JP2001186785A - モータの制御装置およびその制御方法ならびにモータの制御プログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

モータの制御装置およびその制御方法ならびにモータの制御プログラムを記録した記録媒体

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JP2001186785A
JP2001186785A JP36802999A JP36802999A JP2001186785A JP 2001186785 A JP2001186785 A JP 2001186785A JP 36802999 A JP36802999 A JP 36802999A JP 36802999 A JP36802999 A JP 36802999A JP 2001186785 A JP2001186785 A JP 2001186785A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 モータの起動時にエンコーダの取り付け部に
逆転が生じても正確な速度検出を行うことを可能にす
る。 【解決手段】 モータ1の回転に従って回転するエンコ
ーダ13の出力パルスに基づいて、モータの起動時にエ
ンコーダの取り付け部65に逆転が生じたか否かを検出
する逆転検出部6qと、取り付け部に逆転が生じた場合
に、エンコーダの取り付け部の回転が逆転から正転に変
わった後のエンコーダの出力パルスのエッジをカウント
し、そのカウント値が第1の所定値になったときに開始
指令を出力する第1のパルスカウンタ6rと、エンコー
ダの取り付け部に逆転が生じた場合に、開始指令を受け
たときに、エンコーダの出力パルスに基づいてモータの
速度を演算する速度演算部6dと、を備えたことを特徴
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はモータの制御装置お
よび制御方法ならびにモータの制御プログラムを記録し
た記録媒体に関し、特に紙送りの制御に用いられる。
【0002】
【従来の技術】従来のモータの制御装置を図4乃至図1
0を参照して説明する。このモータの制御装置はインク
ジェットプリンタに用いられ、このインクジェットプリ
ンタの概略の構成を図4に示す。
【0003】このインクジェットプリンタは、紙送りを
行う紙送りモータ(以下、PFモータともいう)1と、
この紙送りモータ1を駆動する紙送りモータドライバ2
と、キャリッジ3と、このキャリッジ3を駆動するキャ
リッジモータ(以下、CRモータともいう)4と、この
キャリッジモータ4を駆動するCRモータドライバ5
と、DCユニット6と、目詰まり防止のためのインクの
吸い出しを制御するポンプモータ7と、このポンプモー
タ7を駆動するポンプモータドライバ8と、キャリッジ
3に固定されて印刷紙50にインクを吐出するヘッド9
と、このヘッド9を駆動制御するヘッドドライバ10
と、キャリッジ3に固定されたリニア式エンコーダ11
と、所定の間隔にスリットが形成された符号板12と、
PFモータ1用のロータリ式エンコーダ13と、印刷処
理されている紙の終端位置を検出する紙検出センサ15
と、プリンタ全体の制御を行うCPU16と、CPU1
6に対して周期的に割込み信号を発生するタイマIC1
7と、ホストコンピュータ18との間でデータの送受信
を行うインタフェース部(以下IFともいう)19と、
ホストコンピュータ18からIF19を介して送られて
くる印字情報に基づいて印字解像度やヘッド9の駆動波
形等を制御するASIC20と、ASIC20およびC
PU16の作業領域やプログラム格納領域として用いら
れるPROM21,RAM22およびEEPROM23
と、印刷中の紙50を支持するプラテン25と、PFモ
ータ1によって駆動されて印刷紙50を搬送する搬送ロ
ーラ27と、CRモータ4の回転軸に取付けられたプー
リ30と、このプーリ30によって駆動されるタイミン
グベルト31と、を備えている。
【0004】なお、DCユニット6は、CPU16から
送られてくる制御指令、エンコーダ11,13の出力に
基づいて紙送りモータドライバ2およびCRモータドラ
イバ5を駆動制御する。また、紙送りモータ1およびC
Rモータ4はいずれもDCモータで構成されている。
【0005】このインクジェットプリンタのキャリッジ
3の周辺の構成を図5に示す。
【0006】キャリッジ3は、タイミングベルト31に
よりプーリ30を介してキャリッジモータ4に接続さ
れ、ガイド部材32に案内されてプラテン25に平行に
移動するように駆動される。キャリッジ3の印刷紙に対
向する面には、ブラックインクを吐出するノズル列およ
びカラーインクを吐出するノズル列からなる記録ヘッド
9が設けられ、各ノズル列はインクカートリッジ34か
らインクの供給を受けて印刷紙にインク滴を吐出して文
字や画像を印字する。
【0007】またキャリッジ3の非印字領域には、非印
字時に記録ヘッド9のノズル開口を封止するためのキャ
ッピング装置35と、図4に示すポンプモータ7を有す
るポンプユニット36とが設けられている。キャリッジ
3が印字領域から非印字領域に移動すると、図示しない
レバーに当接してキャッピング装置35は上方に移動
し、ヘッド9を封止する。
【0008】ヘッド9のノズル開口列に目詰まりが生じ
た場合や、カートリッジ34の交換等を行ってヘッド9
から強制的にインクを吐出する場合は、ヘッド9を封止
した状態でポンプユニット36を作動させ、ポンプユニ
ット36からの負圧により、ノズル開口列からインクを
吸い出す。これにより、ノズル開口列の近傍に付着して
いる塵埃や紙粉が洗浄され、さらにはヘッド9内の気泡
がインクとともにキャップ37に排出される。
【0009】次に、キャリッジ3に取付けられたリニア
式エンコーダ11の構成を図6に示す。このエンコーダ
11は発光ダイオード11aと、コリメータレンズ11
bと、検出処理部11cとを備えている。この検出処理
部11cは複数(4個)のフォトダイオード11dと、
信号処理回路11eと、2個のコンパレータ11fA
11fBと、を有している。
【0010】発光ダイオード11aの両端に抵抗を介し
て電圧Vccが印加されると、発光ダイオード11aか
ら光が発せられる。この光はコリメータレンズ11bに
よって平行にされて符号板12を通過する。符号板12
には所定の間隔(例えば1/180インチ(=1/18
02.54cm))毎にスリットが設けられた構成となっ
ている。
【0011】この符号板12を通過した平行光は、図示
しない固定スリットを通って各フォトダイオード11d
に入射し、電気信号に変換される。4個のフォトダイオ
ード11dから出力される電気信号が信号処理回路11
eにおいて信号処理される。この信号処理回路11eか
ら出力される信号がコンパレータ11fA,11fBにお
いて比較され、比較結果がパルスとして出力される。コ
ンパレータ11fA、11fB から出力されるパルスE
NC−A,ENC−Bがエンコーダ11の出力となる。
【0012】パルスENC−AとパルスENC−Bは位
相が90度だけ異なっている。CRモータ4が正転すな
わちキャリッジ3が主走査方向に移動しているときは図
7(a)に示すようにパルスENC−AはパルスENC
−Bよりも90度だけ位相が進み、CRモータ4が逆転
しているときは図7(b)に示すようにパルスENC−
AはパルスENC−Bよりも90度だけ位相が遅れるよ
うにエンコーダ4は構成されている。そして、上記パル
スの1周期Tは符号板12のスリット間隔(例えば1/
180インチ(=1/180×2.54cm))に対応
し、 キャリッジ3が上記スリット間隔を移動する時間に
等しい。
【0013】一方、PFモータ1用のロータリ式エンコ
ーダ13は符号板がPFモータ1の回転に応じて回転す
る回転円板である以外は、リニア式エンコーダ11と同
様の構成となっており、2つの出力パルスENC−A,
ENC−Bを出力する。なおインクジェットプリンタに
おいては、PFモータ1用のエンコーダ13の符号板に
設けられている複数のスリットのスリット間隔は、1/
180インチ(=1/180×2.54cm)であり、P
Fモータ1が上記1スリット間隔だけ回転すると、1/
1440インチ(=1/1440×2.54cm)だけ紙
送りされるような構成となっている。
【0014】次に図4において示した紙検出センサ15
の位置について図8を参照して説明する。図8におい
て、プリンタ60の給紙挿入口61に挿入された紙50
は、給紙モータ63によって駆動される給紙ローラ64
によってプリンタ60内に送り込まれる。プリンタ60
内に送り込まれた紙50の先端が例えば光学式の紙検出
センサ15によって検出される。この紙検出センサ15
によって先端が検出された紙50はPFモータ1によっ
て駆動される紙送りローラ65および従動ローラ66に
よって紙送りが行われる。
【0015】続いてキャリッジガイド部材32に沿って
移動するキャリッジ3に固定された記録ヘッド(図示せ
ず)からインクが滴下されることにより印字が行われ
る。そして所定の位置まで紙送りが行われると、現在、
印字されている紙50の終端が紙検出センサ15によっ
て検出される。そしてPFモータ1によって駆動される
歯車67aにより、歯車67bを介して歯車67cが駆
動され、これにより、排紙ローラ68および従動ローラ
69が回転駆動されて、印字が終了した紙50が排紙口
62から外部に排出される。
【0016】なお、紙送りローラ65の回転軸にはエン
コーダ13の符号板が取り付けられている。
【0017】次に、この従来のインクジェットプリンタ
のPFモータ1の制御について図9および図10を参照
して説明する。このPFモータ1の制御はDCユニット
6によって行われ、このDCユニット6は図9に示すよ
うに位置カウンタ6aと、減算部6bと、目標速度演算
部6cと、速度演算部6dと、減算器6eと、比例要素
6fと、積分要素6gと、微分要素6hと、加算器6i
と、D/Aコンバータ6jと、タイマ6kと、加速制御
部6mとを備えている。
【0018】位置カウンタ6aはエンコーダ13の出力
パルスENC−A,ENC−Bの各々の立ち上がりエッ
ジ、立ち下がりエッジを検出し、検出されたエッジの個
数を計数し、この計数値に基づいて、PFモータ1によ
って送られる紙の送り量を演算する。この計数はPFモ
ータ1が正転しているときは1個のエッジが検出される
と「+1」を加算し、逆転しているときは、1個のエッ
ジが検出されると「−1」を加算する。パルスENC−
AおよびENC−Bの各々の周期は符号板のスリット間
隔に等しく、かつパルスENC−AとパルスENC−B
は位相が90度だけ異なっている。このため、上記計数
のカウント値「1」はエンコーダ13の符号板のスリッ
ト間隔の1/4に対応する。また、PFモータ1が1ス
リット間隔だけ回転すると、1/1440インチ(=1
/1440×2.54cm)だけ紙送りされるからこれに
より上記位置カウンタ6aの計数値に1/4×1/14
40インチ(=1/4×1/1440×2.54cm)を
乗算すれば、PFモータ1の、計数値が「0」に対応す
る位置すなわち起動開始位置からの紙送り量を求めるこ
とができる。このときエンコーダ13の解像度は1/5
760インチ(=1/5760×2.54cm)となる。
【0019】減算器6bは、目標位置と、位置カウンタ
6aのカウント値との位置偏差を演算する。
【0020】目標速度演算部6cは、減算器6bの出力
である位置偏差に基づいてPFモータ1の目標速度を演
算する。この演算は位置偏差にゲインKpを乗算するこ
とにより行われる。このゲインKpは位置偏差に応じて
決定される。なお、このゲインKpの値は図示しないテ
ーブルに格納していても良い。
【0021】速度演算部6dはエンコーダ13の出力パ
ルスENC−A,ENC−Bに基づいてPFモータ1の
速度を演算する。この速度は次のようにして求められ
る。まずエンコーダ13の出力パルスENC−A,EN
C−Bの各々の立ち上がりエッジ、立ち下がりエッジを
検出し、エッジ間の時間間隔をタイマカウンタによって
カウントする。このカウント値をTとすると、速度は1
/Tに比例したものとなる。
【0022】減算器6eは、目標速度と、速度演算部6
dによって演算されたPFモータ1の実際の速度との速
度偏差を演算する。
【0023】比例要素6fは上記速度偏差に定数Gpを
乗算し、乗算結果を出力する。積分要素6gは速度偏差
に定数Giを乗じたものを積算する。微分要素6hは現
在の速度偏差と、1つ前の速度偏差との差に定数Gdを
乗算し、乗算結果を出力する。なお比例要素6f、積分
要素6g、および微分要素6hの演算はエンコーダ13
の出力パルスENC−Aの1周期毎を、例えば出力パル
スENC−Aの立ち上がりエッジに同期して行う。
【0024】比例要素6f、積分要素6g、および微分
要素6hの出力は加算器6iにおいて加算される。そし
て加算結果、すなわちPFモータ1の駆動電流がD/A
コンバータ6jに送られてアナログ電流に変換される。
このアナログ電流に基づいてドライバ10によってPF
モータ1が駆動される。
【0025】また、タイマ6kおよび加速制御部6mは
加速制御に用いられ、比例要素6f、積分要素6g、お
よび微分要素6hを使用するPID制御は加速途中の定
速および減速制御に用いられる。
【0026】タイマ6kはCPU16から送られてくる
クロック信号に基づいて所定時間毎にタイマ割込み信号
を発生する。
【0027】加速制御部6mは上記タイマ割込信号を受
ける度毎に所定の電流値(例えば20mA)を目標電流
値に積算し、積算結果すなわち加速時におけるPFモー
タ1の目標電流値がD/Aコンバータ6jに送られる。
PID制御の場合と同様に上記目標電流値はD/Aコン
バータ6jによってアナログ電流に変換され、このアナ
ログ電流に基づいてドライバ10によってPFモータ1
が駆動される。
【0028】ドライバ10は、例えば4個のトランジス
タを備えており、D/Aコンバータ6jの出力に基づい
て上記トランジスタを各々ONまたはOFFさせること
により (a)PFモータ1を正転または逆転させる運転モード (b)回生ブレーキ運転モード(ショートブレーキ運転
モード、すなわちPFモータ1の停止を維持するモー
ド) (c)PFモータ1を停止させようとするモードを行わ
せることが可能な構成となっている。
【0029】次に図11(a),(b)を参照してDC
ユニット6の動作を説明する。PFモータ1が停止して
いるときにCPU16からDCユニット6にPFモータ
1を起動させる起動指令信号が送られると、加速制御部
6mから起動初期電流値I0がD/Aコンバータ6jに
送られる。なお、この起動初期電流値I0は起動指令信
号とともにCPU16から加速制御部6mに送られてく
る。そしてこの電流値I0はD/Aコンバータ6jによ
ってアナログ電流に変換されてドライバ10に送られ、
このドライバ10によってPFモータ1が起動開始する
(図10(a),(b)参照)。
【0030】起動指令信号を受信した後、所定の時間毎
にタイマ6kからタイマ割込信号が発生される。加速制
御部6mはタイマ割込信号を受信する度毎に、起動初期
電流値I0に所定の電流値(例えば20mA)を積算
し、積算した電流値をD/Aコンバータ6jに送る。す
るとこの積算した電流値はD/Aコンバータ6jによっ
てアナログ電流に変換されてドライバ10に送られる。
そしてPFモータ1に供給される電流の値が上記積算し
た電流値となるように、ドライバ5によってPFモータ
1が駆動されPFモータ1の速度は上昇する(図10
(b)参照)。このためPFモータ1に供給される電流
値は図10(a)に示すように階段状になる。
【0031】なお、このときPID制御系も動作してい
るが、D/Aコンバータ6jは加速制御部6mの出力を
選択して取込む。
【0032】加速制御部6mの電流値の積算処理は、積
算した電流値が一定の電流値ISとなるまで行われる。
時刻t1において積算した電流値が所定値ISとなると、
加速制御部6mは積算処理を停止し、D/Aコンバータ
6jに一定の電流値ISを供給する。これによりPFモ
ータ1に供給される電流の値が電流値ISとなるように
ドライバ10によって駆動される(図10(a)参
照)。
【0033】そして、PFモータ1の速度がオーバーシ
ュートするのを防止するために、PFモータ1が所定の
速度V1になると(時刻t2 )になると、PFモータ1
に供給される電流を減小させるように加速制御部6mが
制御する。このときPFモータ1の速度は更に上昇する
が、PFモータ1の速度が所定の速度vcに達すると
(図10(b)の時刻t参照)、D/Aコンバータ6
jが、PID制御系の出力すなわち加算器6iの出力を
選択し、PID制御が行われる。
【0034】すなわち、目標位置と、カウンタ6aのカ
ウント値との位置偏差に基づいて目標速度が演算され、
この目標速度と、エンコーダ13の出力から得られる実
際の速度との速度偏差に基づいて、比例要素6f、積分
要素6g、および微分要素6hが動作し、各々比例、積
分、および微分演算が行われ、これらの演算結果の和に
基づいて、PFモータ1の制御が行われる。なお、上記
比例、積分、および微分演算は、例えばエンコーダ13
の出力パルスENC−Aの立ち上がりエッジに同期して
行われる。これによりPFモータ1の速度は所望の速度
eとな るように制御される。なお、所定の速度vc
所望の速度veの70〜80%の値であることが好まし
い。
【0035】時刻t4からPFモータ1は所望の速度ve
となる。その後、PFモータ1が目標位置に近づくと
(図10(b)の時刻t5参照)、PFモータ1の減速
が行われ、時刻t6にPFモータ1が停止する。
【0036】
【発明が解決しようとする課題】このように構成された
インクジェットプリンタにおいては、図8で説明したよ
うに紙送りは、PFモータ1によって駆動される紙送り
ローラ65および従動ローラ66によって行われる。こ
の従動ローラ66は図11に示すようにバネ80によっ
て紙50を紙送りローラ65に押付けるように構成され
ている。
【0037】ところが、PFモータ1の起動時には、バ
ネ80によって紙50が通常の送り方向とは逆方向に移
動することが生じる。このため、紙送りローラ65が逆
転、すなわちこの紙送りローラ65に取り付けられたエ
ンコーダ13が逆転することが生じる。PFモータ1の
起動時に、エンコーダ13が取り付けられた取り付け部
65が逆転すると、エンコーダ13の出力に基づいて速
度を演算している速度演算部6dの出力が不正確とな
る、または速度演算部6dの速度演算に用いられるタイ
マカウンタがオーバーフローし、正確な速度を検出する
ことができないという問題が生じる。
【0038】本発明は上記事情を考慮してなされたもの
であって、モータの起動時に、エンコーダが取り付けら
れた取り付け部に逆転が生じても正確な速度検出を行う
ことのできるモータの制御装置および制御方法ならびに
モータの制御プログラムを記録した記録媒体を提供する
ことを目的とする。
【0039】
【課題を解決するための手段】本発明によるモータの制
御装置は、モータの回転に従って回転するエンコーダの
出力パルスに基づいて、前記モータの起動時に前記エン
コーダが取り付けられた取り付け部にの逆転が生じたか
否かを検出する逆転検出部と、前記取り付け部に逆転が
生じた場合に、前記取り付け部の回転が逆転から正転に
変わった後の前記エンコーダの出力パルスのエッジをカ
ウントし、そのカウント値が第1の所定値になったとき
に開始指令を出力する第1のパルスカウンタと、前記取
り付け部に逆転が生じた場合に、前記開始指令を受けた
ときに、前記エンコーダの出力パルスに基づいて前記モ
ータの速度を演算する速度演算部と、を備えたことを特
徴とする。
【0040】なお、前記モータの起動時に前記エンコー
ダの出力パルスのエッジをカウントし、そのカウント値
が第2の所定値になったときに開始指令を出力する第2
のパルスカウンタを更に備え、前記速度演算部は、前記
取り付け部に逆転が生じた場合には前記第1のパルスカ
ウンタから出力される開始指令に基づいて、逆転が生じ
なかった場合には前記第2のパルスカウンタから出力さ
れる開始指令に基づいて、速度演算を開始するように構
成しても良い。
【0041】なお、前記モータは印刷装置の紙送りモー
タであるように構成しても良い。
【0042】なお、前記モータの目標速度と、前記速度
演算部によって演算された前記モータの速度との偏差に
基づいて前記モータの速度を制御する速度制御部を備え
るように構成しても良い。
【0043】また、本発明によるモータの制御方法は、
モータの回転に従って回転するエンコーダの出力パルス
に基づいて、前記モータの起動時に前記エンコーダが取
り付けられた取り付け部に逆転が生じたか否かを検出す
るステップと、前記取り付け部に逆転が生じた場合に、
前記取り付け部の回転が逆転から正転に変わった後の前
記エンコーダの出力パルスのエッジをカウントし、その
カウント値が第1の所定値になったときに開始指令を出
力するステップと、前記開始指令を受けたときに前記エ
ンコーダの出力パルスに基づいて前記モータの速度を演
算するステップと、を備えたことを特徴とする。
【0044】なお、前記モータの速度を演算するステッ
プの前に、前記エンコーダの出力パルスのエッジをカウ
ントし、そのカウント値が第2の所定値になるかまたは
前記取り付け部が逆転しなかったときに開始指令を出力
するステップを備えるように構成しても良い。
【0045】なお、前記モータの速度を演算するステッ
プの後に、前記モータの目標速度と、前記演算された速
度との偏差に基づいて前記モータの速度を制御するステ
ップと、を備えるように構成しても良い。
【0046】なお、前記モータは印刷装置の紙送りモー
タであるように構成しても良い。
【0047】また、本発明によるモータの制御プログラ
ムを記録した記録媒体は、モータの回転に従って回転す
るエンコーダの出力パルスに基づいて、前記モータの起
動時に前記エンコーダが取り付けられた取り付け部に逆
転が生じたか否かを検出する手順と、前記取り付け部に
逆転が生じた場合に、前記取り付け部の回転が逆転から
正転に変わった後の前記エンコーダの出力パルスのエッ
ジをカウントし、そのカウント値が第1の所定値になっ
たときに開始指令を出力する手順と、前記開始指令を受
けたときに前記エンコーダの出力パルスに基づいて前記
モータの速度を演算する手順と、を備えたことを特徴と
する。
【0048】
【発明の実施の形態】本発明によるモータの制御装置の
一実施の形態を図1乃至図3を参照して説明する。この
実施の形態のモータの制御装置の構成を図1に示し、そ
の動作を図2のフローチャートに示す。この実施の形態
のモータの制御装置は、図9に示す従来のモータの制御
装置(DCユニット)6において、パルスカウンタ6
p,6rと、逆転検出部6qと、ANDゲート6sと、
ORゲート6tとを新たに付加した構成となっている。
パルスカウンタ6p,6r、逆転検出部6q、ANDゲ
ート6s、およびORゲート6t以外は図9で説明済の
ため説明を省略する。
【0049】次に本実施の形態の構成および作用を図1
乃至図3を参照して説明する。
【0050】今、起動指令信号が制御装置6に与えら
れ、PFモータ1が起動し始めた場合を考える。PFモ
ータ1が起動するとエンコーダ13から出力パルスEN
C−A,ENC−Bが出力される。するとこの出力パル
スENC−A,ENC−Bの立上がりエッジおよび立下
がりエッジの数がパルスカウンタ6pによってカウント
される。そしてそのカウント値が所定値N(例えばN
=7)になるとパルスカウンタ6pから指令信号がA
NDゲート6sに出力される(図2のステップF1参
照)。このとき、エンコーダ13が取り付けられている
取り付け部(紙送りローラ65)が逆転したか否かが、
エンコーダ13の出力に基づいて逆転検出部6qによっ
て検出される(図2のステップF2参照)。逆転しなか
った場合は逆転検出部6qからANDゲート6sに指令
信号が送られ後述する図2のステップF4に進む。
【0051】逆転した場合は、エンコーダ13が取り付
けられた取り付け部の回転が逆転から正転に変わったと
きに逆転検出部6qからパルスカウンタ6rに指令信号
が送られる。この指令信号をパルスカウンタ6rが受信
すると、エンコーダ13の取り付け部の回転が逆転から
正転に変わってからの、エンコーダ13の出力パルスE
NC−A,ENC−Bのエッジの数をカウントする。
【0052】そしてそのカウント値Nが所定値(例え
ば、5)以上となったときは指令信号がパルスカウンタ
6rからORゲート6tに出力される(図2のステップ
F3参照)。例えば図3に示すように時刻tでPFモ
ータ1が起動して、逆転した(t)後の正転が時刻t
で逆転検出部6qによって検出され、パルスカウンタ
6rに指令信号が送られる。そして次のパルスエッジが
生じたとき(時刻t)からパルスエッジの数がパルス
カウンタ6rによってカウントされ、そのカウント値N
がN=5になったとき(時刻t)にパルスカウン
タ6rからORゲート6tに指令信号が送られる。
【0053】なお、エンコーダ13の取り付け部が逆転
しなかった場合は、パルスカウンタ6pおよび逆転検出
部6qから各々ANDゲート6sに指令信号が送られる
ため、ANDゲート6sから指令信号がORゲート6t
に出力される。
【0054】したがってエンコーダ13の取り付け部が
逆転しなかった場合はANDゲート6sから、逆転した
場合はパルスカウンタ6rから指令信号がORゲート6
tに入力される。すると、ORゲート6tから速度演算
の開始指令が速度演算部6dに送られる(図2のステッ
プF4参照)。
【0055】この開始指令を受信して初めて、速度演算
部6dは図9で既に説明した速度演算を開始する。
【0056】以上説明したように本実施の形態によれ
ば、PFモータ1の起動時にエンコーダ13の取り付け
部に逆転が生じた場合には、逆転から正転に変わった後
の所定値N個のパルスエッジまでが速度演算に用いら
れず、それ以降のパルスエッジが速度演算に用いられ
る。これにより、PFモータ1の起動時にエンコーダ1
3の取り付け部に逆転が生じても速度演算部6dの出力
は正確となる。
【0057】また、逆転から正転に変わった後の所定値
個のパルスエッジまでが速度演算に用いられず、そ
れ以降のパルスエッジが速度演算に用いられるため、P
Fモータ1の起動時にエンコーダ13の取り付け部に逆
転が生じても速度演算部6dの速度演算に用いられるタ
イマカウンタがオーバーフローするのを防止することが
できる。
【0058】なお、上記実施の形態ではDCモータにつ
いて説明したが本発明はこれに限定されるものではな
く、ACモータ等にも適用することができることは云う
までもない。
【0059】なお、所定値Nは印刷装置の使用頻度
等、環境状況によって変えるようにしても良い。
【0060】次に、本発明によるモータの制御プログラ
ムを記録した記録媒体の一実施の形態について図12お
よび図13を参照して説明する。図12,図13は、本
実施の形態のモータの制御プログラムを記録した記録媒
体が用いられるコンピュータシステム130の一例を示
す斜視図およびブロック図である。図12において、コ
ンピュータシステム130は、CPUを含むコンピュー
タ本体131と、例えばCRT等の表示装置132と、
キーボードやマウス等の入力装置133と、印刷を実行
する印刷装置134と、を備えている。
【0061】コンピュータ本体131は、図13に示す
ように、RAMより構成される内部メモリ135と、内
蔵または外付け可能なメモリユニット136と、を備え
ており、メモリユニット136としてはフレキシブルま
たはフロッピディスク(FD)ドライブ137,CD−
ROMドライブ138,ハードディスクドライブ(H
D)ユニット139が搭載されている。図12に示すよ
うに、これらのメモリユニット136に用いられる記録
媒体140としては、FDドライブ137のスロットに
挿入されて使用されるフレキシブルディスクまたはフロ
ッピディスク(FD)141と、CD−ROMドライブ
138に用いられるCD−ROM142等が用いられ
る。
【0062】図12および図13に示すように、一般的
なコンピュータシステムに用いられる記録媒体140と
しては、FD141やCD−ROM142が考えられる
が、本実施の形態は特に印刷装置134の制御プログラ
ムに関するものであるので、例えば印刷装置134に内
蔵させる不揮発性メモリとしてのROMチップ143に
本発明のモータの制御プログラムを記録させるようにし
ても良い。
【0063】本実施の形態の記録媒体140は、モータ
の回転に従って回転するエンコーダの出力パルスに基づ
いて、前記モータの起動時に前記エンコーダの取り付け
部に逆転が生じたか否かを検出する手順と、前記エンコ
ーダの取り付け部に逆転が生じた場合に、前記エンコー
ダの取り付け部の回転が逆転から正転に変わった後の前
記エンコーダの出力パルスのエッジをカウントし、その
カウント値が第1の所定値になったときに開始指令を出
力する手順と、前記開始指令を受けたときに前記エンコ
ーダの出力パルスに基づいて前記モータの速度を演算す
る手順と、を少なくとも備えるものである。
【0064】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、モ
ータの起動時にエンコーダの取り付け部に逆転が生じて
も正確な速度検出を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるモータの制御装置の一実施の形態
の構成を示すブロック図。
【図2】実施の形態の動作を説明するフローチャート。
【図3】パルスカウンタの動作を説明するタイミングチ
ャート。
【図4】インクジェットプリンタの概略の構成を示す構
成図。
【図5】キャリッジ周辺の構成を示す斜視図。
【図6】リニア式エンコーダの構成を示す模式図。
【図7】エンコーダの出力パルスの波形図。
【図8】紙検出センサの位置を説明するプリンタの概略
の斜視図。
【図9】従来のモータの制御装置の構成を示すブロック
図。
【図10】従来のモータの制御装置の速度制御を説明す
るタイミングチャート。
【図11】紙送り機構を説明する図。
【図12】本発明によるモータの制御プログラムを記録
した記録媒体が用いられるコンピュータシステムの一例
を示す斜視図。
【図13】本発明によるモータの制御プログラムを記録
した記録媒体が用いられるコンピュータシステムの一例
を示すブロック図。
【符号の説明】
1 紙送りモータ(PFモータ) 2 紙送りモータドライバ 3 キャリッジ 4 キャリッジモータ(CRモータ) 5 キャリッジモータドライバ(CRモータドライバ) 6 DCユニット 6a 位置カウンタ 6b 減算器 6c 目標速度演算手段 6d 速度演算部 6e 減算器 6f 比例要素 6g 積分要素 6h 微分要素 6j D/Aコンバータ 6k タイマ 6m 加速制御部 6p パルスカウンタ 6q 逆転検出部 6r パルスカウンタ 6s ANDゲート 6t ORゲート 7 ポンプモータ 8 ポンプモータドライバ 9 記録ヘッド 10 ヘッドドライバ 11 リニア式エンコーダ 12 符号板 13 エンコーダ(ロータリ式エンコーダ) 15 紙検出センサ 16 CPU 17 タイマIC 18 ホストコンピュータ 19 インタフェース部 20 ASIC 21 PROM 22 RAM 23 EEPROM 25 プラテン 30 プーリ 31 タイミングベルト 32 キャリッジモータのガイド部材 34 インクカートリッジ 35 キャッピング装置 36 ポンプユニット 37 キャップ 50 記録紙 65 紙送りローラ 66 従動ローラ 68 排紙ローラ 69 従動ローラ 80 バネ

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】モータの回転に従って回転するエンコーダ
    の出力パルスに基づいて、前記モータの起動時に前記エ
    ンコーダが取り付けられた取り付け部に逆転が生じたか
    否かを検出する逆転検出部と、 前記取り付け部に逆転が生じた場合に、前記取り付け部
    の回転が逆転から正転に変わった後の前記エンコーダの
    出力パルスのエッジをカウントし、そのカウント値が第
    1の所定値になったときに開始指令を出力する第1のパ
    ルスカウンタと、 前記取り付け部に逆転が生じた場合に、前記開始指令を
    受けたときに、前記エンコーダの出力パルスに基づいて
    前記モータの速度を演算する速度演算部と、 を備えたことを特徴とするモータの制御装置。
  2. 【請求項2】前記モータの起動時に前記エンコーダの出
    力パルスのエッジをカウントし、そのカウント値が第2
    の所定値になったときに開始指令を出力する第2のパル
    スカウンタを更に備え、 前記速度演算部は、前記取り付け部に逆転が生じた場合
    には前記第1のパルスカウンタから出力される開始指令
    に基づいて、逆転が生じなかった場合には前記第2のパ
    ルスカウンタから出力される開始指令に基づいて、速度
    演算を開始することを特徴とする請求項1記載のモータ
    の制御装置。
  3. 【請求項3】前記モータは印刷装置の紙送りモータであ
    ることを特徴とする請求項1乃至2のいずれかに記載の
    モータの制御装置。
  4. 【請求項4】前記モータの目標速度と、前記速度演算部
    によって演算された前記モータの速度との偏差に基づい
    て前記モータの速度を制御する速度制御部を備えている
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のモ
    ータの制御装置。
  5. 【請求項5】モータの回転に従って回転するエンコーダ
    の出力パルスに基づいて、前記モータの起動時に前記エ
    ンコーダが取り付けられた取り付け部に逆転が生じたか
    否かを検出するステップと、 前記取り付け部に逆転が生じた場合に、前記取り付け部
    の回転が逆転から正転に変わった後の前記エンコーダの
    出力パルスのエッジをカウントし、そのカウント値が第
    1の所定値になったときに開始指令を出力するステップ
    と、 前記開始指令を受けたときに前記エンコーダの出力パル
    スに基づいて前記モータの速度を演算するステップと、 を備えたことを特徴とするモータの制御方法。
  6. 【請求項6】前記モータの速度を演算するステップの前
    に、前記エンコーダの出力パルスのエッジをカウント
    し、そのカウント値が第2の所定値になるかまたは前記
    取り付け部が逆転しなかったときに開始指令を出力する
    ステップを備えたことを特徴とする請求項5記載のモー
    タの制御方法。
  7. 【請求項7】前記モータの速度を演算するステップの後
    に、前記モータの目標速度と、前記演算された速度との
    偏差に基づいて前記モータの速度を制御するステップ
    と、 を備えたことを特徴とする請求項5乃至6のいずれかに
    記載のモータの制御方法。
  8. 【請求項8】前記モータは印刷装置の紙送りモータであ
    ることを特徴とする請求項5乃至7のいずれかに記載の
    モータの制御方法。
  9. 【請求項9】モータの回転に従って回転するエンコーダ
    の出力パルスに基づいて、前記モータの起動時に前記エ
    ンコーダが取り付けられた取り付け部に逆転が生じたか
    否かを検出する手順と、 前記取り付け部に逆転が生じた場合に、前記取り付け部
    の回転が逆転から正転に変わった後の前記エンコーダの
    出力パルスのエッジをカウントし、そのカウント値が第
    1の所定値になったときに開始指令を出力する手順と、 前記開始指令を受けたときに前記エンコーダの出力パル
    スに基づいて前記モータの速度を演算する手順と、 を備えたことを特徴とするコンピュータによってモータ
    を制御するためのモータの制御プログラムを記録した記
    録媒体。
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