JP2002185230A - 車両用のガラスアンテナ - Google Patents

車両用のガラスアンテナ

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JP2002185230A JP2000378417A JP2000378417A JP2002185230A JP 2002185230 A JP2002185230 A JP 2002185230A JP 2000378417 A JP2000378417 A JP 2000378417A JP 2000378417 A JP2000378417 A JP 2000378417A JP 2002185230 A JP2002185230 A JP 2002185230A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】自動車等の開閉自在な後部ドアや、非導電性の
樹脂製のハッチバックドアの窓に設けるガラスアンテナ
であって、該アンテナに接続する同軸ケーブルのアース
を給電点から離れたボディ本体部に接地せざるを得ない
場合であっても、FM、またはTV放送波を良好に受信
する。 【解決手段】開閉自在な車両用後部ドアの窓ガラスに設
ける非接地型平衡アンテナであって、窓ガラスの上部ま
たは下部隅部に設けた第1の給電点に接続し、少なくと
も1つの水平線条を有する第1のエレメントと、第1の
給電点の近傍に設けた第2の給電点に接続し、少なくと
も1つの水平線条を有する第2のエレメントを配設し、
各エレメントの各給電点位置近傍から延びる水平線条部
分を容量結合させ、かつ第2のエレメントの長さをλ/
4(λ:波長)以下とし、該第1のエレメント、第2の
エレメントをそれぞれ不平衡の同軸ケーブルの内部導
線、外部導線に接続した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車などの後部
窓ガラス、特に開閉自在な後部ドアの窓ガラスの加熱線
条の上部または下部の余白部に設けるFMラジオ放送
波、TV放送波などを受信する場合に好適なガラスアン
テナに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、車両用のガラスアンテナとして
は、前部窓ガラスに設けると運転者等の視界の邪魔にな
るので、後部窓ガラスに設けたアンテナが一般的に採用
されている。
【0003】また、車両等の後部窓ガラスには防曇用加
熱線条を設けることが多く、FMラジオ放送波用のガラ
スアンテナ、TV放送波用のアンテナを後部窓ガラスに
設ける場合は加熱線条の上部余白部や下部余白部に設け
ざるを得ない。
【0004】例えば、特開平4−35506号公報に
は、車両用後部窓ガラスの防曇用加熱線条の上部余白部
に配設されるT字形状のエレメントと、T字形状のエレ
メントの垂直部の一方に導電線条を介して接続され、平
行2線の少なくとも一端部近傍を閉じたインピーダンス
調整用エレメントと、垂直部の他方に接続される少なく
とも1本の水平エレメントを具備する第1のエレメント
と、インピーダンス調整用のエレメントの上方あるいは
インピーダンス調整用と最上部の加熱線条の間に配設さ
れる少なくとも水平エレメントを具備する第2のアンテ
ナを設けるとともに、インピーダンス調整用の平行2線
に導電線条により接続される第1の給電点を該インピー
ダンス調整用エレメントの側方部に、第2の給電点を第
2のアンテナの側方端部近傍に設け、それぞれ同軸ケー
ブルの内部導線と外部導線に接続するようにした車両用
のガラスアンテナが公開されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記特
開平4−35506号公報、その他公報に記載された多
くのガラスアンテナは、車両の開閉しない後部窓に設け
られたものであり、それぞれ優れた性能を有するもので
あるが、特にハッチバック等の開閉自在なドアの窓ガラ
スにガラスアンテナを設けるような場合においては、該
ドアを開閉させる必要があるために、ボディ本体のアー
スがハッチバックドア部に及ばないことがあり、ハッチ
バックのドア部のアースが確実にとれていないこともあ
り、あるいは、後部ドアが金属製では無く、非導電性の
樹脂製によって作られているような場合についても、ア
ースがとれない。
【0006】このため、アンテナフィーダのアースをガ
ラスアンテナ近傍であるハッチバック部に設けたような
場合や、樹脂製のハッチバックドアの場合は、アンテナ
の受信性能や、耐ノイズ性能を充分発揮することができ
なかった。
【0007】また、このような場合に、安定した受信性
能や耐ノイズ性能を向上させるために、アンテナフィー
ダのアースをアンテナから離れていてもボディ本体と導
通しているピラー部に設けて確実なアースとすると、ア
ンテナ位置からアース位置間の非接地部が増えることに
よって安定した良好な受信性能が得られず、また、アン
テナパターンとして同軸ケーブルの内部導線に接続する
アンテナパターンに加えて、外部導線に接続するアンテ
ナパターンを設けた非接地タイプのアンテナパターンを
用いた場合においても良好な受信性能を得ることは難し
く、耐ノイズ性能も悪かった。
【0008】さらに、平衡伝送系のアンテナパターンを
不平衡伝送系の同軸ケーブルに直接接続すると、それぞ
れの伝送系のインピーダンスが異なるので、不平衡伝送
系のアース側に漏洩電流が流れて、好ましくない受信特
性となる状況にあった。
【0009】このため、インピーダンス整合用ユニット
を前記異なる伝送系間に介在させて接続させるといった
方法も従来行われていた。
【0010】本発明はこのような問題点に鑑みてなされ
たものであり、開閉自在な後部ドアの窓や、非導電性の
樹脂製のハッチバックドア等、ガラスアンテナから離れ
た位置に接地せざるを得ない場合であっても、FMラジ
オ放送波、またはTV放送波の高い受信利得が得られ、
平衡伝送系のアンテナを不平衡の同軸ケーブルに接続す
る場合に特に整合ユニット等の接続も不要で、耐ノイズ
性能も良好なガラスアンテナを提供することを目的とす
るものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、開
閉自在な車両用後部ドアの窓ガラスに設ける非接地型平
衡アンテナであって、窓ガラスの上部または下部隅部に
設けた第1の給電点に接続し、少なくとも1つの水平線
条を有する第1のエレメントと、第1の給電点の近傍に
設けた第2の給電点に接続し、少なくとも1つの水平線
条を有する第2のエレメントを配設し、各エレメントの
各給電点位置近傍から延びる水平線条部分を容量結合さ
せ、かつ第2のエレメントの長さをλ/4(λ:波長)
以下とし、該第1のエレメント、第2のエレメントをそ
れぞれ不平衡の同軸ケーブルの内部導線、外部導線に接
続したことを特徴とする車両用のガラスアンテナであ
る。
【0012】また、本発明は、前記第1のエレメントの
水平線条を防曇用加熱線条に近接させて容量結合させる
ようにした上述の車両用のガラスアンテナである。
【0013】さらに、本発明は、前記第1のエレメント
の水平線条と第2のエレメントの水平線条は、互いに近
傍する位置にある各給電点より同一方向に伸ばすように
した上述の車両用のガラスアンテナである。
【0014】さらにまた、本発明は、前記開閉自在な車
両用後部ドアが非導電性の樹脂製であることを特徴とす
る上述の車両用のガラスアンテナである。
【0015】
【発明の実施の形態】図1に示すように、本発明は、車
両用の後部ドアの窓ガラス1の車内面に設けた複数本の
防曇用加熱線条2、2、・・の上部または下部の余白
部、または防曇用加熱線条の上部または下部のコーナー
部を一部切り欠いて余白部とした部分に設けた非接地タ
イプで平衡伝送系パターンのアンテナである。
【0016】本発明のアンテナは、前記余白部の片側の
バスバー寄りの隅部に2つの給電点を設け、該2つの給
電点よりそれぞれ直接あるいは引出線条等を介して少な
くとも水平線条を有するように第1のエレメントと第2
のエレメントを設け、該第1のエレメントと第2のエレ
メントの各給電点位置近傍から延びる水平線条部分を容
量結合させたものであり、かつ第2のエレメントの長さ
をλ/4(λ:受信電波の周波数の波長)以下の長さと
したものである。
【0017】前記第1のエレメントの水平線条と第2の
エレメントの水平線条の間隔を調整することによって、
インピーダンスを調整をすることができる。つまり、2
つのエレメントを近接させて狭めることによって、イン
ピーダンスが低下しノイズの影響を受けにくくしてい
る。
【0018】さらに、前記第1のエレメントの水平線条
を防曇用加熱線条に近接させて容量結合させれば、第1
のエレメントの長さによって有効周波数範囲が変化し、
受信利得を向上させることができるので好ましい。
【0019】これは、第1のアンテナ単独で受信する電
波に加えて、さらに防曇用加熱線条が受信した電波を第
1のエレメントによってピックアップされるので、受信
利得の向上を図ることができるものである。
【0020】さらにまた、前記車両の後部ドアを非導電
性の樹脂製からなるドアとした場合にも有効である。
【0021】例えば、後部ドアを非導電性の樹脂製から
なるハッチバックドアとした場合には、アンテナフィー
ダのアースを確実なアースとするために、アンテナから
離れたボディ本体に設けざるを得ないが、アンテナの給
電点位置からアース位置までの非接地部分の長さが長く
なるものの、これによって耐ノイズ性能を向上させるこ
とができ、安定した良好な受信性能を得ることができ
る。
【0022】これは、本発明の第1のエレメントと第2
のエレメントを各給電点近傍位置より延びる各水平線条
部分を近接させて容量結合させるようにしたことによっ
て、インピーダンスが低下してノイズの影響を受けにく
くした構成となっているものである。
【0023】さらに、第1のエレメントにノイズが載っ
た場合は同軸ケーブルのアース位置から逃すことができ
る。
【0024】前記第1のエレメントと、第2のエレメン
トとを給電点より水平方向に延ばした水平線条は、所望
の受信周波数のλ/4の長さだけ容量結合させるように
したことによって、平衡なアンテナと非平衡な同軸ケー
ブルを結合する場合に一般的に接続部分に用いられる整
合ユニットを必要とするものではない。
【0025】本発明のアンテナパターンは、非常にシン
プルなパターンであるにもかかわらず、FMラジオ放送
受信帯からTV放送受信帯まで受信が可能なものであ
り、所望の受信周波数帯に合わせて、前記第1のエレメ
ントの水平線条と防曇用加熱導線との間隔調整、および
同軸ケーブルの内部導線に接続された第1のエレメン
ト、つまりプラス側のエレメントの長さ調整を行うよう
にして、有効周波数範囲が決定されるものである。
【0026】また、第1のエレメントと第2のエレメン
トの各水平線条の間隔、および同軸ケーブルの外部導線
に接続された第2のエレメント、つまりマイナス側のエ
レメントの長さを調整することによって、所望の受信周
波数帯のインピーダンス調整を行うことができ、インピ
ーダンス整合を行っている。
【0027】本発明の第1のエレメントの長さは、受信
周波数の波長をλとすれば、λ/8〜λ/2、第2のエ
レメントの長さはλ/16〜λ/4とするのが望まし
い。
【0028】具体的には、FMからTV放送波の受信周
波数を76MHz〜770MHzとして、第1のエレメ
ントの長さは、200〜800mm、第2のエレメント
の長さは100〜400mmとするのが望ましい。
【0029】また、第1のエレメントの水平線条と、第
2のエレメントの水平線条との間隔は、3〜50mmの
範囲内とし、第1のエレメントの水平線条と、防曇用加
熱線条との間隔は、3〜30mmの範囲内とするのが望
ましい。
【0030】また、図2に示すように、前記第1のエレ
メントの水平線条の先端部分より第2のエレメントの先
端近傍までコ字状に折返し線条を設けてもよい。
【0031】これは、受信する電波の周波数特性を調整
する作用がある。
【0032】さらに、図3に示すように、第1のエレメ
ントの引出線条の先端部より加熱用防曇線条と容量結合
する位置に設けた水平線条と、該引出線条の途中より分
岐し、前記水平線条と略同一長さで該水平線条と容量結
合するように設けた補助水平線条からなる2本の水平線
条を設けるようにしても良い。
【0033】このように同軸ケーブルの内部導線側に接
続した第1のエレメントに2本の水平線条を設け、該2
本の水平線条の相互作用によって、受信電波の指向特性
を向上させることができる。
【0034】さらにまた、図4に示すように、第2の給
電点より引出線条を介して設けた水平線条の先端よりコ
字状に折返して折返し線条を設け、その先端を前記第2
の給電点と接続して、ループ状のエレメントとしても良
い。
【0035】このように、第2のエレメントをループ状
とすれば、同軸ケーブルの外部導線側に接続した第2の
エレメントのインピーダンスを調整をすることができ
る。
【0036】さらにまた、図5に示すように、第1の給
電点より引出線条を介して設けた水平線条の先端より該
水平線条と加熱用防曇線条間にコ字状に折返して前記第
1の給電点近傍まで折返し線条を設けるようにしても良
い。
【0037】前記補助水平線条や折返し線条について
は、必ずしも必要なものではないが、第1のエレメント
や第2のエレメントの各水平線条や防曇用加熱線条と容
量結合させることにより、受信周波数帯域によって、イ
ンピーダンス調整、周波数特性の調整、指向特性の調整
等に有効に作用する。
【0038】本発明のアンテナは、単独でも使用可能で
あるが、本発明のアンテナを後部ドアの窓ガラスに別に
設け、これらの複数個の本発明のアンテナの組み合わせ
や、または、本発明のアンテナと、図示しないが前部窓
ガラスに設けたアンテナ、側部窓ガラスに設けたアンテ
ナ、ホイップアンテナなどのポールアンテナなどと組み
合わせてダイバーシティ受信するようにしても勿論よ
い。
【0039】
【実施例】以下、図面を参照しながら本発明を詳細に説
明する。
【0040】図1〜図5は、それぞれ本発明のガラスア
ンテナを自動車用後部ドアの窓ガラスに設けた実施例1
〜実施例5を示す正面図である。
【0041】実施例1 図1に示すように、車両用の樹脂製の後部ドアの窓ガラ
スに装着される板ガラス1の車内側表面に、略水平に設
けられた加熱用導電線条2、2、・・・2、バスバー
3、3’からなるデフォッガとともに、加熱用導電線条
2、2、・・・の下部余白部のマイナス側のバスバー
3’近傍位置に、第1の給電点4、第2の給電点5を設
けた。第1の給電点4より引出線条11を設けて、その
先端より水平線条12を前記加熱線条2に近接させて容
量結合するように設けて第1のエレメント10とした。
【0042】また、第1の給電点4の近傍に設けた第2
の給電点5より引出線条21を設け、その先端より水平
線条22を前記第1のエレメント10に近接させて容量
結合するように設けて第2のエレメント20とした。
【0043】第1のエレメント10と第2のエレメント
20の容量結合部分は、それぞれの給電点4、5側から
とし、第2のエレメント20の長さをFMラジオ帯/V
HF放送波帯を主とした受信帯としてλ/4(λ:受信
周波数波長)以下の長さとした。
【0044】つまり、FMラジオ帯からUHF放送波帯
までのすべての周波数帯について最高の受信レベルでチ
ューニングするのは困難なので、本実施例1では、FM
ラジオ帯/VHF放送波帯を主とする受信周波数帯とし
て、第2のエレメントの長さを決めたが、この長さであ
ってもUHF放送波帯の受信性能は充分実用レベルにあ
る。
【0045】ガラス板1は略台形状で、その寸法は、上
辺が1,100mm、下辺が1,250mm、高さが60
0mmである。
【0046】また、各導電線条の長さは以下の通りであ
る。
【0047】 第1のエレメント10の引出線条11= 40mm 水平線条12=380mm 第2のエレメント20の引出線条21= 10mm 水平線条22=230mm 第1のエレメント10の水平線条12と加熱線条2との
間隔=10mm さらに、第1のエレメント10と第2のエレメント20
の各水平線条12、22との間隔を30mmとし、同軸
ケーブル6の接地部7から第2の給電点5までの長さを
2,000mmとした。
【0048】これらの各導電線条10、20、および加
熱線条2、2、・・と、給電点4、5を導電ペーストに
よりガラス板1面にプリントし、焼成して形成する。
【0049】さらに前記第1の給電点4、第2の給電点
5を、それぞれ同軸ケーブル6の内部導線6a、外部導
線6bに接続し、同軸ケーブル6の外部導線6bをアン
テナから離れたボディ本体と導通しているピラー部に設
けて確実なアースとした。
【0050】このようにして得られた板ガラスを自動車
の樹脂製の後部窓ガラスに装着して、本発明のアンテナ
により、76MHz〜90MHzのFM放送波、90M
Hz〜108MHzの1〜3チャンネルのTV放送波帯
(VHF−Low帯)を給電点4、5から受信した時の
水平偏波と垂直偏波のそれぞれについての周波数特性図
を図6、図7に示す。
【0051】また、170MHz〜222MHzの4〜
12チャンネルのTV放送波帯(VHF−high
帯)、470MHz〜770MHzのUHF放送波帯を
給電点4、5からそれぞれ受信した時の水平偏波の周波
数特性図をそれぞれ、図8、図9に示す。
【0052】図6〜図9の周波数特性図から解るよう
に、FM放送波、TV放送波帯(VHF−Low帯)、
TV放送波(VHF−High帯)、TV放送波帯(U
HF帯)を給電点4、5からそれぞれ受信して標準のダ
イポールアンテナの受信利得を0dBとしたときの利得
差(以下、ダイポールアンテナ比と略称する)の平均を
以下に示す。
【0053】 このようにして得られた実施例1のアンテナのパターン
は、いずれの帯域においても良好な性能であることを確
認できる。
【0054】実施例2 図2に示す実施例2は、図1に示す実施例1のアンテナ
パターンの、第1のエレメント10の水平線条12の先
端部分より第2のエレメント20の先端近傍までコ字状
に折返し線条13を設けたものである。
【0055】これは、受信する電波の周波数特性を調整
する作用がある。
【0056】これらの各導電線条10、20、および加
熱線条2、2、・・と、給電点4、5を導電ペーストに
よりガラス板1面にプリントし、加熱焼成して形成す
る。
【0057】さらに前記第1の給電点4、第2の給電点
5を、それぞれ同軸ケーブルの内部導線6a、外部導線
6bに接続し、同軸ケーブルの外部導線をボディ本体と
導通しているピラー部に設けた。
【0058】このようにして得られた板ガラス1を自動
車の樹脂製の後部窓ガラスに装着して、本発明のアンテ
ナにより、FM放送波、TV放送波帯(VHF−Low
帯)、TV放送波(VHF−High帯)、TV放送波
帯(UHF帯)を給電点4、5からそれぞれ受信したと
ころ、実施例1とほぼ同様の受信性能が得られ、いずれ
の帯域においても充分良好な性能が得られた。
【0059】実施例3 図3に示す実施例3は、図1に示す実施例1のアンテナ
パターンの、第1のエレメント10の引出線条11の先
端部より加熱用防曇線条2と容量結合する位置に設けた
水平線条12と、該引出線条11の途中より分岐し、前
記水平線条12と略同一長さで該水平線条12と容量結
合するように設けた補助水平線条14からなる2本の水
平線条12、14を設けるようにしたものである。
【0060】また、第2のエレメントの水平線条22を
第2の給電端子5より吹き出し線条を設けず、直接接続
したものである。
【0061】このように同軸ケーブル6の内部導線6a
側に接続した第1のエレメント10に2本の水平線条1
2、14を設け、該2本の水平線条12、14の相互作
用によって、受信電波の指向特性を向上させることがで
きる。
【0062】これらの各導電線条10、20、および加
熱線条2、2、・・と、給電点4、5を導電ペーストに
よりガラス板1面にプリントし、加熱焼成して形成す
る。
【0063】さらに前記第1の給電点4、第2の給電点
5を、それぞれ同軸ケーブル6の内部導線6a、外部導
線6bに接続し、同軸ケーブル6の外部導線6bをボデ
ィ本体と導通しているピラー部に設けた。
【0064】このようにして得られた板ガラス1を自動
車の樹脂製の後部窓ガラスに装着して、本発明のアンテ
ナにより、FM放送波、TV放送波帯(VHF−Low
帯)、TV放送波(VHF−High帯)、TV放送波
帯(UHF帯)を給電点4、5からそれぞれ受信したと
ころ、実施例1とほぼ同様の受信性能が得られ、いずれ
の帯域においても充分良好な性能が得られた。
【0065】実施例4 図4に示す実施例4は、図1に示す実施例1のアンテナ
パターンの、第2の給電点5より引出線条21を介して
設けた水平線条22の先端よりコ字状に折返して折返し
線条23を設け、その先端を前記第2の給電点5と接続
して、ループ状のエレメントとしたものである。
【0066】このように、第2のエレメント20をルー
プ状とすれば、同軸ケーブル6の外部導線6b側に接続
した第2のエレメント20のインピーダンスを調整をす
ることができる。
【0067】これらの各導電線条10、20、および加
熱線条2、2、・・と、給電点4、5を導電ペーストに
よりガラス板1面にプリントし、加熱焼成して形成す
る。
【0068】さらに前記第1の給電点4、第2の給電点
5を、それぞれ同軸ケーブル6の内部導線6a、外部導
線6bに接続し、同軸ケーブル6の外部導線6bをボデ
ィ本体と導通しているピラー部に設けた。
【0069】このようにして得られた板ガラス1を自動
車の樹脂製の後部窓ガラスに装着して、本発明のアンテ
ナにより、FM放送波、TV放送波帯(VHF−Low
帯)、TV放送波(VHF−High帯)、TV放送波
帯(UHF帯)を給電点4、5からそれぞれ受信したと
ころ、実施例1とほぼ同様の受信性能が得られ、いずれ
の帯域においても充分良好な性能が得られた。
【0070】実施例5 図5に示す実施例5は、図1に示す実施例1のアンテナ
パターンの、第1の給電点4より引出線条11を介して
設けた水平線条12の先端より該水平線条12と加熱用
防曇線条2間にコ字状に折返して前記第1の給電点4近
傍まで折返し線条13’を設けるようにしたものであ
る。
【0071】また、第2のエレメントの水平線条22を
第2の給電端子5より引出線条を設けず、直接接続した
ものである。
【0072】これらの各導電線条10、20、および加
熱線条2、2、・・と、給電点4、5を導電ペーストに
よりガラス板1面にプリントし、加熱焼成して形成す
る。
【0073】さらに前記第1の給電点4、第2の給電点
5を、それぞれ同軸ケーブル6の内部導線6a、外部導
線6bに接続し、同軸ケーブル6の外部導線6bをボデ
ィ本体と導通しているピラー部に設けた。
【0074】このようにして得られた板ガラス1を自動
車の樹脂製の後部窓ガラスに装着して、本発明のアンテ
ナにより、FM放送波、TV放送波帯(VHF−Low
帯)、TV放送波(VHF−High帯)、TV放送波
帯(UHF帯)を給電点4、5からそれぞれ受信したと
ころ、実施例1とほぼ同様の受信性能が得られ、いずれ
の帯域においても充分良好な性能が得られた。
【0075】
【発明の効果】自動車等の開閉自在な後部ドアの窓や、
非導電性の樹脂製のハッチバックドア等のドアの窓ガラ
スに設けるガラスアンテナであって、ガラスアンテナに
接続する同軸ケーブルのアースをアンテナの給電点から
離れたボディ本体のピラー部等の位置に接地せざるを得
ない場合であっても、FMラジオ放送波、またはTV放
送波を受信するのに高い受信利得を得ることができ、ま
た、平衡伝送系のアンテナを不平衡の同軸ケーブルに接
続する場合であっても特に整合ユニット等の接続も不要
で、耐ノイズ性能も良好であり、高感度なアンテナ利
得、及び良好なVSWR特性が得られる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本的なアンテナパターンを車両用後
部ドアの窓ガラスに設けた実施例1を示す正面図。
【図2】本発明のアンテナパターンを車両用後部ドアの
窓ガラスに設けた実施例2を示す正面図。
【図3】本発明のアンテナパターンを車両用後部ドアの
窓ガラスに設けた実施例3を示す正面図。
【図4】本発明のアンテナパターンを車両用後部ドアの
窓ガラスに設けた実施例4を示す正面図。
【図5】本発明のアンテナパターンを車両用後部ドアの
窓ガラスに設けた実施例5の正面図。
【図6】本発明の実施例1のアンテナにより、FM、V
HF−Low帯(水平偏波)の電波を受信したときの周
波数特性図。
【図7】本発明の実施例1のアンテナにより、FM、V
HF−Low帯(垂直偏波)の電波を受信したときの周
波数特性図。
【図8】本発明の実施例1のアンテナにより、VHF−
High帯(水平偏波)の電波を受信したときの周波数
特性図。
【図9】本発明の実施例1のアンテナにより、UHF帯
(水平偏波)の電波を受信したときの周波数特性図。
【符号の説明】
1 ガラス板 2 防曇用加熱線条 3 バスバー(+極) 3’ バスバー(−極) 4 第1の給電点 5 第2の給電点 6 同軸ケーブル 6a 内部導線 6b 外部導線 7 接地部 8 ボディフランジ 10 第1エレメント 11 引出線条 12 水平線条 13、13’折返し線条 14 補助水平線条 20 第2エレメント 21 引出線条 22 水平線条 23 折返し線条
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平林 幹也 三重県松阪市大口町1510番地 セントラル 硝子株式会社生産技術研究所内 (72)発明者 大西 正浩 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 松井 宏康 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 Fターム(参考) 5J046 AA04 AB17 LA01 LA02 LA05 LA10

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】開閉自在な車両用後部ドアの窓ガラスに設
    ける非接地型平衡アンテナであって、窓ガラスの上部ま
    たは下部隅部に設けた第1の給電点に接続し、少なくと
    も1つの水平線条を有する第1のエレメントと、第1の
    給電点の近傍に設けた第2の給電点に接続し、少なくと
    も1つの水平線条を有する第2のエレメントを配設し、
    各エレメントの各給電点位置近傍から延びる水平線条部
    分を容量結合させ、かつ第2のエレメントの長さをλ/
    4(λ:波長)以下とし、該第1のエレメント、第2の
    エレメントをそれぞれ不平衡の同軸ケーブルの内部導
    線、外部導線に接続したことを特徴とする車両用のガラ
    スアンテナ。
  2. 【請求項2】前記第1のエレメントの水平線条を防曇用
    加熱線条に近接させて容量結合させるようにしたことを
    特徴とする請求項1記載の車両用のガラスアンテナ。
  3. 【請求項3】前記第1のエレメントの水平線条と第2の
    エレメントの水平線条は、互いに近傍する位置にある各
    給電点より同一方向に伸ばすようにしたことを特徴とす
    る請求項1または2記載の車両用のガラスアンテナ。
  4. 【請求項4】前記開閉自在な車両用後部ドアは非導電性
    の樹脂製であることを特徴とする請求項1乃至3のいず
    れか一項に記載の車両用のガラスアンテナ。
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