JP2001135167A - 透明導電積層体及びその製造方法 - Google Patents
透明導電積層体及びその製造方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 高分子基板上に、比較的比抵抗の高い透明導
電膜を有する透明導電性積層体を提供することにある。 【解決手段】 高分子基板上にインジウム(In)、錫
(Sn)、亜鉛(Zn)及び酸素原子(O)を主成分と
する透明導電膜が形成されてなる透明導電積層体であっ
て、InとSnの合計原子濃度に対するSn原子濃度が
0.01〜0.1の範囲であり、InとZnの合計原子
濃度に対するZnの原子濃度が0.01〜0.1の範囲
であり、かつSnとZnの原子濃度の合計に対するZn
の原子濃度の比が0.30以上0.55以下の範囲の範
囲であることを特徴とする透明導電積層体。
電膜を有する透明導電性積層体を提供することにある。 【解決手段】 高分子基板上にインジウム(In)、錫
(Sn)、亜鉛(Zn)及び酸素原子(O)を主成分と
する透明導電膜が形成されてなる透明導電積層体であっ
て、InとSnの合計原子濃度に対するSn原子濃度が
0.01〜0.1の範囲であり、InとZnの合計原子
濃度に対するZnの原子濃度が0.01〜0.1の範囲
であり、かつSnとZnの原子濃度の合計に対するZn
の原子濃度の比が0.30以上0.55以下の範囲の範
囲であることを特徴とする透明導電積層体。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は抵抗値の制御された
透明導電積層体に関し、さらに詳しくは高分子基板の上
に比抵抗の高い透明導電膜を設けてなる透明導電積層体
及びその製造方法に関する。
透明導電積層体に関し、さらに詳しくは高分子基板の上
に比抵抗の高い透明導電膜を設けてなる透明導電積層体
及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】各種表示素子或いは薄膜太陽電池の電極
部には、可視光線透過率が高く低抵抗な電気特性を有す
る透明導電膜が欠かせない。一方、例えば低消費電力ア
ナログ方式タッチパネルでは、抵抗値が比較的高い透明
導電膜が好適である。これは、低消費電力アナログ方式
タッチパネルが、電位によって位置検出を行っている点
に由来し、電位のマージンを大きくするためには透明導
電膜の抵抗値が高いことが望ましいので、高抵抗の透明
導電膜が必要である。
部には、可視光線透過率が高く低抵抗な電気特性を有す
る透明導電膜が欠かせない。一方、例えば低消費電力ア
ナログ方式タッチパネルでは、抵抗値が比較的高い透明
導電膜が好適である。これは、低消費電力アナログ方式
タッチパネルが、電位によって位置検出を行っている点
に由来し、電位のマージンを大きくするためには透明導
電膜の抵抗値が高いことが望ましいので、高抵抗の透明
導電膜が必要である。
【0003】このように、用途によって望ましい透明導
電膜の比抵抗は異なるので、比抵抗を自在に制御できる
ならば透明導電材料の用途の幅は非常に広がることにな
り、電気デバイスとしての可能性をさらに高めることに
なる。
電膜の比抵抗は異なるので、比抵抗を自在に制御できる
ならば透明導電材料の用途の幅は非常に広がることにな
り、電気デバイスとしての可能性をさらに高めることに
なる。
【0004】近年の携帯移動端末の急激な小型化・軽量
化に伴って、透明電極基板にも、さらなる軽量な部材が
要求されている。そのため、基板材料としては、ガラス
に比べてより軽量な透明高分子基板材料にIn−Sn−
Oを主成分とする膜(以下ITO膜と記す)を積層した
透明導電性フィルムが使用されつつある。また、タッチ
パネルにおいても製造の容易性、パネルの軽量性の観点
より高分子基板上に透明導電膜を形成した積層体を用い
ることが多くなっている。
化に伴って、透明電極基板にも、さらなる軽量な部材が
要求されている。そのため、基板材料としては、ガラス
に比べてより軽量な透明高分子基板材料にIn−Sn−
Oを主成分とする膜(以下ITO膜と記す)を積層した
透明導電性フィルムが使用されつつある。また、タッチ
パネルにおいても製造の容易性、パネルの軽量性の観点
より高分子基板上に透明導電膜を形成した積層体を用い
ることが多くなっている。
【0005】透明導電膜としてのITO膜は低抵抗な導
電膜を形成することを鑑みた場合、非常に有用であり優
れた材料である。しかし、タッチパネル用途のような高
い抵抗値の膜を形成するためには、比抵抗が低いことに
由来する、膜厚の低減が必要となっている。
電膜を形成することを鑑みた場合、非常に有用であり優
れた材料である。しかし、タッチパネル用途のような高
い抵抗値の膜を形成するためには、比抵抗が低いことに
由来する、膜厚の低減が必要となっている。
【0006】ITO膜を用いて、抵抗値の高い透明導電
膜を形成するためには、透明導電膜の膜厚を低減させ、
相対的な、界面・表面での散乱の寄与を高め、比抵抗を
増大させる必要がある。ところが、筆記摺動耐久性のよ
うな機械的特性は、透明導電膜の膜厚の低減に伴って悪
化してしまう。これは、機械的な応力に耐えるために
は、ある程度の膜厚が必要であることを意味している。
一般的には150〜300Å程度の膜厚が用いられてい
る。例えば、表面抵抗値が500Ω/□の透明導電膜を
比抵抗が6×10-4Ω・cmのITO膜を用いて形成す
ることを考慮すると、少なく見積もって120Åの膜厚
でなければならない。このように、透明導電膜の電気的
な特性と機械的な特性を同時に満足させることは非常に
困難であり、透明導電膜の形成プロセスの改良によっ
て、いずれかの特性を満足させることで対応を余儀なく
されている。
膜を形成するためには、透明導電膜の膜厚を低減させ、
相対的な、界面・表面での散乱の寄与を高め、比抵抗を
増大させる必要がある。ところが、筆記摺動耐久性のよ
うな機械的特性は、透明導電膜の膜厚の低減に伴って悪
化してしまう。これは、機械的な応力に耐えるために
は、ある程度の膜厚が必要であることを意味している。
一般的には150〜300Å程度の膜厚が用いられてい
る。例えば、表面抵抗値が500Ω/□の透明導電膜を
比抵抗が6×10-4Ω・cmのITO膜を用いて形成す
ることを考慮すると、少なく見積もって120Åの膜厚
でなければならない。このように、透明導電膜の電気的
な特性と機械的な特性を同時に満足させることは非常に
困難であり、透明導電膜の形成プロセスの改良によっ
て、いずれかの特性を満足させることで対応を余儀なく
されている。
【0007】このような背景より、比抵抗がある程度高
く、透明性にも優れた透明導電膜を形成することは、低
消費電力アナログ方式タッチパネルを例にすると膜厚に
対するマージンが増えることより筆記摺動耐久性を高め
ると伴に、電位を高くとることができることより位置検
出の分解能を高めることができ有用である。また、その
ような透明導電材料が求められている。
く、透明性にも優れた透明導電膜を形成することは、低
消費電力アナログ方式タッチパネルを例にすると膜厚に
対するマージンが増えることより筆記摺動耐久性を高め
ると伴に、電位を高くとることができることより位置検
出の分解能を高めることができ有用である。また、その
ような透明導電材料が求められている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】高分子基板上への透明
導電膜の形成においては、高分子基板の軟化点温度が一
般に200℃に満たないため、かかる温度以上に加熱す
ることができず、ガラス上への透明導電膜の形成時のよ
うに200〜400℃のような高い基板温度条件を使用
することができない。
導電膜の形成においては、高分子基板の軟化点温度が一
般に200℃に満たないため、かかる温度以上に加熱す
ることができず、ガラス上への透明導電膜の形成時のよ
うに200〜400℃のような高い基板温度条件を使用
することができない。
【0009】また、高分子基板の曲げに対する剛性はガ
ラス基板に比して小さいことより、高分子基板上にはせ
いぜい3000Å程度しか透明導電膜を形成することが
できない。これ以上に透明導電膜の膜厚を厚くするよう
に形成すると、高分子基板が透明導電膜の応力のため
に、そり(カール)を起こしてしまったり、或いは透明
導電膜に微細な傷が入ってしまう。このため、膜厚は最
大で3000Å程度に抑制することが必要である。特
に、低消費電力アナログ方式タッチパネルに透明導電膜
を使用するためには、150〜300Åの膜厚にするこ
とが望ましい。
ラス基板に比して小さいことより、高分子基板上にはせ
いぜい3000Å程度しか透明導電膜を形成することが
できない。これ以上に透明導電膜の膜厚を厚くするよう
に形成すると、高分子基板が透明導電膜の応力のため
に、そり(カール)を起こしてしまったり、或いは透明
導電膜に微細な傷が入ってしまう。このため、膜厚は最
大で3000Å程度に抑制することが必要である。特
に、低消費電力アナログ方式タッチパネルに透明導電膜
を使用するためには、150〜300Åの膜厚にするこ
とが望ましい。
【0010】一方、ITO膜を高分子基板上に形成する
場合、基板温度を高分子基板の軟化点温度以下とする必
要があるが、例えば室温で形成したときのITO膜の構造
は非晶質である。この膜に、高分子基板の軟化点温度以
下での熱処理に相当する後加工のプロセスを適応する
と、ITO膜の結晶化が引き起こされることがある。そ
して、結晶化に伴ってSnは格子点に入りイオン化し、
低抵抗化することが予想される。
場合、基板温度を高分子基板の軟化点温度以下とする必
要があるが、例えば室温で形成したときのITO膜の構造
は非晶質である。この膜に、高分子基板の軟化点温度以
下での熱処理に相当する後加工のプロセスを適応する
と、ITO膜の結晶化が引き起こされることがある。そ
して、結晶化に伴ってSnは格子点に入りイオン化し、
低抵抗化することが予想される。
【0011】本発明の目的は、高分子基板上に、比較的
高い比抵抗を有する透明導電膜を形成した透明導電積層
体を提供することにある。特に、タッチパネル用途に好
適な、ある程度の膜厚を有する透明導電膜であって、か
つ所望の高い抵抗値を示す透明導電膜が形成された透明
導電積層体を提供することにある。
高い比抵抗を有する透明導電膜を形成した透明導電積層
体を提供することにある。特に、タッチパネル用途に好
適な、ある程度の膜厚を有する透明導電膜であって、か
つ所望の高い抵抗値を示す透明導電膜が形成された透明
導電積層体を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】発明者らは、基板温度が
室温程度の温度で形成された透明導電膜について、その
組成に関して鋭意検討した結果、In−Sn−Zn−O
系材料のSn濃度とZn濃度を適切に制御すること、並
びにそれらに適切な後処理を実施することにより、形成
された透明導電膜の抵抗値を高くできることを見出し
た。
室温程度の温度で形成された透明導電膜について、その
組成に関して鋭意検討した結果、In−Sn−Zn−O
系材料のSn濃度とZn濃度を適切に制御すること、並
びにそれらに適切な後処理を実施することにより、形成
された透明導電膜の抵抗値を高くできることを見出し
た。
【0013】すなわち本発明は、高分子基板上にインジ
ウム(In)、錫(Sn)、亜鉛(Zn)及び酸素原子
(O)を主成分とする透明導電膜が形成されてなる透明
導電積層体であって、InとSnの合計原子濃度に対す
るSn原子濃度が0.01〜0.1の範囲であり、In
とZnの合計原子濃度に対するZnの原子濃度が0.0
1〜0.1の範囲であり、且つSnとZnの原子濃度の
合計に対するZnの原子濃度の比が0.30以上0.5
5以下の範囲であることを特徴とする透明導電積層体に
よって達成される。
ウム(In)、錫(Sn)、亜鉛(Zn)及び酸素原子
(O)を主成分とする透明導電膜が形成されてなる透明
導電積層体であって、InとSnの合計原子濃度に対す
るSn原子濃度が0.01〜0.1の範囲であり、In
とZnの合計原子濃度に対するZnの原子濃度が0.0
1〜0.1の範囲であり、且つSnとZnの原子濃度の
合計に対するZnの原子濃度の比が0.30以上0.5
5以下の範囲であることを特徴とする透明導電積層体に
よって達成される。
【0014】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て順次説明していく。本発明の透明導電積層体は、高分
子基板上に透明導電膜が形成されてなる。
て順次説明していく。本発明の透明導電積層体は、高分
子基板上に透明導電膜が形成されてなる。
【0015】本発明に使用される高分子基板は、ポリエ
ステル系高分子、ポリオレフィン系高分子やポリエチレ
ンテレフタレート、ポリエチレン2,6ナフタレート、
ポリカーボネイト、ポリエーテルスルホン、ポリアリレ
ート等の単一成分の高分子、或いは光学的機能または熱
力学的機能を付与するために、これらの高分子に第二、
第三成分を共重合した、共重合高分子を用いることがで
きる。特に、光学用途にはビスフェノール成分を有する
透明性が良好なポリカーボネイトが好適である。かかる
ビスフェノール成分としては、例えば、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノール
A)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロ
ヘキサン(ビスフェノールZ)、1,1−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘ
キサン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フル
オレン、9,9−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)フルオレンを挙げることができる。これらは2
種類以上組み合わせてもよい。すなわちかかるポリカー
ボネイトは共重合ポリカーボネイトでもブレンドでもよ
い。さらに、新規機能を発現させるために複数の高分子
体をブレンドした高分子を用いることもできる。さらに
は、多層の共押出し高分子フィルムを用いることもでき
る。
ステル系高分子、ポリオレフィン系高分子やポリエチレ
ンテレフタレート、ポリエチレン2,6ナフタレート、
ポリカーボネイト、ポリエーテルスルホン、ポリアリレ
ート等の単一成分の高分子、或いは光学的機能または熱
力学的機能を付与するために、これらの高分子に第二、
第三成分を共重合した、共重合高分子を用いることがで
きる。特に、光学用途にはビスフェノール成分を有する
透明性が良好なポリカーボネイトが好適である。かかる
ビスフェノール成分としては、例えば、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノール
A)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロ
ヘキサン(ビスフェノールZ)、1,1−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘ
キサン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フル
オレン、9,9−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)フルオレンを挙げることができる。これらは2
種類以上組み合わせてもよい。すなわちかかるポリカー
ボネイトは共重合ポリカーボネイトでもブレンドでもよ
い。さらに、新規機能を発現させるために複数の高分子
体をブレンドした高分子を用いることもできる。さらに
は、多層の共押出し高分子フィルムを用いることもでき
る。
【0016】高分子基板の膜厚は、0.01〜0.4m
mのものを使用することができるが、0.1〜0.2m
m程度が視認性の観点より望ましい。また、0.01m
m程度の高分子基板に形成した後、厚い高分子フィルム
に貼り合わせても構わない。
mのものを使用することができるが、0.1〜0.2m
m程度が視認性の観点より望ましい。また、0.01m
m程度の高分子基板に形成した後、厚い高分子フィルム
に貼り合わせても構わない。
【0017】さらに高分子基板は光学等方性が優れるも
のが好ましく、リターデーデョンが20nm以下、好ま
しくは10nm以下のものが好適である。
のが好ましく、リターデーデョンが20nm以下、好ま
しくは10nm以下のものが好適である。
【0018】上記高分子基板は、形成される透明導電膜
との密着性の向上、高分子基板の耐久性の向上或いは、
高分子基板のガスバリア能を向上させるために、高分子
基板の片面或いは両面に、少なくとも一層以上からなる
コーティング層を有していても構わない。このコーティ
ング層は、無機物または有機物またはそれらの複合材料
からなり、その膜厚は好ましくは0.01〜20μmで
ある。より望ましくは、10μm程度に抑制されること
が望ましい。コーティング層の形成にはコーターを用い
た塗布法や、スプレー法、スピンコート法、インライン
コート法等が用いられることが多いが、この限りではな
い。また、スパッタ法、蒸着法といった、Physic
al Vapor Deposition(以下PV
D)、Chemical Vapor Depositi
on(以下CVD)の手法が用いられても構わない。コ
ーティング層としては、アクリル系樹脂、ウレタン系樹
脂、UV硬化系樹脂、エポキシ系樹脂等の樹脂成分やこ
れらとアルミナ、シリカ、マイカ等の無機粒子の混合物
が使われても良い。或いは、高分子基板を二層以上の共
押し出しによりコーティング層の機能を持たせても構わ
ない。PVD、CVDの手法では、酸化マグネシウム、
酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化カルシウム、酸化バ
リウム、酸化錫、酸化インジウム、酸化タンタル、酸化
チタン、酸化亜鉛等の酸化物や、窒化珪素、窒化チタ
ン、窒化タンタル等の窒化物、弗化マグネシウム、弗化
カルシウム等の弗化物を単体或は混合することで形成し
たものを用いることができる。
との密着性の向上、高分子基板の耐久性の向上或いは、
高分子基板のガスバリア能を向上させるために、高分子
基板の片面或いは両面に、少なくとも一層以上からなる
コーティング層を有していても構わない。このコーティ
ング層は、無機物または有機物またはそれらの複合材料
からなり、その膜厚は好ましくは0.01〜20μmで
ある。より望ましくは、10μm程度に抑制されること
が望ましい。コーティング層の形成にはコーターを用い
た塗布法や、スプレー法、スピンコート法、インライン
コート法等が用いられることが多いが、この限りではな
い。また、スパッタ法、蒸着法といった、Physic
al Vapor Deposition(以下PV
D)、Chemical Vapor Depositi
on(以下CVD)の手法が用いられても構わない。コ
ーティング層としては、アクリル系樹脂、ウレタン系樹
脂、UV硬化系樹脂、エポキシ系樹脂等の樹脂成分やこ
れらとアルミナ、シリカ、マイカ等の無機粒子の混合物
が使われても良い。或いは、高分子基板を二層以上の共
押し出しによりコーティング層の機能を持たせても構わ
ない。PVD、CVDの手法では、酸化マグネシウム、
酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化カルシウム、酸化バ
リウム、酸化錫、酸化インジウム、酸化タンタル、酸化
チタン、酸化亜鉛等の酸化物や、窒化珪素、窒化チタ
ン、窒化タンタル等の窒化物、弗化マグネシウム、弗化
カルシウム等の弗化物を単体或は混合することで形成し
たものを用いることができる。
【0019】本発明における透明導電膜は、酸化インジ
ウムを主体とし、酸化錫と酸化亜鉛が特定量含有されて
なるものである。本発明者らは、In−Sn−Zn−O
を主成分とする透明導電膜の抵抗値を制御する製膜技術
について検討していたところ、この膜については、高分
子基板上に製膜された膜は熱処理により結晶化が促進
し、それに伴うSn原子の格子点への配置により従来の
ITO膜と同様、抵抗値を低減させるが、SnとZnの原
子濃度の合計に対するZnの原子濃度の比が0.30以
上0.55以下である場合には、驚くべきことに抵抗値
は増加することを見出した。確固たる証拠はないもの
の、抵抗値の増加は、キャリア濃度の低減・移動度の低
減によりもたらされる以外には有り得ず、本発明におい
ては、Sn−Zn−Oよりなる抵抗値が高い第三成分の
生成によりもたらされると推定している。そのため、熱
処理後に結晶質で、抵抗値の高い透明導電膜が形成でき
る。
ウムを主体とし、酸化錫と酸化亜鉛が特定量含有されて
なるものである。本発明者らは、In−Sn−Zn−O
を主成分とする透明導電膜の抵抗値を制御する製膜技術
について検討していたところ、この膜については、高分
子基板上に製膜された膜は熱処理により結晶化が促進
し、それに伴うSn原子の格子点への配置により従来の
ITO膜と同様、抵抗値を低減させるが、SnとZnの原
子濃度の合計に対するZnの原子濃度の比が0.30以
上0.55以下である場合には、驚くべきことに抵抗値
は増加することを見出した。確固たる証拠はないもの
の、抵抗値の増加は、キャリア濃度の低減・移動度の低
減によりもたらされる以外には有り得ず、本発明におい
ては、Sn−Zn−Oよりなる抵抗値が高い第三成分の
生成によりもたらされると推定している。そのため、熱
処理後に結晶質で、抵抗値の高い透明導電膜が形成でき
る。
【0020】すなわち本発明における透明導電膜は、酸
化インジウムを主体とし、酸化錫と酸化亜鉛が特定量含
有されてなるものであって、InとSnの合計原子濃度
に対するSn原子濃度が0.01〜0.1の範囲であ
り、InとZnの合計原子濃度に対するZnの原子濃度
が0.01〜0.1の範囲であり、且つSnとZnの原
子濃度の合計に対するZnの原子濃度の比が0.30以
上0.55以下の範囲であることを特徴とする。かかる
範囲とすることにより、高抵抗の透明導電膜となる。そ
して、SnとZnの原子濃度の合計に対するZnの原子
濃度の比は、0.40以上0.55以下の範囲に入るこ
とが望ましい。
化インジウムを主体とし、酸化錫と酸化亜鉛が特定量含
有されてなるものであって、InとSnの合計原子濃度
に対するSn原子濃度が0.01〜0.1の範囲であ
り、InとZnの合計原子濃度に対するZnの原子濃度
が0.01〜0.1の範囲であり、且つSnとZnの原
子濃度の合計に対するZnの原子濃度の比が0.30以
上0.55以下の範囲であることを特徴とする。かかる
範囲とすることにより、高抵抗の透明導電膜となる。そ
して、SnとZnの原子濃度の合計に対するZnの原子
濃度の比は、0.40以上0.55以下の範囲に入るこ
とが望ましい。
【0021】上記In−Sn−Zn−O系透明導電膜の
膜厚は用途によって適宜決定すればよいが、100〜2
800Åの範囲が好適である。3000Åを超えると可
撓性が低下し、また、100Å未満では透明導電膜とし
ての機能が著しく悪化する。かかる透明導電膜の用途に
応じて100〜2800Åの膜厚に適宜設定することが
より望ましい。低消費電力型アナログ方式タッチパネル
では、500Å以下、より望ましくは400Å以下、さ
らに望ましくは100〜300Åとすることで、比較的
高い抵抗値の透明導電膜を透過率の低下をもたらすこと
なく供給できる。一方、摺動耐久性に対しては、膜厚が
厚い方が有利であることより、比抵抗が高い本発明の膜
は、低消費電力型アナログ方式タッチパネルの用途には
適していると言える。
膜厚は用途によって適宜決定すればよいが、100〜2
800Åの範囲が好適である。3000Åを超えると可
撓性が低下し、また、100Å未満では透明導電膜とし
ての機能が著しく悪化する。かかる透明導電膜の用途に
応じて100〜2800Åの膜厚に適宜設定することが
より望ましい。低消費電力型アナログ方式タッチパネル
では、500Å以下、より望ましくは400Å以下、さ
らに望ましくは100〜300Åとすることで、比較的
高い抵抗値の透明導電膜を透過率の低下をもたらすこと
なく供給できる。一方、摺動耐久性に対しては、膜厚が
厚い方が有利であることより、比抵抗が高い本発明の膜
は、低消費電力型アナログ方式タッチパネルの用途には
適していると言える。
【0022】上記透明導電膜は、次のようにして製造す
ることができる。すなわち、透明導電膜の形成手法とし
ては、上記高分子基板上に、例えば、DCマグネトロン
スパッタリング法、RFマグネトロンスパッタリング
法、イオンプレーティング法、真空蒸着法、パルスレー
ザーデポジション法、これらを複合した形成法等を用い
て製膜することができるが、大面積に対して均一な膜厚
の透明導電膜を形成するという工業生産性に着目し、D
Cマグネトロンスパッタリング法が望ましい。
ることができる。すなわち、透明導電膜の形成手法とし
ては、上記高分子基板上に、例えば、DCマグネトロン
スパッタリング法、RFマグネトロンスパッタリング
法、イオンプレーティング法、真空蒸着法、パルスレー
ザーデポジション法、これらを複合した形成法等を用い
て製膜することができるが、大面積に対して均一な膜厚
の透明導電膜を形成するという工業生産性に着目し、D
Cマグネトロンスパッタリング法が望ましい。
【0023】スパッタリング法を用いる場合は、In−
Sn−Zn−Oを主成分とする焼結ターゲットを用いて
スパッタリング法により高分子基板上に透明導電膜を形
成する透明導電積層体の製造方法において、不活性ガ
ス、酸素及び水を含み、水の分圧を1.0×10-4Pa
以下とした雰囲気中、かつ80℃未満の温度に保持した
雰囲気中でスパッタリングを行い、ついで、酸素を含む
雰囲気下において当該高分子基板のガラス転移温度を超
えない温度にて加熱処理することによって透明導電積層
体を製造することができる。
Sn−Zn−Oを主成分とする焼結ターゲットを用いて
スパッタリング法により高分子基板上に透明導電膜を形
成する透明導電積層体の製造方法において、不活性ガ
ス、酸素及び水を含み、水の分圧を1.0×10-4Pa
以下とした雰囲気中、かつ80℃未満の温度に保持した
雰囲気中でスパッタリングを行い、ついで、酸素を含む
雰囲気下において当該高分子基板のガラス転移温度を超
えない温度にて加熱処理することによって透明導電積層
体を製造することができる。
【0024】このとき酸素分圧に対する水分圧の比が1
以下であることが好適な抵抗値を得る上で望ましい。か
かる比はより望ましくは0.1以下、さらに望ましくは
0.01である。
以下であることが好適な抵抗値を得る上で望ましい。か
かる比はより望ましくは0.1以下、さらに望ましくは
0.01である。
【0025】また、不活性ガス分圧に対する水分圧の比
は、0.1以下に制御することが、好適な抵抗値の透明
導電膜を得る上で望ましい。かかる比はより望ましく
は、0.01以下、さらに望ましくは0.001以下で
ある。
は、0.1以下に制御することが、好適な抵抗値の透明
導電膜を得る上で望ましい。かかる比はより望ましく
は、0.01以下、さらに望ましくは0.001以下で
ある。
【0026】さらに、上記In−Sn−Zn−O系材料
からなる透明導電膜の高抵抗を実現するために、スパッ
タリング法により透明導電膜を形成する手法として、透
明導電膜を成膜する雰囲気である真空槽中の圧力を1.
3×10-4Pa以下に制御することが好適である。これ
は、真空槽中に残留し、且つ透明導電膜の特性に影響を
与えることが懸念される分子種の影響を低減できるので
望ましい。より望ましくは、4×10-5Pa以下、さら
に望ましくは2×10-5Pa以下である。しかし、予期
せぬ不純物の膜中への取り込みによって抵抗値が増大す
ることがある。従って、成膜直前の真空槽中の圧力につ
いてはこれに制限を設けるものではない。
からなる透明導電膜の高抵抗を実現するために、スパッ
タリング法により透明導電膜を形成する手法として、透
明導電膜を成膜する雰囲気である真空槽中の圧力を1.
3×10-4Pa以下に制御することが好適である。これ
は、真空槽中に残留し、且つ透明導電膜の特性に影響を
与えることが懸念される分子種の影響を低減できるので
望ましい。より望ましくは、4×10-5Pa以下、さら
に望ましくは2×10-5Pa以下である。しかし、予期
せぬ不純物の膜中への取り込みによって抵抗値が増大す
ることがある。従って、成膜直前の真空槽中の圧力につ
いてはこれに制限を設けるものではない。
【0027】また、本発明では、透明導電膜を成膜する
雰囲気である真空槽中の水の分圧を1.3×10-4Pa
以下とし、次いで不活性ガス及び酸素を導入する製造方
法にて形成することができる。より望ましくは、4×1
0-5Pa以下、さらに望ましくは2×10-5Pa以下に
水分圧を制御することが望ましい。しかし、真空槽中に
残留する予期せぬ不純物により高抵抗膜が形成されるこ
ともあるので、一意的に真空槽中の水分圧を決定しなく
てもよい。
雰囲気である真空槽中の水の分圧を1.3×10-4Pa
以下とし、次いで不活性ガス及び酸素を導入する製造方
法にて形成することができる。より望ましくは、4×1
0-5Pa以下、さらに望ましくは2×10-5Pa以下に
水分圧を制御することが望ましい。しかし、真空槽中に
残留する予期せぬ不純物により高抵抗膜が形成されるこ
ともあるので、一意的に真空槽中の水分圧を決定しなく
てもよい。
【0028】本発明における水分圧を決定するときに
は、差動排気型のインプロセスモニターを用いても良
い。またはダイナミックレンジが広く、0.1Pa程度
の圧力下においても計測が可能な四重極質量分析計を用
いても良い。また、成膜直前の真空槽の圧力は、水の分
圧によって決定されていると考えて良いので、真空計に
よる真空度を以って水分圧と考えても構わない。
は、差動排気型のインプロセスモニターを用いても良
い。またはダイナミックレンジが広く、0.1Pa程度
の圧力下においても計測が可能な四重極質量分析計を用
いても良い。また、成膜直前の真空槽の圧力は、水の分
圧によって決定されていると考えて良いので、真空計に
よる真空度を以って水分圧と考えても構わない。
【0029】スパッタリングの際に用いるガスとしては
不活性ガスに酸素、窒素等の第二成分を添加したものを
用いることができる。このとき不活性ガスとしてはH
e、Ne、Ar、Kr、Xeを用いることができ、原子
量の大きな不活性ガスほど形成される膜へのダメージが
少なく比抵抗が低減されると言われているが、コスト面
から考えてArが望ましい。また、必要に応じて、アン
モニア、笑気ガス等を適宜導入することができる。
不活性ガスに酸素、窒素等の第二成分を添加したものを
用いることができる。このとき不活性ガスとしてはH
e、Ne、Ar、Kr、Xeを用いることができ、原子
量の大きな不活性ガスほど形成される膜へのダメージが
少なく比抵抗が低減されると言われているが、コスト面
から考えてArが望ましい。また、必要に応じて、アン
モニア、笑気ガス等を適宜導入することができる。
【0030】スパッタリングに用いるターゲットとして
は、In−Sn−Zn−Oを主成分とする焼結ターゲッ
トを用いることが望ましいが、In−Sn−Znを主成
分とする合金ターゲットを用いても構わない。
は、In−Sn−Zn−Oを主成分とする焼結ターゲッ
トを用いることが望ましいが、In−Sn−Znを主成
分とする合金ターゲットを用いても構わない。
【0031】上記方法により、成膜直後に比抵抗が3.
0×10-4〜1.0×10-3Ω・cmである透明導電膜
を得ることができる。
0×10-4〜1.0×10-3Ω・cmである透明導電膜
を得ることができる。
【0032】このようにして得られた透明導電膜を、高
分子基板の軟化点温度、好ましくはガラス転移温度を超
えない温度にて熱処理を行うと、添加されるSnとZn
の複合酸化物の効果により、5.0×10-4〜5.0×
10-3Ω・cmという高い比抵抗を有する膜に転化せし
めることができる。熱処理時間は、工業生成を鑑みると
短時間に実施されることが望ましく10分以上300分
以下の時間で実施できることが望まれる。より望ましく
は、10〜240分の範囲であり、さらに望ましくは1
0〜120分である。熱処理時間が10分未満の場合
は、透明導電積層体への加熱が不十分となってしまう。
また、300分より長時間の熱処理は、高分子の温度に
対する安定性を確実に保証できる時間であり、例えば、
熱的に安定な高分子基板を使うのであれば1500分の
ように、長くても構わない。しかし、実工程を考慮する
と300分程度以内が望ましい。そして、熱処理を実施
することにより、5.0×10-4〜5.0×10-3Ω・
cmの比抵抗を有する膜に転化せしめることが可能であ
る。
分子基板の軟化点温度、好ましくはガラス転移温度を超
えない温度にて熱処理を行うと、添加されるSnとZn
の複合酸化物の効果により、5.0×10-4〜5.0×
10-3Ω・cmという高い比抵抗を有する膜に転化せし
めることができる。熱処理時間は、工業生成を鑑みると
短時間に実施されることが望ましく10分以上300分
以下の時間で実施できることが望まれる。より望ましく
は、10〜240分の範囲であり、さらに望ましくは1
0〜120分である。熱処理時間が10分未満の場合
は、透明導電積層体への加熱が不十分となってしまう。
また、300分より長時間の熱処理は、高分子の温度に
対する安定性を確実に保証できる時間であり、例えば、
熱的に安定な高分子基板を使うのであれば1500分の
ように、長くても構わない。しかし、実工程を考慮する
と300分程度以内が望ましい。そして、熱処理を実施
することにより、5.0×10-4〜5.0×10-3Ω・
cmの比抵抗を有する膜に転化せしめることが可能であ
る。
【0033】また、熱処理は大気下で実施することが望
ましいが、不活性ガス中、真空中にて実施しても構わな
い。
ましいが、不活性ガス中、真空中にて実施しても構わな
い。
【0034】本発明における透明導電膜の表面抵抗は三
菱化学製のLoresta MPMCP−T350を用
いて測定した。透明導電膜の膜厚は、ガラス上へ成膜し
た当該膜の段差をSloan社製のDektakを用い
て測定し、スパッタレートを求めこれから逆算した。
菱化学製のLoresta MPMCP−T350を用
いて測定した。透明導電膜の膜厚は、ガラス上へ成膜し
た当該膜の段差をSloan社製のDektakを用い
て測定し、スパッタレートを求めこれから逆算した。
【0035】本発明では、抵抗値のみならず、透明導電
膜の他の基本的な物理量の一つである全光線透過率及び
当該膜の構造に関する知見を与えるX線回折についても
併せて検討をおこなっている。全光線透過率はNIPP
ON DENSHOKU社製300Aを用いて、高分子
基板と透明導電膜を分離すること無く測定した。また、
X線回折は理学電機社製RU−300を集中法の光学配
置にて測定した。
膜の他の基本的な物理量の一つである全光線透過率及び
当該膜の構造に関する知見を与えるX線回折についても
併せて検討をおこなっている。全光線透過率はNIPP
ON DENSHOKU社製300Aを用いて、高分子
基板と透明導電膜を分離すること無く測定した。また、
X線回折は理学電機社製RU−300を集中法の光学配
置にて測定した。
【0036】全光線透過率はSnとZnの原子濃度の和
に対するZnの原子濃度の比が、0.30以上0.55
以下の範囲の組成では、成膜直後には通常70〜88%
の範囲である。これらの膜を高分子基板の軟化点温度を
超えない温度にて10〜300分の熱処理を実施する
と、全光線透過率は80〜90%と向上せしめることが
できる。すなわち本発明によれば、この熱処理によって
透明導電膜の基本機能の一つである、全光線透過率を非
常に高くすることが可能となる。
に対するZnの原子濃度の比が、0.30以上0.55
以下の範囲の組成では、成膜直後には通常70〜88%
の範囲である。これらの膜を高分子基板の軟化点温度を
超えない温度にて10〜300分の熱処理を実施する
と、全光線透過率は80〜90%と向上せしめることが
できる。すなわち本発明によれば、この熱処理によって
透明導電膜の基本機能の一つである、全光線透過率を非
常に高くすることが可能となる。
【0037】
【実施例】以下に実施例を示すが、本発明はこれらに制
限されるものではない。
限されるものではない。
【0038】[実施例1]真空槽の背圧を1.3×10
-5Paとし、反応ガスとして酸素を導入し、さらに不活
性ガスとしてArを導入し全圧を0.4Paとした。四
重極質量分析計にて測定した、不活性ガスを導入する前
の水分圧は、真空槽の背圧とほぼ等しかった。酸素分圧
は2.7×10-3Paであった。
-5Paとし、反応ガスとして酸素を導入し、さらに不活
性ガスとしてArを導入し全圧を0.4Paとした。四
重極質量分析計にて測定した、不活性ガスを導入する前
の水分圧は、真空槽の背圧とほぼ等しかった。酸素分圧
は2.7×10-3Paであった。
【0039】In−Sn−Zn−Oからなる焼結ターゲ
ットに1W/cm2の電力密度でDCマグネトロンスパ
ッタリング法により、基板温度20℃のポリカーボネイ
ト基板上に、厚さ130nmの透明導電膜を成膜した。
InとZnの合計原子濃度に対するZnの原子濃度の
比は0.042であり、InとSnの合計原子濃度に対
するSnの原子濃度の比は0.073であった。Snと
Znの原子濃度の合計に対するZnの原子濃度の比は
0.37であった。
ットに1W/cm2の電力密度でDCマグネトロンスパ
ッタリング法により、基板温度20℃のポリカーボネイ
ト基板上に、厚さ130nmの透明導電膜を成膜した。
InとZnの合計原子濃度に対するZnの原子濃度の
比は0.042であり、InとSnの合計原子濃度に対
するSnの原子濃度の比は0.073であった。Snと
Znの原子濃度の合計に対するZnの原子濃度の比は
0.37であった。
【0040】当該膜の成膜直後の比抵抗を、四端子抵抗
計にて測定したところ3.5×10 -4Ω・cmであっ
た。全光線透過率は84%であった。
計にて測定したところ3.5×10 -4Ω・cmであっ
た。全光線透過率は84%であった。
【0041】当該膜をポリカーボネイトのガラス転移温
度未満の温度である130℃で240分間熱処理を行い
比抵抗を四端子抵抗計にて測定したところ5.0×10
-4Ω・cmに上昇した。全光線透過率は86%であっ
た。
度未満の温度である130℃で240分間熱処理を行い
比抵抗を四端子抵抗計にて測定したところ5.0×10
-4Ω・cmに上昇した。全光線透過率は86%であっ
た。
【0042】本発明の実施例・比較例のうち、Sn原子
濃度のIn原子濃度とSn原子濃度の和に対する比率、
Zn原子濃度のIn原子濃度とZn原子濃度の和に対
する比率、Zn原子濃度のSn原子濃度とZn原子濃度
の和に対する比率を下記表1にまとめた。また、熱処理
前後の比抵抗、全光線透過率も表1に示した。
濃度のIn原子濃度とSn原子濃度の和に対する比率、
Zn原子濃度のIn原子濃度とZn原子濃度の和に対
する比率、Zn原子濃度のSn原子濃度とZn原子濃度
の和に対する比率を下記表1にまとめた。また、熱処理
前後の比抵抗、全光線透過率も表1に示した。
【0043】[実施例2]真空槽の背圧を実施例1と同
じとし、反応ガスとして酸素を導入し、さらに不活性ガ
スとしてArを導入し全圧を0.4Paとした。四重極
質量分析計にて測定した不活性ガスを導入する前の水分
圧は、真空槽の背圧とほぼ等しかった。酸素分圧は2.
7×10-3Paであった。
じとし、反応ガスとして酸素を導入し、さらに不活性ガ
スとしてArを導入し全圧を0.4Paとした。四重極
質量分析計にて測定した不活性ガスを導入する前の水分
圧は、真空槽の背圧とほぼ等しかった。酸素分圧は2.
7×10-3Paであった。
【0044】In−Sn−Zn−Oからなる焼結ターゲ
ットに1W/cm2の電力密度でDCマグネトロンスパ
ッタリング法により、基板温度20℃のポリカーボネイ
ト基板上に、厚さ130nmの透明導電膜を成膜した。
InとZnの合計原子濃度に対するZnの原子濃度の比
は0.059であり、InとSnの合計原子濃度に対す
るSnの原子濃度の比は0.059であった。SnとZ
nの原子濃度の合計に対するZnの原子濃度の比は0.
50であった。
ットに1W/cm2の電力密度でDCマグネトロンスパ
ッタリング法により、基板温度20℃のポリカーボネイ
ト基板上に、厚さ130nmの透明導電膜を成膜した。
InとZnの合計原子濃度に対するZnの原子濃度の比
は0.059であり、InとSnの合計原子濃度に対す
るSnの原子濃度の比は0.059であった。SnとZ
nの原子濃度の合計に対するZnの原子濃度の比は0.
50であった。
【0045】当該膜の成膜直後の比抵抗を四端子抵抗計
にて測定したところ、3.0×10 -4Ω・cmであっ
た。全光線透過率は85%であった。
にて測定したところ、3.0×10 -4Ω・cmであっ
た。全光線透過率は85%であった。
【0046】当該膜をポリカーボネイトのガラス転移温
度未満の温度である130℃で240分間熱処理を行い
比抵抗を四端子抵抗計にて測定したところ、2.5×1
0-3Ω・cmであった。全光線透過率は85%であっ
た。
度未満の温度である130℃で240分間熱処理を行い
比抵抗を四端子抵抗計にて測定したところ、2.5×1
0-3Ω・cmであった。全光線透過率は85%であっ
た。
【0047】[実施例3]真空槽の背圧を実施例1と同
じとし、反応ガスとして酸素を導入し、さらに不活性ガ
スとしてArを導入し全圧を0.4Paとした。四重極
質量分析計にて測定した不活性ガスを導入する前の水分
圧は、真空槽の背圧とほぼ等しかった。酸素分圧は2.
7×10-3Paであった。
じとし、反応ガスとして酸素を導入し、さらに不活性ガ
スとしてArを導入し全圧を0.4Paとした。四重極
質量分析計にて測定した不活性ガスを導入する前の水分
圧は、真空槽の背圧とほぼ等しかった。酸素分圧は2.
7×10-3Paであった。
【0048】In−Sn−Zn−Oからなる焼結ターゲ
ットに1W/cm2の電力密度でDCマグネトロンスパ
ッタリング法により、基板温度20℃のポリカーボネイ
ト基板上に、厚さ130nmの透明導電膜を成膜した。
InとZnの合計原子濃度に対するZnの原子濃度の比
は0.047であり、InとSnの合計原子濃度に対す
るSnの原子濃度の比は0.047であった。SnとZ
nの原子濃度の合計に対するZnの原子濃度の比は0.
50であった。
ットに1W/cm2の電力密度でDCマグネトロンスパ
ッタリング法により、基板温度20℃のポリカーボネイ
ト基板上に、厚さ130nmの透明導電膜を成膜した。
InとZnの合計原子濃度に対するZnの原子濃度の比
は0.047であり、InとSnの合計原子濃度に対す
るSnの原子濃度の比は0.047であった。SnとZ
nの原子濃度の合計に対するZnの原子濃度の比は0.
50であった。
【0049】当該膜の成膜直後の比抵抗を四端子抵抗計
にて測定したところ、3.5×10 -4Ω・cmであっ
た。全光線透過率は87%であった。
にて測定したところ、3.5×10 -4Ω・cmであっ
た。全光線透過率は87%であった。
【0050】当該膜をポリカーボネイトのガラス転移温
度未満の温度である130℃で240分間熱処理を行い
比抵抗を四端子抵抗計にて測定したところ、3.4×1
0-3Ω・cmであった。全光線透過率は85%であっ
た。
度未満の温度である130℃で240分間熱処理を行い
比抵抗を四端子抵抗計にて測定したところ、3.4×1
0-3Ω・cmであった。全光線透過率は85%であっ
た。
【0051】[実施例4]真空槽の背圧を実施例1と同
じとし、反応ガスとして酸素を導入し、さらに不活性ガ
スとしてArを導入し全圧を0.4Paとした。四重極
質量分析計にて測定した不活性ガスを導入する前の水分
圧は、真空槽の背圧とほぼ等しかった。酸素分圧は1.
5×10-3Paであった。
じとし、反応ガスとして酸素を導入し、さらに不活性ガ
スとしてArを導入し全圧を0.4Paとした。四重極
質量分析計にて測定した不活性ガスを導入する前の水分
圧は、真空槽の背圧とほぼ等しかった。酸素分圧は1.
5×10-3Paであった。
【0052】In−Sn−Zn−Oからなる焼結ターゲ
ットに1W/cm2の電力密度でDCマグネトロンスパ
ッタリング法により、基板温度20℃のポリカーボネイ
ト基板上に、厚さ130nmの透明導電膜を成膜した。
InとZnの合計原子濃度に対するZnの原子濃度の比
は0.036であり、InとSnの合計原子濃度に対す
るSnの原子濃度の比は0.036であった。SnとZ
nの原子濃度の合計に対するZnの原子濃度の比は0.
50であった。
ットに1W/cm2の電力密度でDCマグネトロンスパ
ッタリング法により、基板温度20℃のポリカーボネイ
ト基板上に、厚さ130nmの透明導電膜を成膜した。
InとZnの合計原子濃度に対するZnの原子濃度の比
は0.036であり、InとSnの合計原子濃度に対す
るSnの原子濃度の比は0.036であった。SnとZ
nの原子濃度の合計に対するZnの原子濃度の比は0.
50であった。
【0053】当該膜の成膜直後の比抵抗を四端子抵抗計
にて測定したところ、4.1×10 -4Ω・cmであっ
た。全光線透過率は86%であった。
にて測定したところ、4.1×10 -4Ω・cmであっ
た。全光線透過率は86%であった。
【0054】当該膜をポリカーボネイトのガラス転移温
度未満の温度である130℃で240分間熱処理を行い
比抵抗を四端子抵抗計にて測定したところ、4.1×1
0-3Ω・cmであった。全光線透過率は85%であっ
た。
度未満の温度である130℃で240分間熱処理を行い
比抵抗を四端子抵抗計にて測定したところ、4.1×1
0-3Ω・cmであった。全光線透過率は85%であっ
た。
【0055】[実施例5]真空槽の背圧を実施例1と同
じとし、反応ガスとして酸素を導入し、さらに不活性ガ
スとしてArを導入し全圧を0.4Paとした。四重極
質量分析計にて測定した不活性ガスを導入する前の水分
圧は、真空槽の背圧とほぼ等しかった。酸素分圧は2.
7×10-3Paであった。
じとし、反応ガスとして酸素を導入し、さらに不活性ガ
スとしてArを導入し全圧を0.4Paとした。四重極
質量分析計にて測定した不活性ガスを導入する前の水分
圧は、真空槽の背圧とほぼ等しかった。酸素分圧は2.
7×10-3Paであった。
【0056】In−Sn−Zn−Oからなる焼結ターゲ
ットに1W/cm2の電力密度でDCマグネトロンスパ
ッタリング法により、基板温度20℃の、両面に有機物
よりなる3mmのコート層をそれぞれ設けたポリカーボネ
イト基板上に、厚さ130nmの透明導電膜を成膜し
た。InとZnの合計原子濃度に対するZnの原子濃度
の比は0.059であり、InとSnの合計原子濃度に
対するSnの原子濃度の比は0.059であった。Sn
とZnの原子濃度の合計に対するZnの原子濃度の比は
0.50であった。
ットに1W/cm2の電力密度でDCマグネトロンスパ
ッタリング法により、基板温度20℃の、両面に有機物
よりなる3mmのコート層をそれぞれ設けたポリカーボネ
イト基板上に、厚さ130nmの透明導電膜を成膜し
た。InとZnの合計原子濃度に対するZnの原子濃度
の比は0.059であり、InとSnの合計原子濃度に
対するSnの原子濃度の比は0.059であった。Sn
とZnの原子濃度の合計に対するZnの原子濃度の比は
0.50であった。
【0057】当該膜の成膜直後の比抵抗を四端子抵抗計
にて測定したところ、3.1×10 -4Ω・cmであっ
た。全光線透過率は86%であった。
にて測定したところ、3.1×10 -4Ω・cmであっ
た。全光線透過率は86%であった。
【0058】当該膜をポリカーボネイトのガラス転移温
度未満の温度である130℃で240分間熱処理を行い
比抵抗を四端子抵抗計にて測定したところ、2.4×1
0-3Ω・cmであった。全光線透過率は85%であっ
た。
度未満の温度である130℃で240分間熱処理を行い
比抵抗を四端子抵抗計にて測定したところ、2.4×1
0-3Ω・cmであった。全光線透過率は85%であっ
た。
【0059】[比較例1]真空槽の背圧を実施例1と同
じとし、反応ガスとして酸素を導入し、さらに不活性ガ
スとしてArを導入し全圧を0.4Paとした。四重極
質量分析計にて測定した不活性ガスを導入する前の水分
圧は、真空槽の背圧とほぼ等しかった。酸素分圧は2.
7×10-3Paであった。
じとし、反応ガスとして酸素を導入し、さらに不活性ガ
スとしてArを導入し全圧を0.4Paとした。四重極
質量分析計にて測定した不活性ガスを導入する前の水分
圧は、真空槽の背圧とほぼ等しかった。酸素分圧は2.
7×10-3Paであった。
【0060】In−Sn−Zn−Oからなる焼結ターゲ
ットに1W/cm2の電力密度でDCマグネトロンスパ
ッタリング法により、基板温度20℃のポリカーボネイ
ト基板上へ、130nm成膜した。InとZnの合計原
子濃度に対するZnの原子濃度の比は0.022であ
り、InとSnの合計原子濃度に対するSnの原子濃度
の比は0.092であった。SnとZnの原子濃度の合
計に対するZnの原子濃度の比は0.19であった。
ットに1W/cm2の電力密度でDCマグネトロンスパ
ッタリング法により、基板温度20℃のポリカーボネイ
ト基板上へ、130nm成膜した。InとZnの合計原
子濃度に対するZnの原子濃度の比は0.022であ
り、InとSnの合計原子濃度に対するSnの原子濃度
の比は0.092であった。SnとZnの原子濃度の合
計に対するZnの原子濃度の比は0.19であった。
【0061】当該膜の成膜直後の比抵抗を、四端子抵抗
計にて測定したところ5.0×10 -4Ω・cmであっ
た。全光線透過率は81%であった。
計にて測定したところ5.0×10 -4Ω・cmであっ
た。全光線透過率は81%であった。
【0062】当該膜をポリカーボネイトの軟化点温度未
満の温度である130℃で240分間熱処理を行い比抵
抗を四端子抵抗計にて測定したところ2.3×10-4Ω
・cmであった。全光線透過率は87%であった。
満の温度である130℃で240分間熱処理を行い比抵
抗を四端子抵抗計にて測定したところ2.3×10-4Ω
・cmであった。全光線透過率は87%であった。
【0063】成膜直後の比抵抗はやや高いものの、熱処
理に伴って抵抗値が著しく低減してしまい、高抵抗の膜
とは言えなくなってしまった。
理に伴って抵抗値が著しく低減してしまい、高抵抗の膜
とは言えなくなってしまった。
【0064】[比較例2]真空槽の背圧を実施例1と同
じとし、反応ガスとして酸素を導入し、さらに不活性ガ
スとしてArを導入し全圧を0.4Paとした。四重極
質量分析計にて測定した不活性ガスを導入する前の水分
圧は、真空槽の背圧とほぼ等しかった。酸素分圧は1.
5×10-3Paであった。
じとし、反応ガスとして酸素を導入し、さらに不活性ガ
スとしてArを導入し全圧を0.4Paとした。四重極
質量分析計にて測定した不活性ガスを導入する前の水分
圧は、真空槽の背圧とほぼ等しかった。酸素分圧は1.
5×10-3Paであった。
【0065】In−Sn−Zn−Oからなる焼結ターゲ
ットに1W/cm2の電力密度でDCマグネトロンスパ
ッタリング法により、基板温度20℃のポリカーボネイ
ト基板上へ、130nm成膜した。InとZnの合計原
子濃度に対するZnの原子濃度の比は0.073であ
り、InとSnの合計原子濃度に対するSnの原子濃度
の比は0.043であった。SnとZnの原子濃度の合
計に対するZnの原子濃度の比は0.63であった。
ットに1W/cm2の電力密度でDCマグネトロンスパ
ッタリング法により、基板温度20℃のポリカーボネイ
ト基板上へ、130nm成膜した。InとZnの合計原
子濃度に対するZnの原子濃度の比は0.073であ
り、InとSnの合計原子濃度に対するSnの原子濃度
の比は0.043であった。SnとZnの原子濃度の合
計に対するZnの原子濃度の比は0.63であった。
【0066】当該膜の成膜直後の比抵抗を、四端子抵抗
計にて測定したところ2.7×10 -4Ω・cmであっ
た。全光線透過率は86%であった。
計にて測定したところ2.7×10 -4Ω・cmであっ
た。全光線透過率は86%であった。
【0067】当該膜をポリカーボネイトのガラス転移温
度未満の温度である130℃で240分間熱処理を行い
比抵抗を四端子抵抗計にて測定したところ2.8×10
-4Ω・cmであった。全光線透過率は85%であった。
度未満の温度である130℃で240分間熱処理を行い
比抵抗を四端子抵抗計にて測定したところ2.8×10
-4Ω・cmであった。全光線透過率は85%であった。
【0068】熱処理後した膜は製膜直後に比べて抵抗値
がほとんど上昇せず、高抵抗の膜を形成することが困難
であった。
がほとんど上昇せず、高抵抗の膜を形成することが困難
であった。
【0069】
【表1】
【0070】このように、In−Sn−Zn−O系透明
導電膜において、 InとSnの合計原子濃度に対する
Sn原子濃度が0.01〜0.1の範囲に入り、且つI
nとZnの合計原子濃度に対するZnの原子濃度が0.
01〜0.1の範囲に入り、且つZnとSn原子濃度の
合計原子濃度に対するZn原子濃度を0.30以上0.
55以下の範囲に制御することにより、熱処理を通じ
て、抵抗値が高い透明導電膜を得ることができる。
導電膜において、 InとSnの合計原子濃度に対する
Sn原子濃度が0.01〜0.1の範囲に入り、且つI
nとZnの合計原子濃度に対するZnの原子濃度が0.
01〜0.1の範囲に入り、且つZnとSn原子濃度の
合計原子濃度に対するZn原子濃度を0.30以上0.
55以下の範囲に制御することにより、熱処理を通じ
て、抵抗値が高い透明導電膜を得ることができる。
【0071】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
高分子基板上に低温プロセスにて形成し、その後の熱処
理により、他に類を見ないような制御性の良い高抵抗且
つ高透過率の透明導電積層体を与える。特にDCマグネト
ロンスパッタという簡易的な手法により、高分子基板上
に低い基板温度条件で形成したIn−Sn−Zn−Oを
主成分とする透明導電膜を、さらに高分子基板の軟化点
を超えない温度にて熱処理するという、極めてプロセス
的に緩やかな条件により、高い抵抗値に制御した透明導
電性薄膜を得ることができる。
高分子基板上に低温プロセスにて形成し、その後の熱処
理により、他に類を見ないような制御性の良い高抵抗且
つ高透過率の透明導電積層体を与える。特にDCマグネト
ロンスパッタという簡易的な手法により、高分子基板上
に低い基板温度条件で形成したIn−Sn−Zn−Oを
主成分とする透明導電膜を、さらに高分子基板の軟化点
を超えない温度にて熱処理するという、極めてプロセス
的に緩やかな条件により、高い抵抗値に制御した透明導
電性薄膜を得ることができる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AA17B AA25B AA28B AK01A BA02 BA10A BA10B EH661 EJ421 EJ422 EJ581 GB41 JA20A JA20B JG01B JG04B JM02B JN01B YY00A YY00B 4K029 AA11 AA24 BA45 BC09 CA06 DC05 DC09 EA01 EA03 EA05 EA08 GA01 5G307 FA02 FB01 FC09 FC10 5G323 BA02 BB05 BC03
Claims (8)
- 【請求項1】 高分子基板上にインジウム(In)、錫
(Sn)、亜鉛(Zn)及び酸素原子(O)を主成分と
する透明導電膜が形成されてなる透明導電積層体であっ
て、InとSnの合計原子濃度に対するSn原子濃度が
0.01〜0.1の範囲であり、InとZnの合計原子
濃度に対するZnの原子濃度が0.01〜0.1の範囲
であり、且つSnとZnの原子濃度の合計に対するZn
の原子濃度の比が0.30以上0.55以下の範囲であ
ることを特徴とする透明導電積層体。 - 【請求項2】 透明導電膜の比抵抗が5.0×10-4〜
5.0×10-3Ω・cmであることを特徴とする請求項
1に記載の透明導電積層体。 - 【請求項3】 透明導電膜の膜厚が100〜2800Å
であることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載
の透明導電積層体。 - 【請求項4】 高分子基板の厚さが0.01〜0.4m
mであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記
載の透明導電積層体。 - 【請求項5】 In−Sn−Zn−Oを主成分とする焼
結ターゲットを用いてスパッタリング法により高分子基
板上に透明導電膜を形成する透明導電積層体の製造方法
であって、不活性ガス、酸素及び水を含み、水の分圧を
1.0×10 -4Pa以下とした雰囲気中、かつ80℃未
満の温度に保持した雰囲気中でスパッタリングを行い、
ついで、酸素を含む雰囲気下において当該高分子基板の
ガラス転移温度を超えない温度にて加熱処理することを
特徴とする透明導電積層体の製造方法。 - 【請求項6】 酸素分圧に対する水分圧の比が1以下で
あることを特徴とする請求項5に記載の透明導電積層体
の製造方法。 - 【請求項7】 不活性ガス分圧に対する水分圧の比が、
0.1以下であることを特徴とする請求項5または6に
記載の透明導電積層体の製造方法。 - 【請求項8】 加熱処理前における透明導電膜の比抵抗
が3.0×10-4〜1.0×10-3Ω・cmであること
を特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の透明導電
積層体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31343099A JP2001135167A (ja) | 1999-11-04 | 1999-11-04 | 透明導電積層体及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31343099A JP2001135167A (ja) | 1999-11-04 | 1999-11-04 | 透明導電積層体及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001135167A true JP2001135167A (ja) | 2001-05-18 |
Family
ID=18041212
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31343099A Pending JP2001135167A (ja) | 1999-11-04 | 1999-11-04 | 透明導電積層体及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001135167A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012092429A (ja) * | 2010-09-29 | 2012-05-17 | Mitsubishi Materials Corp | 薄膜形成用の蒸着材及び該薄膜を備える薄膜シート並びに積層シート |
JP2013020846A (ja) * | 2011-07-12 | 2013-01-31 | Idemitsu Kosan Co Ltd | 透明導電膜 |
-
1999
- 1999-11-04 JP JP31343099A patent/JP2001135167A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012092429A (ja) * | 2010-09-29 | 2012-05-17 | Mitsubishi Materials Corp | 薄膜形成用の蒸着材及び該薄膜を備える薄膜シート並びに積層シート |
JP2013020846A (ja) * | 2011-07-12 | 2013-01-31 | Idemitsu Kosan Co Ltd | 透明導電膜 |
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