JP2001342178A - 4−メチルピラゾール−5−カルボン酸化合物の製造方法 - Google Patents
4−メチルピラゾール−5−カルボン酸化合物の製造方法Info
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Abstract
5−カルボン酸化合物の製造法の提供する。 【解決手段】式(I): 【化1】 (式中、R1、R2およびR3は、各々独立して水素原子
またはC1-4のアルキル基を表わす。)で表わされるピ
ラゾール−5−カルボン酸化合物を有機溶媒中、ホルム
アルデヒドおよびその等価体から選ばれた1種以上、鉱
酸およびルイス酸から選ばれた1種以上の酸触媒、並び
に塩化水素の存在下に反応させて式(II): 【化2】 (式中、R1、R2およびR3は、前記と同様の意味を表
わす。)で表わされる4−クロロメチルピラゾール−5
−カルボン酸化合物を得て、続いて還元条件下に脱クロ
ロ化を行なうことを特徴とする、式(III): 【化3】 (式中、R1、R2およびR3は、前記と同様の意味を表
わす。)で表わされる1,3−ジアルキル−4−メチル
ピラゾール−5−カルボン酸化合物の製造方法。
Description
ル−4−メチルピラゾール−5−カルボン酸化合物を製
造する方法に関する。
ル−5−カルボン酸化合物は、医農薬等を始めとするフ
ァインケミカルズの中間体として有用な化合物である。
例えば、後述するように、該化合物は殺ダニ活性を有す
るアクリロニトリル化合物の中間体として有用である。
−メチルピラゾール−5−カルボン酸化合物は、その効
率的な合成法が知られておらず、1,3,4−トリメチ
ルピラゾール−5−カルボン酸化合物を例にとると、以
下に示す合成例が報告されているのみである。 (1)1,3,4,5−テトラメチルピラゾールを酢酸
中塩素によりクロロ化して、1、3,4−トリメチル−
5−トリクロロメチルピラゾールを得た後に、加水分解
により1,3,4−トリメチルピラゾール−5−カルボ
ン酸を得る方法(Ann.,598巻、186頁、19
56年)。 (2)モノクロロ酢酸誘導体とヒドラジンより2−ヒド
ラジノ酢酸エステルを合成し、次いでジアセチルとの反
応により対応するヒドラゾンを合成、このものを環化し
て3(5),4−ジメチルピラゾール−5(3)−カル
ボン酸エステルを合成し、最後に1位をメチル化して目
的とする1,3,4−トリメチルピラゾール−5−カル
ボン酸エステルを得る方法(Gazz.Chim.It
al.,93巻、748頁、1963年およびAgri
c.Biol.Chem.,48巻、45頁、1984
年)。
チルピラゾールを大量の塩素ガスで処理するが、目的と
する1,3,4−トリメチル−5−トリクロロメチルピ
ラゾールの収率は61%と低く、1,4−ジメチル−
3,5−ビス(トリクロロメチル)ピラゾールを始め種
々のポリ塩素化化合物が副生する。これらの分離や副生
する塩化水素の処理を含め、容易に実施可能な方法とは
言えない。
導体の収率が50%、続くジアセチルとのヒドラゾン合
成が85%、最終のアルキル化工程が31%と低収率で
あり、また合成原料の一つであるジアセチルは、その安
定性や臭気に問題があり、工程の長さを考えあわせると
必ずしも実用性が高い方法とは言えない。
カルボン酸化合物はAnn.279,219頁(189
4).に記載の方法に従い、2−ヒドロキシ−4−オキ
ソ−2−アルケン酸エステルとアルキルヒドラジンとの
反応または2−ヒドロキシ−4−オキソ−2−アルケン
酸エステルにヒドラジンを反応させた後、アルキル化を
行うことにより合成することができる。しかし、本合成
の中間体である2−ヒドロキシ−4−オキソ−2−アル
ケン酸エステルの3−位のメチル化による2−ヒドロキ
シ−3−メチル−4−オキソ−2−アルケン酸エステル
の合成は極めて困難であり、現在まで有効な合成法が知
られていないのが現状である。
ては、特開平7−224041号公報、特開平7−25
8219および特開平11−5972号公報に、5−エ
トキシカルボニル−1,3−ジメチルピラゾールもしく
は5−エトキシカルボニル−3−エチル−1−メチルピ
ラゾールをリン酸、濃塩酸および酢酸の存在下、パラホ
ルムアルデヒドを反応させることによる方法が記載され
ているが、クロロメチル化された生成物の収率が30〜
40%と低く、ヒドロキシメチル体などの副生成物が生
じるという点で改良の余地を残している。
知られていなかった1,3−ジアルキル−4−メチルピ
ラゾール−5−カルボン酸化合物のより簡便でかつ優れ
た合成方法を提供することにある。
を解決すべく本目的化合物の各種新規合成経路を徹底的
に精査した。その結果、従来容易に得られることが知ら
れている4−位無置換のピラゾールを原料とし、ピラゾ
ール核のクロロメチル化を有機溶媒中で行い、さらに還
元的脱クロロ化を行なうことで目的とする1,3−ジア
ルキル−4−メチルピラゾール−5−カルボン酸化合物
が高収率で得られることを見出し、本発明を完成するに
至った。
して水素原子またはC1-4のアルキル基を表わす。)で
表わされるピラゾール−5−カルボン酸化合物を有機溶
媒中、ホルムアルデヒドおよびその等価体から選ばれた
1種以上、鉱酸およびルイス酸から選ばれた1種以上の
酸触媒、並びに塩化水素の存在下に反応させて式(I
I):
様の意味を表わす。)で表わされる4−クロロメチルピ
ラゾール−5−カルボン酸化合物を得て、続いて還元条
件下に脱クロロ化を行なうことを特徴とする、式(II
I):
様の意味を表わす。)で表わされる1,3−ジアルキル
−4−メチルピラゾール−5−カルボン酸化合物の製造
方法、特に、式(I)、(II)および(III)において、
R1およびR3がメチル基を表わし、R2が水素原子また
はC1-4のアルキル基を表わす製造方法に関するもので
ある。
R2はエチル基を表わす。)で表される化合物に関する
ものである。
メチルピラゾール−5−カルボン酸化合物の製造経路
は、式(I)で表わされるピラゾール−5−カルボン酸
化合物を有機溶媒中、ホルムアルデヒドおよびその等価
体から選ばれた1種以上、鉱酸およびルイス酸から選ば
れた1種以上の酸触媒、並びに塩化水素の存在下に反応
させて式(II)で表わされる4−クロロメチルピラゾー
ル−5−カルボン酸化合物を得る段階と、先に得られた
式(II)の4−クロロメチルピラゾール−5−カルボン
酸化合物を、還元条件下に脱クロロ化を行ない式(II
I)で表わされる1,3−ジアルキル−4−メチルピラ
ゾール−5−カルボン酸化合物を得る段階の2段階から
構成される。
も良いが、前段の生成物を単離精製することなく連続的
に行なうことも可能である。
ゾール−5−カルボン酸化合物は、前述の通りAnn.
279,219頁(1894).に記載の方法に従い、
下記に示す縮合、環化の2段階またはアルキル化を加え
た3段階の反応により容易に得ることができる。
の意味を表わす) 第1段階の縮合段階はメチルケトン化合物とシュウ酸エ
ステルを塩基の存在下に縮合させて2−ヒドロキシ−4
−オキソ−2−アルケン酸エステルを得る反応であり、
種々の条件下で収率良く進行する。
ヒドラジンを用いて一段階で、または無置換ヒドラジン
により、N−無置換のピラゾールを得て、次いでアルキ
ル化により二段階で、本発明の原料となる1,3−ジア
ルキルピラゾール−5−カルボン酸化合物を合成する反
応であり、いずれも高収率で目的物を得ることができ
る。
キル化反応はメチル化の場合、ジメチル硫酸を用いて、
低温で行なうことで極めて高選択的に1,3−ジアルキ
ルピラゾール−5−カルボン酸化合物を得ることができ
る。
る。
いて、置換基R1、R2およびR3はそれぞれ独立に水素
原子またはC1-4のアルキル基を表わす。
ル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n
−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル
基が挙げられる。
を考慮した場合、R1としてはメチル基、エチル基、ノ
ルマルプロピル基、イソブチル基等が好ましいが、特に
メチル基が好ましい。R2としては水素原子、メチル
基、エチル基、n−ブチル基が好ましく、特に水素原
子、メチル基、エチル基が好ましい。R3としては、合
成的には種々の化合物が得られるものの、実用上は水素
原子、メチル基、エチル基が好ましく、特にメチル基が
好ましい。
に述べる。
ルボン酸化合物を、ホルムアルデヒドおよびその等価体
から選ばれた1種以上、鉱酸およびルイス酸から選ばれ
た1種以上の酸触媒、並びに塩化水素の存在下に反応さ
せて4−クロロメチルピラゾール−5−カルボン酸化合
物を得る段階である。
しては、ホルマリン水溶液、パラホルムアルデヒド、
1,3,5−トリオキサン等が挙げられるが、パラホル
ムアルデヒドまたは1,3,5−トリオキサンが、取扱
い、収率などの点から好ましい。
質のピラゾールに対して、0.5〜10当量が好まし
く、特に0.8〜3当量を用いることが操作上も好まし
い。
ガス、塩酸等を用いることができるが、生産性を考慮す
ると、反応系内の塩化水素が高濃度の方が好ましく、塩
化水素ガスまたは通常入手可能な塩酸(35%濃度以
上)を用いることがさらに好ましい。塩化水素の使用量
は、基質のピラゾールに対して、0.5〜15当量が好
ましく、特に0.8〜4当量が好ましい。但し塩化水素
ガスとして系内に連続的に供給する場合は、さらに過剰
量を供給し、過剰分を反応系外で処理することもでき
る。
素も当然触媒作用を有するが、その他各種の酸を単独に
または組み合せて使用することで、さらに良好な結果を
得ることができる。例えば、硫酸、リン酸、酢酸、クロ
ロスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスル
ホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホ
ン酸等のプロトン酸、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、塩
化第二鉄、三フッ化ホウ素、塩化第一スズ、塩化第二ス
ズ等のルイス酸等を用いることができるが、鉱酸または
ルイス酸が好ましく、その中では硫酸、リン酸、塩化亜
鉛、塩化アルミニウムが一般的であり、特に、硫酸、リ
ン酸が好ましい。
ルに対して、0.001〜1.0当量が好ましく、特に
0.01〜0.5当量を用いることが収率の点また後処
理の操作上からも好ましい。
性な溶媒であれば特に制限は無く、例えば、ジエチルエ
−テル、メチル−t−ブチルエ−テル、テトラヒドロフ
ラン、ジエチルエ−テル、ジメトキシメタン、ジエトキ
シメタン、エチレングリコ−ルジメチルエ−テル、エチ
レングリコ−ルジエチルエ−テル、エチレングリコ−ル
ジブチルエ−テル、ジエチレングリコ−ルジメチルエ−
テル、ジエチレングリコ−ルジエチルエ−テル、ジエチ
レングリコ−ルジブチルエ−テル、トリエチレングリコ
−ルジメチルエ−テル、1,4−ジオキサン等のエ−テ
ル類、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシ
クロヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン等の脂肪族
炭化水素類、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタ
ン、テトラクロロエチレン等のハロゲン化炭化水素類、
ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、o−
ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、p−ジクロ
ロベンゼン、ニトロベンゼン、テトラヒドロナフタリン
等の芳香族炭化水素類、アセトニトリル、プロピオニト
リル等のニトリル類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブ
チル、プロピオン酸エチル等のエステル類、N,N−ジ
メチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、
N−メチルピロリドン等のアミド類、1,3−ジメチル
イミダゾリジノン、N,N,N’,N’−テトラメチル
尿素等の尿素類および水が挙げられる。これらは単独ま
たは組合せて使用できる。
施が可能であるが、反応条件によっては、生成物中にヒ
ドロキシメチル体やその類縁体のように、本反応の目的
に好ましくない副生物を大量に副生する場合がある。従
って、本反応を目的にあった結果を与えるようにするに
は、反応に用いる酸、溶媒等に由来する水分を、反応系
内濃度として20%以下に制御することが好ましい。
とができる。しかし、反応試剤の使用量を含めて経済的
な製造を考慮した場合の温度範囲としては、30〜20
0℃が好ましく、特に50〜150℃または用いる溶媒
の沸点の範囲で行なうことが好ましい。
温度等により一定しないが、通常は0.5〜20時間、
好ましくは1〜10時間の範囲で終了するように、条件
を設定することが好ましい。
粗反応物に水および水と混合しない溶媒を加えて充分に
洗浄後、有機層より蒸留、カラムクロマトグラフィ−等
の常法により目的とする4−クロロメチルピラゾール−
5−カルボン酸化合物を高収率で単離することが可能で
あるが、本発明の目的をより合理的に達成するために
は、第1段階で得られた抽出液をそのまま次の第2段階
に使用することが好ましい。
ラゾール−5−カルボン酸化合物を、還元的に脱クロロ
化して4−メチルピラゾール−5−カルボン酸化合物を
得る段階である。
触媒を用いた接触還元方法または金属水素化物あるいは
金属水素錯化合物を用いた還元方法が好ましい。
はパラジウム、ロジウム、白金、ルテニウム、ニッケル
等の各種遷移金属を触媒として用いることができるが、
生産性、経済性等からパラジウムまたはニッケルを含む
触媒が最も一般的であり好ましい。
化合物、担持固体触媒等の形態が好ましいが、パラジウ
ム担持シリカ触媒、パラジウム担持アルミナ触媒、パラ
ジウム担持炭素触媒、パラジウム担持硫酸バリウム触
媒、パラジウム担持ゼオライト触媒、パラジウム担持シ
リカ・アルミナ触媒、ラネ−ニッケル等の担持または固
体触媒が操作性、経済性を考慮して特に好ましい。
表面積等により一定しないが、使用する基質のピラゾー
ル1モルあたり、触媒金属として0.00001〜0.
1グラム原子が好ましく、0.0001〜0.05グラ
ム原子がさらに好ましい。
ある。使用する水素としては、純水素ガスでも、反応に
不活性な窒素、アルゴン等のガスにより希釈された水素
ガスを用いてもよい。
10MPaの範囲から選択することが好ましく、また水
素分圧の高い方が反応そのものは短時間で進行するが、
操作性や設備の点から0.01〜5MPaの範囲で反応
を行なうことが特に好ましい。また希釈水素ガスを使用
する場合の全圧も0.01〜5MPaに準じた圧力範囲
に設定することが好ましい。
が反応系内に共存するように制御することが必要であ
る。
として以下の化合物を共存させて、接触的加水分解によ
り目的物を得ることもできる。
ては、ギ酸アンモニウム、ギ酸トリメチルアンモニウ
ム、ギ酸トリエチルアンモニウム、亜リン酸ニ水素ナト
リウム等が挙げられる。
ルに対して0.8〜10当量が好ましく、特に0.9〜
3当量を用いることが操作上も好ましい。
量の塩化水素が生成する。この塩化水素は、反応系に存
在していても特に問題はないが、系内に塩基を存在させ
て中和を行ないながら反応を行なうこともできる。
は、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、ト
リ−n−ブチルアミン、ピリジン、2−ピコリン、3−
ピコリン、4−ピコリン、メチルエチルピリジン、N,
N−ジメチルアニリン等の有機塩基類、水酸化リチウ
ム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウ
ム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリ
ウム等の無機塩基類等が使用可能である。
して、0.5〜5当量が好ましく、特に0.9〜3当量
を用いることが操作上も好ましい。
金属水素化物または金属水素錯化合物を用いる方法が挙
げられる。
たは金属水素錯化合物としては、水素化アルミニウムリ
チウム、水素化アルミニウムナトリウム、水素化ホウ素
ナトリウム、水素化銅リチウム等が挙げられる。
の使用量は基質のピラゾールに対して、ハイドライド基
準で0.8〜5当量が好ましく、特に0.9〜3当量を
用いることが操作上も好ましい。
ール化合物を有機溶媒中に溶解して反応を行なうことが
好ましい。
反応に直接関与しないものであれば各種のものを用いる
ことが可能であり、上記何れかの還元方法に使用可能な
ものを列挙すれば、メタノ−ル、エタノ−ル、1−プロ
パノ−ル、2−プロパノ−ル、1−ブタノ−ル、2−ブ
タノ−ル、イソブタノ−ル、2−メチル−2−プロパノ
−ル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、i−プロ
ピルセロソルブ、ジエチレングリコ−ルモノメチルエ−
テル、ジエチレングリコ−ルモノエチルエ−テル、ジエ
チレングリコ−ルモノブチルエ−テル、シクロヘキサノ
−ル、ベンジルアルコ−ル等のアルコ−ル類、ジエチル
エ−テル、メチル−t−ブチルエ−テル、テトラヒドロ
フラン、ジエチルエ−テル、ジメトキシメタン、ジエト
キシメタン、エチレングリコ−ルジメチルエ−テル、エ
チレングリコ−ルジエチルエ−テル、エチレングリコ−
ルジブチルエ−テル、ジエチレングリコ−ルジメチルエ
−テル、ジエチレングリコ−ルジエチルエ−テル、ジエ
チレングリコ−ルジブチルエ−テル、トリエチレングリ
コ−ルジメチルエ−テル、1,4−ジオキサン等のエ−
テル類、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、メチル
シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン等の脂肪
族炭化水素類、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエ
タン、テトラクロロエチレン等のハロゲン化炭化水素
類、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、
o−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、p−ジ
クロロベンゼン、ニトロベンゼン、テトラヒドロナフタ
リン等の芳香族炭化水素類、アセトニトリル、プロピオ
ニトリル等のニトリル類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢
酸ブチル、プロピオン酸エチル、安息香酸メチル、安息
香酸エチル等のエステル類、N,N−ジメチルホルムア
ミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロ
リドン等のアミド類、1,3−ジメチルイミダゾリジノ
ン、N,N,N’,N’−テトラメチル尿素等の尿素類
および水が挙げられる。これらは単独または組合せて使
用することができる。
通常、−50℃以上の温度範囲で行なうことができる。
但し、操作性や生産性の点から、0〜120℃の温度範
囲が好ましく、20〜100℃または用いる溶媒の沸点
の範囲で行なうことが特に好ましい。
温度等により一定しないが、0.5〜20時間で反応が
終了するように条件を設定することが好ましく、1〜1
0時間で終了するように条件を設定することがさらに好
ましい。
離、溶媒の留去、有機溶媒による抽出、洗浄等の常法に
よる後処理の後、目的化合物である1,3−ジアルキル
−4−メチルピラゾール−5−カルボン酸化合物を蒸
留、結晶化等の方法により、純粋な形で高収率で単離す
ることができる。
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
ジメチルピラゾール−5−カルボン酸エチルエステルの
合成 1,3−ジメチルピラゾール−5−カルボン酸エチルエ
ステル16.9g(0.1モル)を、塩化水素7.30
g(0.2モル)および98%硫酸1.00g(0.0
1モル)を含む1,4−ジオキサン100mlに室温で
添加した。続いてパラホルムアルデヒド6.00g
(0.2モル)を添加した後に、撹拌しながら温度を上
昇させ、温度約90℃において5時間反応させた。同温
にて減圧とし、溶媒を留去した後に冷却し、反応液を氷
水200ml中に注ぎ、次いで生成物をトルエン150
mlで2回抽出した。トルエン層をあわせて水洗した後
の有機層中の成分を、内部標準物質を用いた高速液体ク
ロマトグラフィ−により分析した結果、目的の4−クロ
ロメチル−1,3−ジメチルピラゾール−5−カルボン
酸エチルエステルが、91.5%の収率で得られてい
た。さらにトルエンを減圧下に留去したところ目的物が
純度95%の油状物として20.7g得られた。単離収
率は95%であった。
チルピラゾール−5−カルボン酸エチルエステルの1H
−NMRを以下に示す。
H,t,J=7.1HZ)、2.30(3H,s)、
4.10(3H,s)、4.40(2H,q,J=7.
1HZ)、4.80(2H,s) 〔実施例2〕4−クロロメチル−1,3−ジメチルピラ
ゾール−5−カルボン酸エチルエステルの合成 1,3−ジメチルピラゾール−5−カルボン酸エチルエ
ステル16.9g(0.1モル)を、35%塩酸10.
43g(0.1モル)、95%硫酸1.00g(0.0
1モル)およびトルエン100mlの混合物に室温で添
加した。続いてパラホルムアルデヒド6.00g(0.
2モル)を添加した後に、撹拌しながら温度を上昇さ
せ、温度90〜100℃において5時間反応させた。冷
却後、反応液に氷水150ml中に注ぎ、有機層を分離
し、引き続き水層にトルエン100mlを加え抽出し
た。トルエン層をあわせて水洗した後の有機層中の成分
を、内部標準物質を用いた高速液体クロマトグラフィ−
により分析した結果、目的の4−クロロメチル−1,3
−ジメチルピラゾール−5−カルボン酸エチルエステル
が、69.0%の収率で得られていた。
ジメチルピラゾール−5−カルボン酸エチルエステルの
合成 1,3−ジメチルピラゾール−5−カルボン酸エチルエ
ステル16.9g(0.1モル)を、95%硫酸1.0
0g(0.01モル)および1,4−ジオキサン50m
lの混合物に室温で添加した。続いてパラホルムアルデ
ヒド6.00g(0.2モル)を添加した後に、撹拌し
ながら温度を上昇させ、温度約90℃において塩化水素
ガスを50ml/minの速度で吹き込みながら5時間
反応させた。同温にて減圧とし、溶媒を留去した後に冷
却し、反応液を氷水100ml中に注ぎ、次いで生成物
をトルエン60mlで2回抽出し、水50mlにて2回
洗浄を行なった。得られた有機層中の成分を、内部標準
物質を用いた高速液体クロマトグラフィ−により分析し
た結果、目的の4−クロロメチル−1,3−ジメチルピ
ラゾール−5−カルボン酸エチルエステルが、96.5
%の収率で得られていた。さらにトルエンを減圧下に留
去したところ目的物が純度97%の油状物として21.
10g得られた。単離収率は97%であった。
ジメチルピラゾール−5−カルボン酸エチルエステルの
合成 1,3−ジメチルピラゾール−5−カルボン酸エチルエ
ステル16.9g(0.1モル)を、塩化水素7.30
g(0.2モル)、85%リン酸1.16g(0.01
モル)および1,4−ジオキサン50mlの混合物に室
温で添加した。続いてパラホルムアルデヒド6.00g
(0.2モル)を添加した後に、撹拌しながら温度を上
昇させ、温度約90℃において5時間反応させた。同温
にて減圧とし、溶媒を留去した後に冷却し、反応液を氷
水100ml中に注ぎ、次いで生成物をトルエン60m
lで2回抽出し、水50mlにて2回洗浄を行なった。
得られた有機層中の成分を、内部標準物質を用いた高速
液体クロマトグラフィ−により分析した結果、目的の4
−クロロメチル−1,3−ジメチルピラゾール−5−カ
ルボン酸エチルエステルが、93.1%の収率で得られ
ていた。さらにトルエンを減圧下に留去したところ目的
物が純度95%の油状物として19.80g得られた。
単離収率は91%であった。
ジメチルピラゾール−5−カルボン酸エチルエステルの
合成 1,3−ジメチルピラゾール−5−カルボン酸エチルエ
ステル16.9g(0.1モル)を、塩化アルミニウム
1.33g(0.01モル)、塩化水素9.1g(0.
25モル)および1,4−ジオキサン200mlの混合
溶液に室温で添加した。続いてパラホルムアルデヒド
6.00g(0.2モル)を添加した後に、撹拌しなが
ら温度を上昇させ、温度約90℃において5時間反応さ
せた。同温にて減圧とし、溶媒を留去した後に冷却し、
反応液を氷水100ml中に注ぎ、次いで生成物をトル
エン100mlで2回抽出し、水50mlにて2回洗浄
を行なった。得られた有機層中の成分を、内部標準物質
を用いた高速液体クロマトグラフィ−により分析した結
果、目的の4−クロロメチル−1,3−ジメチルピラゾ
ール−5−カルボン酸エチルエステルが、87.5%の
収率で得られていた。
ジメチルピラゾール−5−カルボン酸エチルエステルの
合成 1,3−ジメチルピラゾール−5−カルボン酸エチルエ
ステル16.9g(0.1モル)を、塩化亜鉛4.09
g(0.03モル)、塩化水素9.1g(0.25モ
ル)および1,4−ジオキサン100mlの混合溶液に
室温で添加した。続いてパラホルムアルデヒド6.00
g(0.2モル)を添加した後に、撹拌しながら温度を
上昇させ、温度約90℃において8時間反応させた。同
温にて減圧とし、溶媒を留去した後に冷却し、反応液を
氷水100ml中に注ぎ、次いで生成物をトルエン10
0mlで2回抽出し、水100mlにて2回洗浄を行な
った。得られた有機層中の成分を、内部標準物質を用い
た高速液体クロマトグラフィ−により分析した結果、目
的の4−クロロメチル−1,3−ジメチルピラゾール−
5−カルボン酸エチルエステルが、81.3%の収率で
得られていた。
ル−1−メチルピラゾール−5−カルボン酸エチルエス
テルの合成 3−エチル−1−メチルピラゾール−5−カルボン酸エ
チルエステル18.3g(0.1モル)を、95%硫酸
1.00g(0.01モル)および1,4−ジオキサン
50mlの混合物に室温で添加した。続いてパラホルム
アルデヒド6.00g(0.2モル)を添加した後に、
撹拌しながら温度を上昇させ、温度約90℃において塩
化水素ガスを50ml/minの速度で吹き込みながら
5時間反応させた。以下,実施例3と同様の処理と分析
を行ない目的の4−クロロメチル−3−エチル−1−メ
チルピラゾール−5−カルボン酸エチルエステルが、9
2.5%の収率で得られていた。
ゾール-5-カルボン酸エチルエステルの合成 窒素雰囲気下にて、4-クロルメチル-1,3-ジメチル
ピラゾール-5-カルボン酸エチルエステル21.7g
(0.1モル)、5%活性炭担持パラジウム触媒(50
%含水品)1.09g(5wt%)、メタノール50mL、
水10mLを混合した後、ガスビュレットを装着し、水素
ガスを充填して反応器内を撹拌しながら常圧の水素ガス
で5回置換した。 その後、反応温度を25℃に保ち、
水素ガスの供給を8時間続けた。
減圧にて留去した後、水80mL、ヘプタン100mLを加
えて抽出を行なった。有機層を分液後、引き続き水層に
ヘプタン50mLを加え抽出した。ヘプタン層をあわせて
水洗した後の有機層中の成分を内部標準法による分析の
結果、目的の1,3,4-トリメチルピラゾール-5-カ
ルボン酸エチルエステルが、93.0%の収率で得られ
ていた。その抽出液より溶媒を減圧下に留去し、続けて
減圧蒸留を行なって目的の1,3,5-トリメチルピラ
ゾール-5-カルボン酸エチルエステルを油状物として1
6.4g得た(沸点:102?103℃/1mmHg、単離収
率:90%)。
ル-5-カルボン酸エチルエステルの1H-NMRを以下に
示す。
H,t,J=7.1Hz)、2.18(3H,s)、
2.19(3H,s)、4.07(3H,s)、4.3
6(2H,q,J=7.1Hz) 〔実施例9〕1,3,4−トリメチルピラゾール−5−
カルボン酸エチルエステルの合成 内容量200mlのステンレス製オ−トクレ−ブに窒素
雰囲気下にて、4−クロロメチル−1,3−ジメチルピ
ラゾール−5−カルボン酸エチルエステル21.7g
(0.1モル)、ラネ−ニッケル触媒(50%含水スラ
リ−品)1.09g(5重量%)、メタノ−ル50ml
および水10mlを混合した後、内部を0.5MPaの
水素ガスで5回置換した。 その後、1.0MPaの水
素圧をかけ、反応温度を25〜30℃に保ち、水素ガス
の吸収がなくなるまで水素ガスの供給を続けた。反応終
了後、触媒を濾過してメタノ−ル溶媒を減圧にて留去し
た後、水80ml、ヘプタン100mlを加えて抽出を
行なった。有機層を分液後、引き続き水層にヘプタン5
0mlを加え抽出した。ヘプタン層をあわせて水洗した
後の有機層中の成分を、内部標準物質を用いた高速液体
クロマトグラフィ−により分析した結果、目的の1,
3,4−トリメチルピラゾール−5−カルボン酸エチル
エステルが、95.0%の収率で得られていた。
ラゾール−5−カルボン酸エチルエステルの合成 4−クロロメチル−1,3−ジメチルピラゾール−5−
カルボン酸エチルエステル21.7g(0.1モル)の
メタノ−ル200ml溶液に、水素化ホウ素ナトリウム
7.57g(0.2モル)を室温にて1時間かけて分割
投入した。その後、1時間撹拌した後、加熱還流を2時
間行なった。ヨウ化メチルで過剰の水素化ホウ素ナトリ
ウムを分解し、溶媒を減圧にて留去した後、水80ml
およびヘプタン100mlを加えて抽出を行なった。有
機層を分液後、引き続き水層にヘプタン50mlを加え
抽出した。ヘプタン層より溶媒を減圧下に留去し、続け
て減圧蒸留を行なって目的の1,3,4−トリメチルピ
ラゾール−5−カルボン酸エチルエステルを油状物とし
て17.5g得た。単離収率は96%であった。
ラゾール-5-カルボン酸エチルエステルの合成 200mL容積のステンレス製オートクレーブに、窒素雰
囲気下にて、4-クロルメチル-1,3-ジメチルピラゾ
ール-5-カルボン酸エチルエステル21.7g(0.1
モル)、5%活性炭担持パラジウム触媒(50%含水
品)1.09g(5wt%)、トルエン100mLを混合し
た後、系内を水素ガスにて5 kg/cm2の圧力にて3回置
換した。その後を水素ガスを5kg/cm2にて充填して、反
応温度を30℃に保ち、水素ガスの吸収がなくなるまで
圧力を保つように水素ガスを供給した。
て充分に置換した後に、内容物を取り出し、触媒を濾過
した。得られたトルエン相を高速液体クロマトグラフィ
ーによる定量分析に供したところ、目的の1,3,4-
トリメチルピラゾール-5-カルボン酸エチルエステルが
収率98.5%で得られていた。
後、溶媒を減圧下に留去し、続けて減圧蒸留を行なって
目的の1,3,5-トリメチルピラゾール-5-カルボン
酸エチルエステルを油状物として16.8g得た(単離
収率:92%)。
ラゾール−5−カルボン酸エチルエステルの合成(連続
的方法による合成) 1,3−ジメチルピラゾール−5−カルボン酸エチルエ
ステル16.9g(0.1モル)を、95%硫酸1.0
0g(0.01モル)および1,4−ジオキサン50m
lの混合物に室温で添加した。続いてパラホルムアルデ
ヒド6.00g(0.2モル)を添加した後に、撹拌し
ながら温度を上昇させ、温度約90℃において塩化水素
ガスを50ml/minの速度で吹き込みながら5時間
反応させた。同温にて減圧とし、溶媒を留去した後に冷
却し、反応液を氷水100ml中に注ぎ、次いで生成物
をトルエン60mlで2回抽出し、水50mlにて2回
洗浄を行なった。得られたトルエン層を反応フラスコに
移し、内部を窒素で充分に置換した後に、5%活性炭担
持パラジウム触媒(50%含水品)1.09g(5重量
%)を加え、ガスビュレットを装着し、水素ガスを充填
して反応器内を撹拌しながら常圧の水素ガスで5回置換
した。その後、反応温度を40℃に保ち、水素ガスを吸
収が認められなくなるまで続けた。冷却後、金属触媒を
濾過して得られた有機層を水50mlで2回洗浄し、溶
媒を減圧下に留去し、続けて減圧蒸留を行なって目的の
1,3,4−トリメチルピラゾール−5−カルボン酸エ
チルエステルを油状物として15.9g得た。1,3−
ジメチルピラゾール−5−カルボン酸エチルエステルか
らの単離収率は87%であった。
メチルピラゾール−5−カルボン酸エチルエステルの合
成 1,3−ジメチルピラゾール−5−カルボン酸エチルエ
ステル16.9g(0.1モル)を、塩化水素7.30
g(0.2モル)および1,4−ジオキサン50mlの
混合物に室温で添加した。続いてパラホルムアルデヒド
6.00g(0.2モル)を添加した後に、撹拌しなが
ら温度を上昇させ、温度約90℃において3時間反応さ
せた。この時、高速液体クロマトグラフィ−で分析した
結果、原料が83%残存しており、目的物は5%程度生
成しているにすぎなかった。続いて反応系内に塩化水素
ガスをさらに7.30g(0.2モル)添加して、加熱
撹拌を行なったが、同様の高速液体クロマトグラフィ−
での分析の結果、原料が77%残存しており、目的物は
8%程度生成しているにすぎなかった。
−5−カルボン酸エチルエステルの合成 3(5)−メチルピラゾール−5(3)−カルボン酸エ
チルエステル30.8g(融点:83.0℃、0.2モ
ル)を結晶のまま100mlの反応フラスコに加え、撹
拌しながら、ジメチル硫酸26.5g(0.21モル)
をフラスコ内の温度が30℃を越えないようにして加え
た。その後、2時間撹拌して得られた均一の反応物をト
ルエン150ml中に溶解し、水100mlで3回洗浄
した。得られた有機層から溶媒を減圧下に留去し、さら
に減圧蒸留(117℃/25mmHg)を行なうことに
より目的の1,3−ジメチルピラゾール−5−カルボン
酸エチルエステルが30.6g得られた。単離収率は9
1%であった。
−カルボン酸エチルエステルの1H−NMRを以下に示
す。
H,t,J=7.1HZ)、2.26(3H,s)、
4.10(3H,s)、4.32(2H,q,J=7.
1HZ)、6.60(1H,s) 〔参考例2〕(1Z)−2−シアノ−2−(5−エチル
−2−フェニル( 1,2,3−トリアゾ−ル−4−イ
ル))−1−(1,3,4−トリメチルピラゾール−4
−イル)ビニル2,2−ジメチルプロパノエ−トおよび
(1E)−2−シアノ−2−(5−エチル−2−フェニ
ル( 1,2,3−トリアゾ−ル−4−イル))−1−
(1,3,4−トリメチルピラゾール−4−イル)ビニ
ル2,2−ジメチルプロパノエ−トの合成 1)1,3,4−トリメチルピラゾール−5−カルボン
酸の合成 先の実施例で得た1,3,4−トリメチルピラゾール−
5−カルボン酸エチルエステル118.2g(0.1モ
ル)を、水酸化カリウム8.42g(0.15モル)の
水−エタノ−ル(1:1)溶液100ml中に加え、3
0℃で3時間反応させた。その後、減圧下に溶媒を約半
量まで留去した粗反応液を、15%塩酸120ml中に
温度50℃で加えて酸性とし、室温まで冷却した。得ら
れた結晶を濾過、水洗後、減圧下に乾燥することで、目
的の1,3,4−トリメチルピラゾール−5−カルボン
酸(融点:182℃)を14.2g得た(収率:92
%) 2)1,3,4−トリメチルピラゾール−5−カルボン
酸クロライドの合成 上記の1,3,4−トリメチルピラゾール−5−カルボ
ン酸12.33g(0.08モル)を触媒量のN,N−
ジメチルホルムアミド(0.03g)を含む塩化チオニ
ル14.28g(0.12モル)中に、温度50℃を越
えないように徐々に添加した。そのまま3時間反応を行
なった後に、トルエン50mlを加え過剰の塩化チオニ
ルを減圧にて留去した。残査にヘプタン30mlを加え
てスラリ−化させ、さらに5℃まで冷却して結晶を濾取
し、温度25℃で減圧下に乾燥することで、目的の1,
3,4−トリメチルピラゾール−5−カルボン酸クロラ
イドを13.0g得た(融点:41℃、収率:94
%)。 3)2−シアノ−2−(5−エチル−2−フェニル(
1,2,3−トリアゾ−ル−4−イル))−1−(1,
3,4−トリメチルピラゾール−4−イル)ビニル2,
2−ジメチルプロパノエ−トの合成 カリウム−t−ブトキシド12.90g(0.115モ
ル)の1,4−ジオキサン350ml溶液を窒素気流下
に2時間撹拌後、1,3,4−トリメチルピラゾール−
5−カルボン酸クロライド9.49g(0.055モ
ル)および4−シアノメチル−5−エチル−2−フェニ
ル−1,2,3−トリアゾ−ル10.61g(0.05
モル)の1,4−ジオキサン50ml溶液を、温度を2
5〜30℃に保ちながら2時間かけて滴下した。その
後、同温にて2時間撹拌後、ピバロイルクロライド8.
14g(0.0675モル)の1,4−ジオキサン10
ml溶液を、温度を25〜30℃に保ちながら1時間か
けて滴下した。さらに5時間撹拌を続けた後に、溶媒を
減圧下、50℃にて留去した。残査にトルエン150m
lを加えて得た溶液を水100mlで2回洗浄した。こ
のトルエン層をHPLCの内部標準法により定量分析し
た結果、この溶液には、(1Z)−2−シアノ−2−
(5−エチル−2−フェニル( 1,2,3−トリアゾ
−ル−4−イル))−1−(1,3,4−トリメチルピ
ラゾール−4−イル)ビニル2,2−ジメチルプロパノ
エ−トが13.41g(収率:62%)および(1E)
−2−シアノ−2−(5−エチル−2−フェニル(
1,2,3−トリアゾ−ル−4−イル))−1−(1,
3,4−トリメチルピラゾール−4−イル)ビニル2,
2−ジメチルプロパノエ−トが6.06g(収率:28
%)が含まれていた。
留去して得られた粗生成物をアセトニトリル80mlに
より再結晶したところ、一方の立体である(1Z)−2
−シアノ−2−(5−エチル−2−フェニル( 1,
2,3−トリアゾ−ル−4−イル))−1−(1,3,
4−トリメチルピラゾール−4−イル)ビニル2,2−
ジメチルプロパノエ−ト(以下、化合物Aと称する。)
を純粋な形で11.89g(融点:143℃、収率:5
5%)得ることができた。
する残効試験 参考例2で製造した化合物Aの5%乳剤を展着剤の入っ
た水で希釈して、所定濃度に調整し、この液をミカン鉢
植え1ポット当たり250mlづつ、回転式散布塔を用
いて散布した。その後、野外に放置し、所定日数後に葉
をリーフパンチを用いて径3.0cmの円形に切り取り、
径7cmのスチロールカップ上の湿った濾紙上に置い
た。これにミカンハダニ雌成虫を1葉当たり10頭接種
した。25℃の恒温室に収容し、48時間後の死虫率を
以下の計算式から求めた。試験は4区制で行った。結果
を第1表に示す。
数)}×100
009に記載された以下の化合物Bを用いた。
困難であった1,3−ジアルキル−4−メチルピラゾー
ル−5−カルボン酸化合物が、比較的穏和な反応条件
で、しかも高収率で得られる。本目的化合物群は、医農
薬等のファインケミカルズ中間体として重要であり、今
後その利用がさらに期待できる。
Claims (12)
- 【請求項1】式(II): 【化1】 (式中、R1、R2およびR3は、各々独立して水素原子
またはC1-4のアルキル基を表わす。)で表わされる4
−クロロメチルピラゾール−5−カルボン酸化合物を、
還元条件下に脱クロロ化を行なうことを特徴とする式
(III): 【化2】 (式中、R1、R2およびR3は、前記と同じ意味を表わ
す。)で表わされる1,3−ジアルキル−4−メチルピ
ラゾール−5−カルボン酸化合物の製造方法。 - 【請求項2】式(I): 【化3】 (式中、R1、R2およびR3は、前記と同じ意味を表わ
す。)で表わされるピラゾール−5−カルボン酸化合物
を有機溶媒中、ホルムアルデヒドおよびその等価体から
選ばれた1種以上、鉱酸およびルイス酸から選ばれた1
種以上の酸触媒、並びに塩化水素の存在下に反応させる
ことにより製造された式(II)で表わされる4−クロロ
メチルピラゾール−5−カルボン酸化合物を用いる、請
求項1記載の製造方法。 - 【請求項3】式(I)(式中、R1、R2およびR3は、前記
と同じ意味を表わす。)で表わされるピラゾール−5−
カルボン酸化合物を有機溶媒中、ホルムアルデヒドおよ
びその等価体から選ばれた1種以上、鉱酸およびルイス
酸から選ばれた1種以上の酸触媒、並びに塩化水素の存
在下に反応させることを特徴とする式(II)で表わされ
る4−クロロメチルピラゾール−5−カルボン酸化合物
の製造方法。 - 【請求項4】式(II)および(III)において、R1およ
びR3がメチル基を表わし、R2が水素原子またはC1-4
のアルキル基を表わす、請求項1記載の製造方法。 - 【請求項5】式(I)、(II)および(III)において、
R1およびR3がメチル基を表わし、R2が水素原子また
はC1-4のアルキル基を表わす請求項2記載の製造方
法。 - 【請求項6】式(I)および(II)において、R1および
R3がメチル基を表わし、R2が水素原子またはC1-4の
アルキル基を表わす、請求項3記載の製造方法。 - 【請求項7】ホルムアルデヒドおよびその等価体から選
ばれた1種以上が、パラホルムアルデヒドおよび1,
3,5−トリオキサンから選ばれた1種以上である、請
求項2、3、5または6記載の製造方法。 - 【請求項8】酸触媒が、硫酸およびリン酸から選ばれる
1種以上である、請求項2、3、5、6または7記載の
製造方法。 - 【請求項9】反応系内に含まれる水濃度が20%以下で
あることを特徴とする、請求項2,3,5,6、7また
は8記載の製造方法。 - 【請求項10】還元条件が、遷移金属触媒を用いた接触
還元条件または金属水素化物もしくは金属水素錯化合物
を用いた還元条件である請求項1,2,4または5記載
の製造方法。 - 【請求項11】還元条件が、担持パラジウム触媒または
ラネ−ニッケル触媒を用いた接触還元条件である請求項
1,2,4または5記載の製造方法。 - 【請求項12】式(III): 【化4】 (式中、R1およびR3はメチル基を表し、R2はエチル
基を表わす。)で表される化合物。
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