第76回カンヌ国際映画祭が閉幕、パルムドールはフランスの「Anatomy of a Fall」

第76回カンヌ国際映画祭がフランス現地時間5月27日に閉幕。ジュスティーヌ・トリエの監督作「Anatomy of a Fall（英題）」がコンペティション部門の最高賞パルムドールを受賞した。

フランス映画「Anatomy of a Fall」は不審死を遂げた夫の殺害を疑われる女性サンドラの裁判の行方を、唯一の証人である視覚障害者の息子の視点などを通して描くスリラー。サンドラを「ありがとう、トニ・エルドマン」のザンドラ・ヒュラーが演じた。なおトリエは「ピアノ・レッスン」のジェーン・カンピオン、「TITANE／チタン」のジュリア・デュクルノーに続いて3人目の、パルムドールを受賞した女性監督となる。

グランプリを受賞したのは「アンダー・ザ・スキン 種の捕食」のジョナサン・グレイザーが監督を務めた「The Zone of Interest（原題）」。アウシュヴィッツ強制収容所の所長ルドルフ・フランツ・フェルディナント・ヘスとその家族の物語で、マーティン・エイミスの小説を原作としている。「ヒトラー暗殺、13分の誤算」のクリスティアン・フリーデルがヘス、「Anatomy of a Fall」のヒュラーがヘスの妻を演じた。

また「ノルウェイの森」のトラン・アン・ユンが「The Pot-au-Feu（英題）」で監督賞を受賞。アキ・カウリスマキの「Fallen Leaves（英題）」が審査員賞に選ばれた。女優賞を「About Dry Grasses（英題）」のメルヴェ・ディズダル、男優賞を「PERFECT DAYS（原題）」の役所広司が獲得。是枝裕和の監督作「怪物」の坂元裕二に脚本賞が贈られた。

ある視点部門を含む主な受賞結果は以下の通り。

第76回カンヌ国際映画祭 コンペティション部門

パルムドール

「Anatomy of a Fall」（監督：ジュスティーヌ・トリエ）

グランプリ

「The Zone of Interest」（監督：ジョナサン・グレイザー）

監督賞

トラン・アン・ユン「The Pot-au-Feu」

審査員賞

「Fallen Leaves」（監督：アキ・カウリスマキ）

脚本賞

坂元裕二「怪物」（監督：是枝裕和）

女優賞

メルヴェ・ディズダル「About Dry Grasses」（監督：ヌリ・ビルゲ・ジェイラン）

男優賞

役所広司「PERFECT DAYS」（監督：ヴィム・ヴェンダース）

審査員長

リューベン・オストルンド

審査員

ジュリア・デュクルノー、ダミアン・ジフロン、アティーク・ラヒーミー、ポール・ダノ、ブリー・ラーソン、ルンガーノ・ニョニ、ドゥニ・メノーシェ、マリヤム・トゥザニ

第76回カンヌ国際映画祭 ある視点部門

ある視点賞

「How to Have Sex（原題）」（監督：モリー・マニング・ウォーカー）

審査員賞

「Hounds（英題）」（監督：カマル・ラズラック）

監督賞

アズマエ・エル・ムディール「The Mother of All Lies（英題）」

ニューボイス賞

「Omen（英題）」（監督：バロジ）

アンサンブル賞

「The Buriti Flower（英題）」（監督：ジョアン・サラビサ、ルネ・ネーデル・メッソラ）

フリーダム賞

「Goodbye Julia（原題）」（監督：モハメド・コルドファニ）

審査員長

ジョン・C・ライリー

審査員

エミリー・ドゥケンヌ、ダヴィ・シュー、パウラ・ベーア、アリス・ウィンクール