JP2002075474A - 光電変換素子および光電池 - Google Patents

光電変換素子および光電池

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JP2002075474A JP2000256026A JP2000256026A JP2002075474A JP 2002075474 A JP2002075474 A JP 2002075474A JP 2000256026 A JP2000256026 A JP 2000256026A JP 2000256026 A JP2000256026 A JP 2000256026A JP 2002075474 A JP2002075474 A JP 2002075474A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】光電変換性能を劣化させることなく、かつ、耐
久性に優れた光電変換素子を提供すること。さらには、
これを用いた光電池および太陽電池モジュールを提供す
ること。 【解決手段】 導電層、色素により増感した半導体微
粒子層、電荷輸送層および対極を有する光電変換素子に
おいて、該色素が該半導体微粒子と共有結合をしてお
り、かつ、電荷輸送層に無機および/または有機のホー
ル輸送材料を用いることを特徴とする光電変換素子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は色素で増感された半
導体微粒子を用いた光電変換素子及びこれを用いた光電
池に関する。
【0002】
【従来の技術】太陽発電は単結晶シリコン太陽電池、多
結晶シリコン太陽電池、アモルファスシリコン太陽電
池、テルル化カドミウムやセレン化インジウム銅などの
化合物太陽光電池が実用化もしくは主な研究開発の対象
となっているが、普及させる上で製造コスト、原材料確
保、エネルギーペイバックタイムが長いなどの問題点を
克服する必要がある。一方、大面積化や低価格化を指向
した有機材料を用いた太陽電池もこれまでにも多く提案
されているが、変換効率が低く、耐久性も悪いという問
題があった。こうした状況の中で、ネイチュア(Natur
e)第353巻、第737〜740頁(1991年)および米国特許49
27721号などに、色素によって増感された半導体微粒子
を用いた光電変換素子および太陽電池、ならびにこれを
作成するための材料および製造技術が開示された。提案
された電池は、ルテニウム錯体によって分光増感された
二酸化チタン多孔質薄膜を作用電極とする湿式太陽電池
である。この方式の第一の利点は二酸化チタンなどの安
価な酸化物半導体を高純度に精製することなく用いるこ
とができるため、安価な光電変換素子を提供できる点で
あり、第二の利点は用いられる色素の吸収がブロードな
ため、可視光線のほぼ全波長領域の光を電気に変換でき
ることである。しかし、電荷輸送材料として、低沸点の
有機溶剤を用いるため、その耐久性が懸念された。そこ
で、種々の安定化した電荷輸送材料が提案された。例え
ば、経時したときの電解液の枯渇を防ぐため、J. Phys.
D: Appl. Phys. 31巻(1998)の 1492-1496頁やChem. Ma
ter.、10巻(1998)の 1501-1509頁にはCuIやCuSCNな
ど無機正孔輸送材料を用いて固体化した光電変換素子が
提案されている。しかし、これらのホール輸送材料を用
いた光電変換素子は、検討の結果短絡をおこしやすく、
かつ経時劣化が激しいという問題があった。また、これ
らの方法は、ホール輸送層を作製する工程で、半導体に
吸着させた色素が劣化する(すなわち光電変換効率が低
下する)という問題があり、さらに、経時によっても光
電変換性能の劣化が大きいという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、光電
変換性能を劣化させることなく、かつ、耐久性に優れた
光電変換素子を提供することである。さらには、これを
用いた光電池および太陽電池モジュールを提供すること
である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の課題は、下記の
本発明を特定する下記の事項およびその好ましい態様に
よって達成される。 (1)導電層、色素により増感した半導体微粒子層、電
荷輸送層および対極を有する光電変換素子において、該
色素が該半導体微粒子と共有結合をしており、かつ、電
荷輸送層に無機および/または有機のホール輸送材料を
用いることを特徴とする光電変換素子。 (2)上記(1)において、無機のホール輸送材料が、
1価の銅化合物であることを特徴とする光電変換素子。 (3)上記(2)において、1価の銅化合物が電解めっ
き工程を含む工程により作製されてものであることを特
徴とする光電変換素子。 (4)上記(2)において、1価の銅化合物が銅塩を用
いた無電解めっき工程を含む工程により作製されたもの
であることを特徴とする光電変換素子。 (5)上記(1)〜(4)において、半導体粒子と共有
結合した前記色素が、金属錯体色素及び/又はメロシア
ニン色素であることを特徴とする光電変換素子。 (6)上記(1)〜(5)において、半導体微粒子がTi
O2、ZnO、SnO2、Fe2O3、WO3、Nb2O5、及びSrTiO3からな
る群より選択される金属酸化物粒子であることを特徴と
する光電変換素子。 (7)上記(1)〜(6)のいずれかに記載された光電
変換素子を用いることを特徴とする光電池。 (8)上記(1)〜(6)に記載された光電変換素子か
ら構成されることを特徴とする光電池モジュール。
【0005】
【発明の実施の形態】〔1〕光電変換素子 本発明の光電変換素子の構成を図を用いて説明する。図
1は,本発明の光電変換素子の好ましい一態様の構造を
示す部分断面図であって、導電層10、下塗り層60、感光
層(半導体粒子層)20、電荷輸送層30、対極導電層40の
順に積層されており、前記感光層20は色素22とそれによ
って増感された半導体微粒子21と当該半導体微粒子21が
有する空隙に浸透した電荷輸送材料23とから構成される
(すなわち、色素によって増感された半導体微粒子層の
空隙に電荷輸送材料を浸透させて構成される)。電荷輸
送材料23は、電荷輸送層30に用いる材料と同じ成分から
なる。また光電変換素子に強度を付与するため、導電層
10および/または対極導電層40の下地として、基板50を
設けてもよい。以下本発明では、導電層10および任意で
設ける基板50からなる層を「導電性支持体」、対極導電
層40および任意で設ける基板50からなる層を「対極」と
呼ぶ。なお、図1中の導電層10、対極導電層40、基板50
は、それぞれ透明導電層10a、透明対極導電層40a、透明
基板50aであっても良い。この光電変換素子を外部負荷
に接続して電気的仕事をさせる目的(発電)で作られた
ものが光電池であり、光学的情報のセンシングを目的に
作られたものが光センサーである。光電池のうち、電荷
輸送材料23が主としてイオン輸送材料からなる場合を特
に光電気化学電池と呼び、また、太陽光による発電を主
目的とする場合を太陽電池と呼ぶ。
【0006】図1に示す本発明の光電変換素子におい
て、半導体微粒子がn型である場合、色素22により増感
された半導体微粒子21を含む感光層20に入射した光は色
素22を励起し、色素22の中の励起されて高エネルギーレ
ベルに遷移した電子が半導体微粒子21の伝導帯に渡さ
れ、さらに拡散により導電層10に到達する。このとき色
素22の分子は酸化体となっている。光電池においては、
導電層10中の電子が外部回路で仕事をしながら対極導電
層40および電荷輸送層30を経て色素22の酸化体に戻り、
色素22などが再生する。感光層20は負極(光アノード)
として働き、対極40は正極として働く。それぞれの層の
境界(例えば導電層10と感光層20との境界、感光層20と
電荷輸送層30との境界、電荷輸送層30と対極導電層40と
の境界など)では、各層の構成成分同士が相互に拡散混
合していてもよい。以下各層について詳細に説明する。
【0007】(A)導電性支持体 導電性支持体は、(1)導電層の単層、または(2)導
電層および基板の2層からなる。(1)の場合は、導電
層として強度や密封性が十分に保たれるような材料が使
用され、例えば、金属材料(白金、金、銀、銅、亜鉛、
チタン、アルミニウムなどまたはこれらを含む合金)を
用いることができる。(2)の場合、感光層側に導電剤
を含む導電層を有する基板を使用することができる。好
ましい導電剤としては金属(例えば白金、金、銀、銅、
亜鉛、チタン、アルミニウム、インジウムなどまたはこ
れらを含む合金)、炭素、または導電性金属酸化物(イ
ンジウム−スズ複合酸化物、酸化スズにフッ素またはア
ンチモンをドープしたものなど)が挙げられる。導電層
の厚さは0.02〜10μm程度が好ましい。
【0008】導電性支持体は表面抵抗が低い程よい。好
ましい表面抵抗の範囲は50Ω/□以下であり、さらに好
ましくは20Ω/□以下である。
【0009】導電性支持体側から光を照射する場合に
は、導電性支持体は実質的に透明であるのが好ましい。
実質的に透明であるとは、可視〜近赤外領域(400〜120
0nm)の光の一部または全域において透過率が10%以上
であることを意味し、50%以上であるのが好ましく、80
%以上がより好ましい。特に、感光層が感度を有する波
長域の透過率が高いことが好ましい。
【0010】透明導電性支持体としては、ガラスまたは
プラスチックなどの透明基板の表面に導電性金属酸化物
からなる透明導電層を塗布または蒸着などにより形成し
たものが好ましい。透明導電層として好ましいものは、
フッ素もしくはアンチモンをドーピングした二酸化スズ
あるいはインジウム−スズ酸化物(ITO)である。透明
基板には低コストと強度の点で有利なソーダガラス、ア
ルカリ溶出の影響のない無アルカリガラスなどのガラス
基板のほか、透明ポリマーフィルムを用いることができ
る。透明ポリマーフィルムの材料としては、トリアセチ
ルセルロース(TAC)、ポリエチレンテレフタレート(P
ET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、シンジオタ
クチックポリスチレン(SPS)、ポリフェニレンスルフ
ィド(PPS)、ポリカーボネート(PC)、ポリアリレー
ト(PAr)、ポリスルフォン(PSF)、ポリエステルスル
フォン(PES)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルイミ
ド(PEI)、環状ポリオレフィン、ブロム化フェノキシ
樹脂などがある。十分な透明性を確保するために、導電
性金属酸化物の塗布量はガラスまたはプラスチックの支
持体1m2当たり0.01〜100gとするのが好ましい。
【0011】透明導電性支持体の抵抗を下げる目的で金
属リードを用いるのが好ましい。金属リードの材質は白
金、金、ニッケル、チタン、アルミニウム、銅、銀、な
どの金属が好ましい。金属リードは透明基板に蒸着、ス
パッタリングなどによって設置し、その上に導電性の酸
化スズ又はITO膜などの透明導電層を設けるのが好まし
い。金属リードを設置することによる入射光量の低下
は、好ましくは10%以内、より好ましくは1〜5%とす
る。
【0012】(B)感光層 感光層において、半導体は感光体として作用し、光を吸
収して電荷分離を行い、電子と正孔を生ずる。色素増感
された半導体では、光吸収およびこれによる電子および
正孔の発生は主として色素において起こり、半導体微粒
子はこの電子(または正孔)を受け取り、伝達する役割
を担う。本発明で用いる半導体は、光励起下で伝導体電
子がキャリアーとなり、アノード電流を与えるn型半導
体であることが好ましい。
【0013】(1)半導体 半導体としては、シリコン、ゲルマニウムのような単体
半導体、周期律表のIII-V族元素の化合物半導体、金属
のカルコゲナイド(例えば酸化物、硫化物、セレン化
物、またはそれらの複合物など)、またはペロブスカイ
ト構造を有する化合物(例えばチタン酸ストロンチウ
ム、チタン酸カルシウム、チタン酸ナトリウム、チタン
酸バリウム、ニオブ酸カリウムなど)などを使用するこ
とができる。
【0014】好ましい金属のカルコゲナイドとして、チ
タン、スズ、亜鉛、鉄、タングステン、ジルコニウム、
ハフニウム、ストロンチウム、インジウム、セリウム、
イットリウム、ランタン、バナジウム、ニオブ、または
タンタルの酸化物、カドミウム、亜鉛、鉛、銀、アンチ
モンまたはビスマスの硫化物、カドミウムまたは鉛のセ
レン化物、カドミウムのテルル化物などが挙げられる。
他の化合物半導体としては亜鉛、ガリウム、インジウ
ム、カドミウムなどのリン化物、ガリウム−ヒ素または
銅−インジウムのセレン化物、銅−インジウムの硫化物
などが挙げられる。さらには、MxOySzまたはM1xM2
yOz (M、M1およびM2はそれぞれ金属元素、Oは酸
素、x、y、zは価数が中性になる組み合わせの数)の様な
複合物も好ましく用いることができる。
【0015】本発明に用いる半導体の好ましい具体例
は、Si、TiO2、SnO2、Fe2O3、WO3、ZnO、Nb2O5、CdS、Z
nS、PbS、Bi2S3、CdSe、CdTe、SrTiO3、GaP、InP、GaA
s、CuInS2、CuInSe2などであり、より好ましくはTiO2
ZnO、SnO2、Fe2O3、WO3、Nb2O5、CdS、PbS、CdSe、SrTi
O3、InP、GaAs、CuInS2またはCuInSe2であり、特に好ま
しくはTiO2またはNb2O5であり、最も好ましくはTiO2
ある。TiO2は、アナターゼ型結晶を70%以上含むTiO2
好ましく、特に好ましくは100%アナターゼ型結晶のTiO2
である。また、これらの半導体中の電子電導性を上げる
目的で金属をドープすることも有効である。ドープする
金属としては、2価及び3価の金属が好ましい。半導体か
ら電荷輸送層へ逆電流が流れるのを防止する目的で、半
導体に1価の金属をドープすることも有効である。
【0016】本発明に用いる半導体は、単結晶でも多結
晶でもよいが、製造コスト、原材料確保、エネルギーペ
イバックタイムなどの観点からは多結晶が好ましく、半
導体微粒子からなる多孔質膜が特に好ましい。また、一
部アモルファス部分を含んでいてもよい。
【0017】半導体微粒子の粒径は、一般に10-9〜1
-6m(1nm〜1μm)のレベルであるが、投影面積を
円に換算したときの直径から求めた一次粒子の平均粒径
は5〜200nmであるのが好ましく、8〜100nmがより好ま
しい。また分散液中の半導体微粒子(二次粒子)の平均
粒径は0.01〜30μmが好ましい。粒径分布の異なる2種
類以上の微粒子を混合してもよく、この場合小さい粒子
の平均サイズは25nm以下であるのが好ましく、より好ま
しくは10nm以下である。入射光を散乱させて光捕獲率を
向上させる目的で、粒径の大きな、例えば100nm〜300nm
程度の半導体粒子を混合することも好ましい。
【0018】半導体微粒子の種類も異なる2種以上の混
合であってもよい。2種以上の半導体微粒子を混合して
使用する場合、1種は、TiO2、ZnO、Nb2O5もしくはSrTi
O3であることが好ましい。またもう1種としては、Sn
O2、Fe2O3、WO3であることが好ましい。さらに好ましい
組み合わせとしては、ZnOとSnO2、ZnOとWO3またはZnO、
SnO2とWO3などの組み合わせを挙げることができる。2
種以上の半導体微粒子を混合して用いる場合、それぞれ
の粒径が異なっていても良い。特に上記1種目として挙
げた半導体微粒子の粒径が大きく、2種目として挙げた
半導体微粒子が小さい組み合わせが好ましい。好ましく
は、大きい粒径の粒子が100nm以上,例えば100〜500
nmで、小さい粒径の粒子が15nm以下、例えば2〜15
nmのサイズの粒子の組み合わせである。
【0019】半導体微粒子の作製法としては、作花済夫
の「ゾル−ゲル法の科学」アグネ承風社(1998年)、技
術情報協会の「ゾル−ゲル法による薄膜コーティング技
術」(1995年)などに記載のゾル−ゲル法、杉本忠夫の
「新合成法ゲル−ゾル法による単分散粒子の合成とサイ
ズ形態制御」、まてりあ,第35巻,第9号,1012〜1018
頁(1996年)に記載のゲル−ゾル法が好ましい。またDe
gussa社が開発した塩化物を酸水素塩中で高温加水分解
により酸化物を作製する方法も好ましい。
【0020】半導体微粒子が酸化チタンの場合、上記ゾ
ル-ゲル法、ゲル−ゾル法、塩化物の酸水素塩中での高
温加水分解法はいずれも好ましく適用できる調整法であ
るが、さらに清野学の「酸化チタン物性と応用技術」技
報堂出版(1997年)に記載の硫酸法および塩素法を用い
ることもできる。さらにゾル−ゲル法として、バーブ
(Barbe)らのジャーナル・オブ・アメリカン・セラミ
ック・ソサエティー,第80巻,第12号,3157〜3171頁
(1997年)に記載の方法や、バーンサイド(Burnside)
らのケミストリー・オブ・マテリアルズ,第10巻,第9
号,2419〜2425頁に記載の方法も好ましい。
【0021】(2)半導体微粒子層 半導体微粒子を導電性支持体上に塗布するには、半導体
微粒子の分散液またはコロイド溶液を導電性支持体上に
塗布する方法の他に、前述のゾル−ゲル法などを使用す
ることもできる。光電変換素子の量産化、半導体微粒子
液の物性、導電性支持体の融通性などを考慮した場合、
湿式の製膜方法が比較的有利である。湿式の製膜方法と
しては、塗布法、印刷法、電解析出法および電着法が代
表的である。また、金属を酸化する方法、金属溶液から
配位子交換などで液相にて析出させる方法(LPD法)、ス
パッタなどで蒸着する方法、CVD法、あるいは加温した
基板上に熱分解する金属酸化物プレカーサーを吹き付け
て金属酸化物を形成するSPD法を利用することもでき
る。
【0022】半導体微粒子の分散液を作製する方法とし
ては、前述のゾル−ゲル法の他に、乳鉢ですり潰す方
法、ミルを使って粉砕しながら分散する方法、あるいは
半導体を合成する際に溶媒中で微粒子として析出させそ
のまま使用する方法などが挙げられる。
【0023】分散媒としては、水または各種の有機溶媒
(例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコ
ール、シトロネロール、ターピネオール、ジクロロメタ
ン、アセトン、アセトニトリル、酢酸エチルなど)が挙
げられる。分散の際、必要に応じて例えばポリエチレン
グリコール、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシ
メチルセルロースのようなポリマー、界面活性剤、酸、
またはキレート剤などを分散助剤として用いてもよい。
ポリエチレングリコールの分子量を変えることで、分散
液の粘度が調節可能となり、さらに剥がれにくい半導体
層を形成したり、半導体層の空隙率をコントロールでき
るので、ポリエチレングリコールを添加することは好ま
しい。
【0024】塗布方法としては、アプリケーション(塗
布液適用)システムとしてローラ法、ディップ法など、
メータリング(塗布量制御)システムとしてエアーナイ
フ法、ブレード法など、またアプリケーションとメータ
リングを同一部分で行うシステムとして、特公昭58-458
9号公報に開示されているワイヤーバー法、米国特許268
1294号、同2761419号、同2761791号などの各公報に記載
のスライドホッパー法、エクストルージョン法及びカー
テンコート法が好ましい。また、そのほかの汎用手段と
してスピンコート法やスプレーコート法も好ましい。さ
らに、湿式印刷方法も好ましく、凸版、オフセットおよ
びグラビアの3大印刷法をはじめ、凹版、ゴム版、スク
リーン印刷などが好ましい。これらの中から、液粘度や
ウェット厚さに応じて、好ましい製膜方法を選択でき
る。
【0025】半導体微粒子の層は単層に限らず、粒径の
違った半導体微粒子の分散液を多層塗布したり、種類が
異なる半導体微粒子(あるいは異なるバインダー、添加
剤)を含有する塗布層を多層塗布したりすることもでき
る。一度の塗布で膜厚が不足の場合にも多層塗布は有効
である。
【0026】一般に半導体微粒子層の厚さ(感光層の厚
さと同じ)が厚くなるほど単位投影面積当たりの担持色
素量が増えるため、光の捕獲率が高くなるが、生成した
電子の拡散距離が増すため電荷再結合によるロスも大き
くなる。したがって、半導体微粒子層の好ましい厚さは
0.1〜100μmである。光電池に用いる場合、半導体微粒
子層の厚さは1〜30μmが好ましく、2〜25μmがより好
ましい。半導体微粒子の支持体1m2当たり塗布量は0.5
〜100gが好ましく、3〜50gがより好ましい。
【0027】半導体微粒子を導電性支持体上に塗布した
後、半導体微粒子同士を電子的に接触させるとともに、
塗膜強度の向上や支持体との密着性を向上させるため
に、加熱処理するのが好ましい。好ましい加熱温度の範
囲は40℃以上700℃以下であり、より好ましくは100℃以
上600℃以下である。また加熱時間は10分〜10時間程度
である。ポリマーフィルムのように融点や軟化点の低い
支持体を用いる場合、高温処理は支持体の劣化を招くた
め、好ましくない。またコストの観点からもできる限り
低温(例えば50℃〜350℃)であるのが好ましい。加熱
処理温度の低温化は、5nm以下の小さい半導体微粒子を
用いること、鉱酸、金属酸化物プレカーサーの存在下で
加熱処理することなどにより可能となり、また、紫外
線、赤外線、マイクロ波などの照射を加えることや電
界、超音波を印加することによって行うことができる。
これらの各手段は、適宜組み合わせて用いることもでき
る。同時に不要な有機物などを除去する目的で、上記の
照射や印加のほか加熱、減圧、酸素プラズマ処理、純水
洗浄、溶剤洗浄、ガス洗浄などを適宜組み合わせて併用
することが好ましい。
【0028】加熱処理後、半導体微粒子の表面積を増大
させたり、半導体微粒子近傍の純度を高め、色素から半
導体微粒子への電子注入効率を高める目的で、例えば四
塩化チタン水溶液を用いた化学メッキ処理や三塩化チタ
ン水溶液を用いた電気化学的メッキ処理を行ってもよ
い。また、半導体微粒子から電荷輸送層へ逆電流が流れ
るのを防止する目的で、粒子表面に色素以外の電子電導
性の低い有機物を吸着させることも有効である。吸着さ
せる有機物としては疎水性基を持つ有機化合物が好まし
い。
【0029】半導体微粒子層は、多くの色素を吸着する
ことができるように大きい表面積を有することが好まし
い。半導体微粒子の層を支持体上に塗布した状態での表
面積は、投影面積に対して10倍以上であるのが好まし
く、さらに100倍以上であるのが好ましい。この上限は
特に制限はないが、通常1000倍程度である。
【0030】(3)色素 感光層に用いる増感色素は、可視域や近赤外域に吸収を
有し、半導体を増感しうる色素であり、かつ、半導体微
粒子と共有結合を形成しうる基を持つ色素であれば、ど
のようなものでも良い。半導体微粒子と共有結合を形成
しうる基としては、半導体微粒子を構成する元素と置き
換わることによって、エーテル結合、チオエーテル結
合、アミノ結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン
結合、尿素結合などの結合を形成しうる基であれば、い
ずれの基でも良いが、好ましくは、カルボニル基含有基
およびその前駆体含有基(カルボン酸基、酸ハロゲン
基、酸無水物基、エステル基)、水酸基含有基およびそ
の前駆体基(水酸基、水酸基の金属塩、アルキルオキシ
基、珪素原子に結合した水酸基、チタン原子、亜鉛原
子、錫原子などの金属に結合した水酸基など)が挙げら
れる。色素と半導体微粒子との間で形成される上記のよ
うな共有結合は、例えば赤外線吸収分析法などによって
検知することができる。
【0031】以下、感光層に用いる好ましい増感色素を
具体的に説明する。増感色素としては、有機金属錯体色
素、メチン色素、ポルフィリン系色素またはフタロシア
ニン系色素が好ましいが、特に好ましくは下記の有機金
属錯体色素またはメロシアニン色素である。また、光電
変換の波長域をできるだけ広くし、かつ変換効率を上げ
るため、二種類以上の色素を併用または混合することが
できる。この場合、目的とする光源の波長域と強度分布
に合わせるように、併用または混合する色素とその割合
を選ぶことができる。
【0032】(a)有機金属錯体色素 色素が金属錯体色素である場合、金属フタロシアニン色
素、金属ポルフィリン色素またはルテニウム錯体色素が
好ましく、ルテニウム錯体色素が特に好ましい。ルテニ
ウム錯体色素としては、例えば米国特許4927721号、同4
684537号、同5084365号、同5350644号、同5463057号、
同5525440号、特開平7-249790号、特表平10-504512号、
世界特許98/50393号、特開2000-26487号などの各公報に
記載の錯体色素が挙げられる。
【0033】さらに本発明で用いるルテニウム錯体色素
は、下記一般式(I)により表される色素が好ましい。 (A1)pRu(B-a)(B-b)(B-c) ・・・(I) 一般式(I)において、A1は1または2座の配位子を
表し、Cl、SCN、H2O、Br、I、CN、NCOおよびSeCN、な
らびにβ−ジケトン類、シュウ酸およびジチオカルバミ
ン酸の誘導体からなる群から選ばれた配位子が好まし
い。pは0〜3の整数である。B-a、B-bおよびB-cはそれ
ぞれ独立に下記化学式B-1〜B-10により表される化合物
から選ばれた有機配位子を表す。B-a、B-bおよびB-cは
同一でも異なっていてもよく、いずれか1つまたは2つ
でもよい。
【0034】
【化1】
【0035】上記の各化学式において、Raは水素原子ま
たは置換基を表し、置換基としてはたとえば、ハロゲン
原子、炭素原子数1〜12の置換または無置換のアルキル
基、炭素原子数7〜12の置換または無置換のアラルキル
基、炭素原子数6〜12の置換または無置換のアリール
基、あるいは前述の酸性基(これらの酸性基は塩を形成
していてもよい)やキレート化基が挙げられ、アルキル
基およびアラルキル基のアルキル部分は直鎖状でも分岐
状でもよく、またアリール基およびアラルキル基のアリ
ール部分は単環でも多環(縮合環、環集合)でもよい。
【0036】有機金属錯体色素の好ましい具体例を以下
のR−1〜R−17に示すが、本発明はこれらに限定さ
れるものではない。
【0037】
【化2】
【0038】
【化3】
【0039】
【化4】
【0040】(b)メチン色素 本発明に使用する色素の好ましいメチン色素は、シアニ
ン色素、メロシアニン色素、スクワリリウム色素などの
ポリメチン色素である。本発明で、より好ましく用いら
れる色素は、メロシアニン色素である。本発明で好まし
く用いられるポリメチン色素の例は、特開平11−35
836号、特開平11−67285号、特開平11−8
6916号、特開平11−97725号、特開平11−
158395号、特開平11−163378号、特開平
11−214730号、特開平11−214731号、
特開平11−238905号、特開2000−2648
7号、欧州特許892411号、同911841号およ
び同991092号の各明細書に記載の色素である。好
ましいメチン色素の具体例を下に示す。
【0041】
【化5】
【0042】(4)半導体微粒子への色素の吸着 半導体微粒子に色素を吸着させるには、色素の溶液中に
良く乾燥した半導体微粒子層を有する導電性支持体を浸
漬するか、色素の溶液を半導体微粒子層に塗布する方法
を用いることができる。前者の場合、浸漬法、ディップ
法、ローラ法、エアーナイフ法などが使用可能である。
浸漬法の場合、色素の吸着は室温で行ってもよいし、特
開平7-249790号に記載されているように加熱還流して行
ってもよい。また後者の塗布方法としては、ワイヤーバ
ー法、スライドホッパー法、エクストルージョン法、カ
ーテン法、スピン法、スプレー法などがある。色素を溶
解する溶媒として好ましいのは、例えば、アルコール類
(メタノール、エタノール、t-ブタノール、ベンジルア
ルコールなど)、ニトリル類(アセトニトリル、プロピ
オニトリル、3-メトキシプロピオニトリルなど)、ニト
ロメタン、ハロゲン化炭化水素(ジクロロメタン、ジク
ロロエタン、クロロホルム、クロロベンゼンなど)、エ
ーテル類(ジエチルエーテル、テトラヒドロフランな
ど)、ジメチルスルホキシド、アミド類(N,N-ジメチル
ホルムアミド、N,N-ジメチルアセタミドなど)、N-メチ
ルピロリドン、1,3-ジメチルイミダゾリジノン、3-メチ
ルオキサゾリジノン、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブ
チルなど)、炭酸エステル類(炭酸ジエチル、炭酸エチ
レン、炭酸プロピレンなど)、ケトン類(アセトン、2-
ブタノン、シクロヘキサノンなど)、炭化水素(へキサ
ン、石油エーテル、ベンゼン、トルエンなど)やこれら
の混合溶媒が挙げられる。
【0043】色素を半導体微粒子に共有結合にて結合さ
せるには、色素を半導体と処理する際に、加熱を行う
か、酸又は塩基を共存させるか、あるいは、結合形成を
促進するような、脱水触媒などの触媒を用いるのが好ま
しく、また、それらの各手段を組み合わせて用いてもよ
い。また、直接半導体微粒子と結合を形成しにくい色素
の場合、両者を繋ぎ得るそれぞれの結合性基を併せ持つ
化合物を併用することも好ましい。このような化合物と
しては、半導体と結合を形成しうる基および色素と結合
しうる官能基とを少なくとも各1個有する化合物であれ
ば、いずれでも利用可能である。好ましい化合物として
は、いわゆるシランカップリング剤が挙げられる。シラ
ンカップリング剤としては、「シリコーン材料ハンドブ
ック」(東レ・ダウコーニング・シリコーン編)に記載
のもの、「シリコーンハンドブック」(伊藤邦雄編、日
刊工業新聞社1990発行)に記載のものなどが好まし
い例として挙げられる。これらの化合物は、予め半導体
微粒子と結合形成させておき、その後に色素と反応させ
ても良いし、逆に色素と結合を形成させておき、その後
に半導体と反応させても良い。好ましくは前者である。
【0044】色素の全吸着量は、多孔質半導体電極基板
の単位表面積(1m2)当たり0.01〜100mmolが好まし
い。また色素の半導体微粒子に対する吸着量は、半導体
微粒子1g当たり0.01〜1mmolの範囲であるのが好まし
い。このような色素の吸着量とすることにより半導体に
おける増感効果が十分に得られる。これに対し、色素が
少なすぎると増感効果が不十分となり、また色素が多す
ぎると半導体に付着していない色素が浮遊し、増感効果
を低減させる原因となる。色素の吸着量を増大させるた
めには、吸着前に加熱処理を行うのが好ましい。加熱処
理後、半導体微粒子表面に水が吸着するのを避けるた
め、常温に戻さずに、半導体電極基板の温度が60〜150
℃の間で素早く色素の吸着操作を行うのが好ましい。ま
た、色素間の凝集などの相互作用を低減する目的で、無
色の化合物を色素に添加し、半導体微粒子に共吸着させ
てもよい。この目的で有効な化合物は界面活性な性質や
構造をもった化合物であり、例えば、カルボキシル基を
有するステロイド化合物(例えばケノデオキシコール
酸)や下記の例のようなスルホン酸塩類が挙げられる。
【0045】
【化6】
【0046】未吸着の色素は、吸着後速やかに洗浄によ
り除去するのが好ましい。洗浄は、湿式洗浄槽を使い、
アセトニトリルなどの極性溶剤、アルコール系溶剤のよ
うな有機溶媒で洗浄を行うのが好ましい。また、色素を
吸着した後にアミン類や4級塩を用いて半導体微粒子の
表面を処理してもよい。好ましいアミン類としてはピリ
ジン、4-t-ブチルピリジン、ポリビニルピリジンなどが
挙げられ、好ましい4級塩としてはテトロブチルアンモ
ニウムヨージド、テトラヘキシルアンモニウムヨージド
などが挙げられる。これらが液体の場合はそのまま用い
てもよいし、有機溶媒に溶解して用いてもよい。
【0047】(C)電荷輸送層 電荷輸送層は色素の酸化体に電子を補充する機能を有す
る電荷輸送材料を含有する層である。本発明で用いるこ
とのできる代表的な電荷輸送材料の例としては、(i)イ
オン輸送材料として、酸化還元対のイオンが溶解した溶
液(電解液)、酸化還元対の溶液をポリマーマトリクス
のゲルに含浸したいわゆるゲル電解質、酸化還元対イオ
ンを含有する溶融塩電解質、さらには固体電解質が挙げ
られ、これらの電解質を含む組成物〈電解質組成物〉を
電荷輸送層に用いることができる。また、イオンがかか
わる電荷輸送材料のほかに、(ii)固体中のキャリアー移
動がかかわる電荷輸送材料として、電子輸送材料や正孔
(ホール)輸送材料を用いることもできる。これらの電
荷輸送材料は、併用することができる。本発明において
は、無機または有機の正孔(ホール)輸送材料を用いる
ことが好ましい。
【0048】(1)溶融塩電解質 溶融塩電解質は、光電変換効率と耐久性の両立という観
点から好ましい。溶融塩電解質とは、室温において液状
であるか、または低融点の固体状の電解質であり、例え
ばWO95/18456号、特開平8-259543号などの各公報や電気
化学,第65巻,11号,923頁(1997年)などに記載され
ているピリジニウム塩、イミダゾリウム塩、トリアゾリ
ウム塩などの既知の電解質を挙げることができる。10
0℃以下、特に室温付近において液状となる溶融塩が好
ましい。
【0049】好ましく用いることのできる溶融塩として
は、下記一般式(Y-a)、(Y-b)及び(Y-c)のいずれ
かにより表されるものが挙げられる。
【0050】
【化7】
【0051】一般式(Y-a)中、Qy1は窒素原子と共に5
又は6員環の芳香族カチオンを形成しうる原子団を表
す。Qy1は炭素原子、水素原子、窒素原子、酸素原子及
び硫黄原子からなる群から選ばれる1種以上の原子によ
り構成されるのが好ましい。Qy 1により形成される5員
環は、オキサゾール環、チアゾール環、イミダゾール
環、ピラゾール環、イソオキサゾール環、チアジアゾー
ル環、オキサジアゾール環、トリアゾール環、インドー
ル環またはピロール環の各カチオン型であるのが好まし
く、オキサゾール環、チアゾール環又はイミダゾール環
の各カチオン型であるのがより好ましく、オキサゾール
環又はイミダゾール環の各カチオン型であるのが特に好
ましい。Qy1により形成される6員環は、ピリジン環、
ピリミジン環、ピリダジン環、ピラジン環又はトリアジ
ン環の各カチオン型であるのが好ましく、ピリジニウム
環であるのがより好ましい。
【0052】一般式(Y-b)中、Ay1は窒素原子又はリン
原子を表す。
【0053】一般式(Y-a)、(Y-b)及び(Y-c)中のR
y1〜Ry6はそれぞれ独立に置換又は無置換のアルキル基
(好ましくは炭素原子数1〜24、直鎖状であっても分岐
状であっても、また環式であってもよく、例えばメチル
基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ペンチル
基、ヘキシル基、オクチル基、2-エチルヘキシル基、t-
オクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、
2-ヘキシルデシル基、オクタデシル基、シクロヘキシル
基、シクロペンチル基など)、或いは置換又は無置換の
アルケニル基(好ましくは炭素原子数2〜24、直鎖状で
あっても分岐状であってもよく、例えばビニル基、アリ
ル基など)を表し、より好ましくは炭素原子数2〜18の
アルキル基又は炭素原子数2〜18のアルケニル基であ
り、特に好ましくは炭素原子数2〜6のアルキル基であ
る。
【0054】また、一般式(Y-b)中のRy1〜Ry4のうち
2つ以上が互いに連結してAy1を含む非芳香族環を形成
してもよく、一般式(Y-c)中のRy1〜Ry6のうち2つ以
上が互いに連結して環構造を形成してもよい。
【0055】一般式(Y-a)、(Y-b)及び(Y-c)中のQ
y1及びRy1〜Ry6は置換基を有していてもよく、好ましい
置換基の例としては、ハロゲン原子(F、Cl、Br、Iな
ど)、シアノ基、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、
エトキシ基、メトキシエトキシ基、メトキシエトキシエ
トキシ基など)、アリーロキシ基(例えば、フェノキシ
基など)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エ
チルチオ基など)、アルコキシカルボニル基(例えば、
エトキシカルボニル基など)、炭酸エステル基(例え
ば、エトキシカルボニルオキシ基など)、アシル基(例
えば、アセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基な
ど)、スルホニル基(例えば、メタンスルホニル基、ベ
ンゼンスルホニル基など)、アシルオキシ基(例えば、
アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基など)、スルホニル
オキシ基(例えば、メタンスルホニルオキシ基、トルエ
ンスルホニルオキシ基など)、ホスホニル基(例えば、
ジエチルホスホニル基など)、アミド基(例えば、アセ
チルアミノ基、ベンゾイルアミノ基など)、カルバモイ
ル基(例えば、N,N-ジメチルカルバモイル基など)、ア
ルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、
イソプロピル基、シクロプロピル基、ブチル基、2-カル
ボキシエチル基、ベンジル基など)、アリール基(例え
ば、フェニル基、トルイル基など)、複素環基(例え
ば、ピリジル基、イミダゾリル基、フラニル基など)、
アルケニル基(例えば、ビニル基、1-プロペニル基な
ど)、シリル基、シリルオキシ基などが挙げられる。
【0056】一般式(Y-a)、(Y-b)又は(Y-c)によ
り表される化合物は、Qy1又はRy1〜R y6を介して多量体
を形成してもよい。
【0057】これらの溶融塩は、単独で使用しても、2
種以上混合して使用してもよく、また、ヨウ素アニオン
を他のアニオンで置き換えた溶融塩と併用することもで
きる。ヨウ素アニオンと置き換えるアニオンとしては、
ハロゲン化物イオン(Cl-、Br-など)、SCN-、BF4 -、PF
6 -、ClO4 -、(CF3SO2)2N-、(CF3CF2SO2)2N-、CH3SO3 -、C
F3SO3 -、CF3COO-、Ph4B-、(CF3SO2)3C-などが好ましい
例として挙げられ、SCN-、CF3SO3 -、CF3COO-、(CF3SO2)
2N-又はBF4 -であるのがより好ましい。また、LiIなど他
のヨウ素塩やCF3COOLi、CF3COONa、LiSCN、NaSCNなどの
アルカリ金属塩を添加することもできる。アルカリ金属
塩の添加量は、電荷質組成物全体の0.02〜2質量%程度
であるのが好ましく、0.1〜1質量%がさらに好まし
い。
【0058】上記溶融塩電解質は常温で溶融状態である
ものが好ましく、溶媒を用いない方が好ましい。後述す
る溶媒を添加しても構わないが、溶融塩の含有量は電解
質組成物全体に対して50質量%以上であるのが好まし
く、90質量%以上であるのが特に好ましい。また、塩の
うち、50質量%以上がヨウ素塩であることが好ましい。
【0059】上記電解質組成物にはヨウ素を添加するの
が好ましく、この場合、ヨウ素の含有量は、電解質組成
物全体に対して0.1〜20質量%であるのが好ましく、0.5
〜5質量%であるのがより好ましい。
【0060】(2)電解液 電荷輸送層に電解液を使用する場合、電解液は電解質、
溶媒、および添加物から構成されることが好ましい。本
発明の電解質はI2とヨウ化物の組み合わせ(ヨウ化物
としてはLiI、NaI、KI、CsI、CaI2 など
の金属ヨウ化物、あるいはテトラアルキルアンモニウム
ヨーダイド、ピリジニウムヨーダイド、イミダゾリウム
ヨーダイドなど4級アンモニウム化合物のヨウ素塩な
ど)、Br 2と臭化物の組み合わせ(臭化物としてはL
iBr、NaBr、KBr、CsBr、CaBr2 など
の金属臭化物、あるいはテトラアルキルアンモニウムブ
ロマイド、ピリジニウムブロマイドなど4級アンモニウ
ム化合物の臭素塩など)のほか、フェロシアン酸塩−フ
ェリシアン酸塩やフェロセン−フェリシニウムイオンな
どの金属錯体、ポリ硫化ナトリウム、アルキルチオール
−アルキルジスルフィドなどのイオウ化合物、ビオロゲ
ン色素、ヒドロキノン−キノンなどを用いることができ
る。この中でもI2とLiIやピリジニウムヨーダイド、
イミダゾリウムヨーダイドなど4級アンモニウム化合物
のヨウ素塩を組み合わせた電解質が好ましい。上述した
電解質は混合して用いてもよい。
【0061】好ましい電解質濃度は0.1M以上10M以下で
あり、さらに好ましくは0.2M以上4M以下である。ま
た、電解液にヨウ素を添加する場合の好ましいヨウ素の
添加濃度は0.01M以上0.5M以下である。
【0062】電解質に使用する溶媒は、粘度が低くイオ
ン易動度を向上したり、もしくは誘電率が高く有効キャ
リアー濃度を向上したりして、優れたイオン伝導性を発
現できる化合物であることが望ましい。このような溶媒
としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネ
ートなどのカーボネート化合物、3−メチル−2−オキ
サゾリジノンなどの複素環化合物、ジオキサン、ジエチ
ルエーテルなどのエーテル化合物、エチレングリコール
ジアルキルエーテル、プロピレングリコールジアルキル
エーテル、ポリエチレングリコールジアルキルエーテ
ル、ポリプロピレングリコールジアルキルエーテルなど
の鎖状エーテル類、メタノール、エタノール、エチレン
グリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコー
ルモノアルキルエーテル、ポリエチレングリコールモノ
アルキルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアル
キルエーテルなどのアルコール類、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、
ポリプロピレングリコール、グリセリンなどの多価アル
コール類、アセトニトリル、グルタロジニトリル、メト
キシアセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリ
ルなどのニトリル化合物、ジメチルスルフォキシド、ス
ルフォランなど非プロトン極性物質、水などが挙げら
れ、これらを混合して用いることもできる。
【0063】また、本発明では、J. Am. Ceram. Soc .,
80 (12)巻3157-3171頁(1997)に記載されているようなte
rt-ブチルピリジンや、2−ピコリン、2,6−ルチジ
ンなどの塩基性化合物を前述の溶融塩電解質や電解液に
添加することが好ましい。塩基性化合物を添加する場合
の好ましい濃度範囲は0.05M以上2M以下である。
【0064】(3)ゲル電解質 本発明において、電解質はポリマー添加、オイルゲル化
剤添加、多官能モノマー類を含む重合、ポリマーの架橋
反応などの手法により、前述の溶融塩電解質や電解液を
ゲル化(固体化)させて使用することもできる。ポリマ
ー添加によりゲル化させる場合は、“Polymer Electrol
yte Reviews-1および2”(J.R.MacCallumとC.A. Vince
ntの共編、ELSEVIER APPLIED SCIENCE)に記載された化
合物を使用することができるが、特にポリアクリロニト
リル、ポリフッ化ビニリデンを好ましく使用することが
できる。オイルゲル化剤添加によりゲル化させる場合は
J.Chem Soc. Japan, Ind. Chem.Sec., 46巻,779頁(194
3), J. Am. Chem. Soc., 111巻,5542頁(1989), J. Che
m. Soc., Chem. Commun., 1993, 390頁, Angew. Chem.
Int. (英語版), 35,1949(1996), Chem. Lett., 1996,
885頁, J. Chm. Soc., Chem. Commun., 1997,545頁に
記載されている化合物を使用することができるが、好ま
しい化合物は分子構造中にアミド構造を有する化合物で
ある。電解液をゲル化した例は、特開平11−1858
63号公報に、溶融塩電解質をゲル化した例は特開20
00−58140号公報に記載されており、本発明にも
適用できる。
【0065】また、ポリマーの架橋反応により電解質を
ゲル化させる場合、架橋可能な反応性基を含有するポリ
マーおよび架橋剤を併用することが望ましい。この場
合、好ましい架橋可能な反応性基は、アミノ基、含窒素
複素環(例えば、ピリジン環、イミダゾール環、チアゾ
ール環、オキサゾール環、トリアゾール環、モルホリン
環、ピペリジン環、ピペラジン環など)であり、好まし
い架橋剤は、窒素原子に対して求電子反応可能な2官能
以上の試薬(例えば、ハロゲン化アルキル類、ハロゲン
化アラルキル類、スルホン酸エステル類、酸無水物、酸
クロライド、イソシアネート化合物、α、β−不飽和ス
ルホニル基含有化合物、α、β−不飽和カルボニル基含
有化合物、α、β−不飽和ニトリル基含有化合物など)
であり、特開2000−17076号及び同2000−
86724号公報に記載されている架橋技術も適用でき
る。
【0066】(4)正孔輸送材料 本発明では、溶融塩などのイオン伝導性電解質の替わり
に、有機または無機あるいはこの両者を組み合わせた固
体の正孔輸送材料を使用することが好ましい。より好ま
しくは、無機正孔輸送材料を含有する電荷輸送層であ
り、より好ましくは、1価の銅化合物を無機正孔輸送材
料として含有する電荷輸送層である。
【0067】(a)有機正孔輸送材料 本発明に適用可能な有機正孔輸送材料としては、ハーゲ
ン(J.Hagen)ほか, Synthetic Metal 89巻(1997)215-2
20頁、ネイチュア(Nature),395巻, 8 Oct. 1998,583-
585頁およびWO97/10617号、特開昭59−194393号、特開
平5−234681号、米国特許第4,923,774号、特開平4−3
08688号、米国特許第4,764,625号、特開平3−269084
号、特開平4−129271号、特開平4−175395号、特開平4
−264189号、特開平4−290851号、特開平4−364153号、
特開平5−25473号、特開平5−239455号、特開平5−3206
34号、特開平6−1972号、特開平7-138562号、特開平7-2
52474号、特開平11-144773などの各公報に示される芳香
族アミン類や、特開平11-149821号、特開平11-148067
号、特開平11-176489号などの各公報に記載のトリフェ
ニレン誘導体類を好ましく用いることができる。また、
Adv. Mater. 1997,9巻,N0.7,557頁、Angew. Chem. (英
語版) 1995, 34巻, No.3,303-307頁、JACS,120巻, N0.
4,1998,664-672頁などに記載されているオリゴチオフェ
ン化合物、K. Murakoshi ほか,Chem. Lett. 1997,471頁
に記載のポリピロール、“Handbook of Organic Conduc
tive Molecules and Polymers 1〜4巻” (NALWA著、WI
LEY出版)に記載されているポリアセチレンおよびその
誘導体、ポリ(p-フェニレン) およびその誘導体、ポリ
( p-フェニレンビニレン) およびその誘導体、ポリチエ
ニレンビニレンおよびその誘導体、ポリチオフェンおよ
びその誘導体、ポリアニリンおよびその誘導体、ポリト
ルイジンおよびその誘導体などの導電性高分子を好まし
く使用することができる。
【0068】正孔(ホール)輸送材料にはネイチュア
(Nature)395巻,(8 Oct. 1998),583-585頁に記載さ
れているようにドーパントレベルをコントロールするた
めにトリス(4-ブロモフェニル)アミニウムヘキサク
ロロアンチモネートのようなカチオンラジカルを含有す
る化合物を添加したり、酸化物半導体表面のポテンシャ
ル制御(空間電荷層の補償)を行うためにLi[(CF3SO
2)2N]のような塩を添加してもよい。
【0069】(b)無機正孔輸送材料 無機正孔輸送材料としては、p型無機化合物半導体を用
いることができる。この目的のp型無機化合物半導体
は、バンドギャップが2eV以上であることが好ましく、
さらに2.5eV以上であることが好ましい。また、p型無
機化合物半導体のイオン化ポテンシャルは色素の正孔を
還元できる条件から、色素吸着電極のイオン化ポテンシ
ャルより小さいことが必要である。使用する色素によっ
てp型無機化合物半導体のイオン化ポテンシャルの好ま
しい範囲は異なってくるが、一般に4.5eV以上5.5eV以下
であることが好ましく、さらに4.7eV以上5.3eV以下であ
ることが好ましい。好ましいp型無機化合物半導体は、
一価の銅を含む化合物半導体であり、一価の銅を含む化
合物半導体の例としては、CuI, CuSCN, CuInSe2, Cu(I
n,Ga)Se2, CuGaSe2, Cu2O, CuS, CuGaS2, CuInS2, CuAl
Se2などが挙げられる。この中でもCuIおよび CuSCNが好
ましく、CuIが最も好ましい。このほかのp型無機化合
物半導体として、GaP、NiO、CoO、FeO、Bi2O3、MoO2、C
r2O3などを用いることができる。
【0070】(5)電荷輸送層の形成 電荷輸送層の形成方法に関しては2通りの方法が考えら
れる。1つは感光層の上に先に対極を貼り合わせてお
き、その間隙に液状の電荷輸送層を挟み込む方法であ
る。もう1つは感光層上に直接、電荷輸送層を付与する
方法で、対極はその後付与することになる。本発明にお
いては、後者の方法で電荷輸送層を付与することが好ま
しい。
【0071】前者の場合、電荷輸送層の挟み込み方法と
して、浸漬などによる毛管現象を利用する常圧プロセ
ス、または常圧より低い圧力にして間隙の気相を液相に
置換する真空プロセスを利用できる。
【0072】感光層上に直接、電荷輸送層を付与する場
合、湿式の電荷輸送層においては未乾燥のまま対極を付
与し、エッジ部の液漏洩防止措置を施すことになる。ま
たゲル電解質の場合には湿式で塗布して重合などの方法
により固体化する方法があり、その場合には乾燥、固定
化した後に対極を付与することもできる。電解液のほか
湿式有機正孔輸送材料やゲル電解質を付与する方法とし
ては、前述の半導体微粒子層や色素の付与と同様の方法
を利用できる。
【0073】固体電解質や固体の正孔(ホール)輸送材
料の場合には真空蒸着法やCVD法などのドライ成膜処
理で電荷輸送層を形成し、その後対極を付与することも
できる。有機正孔輸送材料は真空蒸着法,キャスト法,
塗布法,スピンコート法、浸漬法、電解重合法、光電解
重合法などの手法により電極内部に導入することができ
る。無機固体化合物の場合も、キャスト法,塗布法,ス
ピンコート法、浸漬法、電解析出法、無電解メッキ法な
どの手法により電極内部に導入することができる。本発
明において、正孔(ホール)輸送材料として、1価の銅
化合物を含有させる場合、電解めっき法、もしくは無電
解めっき法を用いることが好ましい。電解めっき法の中
でも本発明に好ましい方法は、特願平11-351838号、特
願平11-336370号および特願2000-006969号などに記載し
た方法である。また、無電解めっき法を用いることも好
ましく、その中でも本発明に好ましい方法は、特願平11
-351842号に記載の方法である。より好ましくは、無電
解めっきによる方法である。無電解めっきにより沃化銅
を含有するホール輸送層を作製する方法としては、下記
1.に示した2つの工程を用いる還元法と、下記2.に
示す1工程の酸化法がある。
【0074】1.還元法 還元法は、色素吸着半導体微粒子層に、一般的な無電
解金属めっきを行う「めっき工程」と、めっきした金
属をp型半導体にする「後工程」とからなる。めっき工
程では、「(金属表面技術講座第9巻)無電解メッキ」
(1971年、金属表面技術協会編、朝倉書店発行)、
「最新 無電解めっき技術」(1986年、総合技術センタ
ー発行)、「めっき技術ガイドブック」(1987年、
東京鍍金材料協同組合発行)、「アモルファスめっき法
とその応用」(1990年、増本健、渡辺徹共編、日刊
工業新聞社発行)、「無電解めっきの応用」(1991
年、岡村寿郎他著、槙書店発行)などに記載の無電解め
っきの方法を用いることができる。
【0075】無電解めっきは、電解めっきと異なり、外
部から電気を供給することなく、めっき液中に共存する
還元剤によって、金属カチオンを還元し、めっきしたい
表面に析出させるものである。めっき工程で用いるめっ
き液は、金属塩、還元剤および添加剤からなる。金属塩
としては、硫酸塩、酢酸塩、炭酸塩などが用いられる。
銅めっきの場合、硫酸銅、酢酸銅および炭酸銅が好まし
く用いられる。特に硫酸銅が好ましい。還元剤として
は、次亜燐酸塩(例えば次亜燐酸ナトリウムなど)、ほ
う水素化物(ほう水素化ナトリウムなど)、ヒドラジ
ン、ホルムアルデヒド(HCHO)やジメチルアミンボ
ラン((CH3)2NH・BH3)などが用いられる。用
いられる還元剤は、めっきする金属によって好ましいも
のが異なる。銅めっきの場合は、めっきした銅表面で触
媒的に酸化が起こるホルムアルデヒドやジメチルアミン
ボランが好ましく用いられる。ニッケルめっきの場合
は、次亜燐酸ナトリウム、ほう水素化ナトリウムやヒド
ラジンなどが好ましく用いられる。めっき液を構成する
金属塩、還元剤および添加剤の濃度は、それぞれの組み
合わせによって適量範囲が異なるが、金属塩としては、
5×10-3〜0.5mol/L,還元剤としては、1×
10-3〜1.0mol/Lである。
【0076】添加剤としては、反応液のpHを塩基条件
にするための塩基、反応過程でのpH低下を抑える緩衝
剤、液中での金属析出を防止する安定剤、反応過程で発
生する水素ガスの除去を促進する界面活性剤、湿潤剤な
どが好ましく用いられる。塩基としては、無機塩基が好
ましく、その中でも水酸化ナトリウムが好ましい用いら
れる。緩衝剤としては有機酸や無機酸の塩が用いられ
る。安定剤としては、EDTA、ビピリジル、チオ尿
素、MBT、シアン化合物などの金属錯体形成能が有る
ものが好ましく用いられる。また、湿潤剤としてはPE
G(ポリエチレングリコール)などが好ましく用いられ
る。
【0077】無電解めっきはその密着性などを改良する
上で、めっき工程の前に、溶剤処理、エッチング処理、
触媒付与・活性促進処理などの工程を前工程として行う
ことが好ましい。この内、溶剤処理及びエッチング処理
は、めっき対象の表面を清浄にするとともに、若干の凹
凸を設けることで、アンカー効果により密着を改良する
ものである。微粒子半導体の洗浄用として、溶剤処理液
には、弱アルカリ水、アルコール類、アセトニトリルの
様な極性溶媒などが用いられる。エッチング処理用とし
ては、例えば、硝酸、弗化水素などの酸類が好ましく用
いられる。触媒付与・活性促進処理は、本来金属が析出
しにくい表面に析出を促進するための触媒機能を有する
部位を設けるために行われる。好ましい例としては、キ
ャタリスト(Pdコロイド、例えばPd2+/Sn2+塩酸
溶液)処理に続けてアクセラレータ(酸、例えば硫酸溶
液)処理する方法、センシタイザ(例えば塩化錫塩酸溶
液)処理に続けてアクチベータ(例えば塩化パラジウム
の塩酸溶液)処理する方法、アルカリイオンキャタ法、
熱処理法(PdあるいはAgの有機錯体溶剤浸漬後、加
熱処理)などが好ましく用いられる。
【0078】電解メッキ法は、「電気化学測定法」(技
報堂出版株式会社)などに記載されている一般的な方法
を用いることができる。すなわち、作用極として本発明
の半導体層を有する電極、対極として不活性電極(白
金、カーボンなど)、電解液に銅塩溶液(例えばCuI
及びKIをアセトニトリル又はアセトンなどに溶解した
溶液)を用いて定電流電解(好ましい電流密度:0.1
〜500mA/cm2)する方法を利用できる。
【0079】めっきした金属をp型半導体にする後工程
としては、例えば、銅の場合、沃化銅、チオシアン酸銅
などに変換する工程である。沃化銅に変換する工程とし
ては、沃素蒸気中にてエージングする方法や、沃化カリ
ウム溶液中に浸漬する方法などが好ましく用いられる。
【0080】(2)酸化法 酸化法は、例えばCuI2アニオンかつ/またはCuI3
アニオンを含む溶液から、酸化剤の共存下、直接沃化銅
を析出させる方法が挙げられる。酸化剤としては、酸化
電位が+0.25V(vsAg/AgCl)より貴であることが
好ましい。
【0081】(D)対極 対極は前記の導電性支持体と同様に、導電性材料からな
る対極導電層の単層構造でもよいし、対極導電層と支持
基板から構成されていてもよい。対極導電層に用いる導
電材としては、金属(例えば白金、金、銀、銅、アルミ
ニウム、マグネシウム、インジウムなど)、炭素、また
は導電性金属酸化物(インジウム−スズ複合酸化物、フ
ッ素ドープ酸化スズ、など)が挙げられる。この中でも
白金、金、銀、銅、アルミニウム、マグネシウムを対極
層として好ましく使用することができる。対極の好まし
い支持基板の例は、ガラスまたはプラスチックであり、
これに上記の導電剤を塗布または蒸着して用いる。対極
導電層の厚さは特に制限されないが、3nm〜10μmが好
ましい。対極層の表面抵抗は低い程よい。好ましい表面
抵抗の範囲としては50Ω/□以下であり、さらに好まし
くは20Ω/□以下である。
【0082】導電性支持体と対極のいずれか一方または
両方から光を照射してよいので、感光層に光が到達する
ためには、導電性支持体と対極の少なくとも一方が実質
的に透明であれば良い。発電効率の向上の観点からは、
導電性支持体を透明にして、光を導電性支持体側から入
射させるのが好ましい。この場合対極は光を反射する性
質を有するのが好ましい。このような対極としては、金
属または導電性の酸化物を蒸着したガラスまたはプラス
チック、あるいは金属薄膜を使用できる。
【0083】対極は、電荷輸送層上に直接導電材を塗
布、メッキまたは蒸着(PVD、CVD)するか、導電層を有
する基板の導電層側を貼り付ければよい。また、導電性
支持体の場合と同様に、特に対極が透明の場合には、対
極の抵抗を下げる目的で金属リードを用いるのが好まし
い。なお、好ましい金属リードの材質および設置方法、
金属リード設置による入射光量の低下などは導電性支持
体の場合と同じである。
【0084】(E)その他の層 対極と導電性支持体の短絡を防止するため、予め導電性
支持体と感光層の間に緻密な半導体の薄膜層を下塗り層
として塗設しておくことが好ましく、電荷輸送層に電子
輸送材料や正孔輸送材料を用いる場合は、特に有効であ
る。下塗り層として好ましいのはTiO2、SnO2、Fe2O3、W
O3、ZnO、Nb2O5であり、さらに好ましくはTiO2である。
下塗り層は、例えばElectrochim. Acta 40巻, 643-652
頁(1995)に記載されているスプレーパイロリシス法の
他、スパッタ法などにより塗設することができる。下塗
り層の好ましい膜厚は5〜1000nmであり、10〜500nmがさ
らに好ましい。
【0085】また、電極として作用する導電性支持体と
対極の一方または両方の外側表面、導電層と基板の間ま
たは基板の中間に、保護層、反射防止層などの機能性層
を設けても良い。これらの機能性層の形成には、その材
質に応じて塗布法、蒸着法、貼り付け法などを用いるこ
とができる。
【0086】(F)光電変換素子の内部構造の具体例 上述のように、光電変換素子の内部構造は目的に合わせ
様々な形態が可能であるが、大きく2つに分ければ、両
面から光の入射が可能な構造と、片面からのみ可能な構
造が可能である。図2〜図9に本発明に好ましく適用で
きる光電変換素子の内部構造を例示する。
【0087】図2に示す本発明の光電変換素子の一態様
の内部構造の部分断面図は、透明導電層10aと透明対極
導電層40aとの間に、感光層20と、電荷輸送層30とを介
在させた態様を示しており、両面から光が入射する構造
となっている。図3に示した本発明の別の態様の光電変
換素子は、透明基板50a上に一部金属リード11を設け、
さらに透明導電層10aを設け、下塗り層60、感光層20、
電荷輸送層30および対極導電層40をこの順で設け、さら
に支持基板50を配置したものであり、導電層側から光が
入射する構造となっている。図4に示した本発明の光電
変換素子のさらに別の態様では、支持基板50上にさらに
導電層10を有し、下塗り層60を介して感光層20を設け、
さらに電荷輸送層30と透明対極導電層40aとを設け、一
部に金属リード11を設けた透明基板50aを、金属リード1
1側を内側にして配置したものであり、対極側から光が
入射する構造である。図5し示した態様では、透明基板
50a上に一部金属リード11を設け、さらに透明導電層10a
(または40a)を設けたもの1組の間に下塗り層60と感
光層20と電荷輸送層30とを介在させたものであり、両面
から光が入射する構造である。さらに、図6に示した態
様では、透明基板50a上に透明導電層10a、下塗り層60、
感光層20、電荷輸送層30および対極導電層40を設け、こ
の上に支持基板50を配置したものであり導電層側から光
が入射する構造である。図7に示した態様では、支持基
板50上に導電層10を有し、下塗り層60を介して感光層20
を設け、さらに電荷輸送層30および透明対極導電層40a
を設け、この上に透明基板50aを配置したものであり、
対極側から光が入射する構造である。図8に示した態様
では、透明基板50a上に透明導電層10aを有し、下塗り層
60を介して感光層20を設け、さらに電荷輸送層30および
透明対極導電層40aを設け、この上に透明基板50aを配置
したものであり、両面から光が入射する構造となってい
る。図9は、支持基板50上に導電層10を設け、下塗り層
60を介して感光層20を設け、さらに固体の電荷輸送層30
を設け、この上に一部対極導電層40または金属リード11
を有するものであり、対極側から光が入射する構造とな
っている。
【0088】〔2〕光電池 本発明の光電池は、上記光電変換素子によって変換され
て得られた電気エネルギーを用いて外部負荷の仕事をさ
せるようにしたものである。光電池のうち、電荷輸送材
料が主としてイオン輸送材料からなる場合を、特に光電
気化学電池と呼び、また、太陽光による発電を主目的と
する場合を太陽電池と呼ぶ。光電池は、構成物の劣化や
内容物の揮散を防止するために、側面をポリマーや接着
剤などで密封するのが好ましい。導電性支持体および対
極にリードを介して接続される外部回路自体は公知のも
ので良い。本発明の光電変換素子を太陽電池に適用する
場合、そのセル内部の構造は基本的に上述した光電変換
素子の構造と同じである。また、本発明の色素増感型太
陽電池は、従来の太陽電池モジュールと基本的には同様
のモジュール構造をとりうる。太陽電池モジュールは、
一般的には金属、セラミックなどの支持基板の上にセル
が構成され、その上を充填樹脂や保護ガラスなどで覆
い、支持基板の反対側から光を取り込む構造をとるが、
支持基板に強化ガラスなどの透明材料を用い、その上に
セルを構成してその透明の支持基板側から光を取り込む
構造とすることも可能である。具体的には、スーパース
トレートタイプ、サブストレートタイプ、ポッティング
タイプと呼ばれるモジュール構造、アモルファスシリコ
ン太陽電池などで用いられる基板一体型モジュール構造
などが知られており、本発明の色素増感型太陽電池も使
用目的や使用場所および環境により、適宜これらのモジ
ュール構造を選択できる。特に好ましい具体的な構造と
態様は、特願平11-8457号明細書に記載されている。
【0089】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
する。 実施例1 1.二酸化チタン分散液の調製ソーラロニクス 社製TI-Nanoxide-D(アナターセ゛型酸化チタン分散物、pH=
0.9)10gに分子量20、000のPEG(ホ゜リエチレンク゛リコール)0.20gを添
加し、十分に溶解、分散し分散液とした。
【0090】2.色素を吸着したTiO2電極の作製 2-1.電極A フッ素をドープした酸化スズをコーティングした導電性
ガラス(日本板硝子製;面積抵抗10Ω/□,25mm×
100mm)の導電面側に エレクトロヒミカアクタ(E
lectrochimica Acta),40巻643〜652頁(199
5)に記載されているスプレーパイロリシス法によって
二酸化チタン下塗り層(膜厚60nm)を形成した。こ
の基板の一部(周囲の端から3mm)に粘着テープを貼っ
てスペーサーとし、この上にステンレス棒を用いて上記
の二酸化チタン分散液を塗布した。塗布後、粘着テープ
を剥離し、室温で30分間風乾した。次に、この塗布済
みガラスを電気炉(ヤマト科学製マッフル炉FP−32
型)に入れ、空気中550℃にて30分間焼成した。ガ
ラスを取り出し、露点−40℃の乾燥した環境で電極表
面が120℃になるまで冷却した後、色素Aの脱水エタ
ノール溶液(3×10−4モル/リットル)に60℃で
2時間浸漬してガラス上の二酸化チタンに色素Aを吸着
させた。色素吸着済み電極を脱水アセトニトリルで洗浄
した後、自然乾燥し、26mm×19mm角に切断加工し、
中心部14mm×14mm(受光部分)を残して下塗り
層及び半導体層を除去して電極Aを得た。このようにし
て得られた感光層(色素が吸着した二酸化チタン層)の
塗布量は約7.0g/m 2であった。本電極Aをアルカリ
溶液で処理すると、色素は簡単に脱着したことから、色
素と半導体微粒子が共有結合していないことが確認され
た。
【0091】
【化8】
【0092】2-2.電極B 色素Aの替わりに色素Bを用いた以外、電極Aと同様に
して、電極Bを作製した。色素Bは酸化チタンと共有結
合していた。本電極Bをアルカリ溶液で処理しても、色
素の脱着は殆ど認められなかった。
【0093】2-3.電極C フッ素をドープした酸化スズをコーティングした導電性
ガラス(日本板硝子製;25mm×100mm、面積抵抗10
Ω/□)の導電面側に エレクトロヒミカアクタ(Electr
ochimica Acta),40巻643〜652頁(1995)に
記載されているスプレーパイロリシス法によって二酸化
チタン下塗り層(膜厚60nm)を形成した。この基板
の一部(周囲の端から3mm)に粘着テープを貼ってスペ
ーサーとし、この上にステンレス棒を用いて上記の二酸
化チタン分散液を塗布した。塗布後、粘着テープを剥離
し、室温で30分間風乾した。次に、このガラスを電気
炉(ヤマト科学製マッフル炉FP−32型)に入れ、空
気中550℃にて30分間焼成した。ガラスを取り出
し、露点−40℃の乾燥した環境で電極表面が120℃
になるまで冷却した後、シランカップリング剤Cの脱水
アセトニトリル溶液(5質量%)に50℃で6時間浸漬
し反応させた。アセトニトリルで洗浄したのち、自然乾
燥し、次いで色素Aの脱水DMF溶液(3×10−4モ
ル/リットル)に80℃で振とうしながら2時間浸漬
し、反応させた。色素A、シランカップリング剤Cおよ
び酸化チタンは共有結合していた。本電極Cをアルカリ
溶液で処理しても、色素の脱着は殆ど認められなかっ
た。色素反応済み電極を、電極Aと同様に処理・加工し
て電極Cを得た。
【0094】
【化9】
【0095】3.正孔輸送層の形成 正孔輸送層Aは下記塗布工程Aにより作製した。正孔輸
送層Bは下記無電解めっき工程の後、下記後工程を行っ
て作製した。正孔輸送層Cは下記無電解めっき工程の
後、下記後工程を経て、さらに塗布工程Bを行って作製
した。 3-1.塗布工程A 第2項で作製した電極の導電面露出部分および受光部の
周辺1mm幅を保護し、100℃に過熱したホットプレートに
載せて2分間放置した。γ−CuIおよび化合物Dのアセ
トニトリル溶液(CuI:3.2質量%、化合物D:0.05質量%)
0.2mlを10分程度かけて、アセトニトリルを揮発させな
がらゆっくり電極に加え、塗布後、2分間ホットプレー
ト上に放置してCuI(正孔輸送)層を形成した。正孔
輸送層は電極の微粒子により形成されている多孔膜中に
ほぼ浸透していることが断面SEMより確認できた。
【0096】
【化10】
【0097】3-2.無電解めっき工程 下記構成のめっき液を調液した。 めっき液組成 ------------------------------------------------ 水酸化ナトリウム 10g 硫酸銅5水塩 10g EDTA2Na2水塩 30g ホルムアルデヒド 4g 2、2'ジピリジル 50mg NaCN 30mg K2Ni(CN)4 15mg PEG1000 25mg 水を加えて全量 1L ------------------------------------------------- めっき液のpHは11であった。めっき液を空気でエア
レーションしながら、50℃に保温し、第2項で作製し
た電極の導電面露出部分および受光部の周辺1mm幅を保
護したものを浸漬し、約1時間放置した後、洗浄、乾燥
することでCu層を形成した。
【0098】3-3.後工程 無電解めっきで形成したCu層を形成したものを、密閉
した沃素蒸気中に室温にて1時間エージングすること
で、CuをCuIに変換し、CuI層を形成した。この
方法で形成した正孔輸送層は多孔膜中に深く浸透してい
ることが断面SEMより確認できた。
【0099】3-4.塗布工程B 前工程でCuI層を形成したものの上に、化合物Eを塗
布し、1000Pa以下の減圧下に10時間放置した。
その後、表面に残った過剰な溶融塩を、ろ紙で吸い取っ
て除去した。
【0100】4.光電変換素子の作製 上記のように電荷輸送層(正孔輸送層)を形成した電極
A,B,Cそれぞれと、同サイズの白金蒸着ガラス(白
金層の膜厚=1μm、ガラス膜厚=1.1mm)とを図10の配
置となるように重ね合わせた。(電極と正孔輸送層との
組み合わせは表1の通り)受光部以外の重ね合わせ部分
には、三井・デュポンケミカル〈株〉のアイオノマー
(ハイミラン1702)の延伸フイルム(25μm厚み)を挟み125℃-
30秒圧着加熱した。さらに、重ね合わせ縁部分は、エポ
キシ樹脂系のシール剤(Solaronix社製)を用いてシー
ルを施した。
【0101】5.光電変換効率の測定 500Wのキセノンランプ(ウシオ製)の光を分光フィ
ルター(Oriel社製AM1.5D)を通すことにより
模擬太陽光を発生させた。この光の強度は100mW/cm2で
あった。模擬太陽光を照射し、前述の光電池の導電性ガ
ラスと対極層間に発生した電気を電流電圧測定装置(ケ
ースレーSMU2400型)にて測定した。短絡電流(Jsc)を表
1に記載した。さらに、光電変換素子を遮光、常温(25
±5℃)、大気中24時間放置した後、同様にして測定を
行った。経時後の短絡電流(Jsc)を表1に記載した。な
お、表中の「フレッシュ」は、光電変換素子を製作した
のち、経時させてない状態を意味する。
【0102】
【表1】
【0103】表1より、半導体に共有結合によって結合
した色素(電極BおよびC)を用い、正孔輸送材料を用
いた本発明の光電変換素子(2、3、5〜8)は、比較
例(光電変換素子1および4)に比べ、経時後の短絡電
流が大きく優位であることが分かる。さらに、正孔輸送
層の作製を、無電解めっき工程を含む方法で作製した素
子(5〜8)はそれ以外で作製した素子(2、3)に比
べ、短絡電流が大きくより優位であることが分かる。ま
た、シランカップリング剤を用い半導体と色素とを結合
させた電極C(3、6、8)はそれ以外(2、5、7)
と比較し短絡電流が大きくより優位であることが分か
る。
【0104】
【発明の効果】以上のように、本発明の光電変換素子
は、短絡電流が大きく、有効であることが分かる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の好ましい光電変換素子の構造を示す
部分断面図である。
【図2】 本発明の好ましい光電変換素子の構造を示す
部分断面図である。
【図3】 本発明の好ましい光電変換素子の構造を示す
部分断面図である。
【図4】 本発明の好ましい光電変換素子の構造を示す
部分断面図である。
【図5】 本発明の好ましい光電変換素子の構造を示す
部分断面図である。
【図6】 本発明の好ましい光電変換素子の構造を示す
部分断面図である。
【図7】 本発明の好ましい光電変換素子の構造を示す
部分断面図である。
【図8】 本発明の好ましい光電変換素子の構造を示す
部分断面図である。
【図9】 本発明の好ましい光電変換素子の構造を示す
部分断面図である。
【図10】実施例で作製した光電変換素子の構造を示す
模式図である。
【符号の説明】
10・・・導電層 10a・・・透明導電層 11・・・金属リード 20・・・感光層 21・・・半導体微粒子 22・・・色素 23・・・電荷輸送材料 30・・・電荷輸送層 40・・・対極導電層 40a・・・透明対極導電層 50・・・基板 50a・・・透明基板 60・・・下塗り層 1・・・色素吸着電極 2・・・白金蒸着ガラス 3・・・受光部(14mm×14mm)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 窪田 忠彦 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社内 Fターム(参考) 5F051 AA14 5H032 AA06 AS16 CC17 EE01 EE16 EE17

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電層、色素により増感した半導体微粒
    子層、電荷輸送層および対極を有する光電変換素子にお
    いて、該色素が該半導体微粒子と共有結合をしており、
    かつ、電荷輸送層に無機および/または有機のホール輸
    送材料を用いることを特徴とする光電変換素子。
  2. 【請求項2】 無機のホール輸送材料が、1価の銅化合
    物であることを特徴とする請求項1に記載の光電変換素
    子。
  3. 【請求項3】 1価の銅化合物が、銅電解めっき又は銅
    塩を用いた無電解めっき工程を含む工程により作製され
    たものであることを特徴とする請求項2に記載の光電変
    換素子。
  4. 【請求項4】 半導体微粒子と共有結合により結合した
    色素が、有機金属錯体色素及び/又はメロシアニン色素
    であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に
    記載の光電変換素子。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載され
    た光電変換素子を用いることを特徴とする光電池。
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