん、遮光板41はランプハウスであっても
よく、あるいは単純な放熱板であっても良い。
【0060】図6(c)は、図6(b)の構成に加え、
本発明をダブルリフレクタ42にも適用した例を示して
いる。このダブルリフレクタ42は球面リフレクタであ
る場合が多く、従来のリフレクタ1では補足しきれてい
ない出射光を、ダブルリフレクタ42で補足し、もう一
度リフレクタ1に戻して使える光にするための構成であ
り、金属、ガラス、セラミック、樹脂等の材質に反射膜
蒸着等を施した構成である。この場合、ダブルリフレク
タ42の裏面にもセラミック膜40を塗布し、放熱効率
を向上させ、熱による変形歪みを抑え、光利用効率を安
定化させ、かつ冷却も高効率で行える。この時、冷却フ
ァン26は遮光板41とダブルリフレクタ42を同時に
冷却する構成をとり、遮光板41はリフレクタ1の面側
にセラミック膜40を塗布して、遠赤外線の吸収を高効
率で行い、冷却効率を増大させても良い。リフレクタ1
から発生する熱線を受けるのに近い部分に遮光板41に
塗布したセラミック膜40を配置すると、逆に熱を吸収
することが可能なので、リフレクタ1の放熱手段として
も有効に使える。この時、冷却ファン26により遮光板
41の金属板等を冷却してやる、さらに高効率の冷却が
可能となる。
【0061】もちろん、遮光板41は、ダブルリフレク
タ42の外周にも設けて、熱線の吸収を行うことも可能
である。遮光板41は、単純な熱線吸収板であっても良
いし、これが、ランプハウスであっても良い。これによ
り、従来よりも効率良く放熱することを可能としてい
る。
【0062】図6(d)は、本発明を小型のリフレクタ
に適用した実施の形態である。
【0063】光源であるランプ官球の不要光出射部、あ
るいはリフレクタ1の有効エリア以外の面、例えば平面
部を有するコンパクトリフレクタの平面部や裏面(外側
面)、リフレクタ開口部に近い部分のランプ自体の先端
部のガラス柱から出た電極ワイヤの接点部19やガラス
部分、リフレクタ1の頂点付近のランプ官球に近い部分
の外側面等やにもセラミック膜40を塗布し、従来より
効率良く放熱することが可能としている。
【0064】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、低
コスト、コンパクトで、冷却効率のよい投射型映像表示
装置が得られる。また、光の利用効率がよい映像表示装
置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による投射型映像表示装置用光学エンジ
ンの第1の実施の形態を示す模式図である。
【図2】本発明による投射型映像表示装置用光学エンジ
ンの第2の実施の形態を示す模式図である。
【図3】本発明による投射型映像表示装置用光学エンジ
ンの第3の実施の形態を示す模式図である。
【図4】本発明による投射型映像表示装置用の光学素子
に適用した第4の実施の形態を示す模式図である。
【図5】本発明による投射型映像表示装置用の映像表示
素子に適用した第5の実施の形態を示す模式図である。
【図6】本発明による投射型映像表示装置用の光源ユニ
ットに適用した第6の実施の形態を示す模式図である。
【符号の説明】
1…リフレクタ、2…第1のレンズアレイ、3…第2の
レンズアレイ、4…偏光ビームスプリッタ、4a…λ/
2位相差板、5…集光レンズ、6…集光レンズ、7、7
a…時分割光学特性切替素子(光学特性切替素子)、8
…コンデンサレンズ、9a、9b…偏光板、10…偏光
ビームスプリッタ(PBS)、11…λ/4位相差板、
12…映像表示素子、13…投射レンズ、14…全反射
プリズム、15…遮光板、16…反射ミラー、17…遮
光板、18…カラーホイールカバー、19…光源、20
…ライトバルブ、21…リレーレンズ、26…冷却ファ
ン、28…IR透過ミラー、29…ランプハウス、35
…ヒートシンク、36…冷却風、37…熱線吸収板、4
0…セラミック膜、41…遮光板、42…ダブルリフレ
クタ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H04N 5/74 H04N 5/74 Z Fターム(参考) 2H088 EA13 EA14 EA15 HA05 HA28 MA20 2H091 FA01Z FA08Z FA41Z FD01 FD11 LA04 5C058 BA05 BA23 BA35 EA21 EA26 EA52 5G435 AA00 AA12 AA18 BB12 BB17 CC12 DD02 DD04 FF03 FF05 FF13 GG01 GG02 GG03 GG08 GG28 GG44

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光を出射する光源ユニットと、該光源ユニ
    ットから出射された光を映像信号に応じた光学像を形成
    するライトバルブ手段である映像表示素子と、該光源ユ
    ニットから出射された光を該映像表示素子に照射する照
    射手段と、前記映像表示素子から出射した光を投射する
    投射手段とを有する光学ユニットであって、 前記光源ユニットと前記映像表示素子と前記照射手段と
    前記投射手段の少なくとも何れか1つを支持する支持体
    を有し、 該支持体と前記光源ユニットと前記映像表示素子と前記
    照射手段と前記投射手段の少なくとも一部分を構成して
    いる発熱源の少なくとも一部に、ふく射熱発散膜を密着
    させるように構成したことを特徴とする光学ユニット。
  2. 【請求項2】光を出射する光源ユニットと、該光源ユニ
    ットから出射された光を映像信号に応じた光学像を形成
    するライトバルブ手段である映像表示素子と、該光源ユ
    ニットから出射された光を該映像表示素子に照射する照
    射手段と、前記映像表示素子から出射した光を投射する
    投射手段とを有する光学ユニットであって、 前記光源ユニットと前記映像表示素子と前記照射手段と
    前記投射手段の少なくとも何れか1つを支持する支持体
    を有し、 該支持体と前記光源ユニットと前記映像表示素子と前記
    照射手段と前記投射手段の少なくとも一部分を構成して
    いる発熱源の少なくとも一部に、セラミック膜を密着さ
    せるように構成したことを特徴とする光学ユニット。
  3. 【請求項3】光を出射する光源ユニットと、該光源ユニ
    ットから出射された光をS偏光光またはP偏光光の一方
    の偏光光にそろえるための偏光変換手段と、該偏光変換
    手段からの出射光を映像信号に応じた光学像を形成する
    ライトバルブ手段である映像表示素子と、該偏光変換手
    段からの光を該映像表示素子に照射する照射手段と、前
    記映像表示素子から出射した光を投射する投射手段とを
    有する光学ユニットであって、 前記光源ユニットと前記偏光変換手段と前記映像表示素
    子と前記照射手段と前記投射手段の少なくとも何れか1
    つを支持する支持体を有し、 該支持体と前記光源ユニットと前記偏光変換手段と前記
    映像表示素子と前記照射手段と前記投射手段の少なくと
    も一部分を構成している発熱源の少なくとも一部に、セ
    ラミック膜を密着させるように構成したことを特徴とす
    る光学ユニット。
  4. 【請求項4】光を出射する光源ユニットと、該光源ユニ
    ットから出射された光を波長帯域を周期性を持って切り
    替える光学特性切替素子と、該光源ユニットの出射光か
    ら照射手段を介して、映像信号に応じた光学像を形成す
    る反射型のマイクロミラー型映像表示素子と、投射手段
    とを備え、該光学特性切替素子から順次出射された複数
    の色の光を該反射型のマイクロミラー型映像表示素子に
    入力し、反射光のうちON光を該投射レンズに入射する
    光学ユニットであって、 前記光源ユニットと前記光学特性切替素子と前記映像表
    示素子と前記照射手段と前記投射手段の少なくとも何れ
    か1つを支持する支持体を有し、 該支持体と前記光源ユニットと前記光学特性切替素子と
    前記映像表示素子と前記照射手段と前記投射手段の少な
    くとも一部分を構成している発熱源の少なくとも一部
    に、セラミック膜を密着させるように構成したことを特
    徴とする光学ユニット。
  5. 【請求項5】光を放射する光源ユニットと、該光源ユニ
    ットから出射された光をS偏光光またはP偏光光の一方
    の偏光光にそろえるための偏光変換手段と、該偏光変換
    手段からの出射光の波長帯域を電子的に、かつ周期性を
    持って切り替える光学特性切替素子と、該光源ユニット
    の出射光から映像信号に応じた光学像を形成するライト
    バルブ手段である映像表示素子と、複数のレンズから構
    成された結像光学系と、前記映像表示素子から出射した
    光を投射する投射手段とを備え、該光学特性切替素子か
    ら出射された複数の色の光を該結像光学系を通して該映
    像表示素子に照射し、該結像光学系が該光学特性切替素
    子の像を該映像表示素子上に結像させ、該映像表示素子
    から出射された光を該投射手段に入射するように構成し
    た光学ユニットであって、 前記光源ユニットと前記偏光変換手段と前記光学特性切
    替素子と前記結像光学系と前記映像表示素子と前記照射
    手段と前記投射手段の少なくとも何れか1つを支持する
    支持体を有し、 該支持体と前記光源ユニットと前記偏光変換手段と前記
    光学特性切替素子と前記結像光学系と前記映像表示素子
    と前記照射手段と前記投射手段の少なくとも一部分を構
    成している発熱源の少なくとも一部に、セラミック膜を
    密着させるように構成したことを特徴とする光学ユニッ
    ト。
  6. 【請求項6】光を放射する光源ユニットと該光源の出射
    光を映像信号に応じた光学像が形成されるライトバルブ
    手段である映像表示素子とを有し該映像表示素子の上に
    照射させる作用を有する照明手段と、該映像表示素子か
    ら出射した光を投射する投射手段とで構成され、 前記照明手段は、矩形ないし円形ないし多角形の出射開
    口を持つ少なくとも1つの反射鏡を有する光源ユニット
    と、該出射開口近傍に設けられた複数の集光レンズによ
    り構成され、該光源ユニットから出射した光を集光し
    て、複数の2次光源像を形成するための第一のアレイレ
    ンズと、複数の集光レンズにより構成され、前記複数の
    2次光源像が形成される近傍に配置され、映像表示素子
    に第一のアレイレンズの個々のレンズ像を結像させる第
    二のアレイレンズと、前記光源あるいは前記第一のアレ
    イレンズあるいは前記第二のアレイレンズからの光をP
    偏光光とS偏光光とに分離する偏光ビームスプリッター
    と、該偏光ビームスプリッターの出射光であるP偏光光
    とS偏光光のいずれかの偏光方向を回転するためのλ/
    2位相差板と、該P偏光光とS偏光光のいずれかの偏光
    光を反射させるための反射部から構成される偏光合成手
    段とを有し、 前記第一のアレイレンズと前記第二のアレイレンズの少
    なくとも何れか一方のレンズ光軸の縦配列方向あるいは
    横配列方向のいずれかのピッチに偏光ビームスプリッタ
    ーの光軸を適合させて複数個の偏光合成手段を配列し、
    前記光源と映像表示素子の間に介在させた光学ユニット
    において、 前記光源ユニットと前記偏光変換手段と前記映像表示素
    子と前記照射手段と前記投射手段の少なくとも一部分を
    構成している発熱源の少なくとも一部に、セラミック膜
    を密着させるように構成したことを特徴とする光学ユニ
    ット。
  7. 【請求項7】前記映像表示素子を反射型の映像表示素子
    で構成し、 該反射型映像表示素子に固定あるいは密着している遮光
    板と、裏面板と、放熱手段の少なくとも一部に前記セラ
    ミック膜を密着させたことを特徴とする請求項2乃至請
    求項6の何れかに記載の光学ユニット。
  8. 【請求項8】前記光源ユニットは反射鏡を有しており、
    該反射鏡において、少なくとも1つ反射鏡の光反射面以
    外の領域と外面部と冷却必要部分と、ランプバルブの所
    定部分の少なくとも一部に前記セラミック膜を密着させ
    たことを特徴とする請求項2乃至請求項7の何れかに記
    載の光学ユニット。
  9. 【請求項9】前記セラミック膜を略黒色または低反射色
    としたことを特徴とする請求項2乃至請求項8の何れか
    に記載の光学ユニット。
  10. 【請求項10】前記セラミック膜の対向位置にふく射熱
    吸収手段を設けたことを特徴とする請求項2乃至請求項
    9の何れかに記載の光学ユニット。
  11. 【請求項11】前記ふく射熱吸収手段を光学ユニットの
    外装に設けることを特徴とする請求項10に記載の光学
    ユニット。
  12. 【請求項12】前記セラミック膜の対向位置のふく射熱
    吸収手段をセラミック膜で構成したことを特徴とする請
    求項10乃至請求項11の何れかに記載の光学ユニッ
    ト。
  13. 【請求項13】前記セラミック膜の表面と、ふく射熱吸
    収手段の少なくとも何れか一方の面に冷媒が流動するた
    めの冷媒流動手段を設けたことを特徴とする請求項2乃
    至請求項12の何れかに記載の光学ユニット。
  14. 【請求項14】請求項1乃至請求項13の何れかに記載
    の光学ユニットと、 入力映像信号に応じて、前記映像表示素子を動作させる
    信号処理回路とを有することを特徴とする映像表示装
    置。
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