JP2000174433A - 配線基板の製造方法 - Google Patents

配線基板の製造方法

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JP2000174433A
JP2000174433A JP34591298A JP34591298A JP2000174433A JP 2000174433 A JP2000174433 A JP 2000174433A JP 34591298 A JP34591298 A JP 34591298A JP 34591298 A JP34591298 A JP 34591298A JP 2000174433 A JP2000174433 A JP 2000174433A
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Japan
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resistor
plating layer
wiring
plating
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Yasutomi Asai
浅井  康富
Shinji Ota
真治 太田
Takashi Nagasaka
長坂  崇
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Denso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 配線層と抵抗体とをめっき層を介して電気的
に接続してなる配線基板において、抵抗体とめっき層と
の密着性を向上させる安価な製造方法を提供する。 【解決手段】 積層基板1の一面1aに露出する表面配
線層3の露出面に、銅めっき層5を形成し、この銅めっ
き層5の表面を活性化させた状態で、銅めっき層5の表
面を含む部分に硼化ランタン等からなる抵抗体6を印刷
した後、焼成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、配線層と抵抗体と
をめっき層を介して電気的に接続してなる配線基板の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の配線基板として、例え
ば、アルミナ積層基板を用いたものがある。その製造方
法は、通常、アルミナ積層基板の表層に露出して形成さ
れたタングステンからなる配線層に、銅(Cu)からな
る銅めっき層を形成した後、両層を密着させるため、窒
素などの不活性雰囲気中、900℃程度で加熱し、続い
て、この銅めっき層上に硼化ランタン、酸化錫などを主
成分とする厚膜抵抗体を印刷、焼成することで配線基板
を形成するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の製造方法に
おいて、めっき後の熱処理をすることによって、銅めっ
き層と下地であるタングステンとの密着力を向上するこ
との他に、めっき後の活性なめっき表面を不動態化およ
び平滑化させることもできる。しかしながら、不動態化
および平滑化した表面に、厚膜抵抗体を形成すると、銅
めっきと厚膜抵抗体との反応性が低く、密着性が低いと
いう問題がある。これは、以下の理由による。
【0004】即ち、銅めっきは、化学的に表面を活性化
させることで銅を析出させているため、銅めっき直後の
めっき表面は活性化されている。ここで、銅めっき後に
窒素中、約900℃で熱処理を行うと、タングステンと
銅めっきの密着性が上がり、また、銅めっき自体の粒子
間においても焼結が行われ、めっき表面は滑らかにな
り、また不活性(化学的に安定)となる。
【0005】このため、銅めっき後の熱処理後に、厚膜
抵抗体の印刷、焼成を行うと、めっき表面が化学的に安
定となっているため、厚膜抵抗体との化学的な結合が少
なく、また、めっき表面が平坦になっているため、物理
的なアンカー効果が少ない。このため、密着力が低くな
るのである。また、上記従来の製造方法では、めっき後
の熱処理が、多くの窒素等の不活性ガスを必要とする等
の理由から、熱処理にかかるコストが高い。
【0006】本発明は上記問題に鑑み、配線層と抵抗体
とをめっき層を介して電気的に接続してなる配線基板に
おいて、抵抗体とめっき層との密着性を向上させる安価
な製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は鋭意検討の
結果、めっき層と下地である配線層との密着力向上のた
めに従来必要とされていためっき後の熱処理を排除して
も、厚膜抵抗体の焼成工程によって、めっき層と配線層
との密着力の確保のために十分な熱処理が可能であるこ
とを見出した。本発明はこの知見に基づいてなされたも
のである。
【0008】即ち、請求項1記載の発明においては、配
線層(3)が少なくとも一面側に露出した基板(1)を
形成し、配線層(3)の露出面にめっき層(5)を形成
した後、続いて、めっき層(5)の熱処理を行わずに基
板(1)の一面側におけるめっき層(5)の表面を含む
部分に抵抗体(6)を印刷、焼成することを特徴として
いる。
【0009】本発明では、めっき層(5)を形成した
後、続いて、抵抗体(6)を印刷、焼成するから、従来
のめっき後且つ抵抗体印刷前の熱処理を排除でき、安価
な製造方法とできる。また、本発明では、めっき直後の
活性化され且つ表面粗さの大きいめっき表面に抵抗体
(6)を形成するので、めっき層(5)と抵抗体(6)
との反応性が高く、且つ物理的な接触面積も大きいた
め、密着性を向上させることができる。
【0010】また、本発明では、抵抗体(6)を焼成す
るときの熱により、めっき層(5)と下地である配線層
(3)との密着力向上のための熱処理も兼ねることがで
き、両層(3、5)間の密着力も確保できる。ここで、
本発明者等の検討によれば、抵抗体の焼成温度は、60
0℃以上であることが好ましい。ここで、請求項2記載
の発明のように、めっき層(5)は銅めっきにより形成
することができ、請求項3記載の発明のように、抵抗体
(6)としては、硼化ランタン、硼化タンタル、銅・ニ
ッケル、酸化錫及び珪素から選択される物質を主成分と
した厚膜抵抗体を用いることができる。
【0011】また、請求項4記載の製造方法では、配線
層(3)が少なくとも一面側に露出した基板(1)にお
ける配線層(3)の露出面にめっき層(5)を形成し、
このめっき層(5)の表面を活性化させた状態で、基板
(1)の一面側におけるめっき層(5)の表面を含む部
分に抵抗体(6)を印刷した後、焼成することを特徴と
している。
【0012】本発明においても、従来のめっき後且つ抵
抗体印刷前の熱処理を行わず、めっき層(5)の表面を
活性化させた状態で抵抗体(6)を印刷した後、焼成す
るから、抵抗体とめっき層との密着性を向上させる安価
な製造方法を提供することができる。なお、上記した括
弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との
対応関係を示す一例である。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図に示す実施形態
について説明する。図1は、本実施形態に係る配線基板
100の断面構成の模式図である。配線基板100は、
複数(図示例では4枚)のセラミック基板が積層された
積層基板1を有する。複数のセラミック基板は、例えば
アルミナ、窒化アルミニウム、ムライト等から構成され
ている。本例では、アルミナ基板が積層されたものとし
ている。
【0014】積層基板1の内部には、内部配線層2が形
成されており、積層基板1の一面1aには、内部配線層
2と導通する表面配線層3が形成され、他面1bには、
内部配線層2と導通する裏面配線層4が形成されてい
る。これら各配線層2〜4は、モリブデンやタングステ
ン等から構成され、さらに、表面配線層3及び裏面配線
層4の表面には、銅めっき層5が形成されている。
【0015】また、積層基板1の一面1aにおける銅め
っき層5の表面を含む部分には、硼化ランタン、銅・ニ
ッケル、酸化錫、珪素などを主成分とした厚膜等からな
る抵抗体6が形成され、この抵抗体6は、銅めっき層5
を介して表面配線層3と電気的に接続されている。そし
て、これら各層2〜5及び抵抗体6により、配線基板1
00の配線部が構成されている。
【0016】なお、抵抗体6は、その一部がレーザトリ
ミング等によって抵抗値を調整されたものとなってい
る。図1において、6aはトリミングされた部分であ
る。また、積層基板1の一面1aには、配線基板100
の配線部を保護するための保護ガラス7が、積層基板1
の一面1aの表面配線層3、銅めっき層5及び抵抗体6
を覆うように形成されている。
【0017】かかる構成を有する配線基板100の製造
方法について図2〜図4を参照して述べる。図2及び図
3は、配線基板100の製造方法を工程順に示す模式的
断面図であり、図1の断面に対応している。また、図4
は顕微鏡観察に基づく製造工程の補足説明図である。ま
ず、図2(a)に示す様に、アルミナグリーンシート
(以下シートという)10〜13を複数枚(本例では4
枚)用意する。なお、図2(c)までは、各シートに同
じ工程を施すため、便宜上シートは1枚のみ図示してあ
る。
【0018】次に、図2(b)に示す様に、各シート1
0〜13をパンチングすることにより、各シート10〜
13の所定部位に穴14を形成し(パンチング工程)、
その後、図2(c)に示す様に、各穴14に、モリブデ
ン(あるいはタングステン)を主成分とする導体ペース
ト20を充填する(ペースト充填工程)。その後、図2
(d)に示す様に、各シート10〜13の各面におい
て、各々所定のパターンでタングステン(あるいはモリ
ブデン)を主成分とする導体ペースト21を、上記導体
ペースト20と導通するように印刷する(ペースト印刷
工程)。
【0019】続いて、図2(e)に示す様に、これらの
シート10〜13を積層し、30〜300kg/cm2
の圧力で加圧する(積層工程)。そして、図3(a)に
示す様に、この積層体を還元雰囲気中、約1600℃で
焼成し、本発明でいう基板としての積層基板1を得る
(積層基板焼成工程)。なお、この積層基板焼成工程の
際、積層体は全体的に若干収縮し、また、積層基板1の
内部の導体ペースト20、21が内部配線層2として構
成され、一面1a及び他面1bに露出した導体ペースト
21が表面配線層3及び裏面配線層4として構成され
る。
【0020】次に、図3(b)に示す様に、積層基板1
の一面1aに露出する表面配線層(本発明でいう配線
層)3の露出面に、選択的に形成可能な無電解めっき法
により、銅めっき層5を形成する(めっき工程)。ここ
で、本発明者等が顕微鏡観察した結果、めっき工程直後
は、図4(a)に示す様に、めっきの粒子がタングステ
ン(表面配線層3)上に降り積もった様になっており、
銅めっき層5の表面は粗く、皮膜強度およびタングステ
ンへの密着強度も低い。
【0021】次に、図3(c)に示す様に、銅めっき層
5の一部に接するように、硼化ランタン、銅・ニッケ
ル、酸化錫、珪素などを主成分とした抵抗体6を印刷す
る(抵抗体印刷工程)。このとき、同じく顕微鏡観察し
た結果、抵抗体印刷工程直後は、図4(b)に示す様
に、抵抗体6は粉末状になっており、表面の粗い銅めっ
き層5の上に堆積している。
【0022】次に、抵抗体6の焼成工程を行う。具体的
には、窒素中、900℃で熱処理を行う。このとき、図
4(c)に示す様に、銅めっき層5が焼結されると同時
に、表面配線層3及び裏面配線層4のタングステンと密
着される。また、同時に、表面配線層3側においては、
銅めっき層5は抵抗体6と絡み合いながら化合物を形成
し、また、抵抗体6も焼結される。
【0023】このように製造された抵抗体6は、銅めっ
き層5と接する面積が多く、また、形成される化合物も
多いため、十分な密着性を有するので、信頼性の高いも
のとなる。その後、積層基板1の一面1aに保護ガラス
7を印刷、焼成することで形成し、抵抗体6の抵抗値を
レーザトリミングにて調整し、配線基板100を得る。
【0024】次に、上記製造方法による効果について、
従来の製造方法と比較しながら述べる。図5は、上記図
4と比較対応させた従来の製造方法を示す説明図であ
る。従来においては、表面配線層J3への銅めっき後
に、いったん窒素中、約900℃で熱処理を行うため、
銅めっきJ5の表面は平滑化され、また、不動態化即ち
化学的に安定になっている(図5(a))。そして、そ
の上に、抵抗体J6を印刷した(図5(b))後、90
0℃の熱処理を行う(図5(c))と、そもそも、抵抗
体J6と銅めっきJ5との接する面積は小さく、また化
学的に安定な銅めっきJ5との界面において、生成する
化合物が少なく、密着力が不足する。
【0025】これに対して、本実施形態では、めっき工
程直後の活性化され且つ表面粗さの大きい銅めっき層5
の表面に抵抗体6を形成するので、銅めっき層5と抵抗
体6との反応性が高く、また、めっきの表面粗さが粗く
物理的な接触面積も大きいため、密着性を向上させるこ
とができる。また、従来の製造方法では、めっき後且つ
抵抗体印刷前の熱処理は、多くの窒素等の不活性ガスを
必要とする等の理由からコストが高いものであったが、
本実施形態では、銅めっき層5を形成した後、続いて、
抵抗体6を印刷、焼成するから、該熱処理工程を排除で
き、安価な製造方法とできる。
【0026】また、本実施形態では、抵抗体6を焼成す
るときの熱により、銅めっき層5と下地である表面配線
層3との密着力向上のための熱処理も兼ねることがで
き、両層3、5間の密着力も確保できる。ここで、本発
明者等の検討によれば、抵抗体の焼成温度は、抵抗体の
材質にもよるが600℃以上であることが好ましい。こ
こで、本実施形態における銅めっき層5と抵抗体6との
密着性向上効果の一例を示す。
【0027】本実施形態においては、銅めっき層5に対
する抵抗体6の剥離強度は、1〜2kg/mm2 程度で
あった。一方、同じ材質のものを用いた上記図5に示し
た従来製造方法においては、銅めっきJ5と抵抗体J6
との剥離強度は0.25〜0.5kg/mm2 であり、
本実施形態では、銅めっき層5と抵抗体6との密着性を
向上させることができた。
【0028】(他の実施形態)なお、本発明は、配線層
と抵抗体とをめっき層を介して電気的に接続してなる配
線基板に適用可能であって、積層基板だけでなく、単層
の配線基板にも適用できる。また、めっき層としては、
Ni(ニッケル)めっき層でもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る配線基板の断面構成を
示す模式図である。
【図2】図1に示す配線基板の製造方法を示す工程図で
ある。
【図3】図2に続く製造方法を示す工程図である。
【図4】上記製造工程の補足説明図である。
【図5】従来の製造方法を示す説明図である。
【符号の説明】
1…積層基板、3…表面配線層、5…銅めっき層、6…
抵抗体。
フロントページの続き (72)発明者 長坂 崇 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 Fターム(参考) 5E343 AA07 AA24 BB24 BB39 BB40 BB44 BB52 BB59 BB72 DD02 DD32 ER38 ER39 ER51 GG01 5E346 AA54 CC17 CC18 CC31 CC32 CC35 CC36 DD13 DD22 EE22 EE25 EE27 FF18 GG05 HH11

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配線層(3)と抵抗体(6)とをめっき
    層(5)を介して電気的に接続してなる配線基板の製造
    方法であって、 前記配線層(3)が少なくとも一面側に露出した基板
    (1)を形成する工程と、 前記配線層(3)の露出面に前記めっき層(5)を形成
    する工程と、 続いて、前記めっき層(5)の熱処理を行わずに、前記
    基板(1)の一面側における前記めっき層(5)の表面
    を含む部分に前記抵抗体(6)を印刷、焼成する工程
    と、を有することを特徴とする配線基板の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記めっき層(5)を、銅めっきにより
    形成することを特徴とする請求項1に記載の配線基板の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 前記抵抗体(6)として、硼化ランタ
    ン、硼化タンタル、銅・ニッケル、酸化錫及び珪素から
    選択される物質を主成分とした厚膜抵抗体を用いること
    を特徴とする請求項1または2に記載の配線基板の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 配線層(3)と抵抗体(6)とをめっき
    層(5)を介して電気的に接続してなる配線基板の製造
    方法であって、 前記配線層(3)が少なくとも一面側に露出した基板
    (1)における前記配線層(3)の露出面に前記めっき
    層(5)を形成する工程と、 前記めっき層(5)の表面を活性化させた状態で、前記
    基板(1)の一面側における前記めっき層(5)の表面
    を含む部分に前記抵抗体(6)を印刷した後、焼成する
    工程と、を有することを特徴とする配線基板の製造方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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