JP2000001463A - 4−シアノベンゼン誘導体の製造方法 - Google Patents

4−シアノベンゼン誘導体の製造方法

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JP2000001463A
JP2000001463A JP16504798A JP16504798A JP2000001463A JP 2000001463 A JP2000001463 A JP 2000001463A JP 16504798 A JP16504798 A JP 16504798A JP 16504798 A JP16504798 A JP 16504798A JP 2000001463 A JP2000001463 A JP 2000001463A
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JP16504798A
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Sadao Takehara
貞夫 竹原
Masashi Osawa
政志 大澤
Makoto Negishi
真 根岸
Haruyoshi Takatsu
晴義 高津
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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  • Heterocyclic Compounds That Contain Two Or More Ring Oxygen Atoms (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 p型液晶材料として有用な4−シアノベンゼ
ン誘導体類特に構造の複雑な誘導体の簡便かつ選択的な
製造方法を提供する。 【解決手段】 一般式(II) 【化1】 の化合物を酸性脱水剤と反応させることを特徴とする一
般式(I) 【化2】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電気光学的液晶表示
材料として有用な、4−シアノベンゼン誘導体である液
晶性化合物の新規製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子は、時計、電卓をはじめと
して、各種測定機器、自動車用パネル、ワープロ、電子
手帳、プリンター、パソコン、テレビ等に用いられるよ
うになっている。液晶表示方式としては、その代表的な
ものにTN(捩れネマチック)型、STN(超捩れネマ
チック)型、DS(動的光散乱)型、GH(ゲスト・ホ
スト)型あるいは高速応答が可能なFLC(強誘電性液
晶)等を挙げることができるが現在のところTN型及び
STN型が主流である。また駆動方式としても従来のス
タティック駆動からマルチプレックス駆動が一般的にな
り、単純マトリックス駆動からさらにアクティブマトリ
ックス駆動が実用化されており、これら表示方式や駆動
方式の発展に伴い液晶材料においてもよりすぐれた特性
が要求されるようになっている。
【0003】ところで上記TN型及びSTN型液晶表示
方式は電界応答型であり、液晶材料としては通常誘電率
異方性が正のいわゆるp型液晶が用いられる。p型液晶
としてはこれまでにも非常に多くの化合物が開発されて
いるが、そのなかで最もよく用いられているものは例え
ば(A)
【0004】
【化7】
【0005】で表される1−(4−プロピルシクロヘキ
シル)−4−シアノベンゼンのような4−シアノベンゼ
ンの誘導体である。この(A)の化合物は(4−プロピ
ル)シクロヘキシルベンゼンから、例えば(i)アセチ
ル化、(ii)カルボン酸への酸化、(iii)酸クロ
リドへの塩素化、(iv)アミド化、次いで(v)脱水
シアノ化といった工程を経て製造することができる。
(製法1)
【0006】
【化8】
【0007】あるいは(i)シュウ酸クロリドによるク
ロロホルミル化、(ii)アミド化、次いで(iii)
脱水シアノ化により製造することもできる。(製法2)
【0008】
【化9】
【0009】あるいは(i)ヨウ素化、次いで(ii)
シアン化銅(I)によるシアノ化により短工程で製造する
こともできる。(製法3)
【0010】
【化10】
【0011】上記の製法1〜3の各製法における最初の
工程(アセチル化、クロロホルミル化、ヨウ素化)では
いずれも望みの4−位に選択的に導入することが可能で
あり、製法1〜3いずれの製法においても(A)の化合
物を選択的かつ高収率で製造することができる。
【0012】しかしながら、より複雑な構造を有する4
−シアノフェニルベンゼン誘導体、即ち分子内に他にも
芳香環を含有する化合物であって、3個以上の環構造を
含有するか、及び/あるいは連結基を含有するか、及び
/あるいは複素環を含有するか、及び/あるいはベンゼ
ン環が1個以上のフッ素原子により置換を受けているよ
うな化合物の製造に際しては、上記(A)の化合物にお
ける各製法1〜3における最初の工程に相当する工程で
は必ずしも4−位への選択性は得られない。従って、精
製が面倒になり、収率が低下するなどその製造は容易で
なく高コスト化にもつながった。そのため、こうした構
造の複雑な4−シアノベンゼン誘導体はその使用に制限
を受けているのが現状である。
【0013】従って、複雑な構造にも応用できるような
4−シアノベンゼン誘導体の選択的製造方法が望まれて
いる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、p型液晶材料として有用な4−シアノベン
ゼン誘導体類特に構造の複雑な誘導体の簡便かつ選択的
な製造方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、 1.一般式(II)
【0016】
【化11】
【0017】(式中、Rは炭素原子数1〜7のアルコキ
シル基により置換されていてもよい炭素原子数1〜20
のアルキル基、アルケニル基、アルコキシル基又はアル
ケニルオキシ基を表し、環Aはフッ素原子により置換さ
れていてもよい1,4−フェニレン基、トランス−1,
4−シクロへキシレン基、ピリミジン−2,5−ジイル
基又はトランス−1,3−ジオキサン−2,5−ジイル
基を表し、環Bはフッ素置換されていてもよい1,4−
フェニレン基、フッ素原子により置換されていてもよい
ナフタレン−2,6−ジイル基、ピリミジン−2,5−
ジイル基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピラジン−
2,5−ジイル基又はピリダジン−3,6−ジイル基を
表し、Lは−CH2CH2−、−CH2O−、−OCH
2−、−CF2O−、−OCF2−、−CF=CF−、−
C≡C−又は単結合を表し、mは0又は1を表し、Xa
及びXbはそれぞれ独立的に水素原子又はフッ素原子を
表し、Ra〜Rdはそれぞれ独立的に水素原子又は炭素原
子数1〜5のアルキル基を表す。)で表されるオキサゾ
リン誘導体を、酸性脱水剤と反応させることを特徴とす
る一般式(I)
【0018】
【化12】
【0019】(式中、R、環A、環B、L、m、Xa
びXbは一般式(II)におけると同じ意味を表す。)
で表される4−シアノベンゼン誘導体の製造方法。 2.酸性脱水剤がオキシ塩化リンであることを特徴とす
る上記1記載の製造方法。 3.一般式(II)のオキサゾリン誘導体が、一般式
(IIIa)
【0020】
【化13】
【0021】(式中、R、環A、環B、L及びmは一般
式(II)におけると同じ意味を表し、Yは臭素、ヨウ
素、塩素等のハロゲン原子、あるいはトリフルオロメタ
ンスルホニルオキシ基、p-トルエンスルホニルオキシ基
等の脱離基を表す。)で表される化合物に、一般式(I
Vb)
【0022】
【化14】
【0023】(式中、Xa、Xb及びRa〜Rdは一般式
(II)におけると同じ意味を表し、ZはMgBr、M
gI、MgCl、Li、B(OH)2、SiR12等の
金属原子又は金属原子を含む基を表し、R1は炭素原子
数1〜3のアルキル基を表す。)で表される有機金属反
応剤を、遷移金属触媒存在下に反応させて得られること
を特徴とする上記1又は2記載の製造方法。 4.一般式(II)のオキサゾリン誘導体が、一般式
(IIIb)
【0024】
【化15】
【0025】(式中、R、環A、環B、L及びmは一般
式(II)におけると同じ意味を表し、ZはMgBr、
MgI、MgCl、Li、B(OH)2、SiR12
の金属原子又は金属原子を含む基を表し、R1は炭素原
子数1〜3のアルキル基を表す。)で表される有機金属
反応剤に、一般式(IVa)
【0026】
【化16】
【0027】(式中、Xa、Xb及びRa〜Rdは一般式
(II)におけると同じ意味を表し、Yは臭素、ヨウ
素、塩素等のハロゲン原子、あるいはトリフルオロメタ
ンスルホニルオキシ基、p-トルエンスルホニルオキシ基
等の脱離基を表す。)で表される化合物を、遷移金属触
媒存在下に反応させて得られることを特徴する上記1又
は2記載の製造方法。 5.遷移金属触媒がパラジウム(0)錯体であることを特
徴とする上記3又は4記載の製造方法。を前記課題を解
決するための手段として見出した。
【0028】
【発明の実施の形態】以下に本発明の一例について説明
する。本発明は対応するオキサゾリン誘導体を酸性脱水
剤と反応させることを特徴とする一般式(I)
【0029】
【化17】
【0030】で表される4−シアノベンゼン誘導体の新
規製造法を提供する。一般式(I)において、Rはアル
コキシル基により置換されていてもよい炭素原子数1〜
20のアルキル基、アルケニル基、アルコキシル基又は
アルケニルオキシ基を表すが、炭素原子数1〜12のア
ルキル基又はアルコキシル基が好ましく、炭素原子数1
〜7の直鎖状アルキル基が特に好ましい。mは0又は1
を表し、mが0の場合に環Aはフッ素原子により置換さ
れていてもよい1,4−フェニレン基、トランス−1,
4−シクロへキシレン基、ピリミジン−2,5−ジイル
基又はトランス−1,3−ジオキサン−2,5−ジイル
基を表すが、フッ素原子により置換されていてもよい
1,4−フェニレン基又はトランス−1,4−シクロへ
キシレン基が好ましく、Lは−CH2CH2−、−CH2
O−、−OCH2−、−CF2O−、−OCF2−、−C
F=CF−、−C≡C−又は単結合を表すが、−CH2
CH2−又は単結合が好ましい。環Bはフッ素原子によ
り置換されていてもよい1,4−フェニレン基、フッ素
原子により置換されていてもよいナフタレン−2,6−
ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基、ピリジン−
2,5−ジイル基、ピラジン−2,5−ジイル基又はピ
リダジン−3,6−ジイル基を表すが、フッ素原子によ
り置換されていてもよい1,4−フェニレン基、フッ素
原子により置換されていてもよいナフタレン−2,6−
ジイル基又はピリミジン−2,5−ジイル基が好まし
く、1,4−フェニレン基、2−フルオロ−1,4−フ
ェニレン基、2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレン
基、ナフタレン−2,6−ジイル基又は1−フルオロナ
フタレン−2,6−ジイル基が特に好ましい。X a及び
bはそれぞれ独立的に水素原子又はフッ素原子を表
す。
【0031】本発明の製造方法の第1は一般式(II)
【0032】
【化18】
【0033】(式中、Rは炭素原子数1〜7のアルコキ
シル基により置換されていてもよい炭素原子数1〜20
のアルキル基、アルケニル基、アルコキシル基又はアル
ケニルオキシ基を表し、環Aはフッ素原子により置換さ
れていてもよい1,4−フェニレン基、トランス−1,
4−シクロへキシレン基、ピリミジン−2,5−ジイル
基又はトランス−1,3−ジオキサン−2,5−ジイル
基を表し、環Bはフッ素置換されていてもよい1,4−
フェニレン基、フッ素原子により置換されていてもよい
ナフタレン−2,6−ジイル基、ピリミジン−2,5−
ジイル基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピラジン−
2,5−ジイル基又はピリダジン−3,6−ジイル基を
表し、Lは−CH2CH2−、−CH2O−、−OCH
2−、−CF2O−、−OCF2−、−CF=CF−、−
C≡C−又は単結合を表し、mは0又は1を表し、Xa
及びXbはそれぞれ独立的に水素原子又はフッ素原子を
表し、Ra〜Rdはそれぞれ独立的に水素原子又は炭素原
子数1〜5のアルキル基を表す。)で表される2−フェ
ニル−1,3−オキサゾリン誘導体を酸性脱水剤と反応
させることを特徴とするものである。
【0034】一般式(II)においてRa〜Rdは水素原
子又は低級アルキル基であれば特に制限はないが、1,
3−オキサゾリン環の形成における原料のアミノアルコ
ールの入手し易さの点から、Ra及びRbはメチル基が好
ましく、Rc及びRdは水素原子が好ましい。酸性脱水剤
としてはオキシ塩化リン、五塩化リン、三塩化リン等の
リン系化合物、あるいは塩化チオニル、塩化スルフリル
等のイオウ系化合物が使用できるが、特にオキシ塩化リ
ンが好ましい。
【0035】溶媒としては、ジメチルホルムアミド(D
MF)、ジメチルアセトアミド(DMA)、ジメチルス
ルホキシド(DMSO)、N−メチルピロリドン(NM
P)、ヘキサメチルリン酸トリアミド(HMPA)等の
非プロトン性極性溶媒、あるいはトリエチルアミン、ピ
リジン等のアミン類を用いることができ、これらは単独
で用いてもあるいはその複数を混合して用いてもよい
が、ピリジン等のアミン類が特に好ましい。
【0036】反応は0℃付近から溶媒の沸点までの広い
温度範囲で実施が可能ではあるが、反応を迅速に進行さ
せるためには室温以上、特に加熱下で実施することが好
ましい。反応終了後は水中に注ぎ、析出した結晶を濾取
し、水洗を繰り返した後、減圧下乾燥させ、必要に応じ
カラムクロマトグラフィー、再結晶等により精製するこ
とにより目的物を得ることができる。
【0037】ここで一般式(II)のオキサゾリン誘導
体は、一般式(IIIa)
【0038】
【化19】
【0039】(式中、R、環A、環B、L及びmは一般
式(II)におけると同じ意味を表し、Yは臭素、ヨウ
素、塩素等のハロゲン原子、あるいはトリフルオロメタ
ンスルホニルオキシ基、p-トルエンスルホニルオキシ基
等の脱離基を表すが、ヨウ素又はトリフルオロメタンス
ルホニルオキシ基が好ましい。)で表される化合物に、
一般式(IVb)
【0040】
【化20】
【0041】(式中、Xa、Xb及びRa〜Rdは一般式
(II)におけると同じ意味を表し、ZはMgBr、M
gI、MgCl、Li、B(OH)2、SiR12等の
金属原子又は金属原子を含む基を表し、R1は炭素原子
数1〜3のアルキル基を表すが、ZとしてはMgBr又
はB(OH)2が好ましい。)で表される有機金属反応
剤を、遷移金属触媒存在下に反応させることにより得る
ことができる。
【0042】本発明はその製造方法の第2として、(I
IIa)の化合物と(IVb)の化合物のカップリング
反応により、一般式(II)のオキサゾリン誘導体を得
て、これを酸性脱水剤と反応させることを特徴とする一
般式(I)の化合物の製造方法を提供する。
【0043】カップリングに際して、用いる遷移金属触
媒としてはテトラキストリフェニルホスフィンパラジウ
ム(0)等のパラジウム(0)錯体、ジクロロビス(トリフェ
ニルホスフィン)パラジウム(II)等のパラジウム(II)錯
体、塩化パラジウム(II)等のパラジウム(II)塩、ジクロ
ロビス(ジフェニルホスフィノエタン)ニッケル(II)等
のニッケル(II)錯体又はテトラキストリフェニルホスフ
ィンニッケル(0)等のニッケル(0)錯体が好ましく、パラ
ジウム(0)錯体が特に好ましい。
【0044】反応は溶媒中で行われるが、溶媒としては
ヘキサン、トルエン等の炭化水素類、テトラヒドロフラ
ン(THF)、ジオキサン、ジメトキシエタン等のエー
テル類、エタノール、イソプロパノール、メチルセルソ
ルブ等のアルコール類、ジメチルホルムアミド(DM
F)、ジメチルアセトアミド(DMA)、ジメチルスル
ホキシド(DMSO)、N−メチルピロリドン(NM
P)、ヘキサメチルリン酸トリアミド(HMPA)等の
非プロトン性極性溶媒、あるいはトリエチルアミン、ピ
リジン等のアミン類を用いることができ、これらは単独
で用いてもあるいはその複数を混合して用いてもよい
が、THF等のエーテル類及びDMF等の非プロトン性
極性溶媒が好ましく、特にZがMgBr、MgI、Mg
ClあるいはLiの場合にはエーテル類が好ましい。
【0045】反応は−80℃付近から200℃付近まで
の広い温度範囲で進行するが、通常は氷冷下から溶媒の
沸点までの加熱下に実施することが好ましく、室温付近
あるいは100℃までの加熱下で実施することが好まし
い。反応終了後は必要に応じて中和して有機溶媒を加
え、水洗を繰り返した後、溶媒を留去することにより目
的物を得る。また、必要に応じカラムクロマトグラフィ
ーや再結晶により精製することもできる。
【0046】あるいは一般式(II)のオキサゾリン誘
導体は、一般式(IIIb)
【0047】
【化21】
【0048】(式中、R、環A、環B、L及びmは一般
式(II)におけるとおなじ意味を表し、ZはMgB
r、MgI、MgCl、Li、B(OH)2、SiR1
2等の金属原子又は金属原子を含む基を表し、R1は炭素
原子数1〜3のアルキル基を表す。)で表される有機金
属反応剤を、一般式(IVa)
【0049】
【化22】
【0050】(式中、Xa、Xb及びRa〜Rdは一般式
(II)におけると同じ意味を表し、Yは臭素、ヨウ
素、塩素等のハロゲン原子、あるいはトリフルオロメタ
ンスルホニルオキシ基、p-トルエンスルホニルオキシ基
等の脱離基を表す。)で表される化合物を遷移金属触媒
存在下に反応させることにより得ることができる。
【0051】本発明はその製造方法の第3として、(I
IIb)の化合物と(IVa)の化合物のカップリング
反応により、一般式(II)のオキサゾリン誘導体を得
て、これを酸性脱水剤と反応させることを特徴とする一
般式(I)の化合物の製造方法を提供する。ここで遷移
金属触媒、反応温度、溶媒等の反応条件は第2の製造方
法の場合とほぼ同様である。
【0052】本発明の第2及び第3の製造方法における
一方の原料中間体であるオキサゾリン誘導体(IVa)
あるいは(IVb)は対応するカルボン酸から容易に製
造することができる。
【0053】例えば、一般式(IVa)においてYが臭
素、ヨウ素、塩素等のハロゲン原子を表す化合物は、一
般式(Va)
【0054】
【化23】
【0055】(式中、Xa及びXbは一般式(IVa)に
おけると同じ意味を表し、Halは臭素、ヨウ素又は塩
素のハロゲン原子を表す。)で表される4−ハロ安息香
酸誘導体を酸クロリドとした後、一般式(VI)
【0056】
【化24】
【0057】(式中、Ra〜Rdは一般式(IVa)にお
けると同じ意味を表す。)で表される化合物と反応させ
て、アミドとし、これを脱水剤存在下に閉環させて得る
ことができる。
【0058】一般式(IVa)において、Yがトリフル
オロメタンスルホニルオキシ基あるいはp-トルエンスル
ホニルオキシ基等の脱離基を表す場合には、一般式(V
b)
【0059】
【化25】
【0060】(式中、Xa及びXbは一般式(IVb)に
おけると同じ意味を表す。)で表される4−ヒドロキシ
安息香酸誘導体のヒドロキシル基を保護した後、前記と
同様にアミド化し、保護基をはずした後、同様閉環さ
せ、次いで、塩基存在下にトリフルオロメタンスルホン
酸あるいはp-トルエンスルホン酸の酸無水物あるいは酸
クロリドと反応させることにより製造することができ
る。
【0061】一般式(IVb)において、ZがMgB
r、MgI、MgClを表すグリニヤール反応剤は、一
般式(IVa)において、Yがハロゲン原子である化合
物とマグネシウムと反応させることにより得ることがで
き、ZがLiを表すリチウム反応剤の場合には、金属リ
チウムあるいはアルキルリチウムと反応させることによ
り得ることができる。ZがB(OH)2を表す場合に
は、上記のグリニヤール反応剤又はリチウム反応剤をホ
ウ酸トリアルキルエステルと反応させ、次いで、酸で加
水分解することにより得ることができる。ZがSiR1
2を表す場合には、上記のグリニヤール反応剤又はリ
チウム反応剤をアルキルトリクロロシランと反応させ、
次いで、フッ素化することにより得ることができる。
【0062】一方、一般式(IIIa)あるいは(II
Ib)の化合物は公知の化合物が多く、市販されている
かあるいは市販の化合物から容易に製造することができ
る。以上から明らかなように、本発明においてはオキサ
ゾリン環をカップリング反応に際してのカルボキシル基
の保護基として利用しているが、このオキサゾリン環を
直接シアノ基に変換することにより脱保護とシアノ化を
同時に実現できたことになり、シアノ基導入位置の完全
な選択性と製造工程の短縮化の達成が可能となったもの
である。
【0063】前記のように一般式(I)は多種類の化合
物を包含しており、本発明はこれらすべてについて使用
可能であるが、特に以下の式(Iaa)〜(Iid)の
製造法として好ましいものである。(以下、式中Rは一
般式(II)におけるとおなじ意味を表す。)
【0064】
【化26】
【0065】
【化27】
【0066】
【化28】
【0067】
【化29】
【0068】
【化30】
【0069】
【化31】
【0070】
【化32】
【0071】
【化33】
【0072】
【化34】
【0073】
【実施例】以下に本発明の実施例を示し、本発明を更に
説明する。しかし、本発明はこれらの実施例に限定され
るものではない。
【0074】なお、相転移温度の測定は温度調節ステー
ジを備えた偏光顕微鏡および示差走査熱量計(DSC)
を併用して行った。また化合物の構造は核磁気共鳴スペ
クトル(1H−NMR,13C−NMR,19F−NM
R)、赤外共鳴スペクトル(IR)、質量スペクトル
(MS)等により確認した。 (実施例1) 4−(4−プロピルシクロヘキシル)−
4’−シアノビフェニルの合成 (1) 4,4−ジメチル−2−(4−ブロモフェニ
ル)−2−オキサゾリンの合成
【0075】
【化35】
【0076】4−ブロモ安息香酸150gに1,2−ジ
クロロエタン450ml、ピリジン3g、塩化チオニル
134gを加え6時間加熱還流させた。室温まで放冷
後、溶媒及び過剰の塩化チオニルを溜去し、ジクロロメ
タン300mlに再度溶解した。これを氷冷下、10℃
を越えない速度で2−アミノ−2−メチル−3−プロパ
ノール146gのジクロロメタン300ml溶液に滴下
し、室温でさらに2時間撹拌した。析出した結晶を濾過
し、少量のジクロロメタンで洗滌し、濾液を併せた。溶
媒を溜去後、再度ジクロロメタン450mlを加え氷冷
下に撹拌した。これに10℃を越えない速度で塩化チオ
ニル107gを滴下し、滴下終了後も室温でさらに2時
間撹拌した。溶媒を留去後、ジクロロメタン450ml
に再度溶解し、これを900mlの20%水酸化ナトリ
ウム水溶液に滴下し、1時間撹拌した。有機層を分離
し、無水炭酸カリウムで乾燥し、減圧下に蒸留(110
〜125℃/0.7mmHg)し、4,4−ジメチル−
2−(4−ブロモフェニル)−2−オキサゾリン160
gを得た。 (2) 2−[4−[4−(トランス−4−プロピルシ
クロヘキシル)フェニル]フェニル]−4,4−ジメチ
ル−1,3−オキサゾリンの合成
【0077】
【化36】
【0078】マグネシウム13.0gをTHF26ml
に懸濁させ、これに上記(1)で得た4,4−ジメチル
−2−(4−ブロモフェニル)−2−オキサゾリン12
3gのTHF490ml溶液をTHFが穏やかに還流す
る速さで滴下した。さらに、1時間撹拌した後室温に戻
し、過剰のマグネシウムを濾別した。これを4−(トラ
ンス−4−プロピルシクロヘキシル)−1−ヨードベン
ゼン158g及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)
パラジウム(0)5.7gのTHF630ml溶液に室温
で滴下し、さらに3時間撹拌した。10%塩化アンモニ
ウム水溶液1000mlを加え、トルエン1000ml
で抽出し、飽和食塩水で2回洗滌し、無水炭酸カリウム
で乾燥した。溶媒を留去し、アルミナカラムクロマトグ
ラフィー(溶媒:トルエン)で精製し、2−[4−[4
−(トランス−4−プロピルシクロヘキシル)フェニ
ル]フェニル]−4,4−ジメチル−1,3−オキサゾ
リン172gを得た。 (3) 4−(トランス−4−プロピルシクロヘキシ
ル)−4’−シアノビフェニルの合成
【0079】
【化37】
【0080】上記(2)で得た2−[4−[4−(トラ
ンス−4−プロピルシクロヘキシル)フェニル]フェニ
ル]−4,4−ジメチル−1,3−オキサゾリン172
gをピリジン520mlに溶解し、オキシ塩化リン92
gを滴下し、1時間加熱還流させた。室温まで放冷し、
氷水1000ml中に注ぎ、析出した結晶を濾過し、水
で洗滌した。減圧下乾燥し、アルミナカラムクロマトグ
ラフィー(溶媒:トルエン)で精製し、さらにエタノー
ルから再結晶して、4−(トランス−4−プロピルシク
ロヘキシル)−4’−シアノビフェニルの精製物(融点
(C−N):133.5℃, 透明点(N−I):23
1℃)112gを得た。 (実施例2) 4”−プロピル−3,2’,6’−トリ
フルオロ−4−シアノ−1,1’:4’,1”−テルフ
ェニルの合成 実施例1において4−ブロモ安息香酸に換えて、3−フ
ルオロ−4−ブロモ安息香酸を用い、4−(トランス−
4−プロピルシクロヘキシル)−1−ヨードベンゼンに
換えて、4’−プロピル−3,5−ジフルオロ−4−ヨ
ードビフェニル(この化合物は4’−プロピル−3,5
−ジフルオロビフェニルをTHF中n-ブチルリチウムで
リチオ化し、これをヨウ素と反応させることにより合成
した。)を用いた他は同様にして4”−プロピル−3,
2’,6’−トリフルオロ−4−シアノ−1,1’:
4’,1”−テルフェニル(融点(C−N):124.
5℃,透明点(N−I):125℃)を得た。
【0081】同様にして以下の化合物を合成する。 4’−プロピル−4−シアノビフェニル 4’−ペンチル−4−シアノビフェニル 4’−プロピル−3−フルオロ−4−シアノビフェニル 4’−ペンチル−3−フルオロ−4−シアノビフェニル 4’−プロピル−2’−フルオロ−4−シアノビフェニ
ル 4’−ペンチル−2’−フルオロ−4−シアノビフェニ
ル 4’−プロピル−3,2’−ジフルオロ−4−シアノビ
フェニル 2−(4−シアノフェニル)−5−プロピルピリミジン 2−(4−シアノフェニル)−5−ペンチルピリミジン 2−(3−フルオロ−4−シアノフェニル)−5−プロ
ピルピリミジン 2−(3−フルオロ−4−シアノフェニル)−5−ペン
チルピリミジン 4−(トランス−4−ペンチルシクロヘキシル)−4’
−シアノビフェニル 4−(トランス−4−プロピルシクロヘキシル)−3’
−フルオロ−4’−シアノビフェニル 4−(トランス−4−ペンチルシクロヘキシル)−3’
−フルオロ−4’−シアノビフェニル 2−フルオロ−4−(トランス−4−プロピルシクロヘ
キシル)−4’−シアノビフェニル 2−フルオロ−4−(トランス−4−ペンチルシクロヘ
キシル)−4’−シアノビフェニル 2,3’−ジフルオロ−4−(トランス−4−プロピル
シクロヘキシル)−4’−シアノビフェニル 2,3’−ジフルオロ−4−(トランス−4−ペンチル
シクロヘキシル)−4’−シアノビフェニル 2,6−ジフルオロ−4−(トランス−4−プロピルシ
クロヘキシル)−4’−シアノビフェニル 2,6−ジフルオロ−4−(トランス−4−ペンチルシ
クロヘキシル)−4’−シアノビフェニル 2,6,3’−トリフルオロ−4−(トランス−4−プ
ロピルシクロヘキシル)−4’−シアノビフェニル 2,6,3’−トリフルオロ−4−(トランス−4−ペ
ンチルシクロヘキシル)−4’−シアノビフェニル 4−[2−(トランス−4−プロピルシクロヘキシル)
エチル]−4’−シアノビフェニル 4−[2−(トランス−4−ペンチルシクロヘキシル)
エチル]−4’−シアノビフェニル 3’−フルオロ−4−[2−(トランス−4−プロピル
シクロヘキシル)エチル]−4’−シアノビフェニル 3’−フルオロ−4−[2−(トランス−4−ペンチル
シクロヘキシル)エチル]−4’−シアノビフェニル 2,3’−ジフルオロ−4−[2−(トランス−4−プ
ロピルシクロヘキシル)エチル]−4’−シアノビフェ
ニル 2,3’−ジフルオロ−4−[2−(トランス−4−ペ
ンチルシクロヘキシル)エチル]−4’−シアノビフェ
ニル 2,6−ジフルオロ−4−[2−(トランス−4−プロ
ピルシクロヘキシル)エチル]−4’−シアノビフェニ
ル 2,6−ジフルオロ−4−[2−(トランス−4−ペン
チルシクロヘキシル)エチル]−4’−シアノビフェニ
ル 2,6,3’−トリフルオロ−4−[2−(トランス−
4−プロピルシクロヘキシル)エチル]−4’−シアノ
ビフェニル 2,6,3’−トリフルオロ−4−[2−(トランス−
4−ペンチルシクロヘキシル)エチル]−4’−シアノ
ビフェニル 4”−プロピル−4−シアノ−1,1’:4’,1”−
テルフェニル 4”−ペンチル−4−シアノ−1,1’:4’,1”−
テルフェニル 4”−プロピル−3−フルオロ−4−シアノ−1,
1’:4’,1”−テルフェニル 4”−ペンチル−3−フルオロ−4−シアノ−1,
1’:4’,1”−テルフェニル 4”−プロピル−2’−フルオロ−4−シアノ−1,
1’:4’,1”−テルフェニル 4”−ペンチル−2’−フルオロ−4−シアノ−1,
1’:4’,1”−テルフェニル 4”−プロピル−3,2”−ジフルオロ−4−シアノ−
1,1’:4’,1”−テルフェニル 4”−ペンチル−3,2”−ジフルオロ−4−シアノ−
1,1’:4’,1”−テルフェニル 4”−プロピル−2’,6’−ジフルオロ−4−シアノ
−1,1’:4’,1”−テルフェニル 4”−ペンチル−2’,6’−ジフルオロ−4−シアノ
−1,1’:4’,1”−テルフェニル 4”−ペンチル−3,2’,6’−トリフルオロ−4−
シアノ−1,1’:4’,1”−テルフェニル 4”−プロピル−2”−フルオロ−4−シアノ−1,
1’:4’,1”−テルフェニル 4”−ペンチル−2”−フルオロ−4−シアノ−1,
1’:4’,1”−テルフェニル 4”−プロピル−3,2”−ジフルオロ−4−シアノ−
1,1’:4’,1”−テルフェニル 4”−ペンチル−3,2”−ジフルオロ−4−シアノ−
1,1’:4’,1”−テルフェニル 2−(4−シアノフェニル)−5−(トランス−4−プ
ロピルシクロヘキシル)ピリミジン 2−(4−シアノフェニル)−5−(トランス−4−ペ
ンチルシクロヘキシル)ピリミジン 2−(3−フルオロ−4−シアノフェニル)−5−(ト
ランス−4−プロピルシクロヘキシル)ピリミジン 2−(3−フルオロ−4−シアノフェニル)−5−(ト
ランス−4−ペンチルシクロヘキシル)ピリミジン 2−(4−シアノフェニル)−5−(4−プロピルフェ
ニル)ピリミジン 2−(4−シアノフェニル)−5−(4−ペンチルフェ
ニル)ピリミジン 2−(3−フルオロ−4−シアノフェニル)−5−(4
−プロピルフェニル)ピリミジン 2−(3−フルオロ−4−シアノフェニル)−5−(4
−ペンチルフェニル)ピリミジン 2−(4−シアノフェニル)−5−(2−フルオロ−4
−プロピルフェニル)ピリミジン 2−(4−シアノフェニル)−5−(2−フルオロ−4
−ペンチルフェニル)ピリミジン 2−(3−フルオロ−4−シアノフェニル)−5−(2
−フルオロ−4−プロピルフェニル)ピリミジン 2−(3−フルオロ−4−シアノフェニル)−5−(2
−フルオロ−4−ペンチルフェニル)ピリミジン 5−プロピル−2−(4’−シアノビフェニル−4−イ
ル)ピリミジン 5−ペンチル−2−(4’−シアノビフェニル−4−イ
ル)ピリミジン 5−プロピル−2−(3’−フルオロ−4’−シアノビ
フェニル−4−イル)ピリミジン 5−ペンチル−2−(3’−フルオロ−4’−シアノビ
フェニル−4−イル)ピリミジン 5−プロピル−2−(2−フルオロ−4’−シアノビフ
ェニル−4−イル)ピリミジン 5−ペンチル−2−(2−フルオロ−4’−シアノビフ
ェニル−4−イル)ピリミジン 5−プロピル−2−(2,3’−ジフルオロ−4’−シ
アノビフェニル−4−イル)ピリミジン 5−ペンチル−2−(2,3’−ジフルオロ−4’−シ
アノビフェニル−4−イル)ピリミジン 5−プロピル−2−(2,6−ジフルオロ−4’−シア
ノビフェニル−4−イル)ピリミジン 5−ペンチル−2−(2,6−ジフルオロ−4’−シア
ノビフェニル−4−イル)ピリミジン 5−プロピル−2−(2,6,3’−トリフルオロ−
4’−シアノビフェニル−4−イル)ピリミジン 5−ペンチル−2−(2,6,3’−トリフルオロ−
4’−シアノビフェニル−4−イル)ピリミジン 6−プロピル−2−(4−シアノフェニル)ナフタレン 6−ペンチル−2−(4−シアノフェニル)ナフタレン 6−プロピル−2−(3−フルオロ−4−シアノフェニ
ル)ナフタレン 6−ペンチル−2−(3−フルオロ−4−シアノフェニ
ル)ナフタレン 1−フルオロ−6−プロピル−2−(4−シアノフェニ
ル)ナフタレン 1−フルオロ−6−ペンチル−2−(4−シアノフェニ
ル)ナフタレン 1−フルオロ−6−プロピル−2−(3−フルオロ−4
−シアノフェニル)ナフタレン 1−フルオロ−6−ペンチル−2−(3−フルオロ−4
−シアノフェニル)ナフタレン 1−フルオロ−6−(トランス−4−プロピル)シクロ
ヘキシル−2−(4−シアノフェニル)ナフタレン 1−フルオロ−6−(トランス−4−ペンチル)シクロ
ヘキシル−2−(4−シアノフェニル)ナフタレン 1−フルオロ−6−(トランス−4−プロピル)シクロ
ヘキシル−2−(3−フルオロ−4−シアノフェニル)
ナフタレン 1−フルオロ−6−(トランス−4−ペンチル)シクロ
ヘキシル−2−(3−フルオロ−4−シアノフェニル)
ナフタレン
【0082】
【発明の効果】本発明の製造方法を用いることにより、
p型液晶材料として有用の4−シアノベンゼン誘導体で
ある各種液晶化合物を、従来知られていた製造方法と比
較して(i)高選択的にかつ、(ii)入手可能な原料
あるいは中間体から、(iii)簡便かつ安価に製造す
ることができる。従って本発明の製造方法は工業的に極
めて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C07C 253/20 C07C 253/20 (72)発明者 高津 晴義 東京都東大和市仲原3−6−27 Fターム(参考) 4C022 GA09 4C055 AA01 BA02 BA07 BA08 BA35 CA02 CA07 CA08 CA35 DA01 FA03 4H006 AA02 AC54 BE54

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(II) 【化1】 (式中、Rは炭素原子数1〜7のアルコキシル基により
    置換されていてもよい炭素原子数1〜20のアルキル
    基、アルケニル基、アルコキシル基又はアルケニルオキ
    シ基を表し、環Aはフッ素原子により置換されていても
    よい1,4−フェニレン基、トランス−1,4−シクロ
    へキシレン基、ピリミジン−2,5−ジイル基又はトラ
    ンス−1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基を表し、
    環Bはフッ素置換されていてもよい1,4−フェニレン
    基、フッ素原子により置換されていてもよいナフタレン
    −2,6−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基、
    ピリジン−2,5−ジイル基、ピラジン−2,5−ジイ
    ル基又はピリダジン−3,6−ジイル基を表し、Lは−
    CH2CH2−、−CH2O−、−OCH2−、−CF2
    −、−OCF2−、−CF=CF−、−C≡C−又は単
    結合を表し、mは0又は1を表し、Xa及びXbはそれぞ
    れ独立的に水素原子又はフッ素原子を表し、Ra〜Rd
    それぞれ独立的に水素原子又は炭素原子数1〜5のアル
    キル基を表す。)で表されるオキサゾリン誘導体を、酸
    性脱水剤と反応させることを特徴とする一般式(I) 【化2】 (式中、R、環A、環B、L、m、Xa及びXbは一般式
    (II)におけると同じ意味を表す。)で表される4−
    シアノベンゼン誘導体の製造方法。
  2. 【請求項2】 酸性脱水剤がオキシ塩化リンであること
    を特徴とする請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 一般式(II)のオキサゾリン誘導体
    が、一般式(IIIa) 【化3】 (式中、R、環A、環B、L及びmは一般式(II)に
    おけると同じ意味を表し、Yは臭素、ヨウ素、塩素等の
    ハロゲン原子、あるいはトリフルオロメタンスルホニル
    オキシ基、p-トルエンスルホニルオキシ基等の脱離基を
    表す。)で表される化合物に、一般式(IVb) 【化4】 (式中、Xa、Xb及びRa〜Rdは一般式(II)におけ
    ると同じ意味を表し、ZはMgBr、MgI、MgC
    l、Li、B(OH)2、SiR12等の金属原子又は
    金属原子を含む基を表し、R1は炭素原子数1〜3のア
    ルキル基を表す。)で表される有機金属反応剤を、遷移
    金属触媒存在下に反応させて得られることを特徴とする
    請求項1又は2記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 一般式(II)のオキサゾリン誘導体
    が、一般式(IIIb) 【化5】 (式中、R、環A、環B、L及びmは一般式(II)に
    おけると同じ意味を表し、ZはMgBr、MgI、Mg
    Cl、Li、B(OH)2、SiR12等の金属原子又
    は金属原子を含む基を表し、R1は炭素原子数1〜3の
    アルキル基を表す。)で表される有機金属反応剤に、一
    般式(IVa) 【化6】 (式中、Xa、Xb及びRa〜Rdは一般式(II)におけ
    ると同じ意味を表し、Yは臭素、ヨウ素、塩素等のハロ
    ゲン原子、あるいはトリフルオロメタンスルホニルオキ
    シ基、p-トルエンスルホニルオキシ基等の脱離基を表
    す。)で表される化合物を、遷移金属触媒存在下に反応
    させて得られることを特徴する請求項1又は2記載の製
    造方法。
  5. 【請求項5】 遷移金属触媒がパラジウム(0)錯体であ
    ることを特徴とする請求項3又は4記載の製造方法。
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