JP2002060356A - テレフタル酸の水素添加方法 - Google Patents
テレフタル酸の水素添加方法Info
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- JP2002060356A JP2002060356A JP2000248421A JP2000248421A JP2002060356A JP 2002060356 A JP2002060356 A JP 2002060356A JP 2000248421 A JP2000248421 A JP 2000248421A JP 2000248421 A JP2000248421 A JP 2000248421A JP 2002060356 A JP2002060356 A JP 2002060356A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 テレフタル酸から1,4−シクロヘキサンジ
メタノールを製造するに際し溶媒を循環使用する。 【解決手段】 溶媒及びパラジウム触媒の存在下にテレ
フタル酸を水素と反応させて1,4−シクロヘキサンジ
カルボン酸を生成させ、反応生成液に更に水素を反応さ
せて1,4−シクロヘキサンジメタノールを生成させ、
反応生成液から炭素数6〜10の脂肪族アルコールで
1,4−シクロヘキサンジメタノールを抽出して回収
し、抽出工程から排出される溶媒をテレフタル酸の水添
の溶媒として循環使用するテレフタル酸の水素添加方法
において、テレフタル酸の水素添加で生成する1,4−
シクロヘキサンカルボン酸溶液中の炭素数6〜10の脂
肪族アルコールの濃度を0.2重量%以下にする。
メタノールを製造するに際し溶媒を循環使用する。 【解決手段】 溶媒及びパラジウム触媒の存在下にテレ
フタル酸を水素と反応させて1,4−シクロヘキサンジ
カルボン酸を生成させ、反応生成液に更に水素を反応さ
せて1,4−シクロヘキサンジメタノールを生成させ、
反応生成液から炭素数6〜10の脂肪族アルコールで
1,4−シクロヘキサンジメタノールを抽出して回収
し、抽出工程から排出される溶媒をテレフタル酸の水添
の溶媒として循環使用するテレフタル酸の水素添加方法
において、テレフタル酸の水素添加で生成する1,4−
シクロヘキサンカルボン酸溶液中の炭素数6〜10の脂
肪族アルコールの濃度を0.2重量%以下にする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はテレフタル酸を水素
添加して、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸を経由
して1,4−シクロヘキサンジメタノールを製造する方
法に関するものである。1,4−シクロヘキサンジカル
ボン酸及び1,4−シクロヘキサンジメタノールは、い
ずれも合成樹脂、合成繊維、塗料などの原料として有用
な化合物である。
添加して、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸を経由
して1,4−シクロヘキサンジメタノールを製造する方
法に関するものである。1,4−シクロヘキサンジカル
ボン酸及び1,4−シクロヘキサンジメタノールは、い
ずれも合成樹脂、合成繊維、塗料などの原料として有用
な化合物である。
【0002】
【従来の技術】テレフタル酸を水素添加して1,4−シ
クロヘキサンジカルボン酸を製造することは公知であ
る。水素添加方法としてはいくつかの方法が提案されて
いるが、液相中でパラジウム触媒の存在下にテレフタル
酸を直接水素添加する方法が好ましいと考えられてい
る。最も好ましいと考えられる方法の一つは、水にテレ
フタル酸とパラジウム触媒を加え、液相懸濁方式で水素
添加する方法である。水に対するテレフタル酸の溶解度
は小さいが、生成する1,4−シクロヘキサンジカルボ
ン酸は水に比較的よく溶解する。従ってこの方法では、
テレフタル酸スラリーから出発して、1,4−シクロヘ
キサンジカルボン酸の比較的高濃度の水溶液を取得する
ことができる。
クロヘキサンジカルボン酸を製造することは公知であ
る。水素添加方法としてはいくつかの方法が提案されて
いるが、液相中でパラジウム触媒の存在下にテレフタル
酸を直接水素添加する方法が好ましいと考えられてい
る。最も好ましいと考えられる方法の一つは、水にテレ
フタル酸とパラジウム触媒を加え、液相懸濁方式で水素
添加する方法である。水に対するテレフタル酸の溶解度
は小さいが、生成する1,4−シクロヘキサンジカルボ
ン酸は水に比較的よく溶解する。従ってこの方法では、
テレフタル酸スラリーから出発して、1,4−シクロヘ
キサンジカルボン酸の比較的高濃度の水溶液を取得する
ことができる。
【0003】1,4−シクロヘキサンジカルボン酸のカ
ルボキシル基を水素添加すると1,4−シクロヘキサン
ジメタノールが得られる。カルボキシル基の水素添加触
媒としては多くのものが知られているが、1,4−シク
ロヘキサンジカルボン酸の水素添加には、ルテニウム触
媒が好ましいと考えられている。生成した1,4−シク
ロヘキサンジメタノール水溶液からの1,4−シクロヘ
キサンジメタノールの回収は、蒸留又は抽出により行う
ことができる。しかし反応生成液からの水の留去には大
量のエネルギーを要するので、有機溶媒による抽出が好
ましいと考えられる。抽出溶媒としては、入手が容易
で、かつ1,4−シクロヘキサンジメタノールと親和性
が大きいと考えられる高級アルコールが好ましいと考え
られる。
ルボキシル基を水素添加すると1,4−シクロヘキサン
ジメタノールが得られる。カルボキシル基の水素添加触
媒としては多くのものが知られているが、1,4−シク
ロヘキサンジカルボン酸の水素添加には、ルテニウム触
媒が好ましいと考えられている。生成した1,4−シク
ロヘキサンジメタノール水溶液からの1,4−シクロヘ
キサンジメタノールの回収は、蒸留又は抽出により行う
ことができる。しかし反応生成液からの水の留去には大
量のエネルギーを要するので、有機溶媒による抽出が好
ましいと考えられる。抽出溶媒としては、入手が容易
で、かつ1,4−シクロヘキサンジメタノールと親和性
が大きいと考えられる高級アルコールが好ましいと考え
られる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述の方法によるテレ
フタル酸からの1,4−シクロヘキサンジメタノールの
製造法の問題点の一つは、1,4−シクロヘキサンジメ
タノールを分離した後の大量の廃水の処理である。この
廃水を系外に排出すると処理費用を要するので、できれ
ば系内で循環使用するのが望ましい。しかし抽出溶媒と
して高級アルコールを用いて1,4−シクロヘキサンジ
メタノールを抽出・回収した後の廃水を、テレフタル酸
の水添工程の反応媒体として用いると、パラジウム触媒
の活性が低下することが判明した。従って本発明は、パ
ラジウム触媒の活性を低下させることなく、反応媒体の
水を循環使用する方法を提供しようとするものである。
フタル酸からの1,4−シクロヘキサンジメタノールの
製造法の問題点の一つは、1,4−シクロヘキサンジメ
タノールを分離した後の大量の廃水の処理である。この
廃水を系外に排出すると処理費用を要するので、できれ
ば系内で循環使用するのが望ましい。しかし抽出溶媒と
して高級アルコールを用いて1,4−シクロヘキサンジ
メタノールを抽出・回収した後の廃水を、テレフタル酸
の水添工程の反応媒体として用いると、パラジウム触媒
の活性が低下することが判明した。従って本発明は、パ
ラジウム触媒の活性を低下させることなく、反応媒体の
水を循環使用する方法を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、溶媒及
びパラジウム触媒の存在下にテレフタル酸に水素を反応
させて1,4−シクロヘキサンジカルボン酸を生成させ
る第1水素添加工程、第1水素添加工程で得られた反応
生成液に水素添加触媒の存在下に水素を反応させて1,
4−シクロヘキサンジメタノールを生成させる第2水素
添加工程、第2水素添加工程で得られた反応生成液を炭
素数6〜10の脂肪族アルコールで抽出して1,4−シ
クロヘキサンジメタノールを抽出・分離する抽出工程、
及び抽出工程から排出される溶媒を第1水素添加工程に
循環する循環工程の各工程を含むテレフタル酸の水素添
加方法において、第1水素添加工程の反応生成液中の炭
素数6〜10の脂肪族アルコールの濃度が0.2重量%
以下となるようにすることにより、パラジウム触媒の活
性を高く維持して第1水素添加工程を行うことができ
る。
びパラジウム触媒の存在下にテレフタル酸に水素を反応
させて1,4−シクロヘキサンジカルボン酸を生成させ
る第1水素添加工程、第1水素添加工程で得られた反応
生成液に水素添加触媒の存在下に水素を反応させて1,
4−シクロヘキサンジメタノールを生成させる第2水素
添加工程、第2水素添加工程で得られた反応生成液を炭
素数6〜10の脂肪族アルコールで抽出して1,4−シ
クロヘキサンジメタノールを抽出・分離する抽出工程、
及び抽出工程から排出される溶媒を第1水素添加工程に
循環する循環工程の各工程を含むテレフタル酸の水素添
加方法において、第1水素添加工程の反応生成液中の炭
素数6〜10の脂肪族アルコールの濃度が0.2重量%
以下となるようにすることにより、パラジウム触媒の活
性を高く維持して第1水素添加工程を行うことができ
る。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明においては、テレフタル酸
を1,4−シクロヘキサンジカルボン酸に水素添加する
第1水素添加工程、及び1,4−シクロヘキサンジカル
ボン酸を1,4−シクロヘキサンジメタノールに水素添
加する第2水素添加工程は、いずれも常法に従って行う
ことができる。溶媒としては通常は水性溶媒、すなわち
水又は水と水溶性有機溶媒との混合溶媒を用いる。なか
でも水を溶媒とするのが好ましく、混合溶媒の場合でも
水を主体とする、すなわち50重量%以上、特に70重
量%以上の水を含有するものを用いるのが好ましい。第
1水素添加工程は、溶媒にテレフタル酸及びパラジウム
触媒を加え、反応系が均一になるように攪拌しながら、
所定の反応条件下に維持することにより、100%に近
い反応率にまで容易に進行させることができる。溶媒に
対するテレフタル酸の比率は、反応により生成する1,
4−シクロヘキサンジカルボン酸が溶媒に溶解し得る限
度で、できるだけ高くするのが好ましい。
を1,4−シクロヘキサンジカルボン酸に水素添加する
第1水素添加工程、及び1,4−シクロヘキサンジカル
ボン酸を1,4−シクロヘキサンジメタノールに水素添
加する第2水素添加工程は、いずれも常法に従って行う
ことができる。溶媒としては通常は水性溶媒、すなわち
水又は水と水溶性有機溶媒との混合溶媒を用いる。なか
でも水を溶媒とするのが好ましく、混合溶媒の場合でも
水を主体とする、すなわち50重量%以上、特に70重
量%以上の水を含有するものを用いるのが好ましい。第
1水素添加工程は、溶媒にテレフタル酸及びパラジウム
触媒を加え、反応系が均一になるように攪拌しながら、
所定の反応条件下に維持することにより、100%に近
い反応率にまで容易に進行させることができる。溶媒に
対するテレフタル酸の比率は、反応により生成する1,
4−シクロヘキサンジカルボン酸が溶媒に溶解し得る限
度で、できるだけ高くするのが好ましい。
【0007】この比率が小さいと反応装置の生産効率が
低下し、かつ後の工程で1,4−シクロヘキサンジメタ
ノール溶液から1,4−シクロヘキサンジメタノールを
分離・回収する際の装置の効率低下や消費エネルギーの
増加などを招くので好ましくない。また、この比率が大
きいことは、1,4−シクロヘキサンジメタノール溶液
から1,4−シクロヘキサンジメタノールを抽出・回収
した後の溶媒と一緒に第1水素添加工程に循環されてく
る抽剤の脂肪族アルコールを、テレフタル酸で希釈し
て、反応生成液中のその濃度を低下させる点でも好まし
い。水を溶媒とする場合には、通常は反応により生成す
る水溶液中の1,4−シクロヘキサンカルボン酸の濃度
が5〜50重量%となるようにするが、10〜40重量
%となるようにするのが好ましい。
低下し、かつ後の工程で1,4−シクロヘキサンジメタ
ノール溶液から1,4−シクロヘキサンジメタノールを
分離・回収する際の装置の効率低下や消費エネルギーの
増加などを招くので好ましくない。また、この比率が大
きいことは、1,4−シクロヘキサンジメタノール溶液
から1,4−シクロヘキサンジメタノールを抽出・回収
した後の溶媒と一緒に第1水素添加工程に循環されてく
る抽剤の脂肪族アルコールを、テレフタル酸で希釈し
て、反応生成液中のその濃度を低下させる点でも好まし
い。水を溶媒とする場合には、通常は反応により生成す
る水溶液中の1,4−シクロヘキサンカルボン酸の濃度
が5〜50重量%となるようにするが、10〜40重量
%となるようにするのが好ましい。
【0008】パラジウム触媒としては、アルミナ、シリ
カ、カーボン等にパラジウム及び所望により助触媒成分
を担持させた担体付パラジウム触媒を用いるのが好まし
い。触媒のパラジウムの含有量は通常0.5〜20重量
%であるが、1〜10重量%が好ましい。回分反応の場
合、パラジウム触媒はテレフタル酸に対して0.5〜1
5重量%、特に1〜10重量%程度となるように用いる
のが好ましい。反応温度は通常100〜200℃である
が、120〜170℃が好ましい。反応温度が低過ぎる
と、反応速度が低下して不利である。逆に反応温度が高
過ぎると水素化分解反応が盛んとなり、メチルシクロヘ
キサンカルボン酸やシクロヘキサンカルボン酸などの副
生が顕著となる。
カ、カーボン等にパラジウム及び所望により助触媒成分
を担持させた担体付パラジウム触媒を用いるのが好まし
い。触媒のパラジウムの含有量は通常0.5〜20重量
%であるが、1〜10重量%が好ましい。回分反応の場
合、パラジウム触媒はテレフタル酸に対して0.5〜1
5重量%、特に1〜10重量%程度となるように用いる
のが好ましい。反応温度は通常100〜200℃である
が、120〜170℃が好ましい。反応温度が低過ぎる
と、反応速度が低下して不利である。逆に反応温度が高
過ぎると水素化分解反応が盛んとなり、メチルシクロヘ
キサンカルボン酸やシクロヘキサンカルボン酸などの副
生が顕著となる。
【0009】水素圧力は通常0.2MPa〜30MP
a、好ましくは0.3MPa〜20MPaである。水素
圧力が低過ぎると反応速度が低下するので好ましくな
い。反応は連続方式及び回分方式のいずれでも行うこと
ができる。いずれの場合でも触媒を懸濁状態で用いる液
相懸濁方式で反応させるのが好ましい。この方式では反
応終了後、スラリーを濾過して触媒を分離・回収し、濾
液の1,4−シクロヘキサンジカルボン酸溶液は第2水
素添加工程へ送られ、カルボキシル基を水素添加して
1,4−シクロヘキサンジメタノールを生成させる。第
2水素添加工程の水素添加触媒としてはアルミナ、シリ
カ、チタニア、ケイソウ土、ジルコニア、カーボン等に
ルテニウムを担持させた担持付ルテニウム触媒を用いる
のが好ましい。ルテニウム触媒でも特に好ましいのは、
活性炭にルテニウム、錫及び白金を担持させた触媒であ
る。担体へのルテニウムの担持量は1〜20重量が好ま
しく、錫及び白金はそれぞれルテニウムに対して原子比
で0.5〜5倍、及び0.1〜0.4倍となるように担
持させるのが好ましい。
a、好ましくは0.3MPa〜20MPaである。水素
圧力が低過ぎると反応速度が低下するので好ましくな
い。反応は連続方式及び回分方式のいずれでも行うこと
ができる。いずれの場合でも触媒を懸濁状態で用いる液
相懸濁方式で反応させるのが好ましい。この方式では反
応終了後、スラリーを濾過して触媒を分離・回収し、濾
液の1,4−シクロヘキサンジカルボン酸溶液は第2水
素添加工程へ送られ、カルボキシル基を水素添加して
1,4−シクロヘキサンジメタノールを生成させる。第
2水素添加工程の水素添加触媒としてはアルミナ、シリ
カ、チタニア、ケイソウ土、ジルコニア、カーボン等に
ルテニウムを担持させた担持付ルテニウム触媒を用いる
のが好ましい。ルテニウム触媒でも特に好ましいのは、
活性炭にルテニウム、錫及び白金を担持させた触媒であ
る。担体へのルテニウムの担持量は1〜20重量が好ま
しく、錫及び白金はそれぞれルテニウムに対して原子比
で0.5〜5倍、及び0.1〜0.4倍となるように担
持させるのが好ましい。
【0010】第2水素添加工程は通常50〜350℃で
行われるが、100〜260℃、特に150〜240℃
で行うのが、反応速度及び副反応の抑制の点からして好
ましい。反応温度が高過ぎるとシクロヘキサンメタノー
ルやメチルシクロヘキサンメタノール等の副生が増加す
る。水素圧力は通常0.1〜30MPaであるが、1〜
25MPaが好ましい。水素圧力が低いと反応速度が低
下し、逆に高過ぎると副生物が増加する。
行われるが、100〜260℃、特に150〜240℃
で行うのが、反応速度及び副反応の抑制の点からして好
ましい。反応温度が高過ぎるとシクロヘキサンメタノー
ルやメチルシクロヘキサンメタノール等の副生が増加す
る。水素圧力は通常0.1〜30MPaであるが、1〜
25MPaが好ましい。水素圧力が低いと反応速度が低
下し、逆に高過ぎると副生物が増加する。
【0011】反応は第1水素添加工程と同じく、連続方
式及び回分方式のいずれでも行うことができるが連続方
式で行うのが好ましい。また反応型式も液相懸濁反応及
び固定床流通反応のいずれを採用することもできるが、
固定床流通反応で行うのが好ましい。反応に要する時間
は反応の温度、圧力、触媒及びその使用量などにより大
きく左右されるのが、回分の液相懸濁方式の場合には、
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸に対して0.5〜
50重量%のルテニウム触媒を用い、0.5〜3時間で
ほぼ100%の反応率に到達させるのが好ましい。
式及び回分方式のいずれでも行うことができるが連続方
式で行うのが好ましい。また反応型式も液相懸濁反応及
び固定床流通反応のいずれを採用することもできるが、
固定床流通反応で行うのが好ましい。反応に要する時間
は反応の温度、圧力、触媒及びその使用量などにより大
きく左右されるのが、回分の液相懸濁方式の場合には、
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸に対して0.5〜
50重量%のルテニウム触媒を用い、0.5〜3時間で
ほぼ100%の反応率に到達させるのが好ましい。
【0012】第2水素添加工程で生成した1,4−シク
ロヘキサンジメタノール溶液は、触媒を除去したのち、
溶媒抽出により1,4−シクロヘキサンジメタノールを
分離・回収する。抽出溶媒としては炭素数6〜10の脂
肪族アルコールを用いる。例えば2−エチルヘキサノー
ル、シクロヘキサノール、シクロヘキサンメタノール、
メチルシクロヘキサンメタノールなどを用いるのが好ま
しい。抽出は通常50〜100℃で行い、抽出装置とし
ては常用のものを用いることができる。抽出は反応溶媒
中の1,4−シクロヘキサンジメタノールの濃度が極微
量、好ましくは0.01重量%以下となるまで行うのが
好ましい。何故ならば反応溶媒中に1,4−シクロヘキ
サンジメタノールが残存していると、反応溶媒を第1水
素添加工程に循環したときに、パラジウム触媒の活性が
低下するからである。また、抽出に際しては、1,4−
シクロヘキサンジメタノールを分離した後の反応溶媒中
に、抽剤である脂肪族アルコールが溶解度以上に残存し
ないように、反応溶媒相と脂肪族アルコール相とをでき
るだけ完全に分離させるべきである。何故ならば、反応
溶媒と共に抽剤の脂肪族アルコールが第1水素添加工程
に循環されると、パラジウム触媒の活性が低下するから
である。
ロヘキサンジメタノール溶液は、触媒を除去したのち、
溶媒抽出により1,4−シクロヘキサンジメタノールを
分離・回収する。抽出溶媒としては炭素数6〜10の脂
肪族アルコールを用いる。例えば2−エチルヘキサノー
ル、シクロヘキサノール、シクロヘキサンメタノール、
メチルシクロヘキサンメタノールなどを用いるのが好ま
しい。抽出は通常50〜100℃で行い、抽出装置とし
ては常用のものを用いることができる。抽出は反応溶媒
中の1,4−シクロヘキサンジメタノールの濃度が極微
量、好ましくは0.01重量%以下となるまで行うのが
好ましい。何故ならば反応溶媒中に1,4−シクロヘキ
サンジメタノールが残存していると、反応溶媒を第1水
素添加工程に循環したときに、パラジウム触媒の活性が
低下するからである。また、抽出に際しては、1,4−
シクロヘキサンジメタノールを分離した後の反応溶媒中
に、抽剤である脂肪族アルコールが溶解度以上に残存し
ないように、反応溶媒相と脂肪族アルコール相とをでき
るだけ完全に分離させるべきである。何故ならば、反応
溶媒と共に抽剤の脂肪族アルコールが第1水素添加工程
に循環されると、パラジウム触媒の活性が低下するから
である。
【0013】抽出工程で1,4−シクロヘキサンジメタ
ノールを分離・回収した後の反応溶媒は、第1水素添加
工程に循環して反応媒体として再使用する。この際、第
1水素添加工程で生成する反応生成液中における、抽剤
として用いた脂肪族アルコールの含有量が、0.2重量
%以下となるように上述の抽出操作を行うことが必要で
ある。反応生成液中における脂肪族アルコールの含有量
が0.2重量%を越えると、第1水素添加工程の水素添
加触媒であるパラジウム触媒の活性が著るしく低下す
る。反応生成液中における脂肪族アルコールの好ましい
含有量は0.15重量%以下であり、0.10重量%以
下であれば更に好ましい。従って抽出工程から排出され
る溶媒中の脂肪族アルコールの含有量が高い場合には、
吸着処理や抽出処理により、その含有量を低下させてか
ら第1水素添加工程に循環するのが好ましい。本発明に
よればテレフタル酸を溶媒中で水素添加して1,4−シ
クロヘキサンジメタノールを製造するに際し、溶媒を循
環使用することができる。
ノールを分離・回収した後の反応溶媒は、第1水素添加
工程に循環して反応媒体として再使用する。この際、第
1水素添加工程で生成する反応生成液中における、抽剤
として用いた脂肪族アルコールの含有量が、0.2重量
%以下となるように上述の抽出操作を行うことが必要で
ある。反応生成液中における脂肪族アルコールの含有量
が0.2重量%を越えると、第1水素添加工程の水素添
加触媒であるパラジウム触媒の活性が著るしく低下す
る。反応生成液中における脂肪族アルコールの好ましい
含有量は0.15重量%以下であり、0.10重量%以
下であれば更に好ましい。従って抽出工程から排出され
る溶媒中の脂肪族アルコールの含有量が高い場合には、
吸着処理や抽出処理により、その含有量を低下させてか
ら第1水素添加工程に循環するのが好ましい。本発明に
よればテレフタル酸を溶媒中で水素添加して1,4−シ
クロヘキサンジメタノールを製造するに際し、溶媒を循
環使用することができる。
【0014】
【実施例】以下に、本発明を実施例により更に具体的に
説明する。攪拌機を備えた容量200mLのステンレス
製オートクレーブに、テレフタル酸8g、水72g、及
びパラジウム−炭素触媒(パラジウム含有量5重量%、
エヌ・イー・ケムキャット社製)0.8gを仕込んだ。
これに2−エチルヘキサノールを添加し、攪拌下に15
0℃、水素圧3MPaで1時間反応させた。反応生成液
を抜出し、これに仕込んだテレフタル酸に対して2.5
倍モルの水酸化ナトリウムに相当する、5N−NaOH
水溶液24mLを添加したのち、濾過して触媒を除去し
た。濾液を高速液体クロマトグラフィーで分析した結果
を表−1に示す。また反応初期の水素の吸収速度から触
媒の活性を算出し、2−エチルヘキサノールを添加しな
かった場合の活性を1.00として表−1に示した。
説明する。攪拌機を備えた容量200mLのステンレス
製オートクレーブに、テレフタル酸8g、水72g、及
びパラジウム−炭素触媒(パラジウム含有量5重量%、
エヌ・イー・ケムキャット社製)0.8gを仕込んだ。
これに2−エチルヘキサノールを添加し、攪拌下に15
0℃、水素圧3MPaで1時間反応させた。反応生成液
を抜出し、これに仕込んだテレフタル酸に対して2.5
倍モルの水酸化ナトリウムに相当する、5N−NaOH
水溶液24mLを添加したのち、濾過して触媒を除去し
た。濾液を高速液体クロマトグラフィーで分析した結果
を表−1に示す。また反応初期の水素の吸収速度から触
媒の活性を算出し、2−エチルヘキサノールを添加しな
かった場合の活性を1.00として表−1に示した。
【0015】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4H006 AA02 AC11 AC41 AD16 BA23 BA25 BB14 BB31 BB47 BC37 BD41 BD52 BD70 BE20 FC22 FE11 4H039 CA60 CB40
Claims (4)
- 【請求項1】 溶媒及びパラジウム触媒の存在下にテレ
フタル酸に水素を反応させて1,4−シクロヘキサンジ
カルボン酸を生成させる第1水素添加工程、第1水素添
加工程で得られた反応生成液に水素添加触媒の存在下に
水素を反応させて1,4−シクロヘキサンジメタノール
を生成させる第2水素添加工程、第2水素添加工程で得
られた反応生成液を炭素数6〜10の脂肪族アルコール
で抽出して1,4−シクロヘキサンジメタノールを抽出
・分離する抽出工程、及び抽出工程から排出される溶媒
を第1水素添加工程に循環する循環工程の各工程を含む
テレフタル酸の水素添加方法において、第1水素添加工
程の反応生成液中の炭素数6〜10の脂肪族アルコール
の濃度が0.2重量%以下となるようにすることを特徴
とする方法。 - 【請求項2】 第2水素添加工程の水素添加触媒がルテ
ニウム触媒であることを特徴とする請求項1記載の方
法。 - 【請求項3】 炭素数6〜10の脂肪族アルコールが2
−エチルヘキサノールであることを特徴とする請求項1
又は2記載の方法。 - 【請求項4】 溶媒が水性溶媒であることを特徴とする
請求項1ないし3のいずれかに記載の方法。
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