JP2000150125A - 電磁加熱用陶磁器又はガラス食器及びその製造法 - Google Patents
電磁加熱用陶磁器又はガラス食器及びその製造法Info
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Abstract
理に適した実用的な電磁加熱用陶磁器又はガラス食器を
提供することを目的とする。 【解決手段】 非磁性体セラミック陶磁器又はガラス製
食器の容器本体1の外面に発熱体として亜鉛、アルミニ
ウム、マグネシウムなどの軽金属又はその合金を溶射法
により薄くコーティング層3を形成することを特徴とす
るものである。
Description
器又はガラス食器の電磁誘導加熱対応の調理容器及びそ
の製法に関するものである。
全性に優れた調理器として高層ビルや老人施設などで多
く使用されている。この調理器は、誘導コイルから発生
する磁力線によって電磁誘導加熱対応の内釜や鍋などの
調理容器の内部に渦電流を生じさせて自己発熱させるよ
うになっている。
器には、鉄、ステンレスなどの磁性体金属材料または磁
性体金属材料と非磁性体金属材料のクラッド材、または
非磁性体である陶磁器(土鍋等)などは、容器外側また
は内部に鉄板などの磁性体金属材料が取り付けられたも
のや容器外側に電磁誘導により発熱する鉄を溶射処理し
たものなどが使用されていた。
(土鍋等)やガラス食器などに溶射処理を施した調理容
器は、前処理であるブラストによる基材の割れや溶射処
理による熱衝撃による割れなどで施工が難しくほとんど
普及していないのが現状である。特に鉄材料で溶射処理
を施した容器などは、適切な発熱量を得るのに薄い皮膜
の厚み(100μm程度)では発熱しないために、溶射
膜厚が700μm以上もの厚い皮膜が必要で製品が重く
なって取扱が悪く、非常に高価なものとなり、また性能
上塩分や漏れに対する耐食性や皮膜の剥離などの耐久性
に問題があった。
加熱用陶磁器やガラス食器における上記の問題点を解決
し、軽量で熱効率及び耐食性に優れ、調理に適した実用
的な電磁加熱用陶磁器又はガラス食器又はその製造方法
を提供するものである。
め本発明は非磁性体セラミック陶磁器又はガラス食器の
容器本体の外面に発熱体として亜鉛、アルミニウム、マ
グネシウムなどの軽金属又はその合金を溶射法により薄
くコーティング層を形成することを特徴とする電磁加熱
用陶磁器又はガラス食器上記容器本体と上記コーティン
グ層との密着性を高めるためにニッケルアルミ合金など
のニッケルを主成分とした合金をアンダーコート層とす
ることを特徴とする上記第1発明記載の電磁加熱用陶磁
器又はガラス食器 上記容器本体の外面に前処理のブラスト処理を行うこと
なく酸化物セラミックのプラズマ溶射により粗面層を形
成した後に上記第1又は第2発明記載のコーティング層
又はアンダーコート層を形成することを特徴とする電磁
加熱用陶磁器又はガラス食器 上記容器本体の外面に前処理のブラスト処理を行うこと
なく無機系接着剤などで粗面層を形成した後に上記第1
又は第2発明記載のコーティング層又はアンダーコーテ
ィング層を形成することを特徴とする電磁加熱用陶磁器
又はガラス食器 上記第1発明記載の電磁加熱用陶磁器又はガラス食器の
製造方法 上記第2発明記載の電磁加熱用陶磁器又はガラス食器の
製造方法 上記第3発明記載の電磁加熱用陶磁器又はガラス食器の
製造方法 上記第4発明記載の電磁加熱用陶磁器又はガラス食器の
製造方法 によって構成される。
マスキング、ブラスト、溶射施工、仕上げの順からな
る。その中でも前処理のブラスト処理が溶射皮膜の耐久
性(皮膜の剥離や浮き上がりなど)を決める最も重要な
要因である。陶磁器(陶器又は磁器)は、粗いブラスト
材を使用すると、基材が硬くてもろいため、基材がくず
れ、きれいなブラスト面に仕上がらない。また、ガラス
食器では同様に硬いためにブラストによって基材に割れ
が発生する。
スト材としてアランダム#60より細かい粒度(#8
0、#100、#120)のものを使用し、ブラスト処
理を行わないときは、陶器(磁器を含む)やガラス食器
に直接酸化物セラミックをプラズマ溶射して約50〜1
00μmの粗面層4を形成したり、無機系接着剤を直接
塗布して粗面層4を形成する。この前処理を施した上に
発熱体(コーティング層3)の溶射皮膜を形成する。発
熱体の皮膜の厚みは、約50〜150μmが望ましい。
この発熱体の皮膜の膜厚が約50〜150μmである理
由は、皮膜の厚みが50μmより少ないと適切な発熱量
が得られず、150μm以上であると皮膜の剥離が発生
しやすくなるからである。従って、発熱体の皮膜の厚み
は、50μm以上150μm以内が最も良好な厚みであ
る。これらの溶射皮膜の積層仕様は、1層でも2層以上
でも良い。また、これらの溶射施工後に耐久性や商品性
を高めるために溶射施工部分に耐熱塗料などを塗布して
も良い。
は、約50〜100μmが望ましい。アンダーコート層
2は、陶磁器やガラス食器の容器本体1の基材とトップ
コート(コーティング層3)の発熱体で使用する亜鉛、
アルミニウム及びその合金との熱膨張率の違いを緩和し
て密着性を高めるために行うコーティングである。皮膜
の厚みについては上記発熱体の皮膜の厚みと同様の理由
である。
溶射、ガス溶射などの方法が適用される。電磁誘導加熱
で使用する発熱体の溶射材料は、亜鉛、アルミニウム、
マグネシウムなどの軽金属またはその合金などを用い
る。アンダーコート層を形成する溶射材料は、ニッケル
アルミ、ニッケルクロムなどのニッケルを主成分とする
合金を用いる。また、粗面層4を形成するのに用いる溶
射材料は、アルミナ、ジルコニア、酸化チタン、アルミ
ナを主成分とする複合材料などの酸化物セラミックを用
いる。これらの材料形態は、粉末、ワイヤーなどであ
る。
剤は、アルミナ、シリカ、シリカ−アルミナを主成分と
するセラミックなどを用いる。これらの接着剤は、すべ
て室温硬化型であるので、陶磁器やガラス食器に割れの
原因となる熱負荷を与えることなく、粗面層4の施工が
できる。この接着剤の最高使用温度は、1100℃以上
である。陶磁器(土鍋等)やガラス食器に対する密着
性、耐食性及び耐熱性が非常に優れている。
合、土鍋用セラミック(コーディライト系、ペタライト
系、ユークリプタイト系などのセラミック)で、耐熱ガ
ラスの場合、耐熱ガラス(岩城ガラス、日本電気硝子
(株)、HARIO社製などの耐熱ガラス)を用いる。
は、125mm×125mm×3tのガラス板上にブラ
スト処理(アランダム#60、空気圧3kg/cm2)
を行った後、皮膜の膜厚が50μm、100μm、15
0μm、200μmになるようにガス溶射にて溶射皮膜
を作製した。この作製したガラス板を電磁誘導加熱調理
器(National KZ−K220A 200V:
2.0kw)上に下向き(溶射面が下になるように)に
置き、各種溶射皮膜の電流特性を測定した。電流値の測
定には、HIOKI 3127 HITESTERを用
いた。また、AlとFeの溶射材料については、同様に
セラミック板(125mm×125mm×4t)上にも
溶射皮膜を作製して溶射皮膜の発熱特性を確認した。こ
の試験により、溶射皮膜の発熱特性を評価する。
アルミニウム及びその合金の溶射皮膜は、膜厚100μ
mぐらいで良好な電流値を示したが、その他の溶射皮膜
(Ni5%Al、Mo、Fe)は、銅材料の4Aも含め
てほとんど反応がなく発熱しなかった。また、セラミッ
ク板についてもアルミニウムの溶射皮膜は、同様に良好
な電流値を示したが、鉄の溶射被膜は、膜厚が100μ
mぐらいでは、電流が発生せず、200μmで剥離し
た。このことより、亜鉛、アルミニウム及びその合金の
溶射被膜は、非常に薄い皮膜で高い出力電流を発生する
ことが分かった。また、この被膜の厚みは200μmぐ
らい厚くなると、剥離が発生しやすくなったので、膜厚
100μmぐらいが適当な厚みと考えられる。
の外側の底(φ135mm)にアランダム#60でブラ
ストした後、約100μmのアルミ溶射皮膜をガス溶射
で作製した。このガラスポットに500ml、800m
lの水を入れ、お湯の沸く時間を測定した。電磁調理器
は、電磁誘導加熱調理器(National KZ−K
220A 200V:2.0kw)を用いた。その結果
を表2に示す。比較として家庭用のガスコンロの場合と
電熱器600Wの場合をステンレス製ケットル(2.3
リットル)を用いて行った。
ガラスポットは、500mlの水量で比較すると、家庭
用ガスコンロよりも早く沸くことが分かった。この時の
ガラスポットの出力電流は、7Aであった。この後、こ
のガラスポットを使用して50回ほどお湯を沸かしたが
皮膜が剥離したり、腐食することもなく、良好であっ
た。このことより、電磁調理器用ガラスポットは、実用
的に使用可能であることが分かった。
非磁性体である陶磁器(土鍋等)やガラス食器の容器本
体の外面に亜鉛、アルミニウム、マグネシウムなどの軽
金属またはその合金材料を溶射して薄い皮膜として発熱
体を形成することで、高い発熱量を発生することができ
るので、軽量で、熱効率及び耐食性に優れた調理に適し
た実用的な電磁加熱用陶磁器とガラス食器を提供するこ
とができる。また、本発明によれば、薄い溶射皮膜で実
用可能であるため、容易に低コストで製造することがで
き、剥離に対しても強い、耐久性に優れた製品を提供す
ることができる。
断面図である。
Claims (8)
- 【請求項1】 非磁性体セラミック陶磁器又はガラス食
器の容器本体の外面に発熱体として亜鉛、アルミニウ
ム、マグネシウムなどの軽金属又はその合金を溶射法に
より薄くコーティング層を形成することを特徴とする電
磁加熱用陶磁器又はガラス食器。 - 【請求項2】 上記容器本体と上記コーティング層との
密着性を高めるためにニッケルアルミ合金などのニッケ
ルを主成分とした合金をアンダーコート層とすることを
特徴とする請求項1記載の電磁加熱用陶磁器又はガラス
食器。 - 【請求項3】 上記容器本体の外面に前処理のブラスト
処理を行うことなく酸化物セラミックのプラズマ溶射に
より粗面層を形成した後に請求項1又は2記載のコーテ
ィング層又はアンダーコート層を形成することを特徴と
する電磁加熱用陶磁器又はガラス食器。 - 【請求項4】 上記容器本体の外面に前処理のブラスト
処理を行うことなく無機系接着剤などで粗面層を形成し
た後に請求項1又は2記載のコーティング層又はアンダ
ーコーティング層を形成することを特徴とする電磁加熱
用陶磁器又はガラス食器。 - 【請求項5】 請求項1記載の電磁加熱用陶磁器又はガ
ラス食器の製造方法。 - 【請求項6】 請求項2記載の電磁加熱用陶磁器又はガ
ラス食器の製造方法。 - 【請求項7】 請求項3記載の電磁加熱用陶磁器又はガ
ラス食器の製造方法。 - 【請求項8】 請求項4記載の電磁加熱用陶磁器又はガ
ラス食器の製造方法。
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JP32191598A JP4346134B2 (ja) | 1998-11-12 | 1998-11-12 | 電磁加熱用陶磁器又はガラス食器及びその製造法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
1998
- 1998-11-12 JP JP32191598A patent/JP4346134B2/ja not_active Expired - Fee Related
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