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ホワイティー・フォード

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ホワイティー・フォード
Whitey Ford
1953年のフォード
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身地 ニューヨーク州ニューヨーク
生年月日 (1928-10-21) 1928年10月21日
没年月日 (2020-10-08) 2020年10月8日(91歳没)
身長
体重
5' 10" =約177.8 cm
178 lb =約80.7 kg
選手情報
投球・打席 左投左打
ポジション 投手
プロ入り 1947年
初出場 1950年7月1日
最終出場 1967年5月21日
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)
殿堂表彰者
選出年 1974年
得票率 77.81%
選出方法 BBWAA[:en]選出

ホワイティー・フォード(Whitey Ford、本名:エドワード・チャールズ・フォード(Edward Charles "Whitey" Ford)、1928年10月21日 - 2020年10月8日)は、アメリカ合衆国ニューヨーク州ニューヨーク出身の元プロ野球選手(投手)。左投左打。

選手生活のすべてをニューヨーク・ヤンキースで過ごし、球団史上最多の通算236勝を記録[1]ワールドシリーズでの通算22先発・10勝・94奪三振・146投球回はいずれも歴代1位[2]である。

ニックネームはChairman of the Board(評議会議長)[3]

経歴

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ニューヨーク市で生まれ育ち、1947年ニューヨーク・ヤンキースと契約。ケーシー・ステンゲル監督に高く評価され[3]1950年7月1日にメジャーデビュー。背番号は19[4]。。デビュー戦は中継ぎ登板による5失点で勝ち負けつかず、3戦目に8回3失点で初勝利を挙げてからは9連勝を記録。新人王の投票ではウォルト・ドロッポに次ぐ2位の票を集めた。

1951年から1952年までは朝鮮戦争に従軍し、フォードは通信兵に配属された。電柱で作業中に転落事故に遭い、一時は選手生命危ぶまれる程の怪我を負ったが、懸命なリハビリの末1953年にチーム に復帰[3]。同年18勝6敗を記録した。

1955年には最多勝1956年には最優秀防御率・最高勝率、1958年には最優秀防御率、1961年1963年には最多勝・最高勝率を獲得し、ヤンキースのエースとして活躍。1961年には、ベーブ・ルースの29回2/3イニングを上回り33回2/3イニング連続無失点のワールドシリーズ記録を樹立し、ワールドシリーズMVPに輝く。同年、サイ・ヤング賞を受賞した。

1967年に現役引退。1974年にチームメイトのミッキー・マントルと共に野球殿堂入りを果たした。同年、フォードの背番号16』は、ヤンキースの永久欠番に指定されている。

2020年10月8日ロングアイランドのレイクサクセスにある自宅で、2020年のアメリカンリーグ地区シリーズの第4戦を観戦しながら、家族に囲まれて91歳で死去[5]。フォードの訃報を受け、ヤンキースは翌日の地区シリーズ第5戦において、ユニフォームの袖に「16」のパッチを着けてプレーした。

選手としての特徴

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フォードの背番号「16」。
ニューヨーク・ヤンキースの永久欠番1974年指定。
2010年

カーブが決め球の技巧派投手。テッド・ウィリアムズは「フォードは私が対戦したなかで5本の指に入るほど素晴らしい投手だった。投球のコンビネーションがよく、私は引っ張ることすらできなかった。私が彼から奪ったヒットは、流し打ったものばかり。失投がないから、本当に苦労したものだよ」とフォードの投球術を評した[3]

投手としての球種はカ-ブ、チェンジアップ、シンカー、スライダー(米書「guide to pitchers」より[要文献特定詳細情報])。

特筆すべきはフォードの投手としての通算勝率.690で、これは20世紀の200勝以上の投手では最高勝率になり、これを上回るのは19世紀のアルバート・スポルディングのみである。

フォードはスピットボールなどの不正投球を噂されていた。引退後、本人もこれを認めるような発言をしている[3]

詳細情報

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年度別投手成績

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W
H
I
P
1950 NYY 20 12 7 2 -- 9 1 1 -- .900 465 112.0 87 7 52 -- 2 59 3 0 39 35 2.81 1.24
1953 32 30 11 3 -- 18 6 0 -- .750 882 207.0 187 13 110 -- 4 110 3 0 77 69 3.00 1.43
1954 34 28 11 3 1 16 8 1 -- .667 873 210.2 170 10 101 -- 1 125 1 0 72 66 2.82 1.29
1955 39 33 18 5 0 18 7 2 -- .720 1027 253.2 188 20 113 7 1 137 7 1 83 74 2.63 1.19
1956 31 30 18 2 0 19 6 1 -- .760 920 225.2 187 13 84 3 4 141 6 0 70 62 2.47 1.20
1957 24 17 5 0 0 11 5 0 -- .688 539 129.1 114 10 53 3 1 84 2 2 46 37 2.57 1.29
1958 30 29 15 7 1 14 7 1 -- .667 872 219.1 174 14 62 3 3 145 5 1 62 49 2.01 1.08
1959 35 29 9 2 1 16 10 1 -- .615 877 204.0 194 13 89 5 1 114 5 1 82 69 3.04 1.39
1960 33 29 8 4 1 12 9 0 -- .571 797 192.2 168 15 65 5 1 85 5 0 76 66 3.08 1.21
1961 39 39 11 3 0 25 4 0 -- .862 1159 283.0 242 23 92 3 1 209 8 0 108 101 3.21 1.18
1962 38 37 7 0 2 17 8 0 -- .680 1070 257.2 243 22 69 1 4 160 5 0 90 83 2.90 1.21
1963 38 37 13 3 4 24 7 1 -- .774 1068 269.1 240 26 56 3 2 189 9 0 94 82 2.74 1.10
1964 39 36 12 8 2 17 6 1 -- .739 996 244.2 212 10 57 3 2 172 6 0 67 58 2.13 1.10
1965 37 36 9 2 0 16 13 1 -- .552 1000 244.1 241 22 50 2 1 162 7 0 97 88 3.24 1.19
1966 22 9 0 0 0 2 5 0 -- .286 318 73.0 79 8 24 6 0 43 1 0 33 20 2.47 1.41
1967 7 7 2 1 0 2 4 0 -- .333 173 44.0 40 2 9 0 0 21 2 0 11 8 1.64 1.11
通算:16年 498 438 156 45 12 236 106 10 -- .690 13036 3170.1 2766 228 1086 44 28 1956 75 5 1107 967 2.75 1.22
  • 各年度の太字はリーグ最高。

タイトル 

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表彰・記録

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脚注

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  1. ^ New York Yankees Top 10 Pitching Leaders” (英語). Baseball-Reference.com. 2009年4月4日閲覧。
  2. ^ All-time and Single-Season WS Pitching Leaders” (英語). Baseball-Reference.com. 2009年4月4日閲覧。
  3. ^ a b c d e 康煕奉 「スーパーメジャーな男たち第55回 WHITEY FORD ホワイティ・フォード」『月刊スラッガー』2003年5月号、日本スポーツ企画出版社、2003年、雑誌 15509-5、107 - 109頁。
  4. ^ “マー君選んだ 大投手の幸運背番「19」”. 日刊スポーツ. (2014年1月26日). https://www.nikkansports.com/baseball/mlb/news/p-bb-tp2-20140126-1249105.html 2020年1月15日閲覧。 
  5. ^ Whitey Ford, Beloved Yankees Pitcher Who Confounded Batters, Dies at 91” (英語). NYタイムズ (2020年10月9日). 2020年10月9日閲覧。

外部リンク

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