何も出来ないお前は、何もするな(Before)
↓
大きな人間になったな(After)
概要
一輝達の父で、国際魔導騎士連盟日本支部長。
性格は傲慢そのもので、生まれ持った魔力量が極端に低かった一輝を黒鉄家の保身のためになかったものにしている。
一輝が長年の努力で並外れた身体能力とコピー技術を得て伐刀者としての未来が開けたにもかかわらず破軍学園での授業を魔力の低い一輝に受けさせないようなシステムを利用し留年させている。
新理事長・新宮寺黒乃による大改革で一輝の能力が認められ卒業の兆しが見えたが、それでも妨害工作を続けており、その所業から黒鉄珠雫との仲は最悪で、珠雫は厳の呼び出しに対して全て拒絶の意志を示しており、母名義で呼び出さなければならないほどである。
第一子である黒鉄王馬には縁を切られていて、何の関心も寄せられておらず呼び捨てで呼ばれている。
この先ネタバレ注意!
腰巾着の赤座守達とともに一輝とステラとのでっちあげの不純異性交遊で一輝を査問会議にかけ、自分たちのでっちあげを強制的に認めさせるために一輝に異常な拷問をかけ続け瀕死の重傷を負わせている。
さらにはこの査問会議の最中に一輝に残酷な真実と上記のセリフを言い放ち、絶望させている。
最終話では対戦カードを操作して瀕死の一輝を破軍学園最強の伐刀者である東堂刀華にぶつけた上、辛勝した一輝を赤座に殺させようとしたりと虐待親父の域すら超えた行動を続けている。
が、一輝とステラにより計画は破綻し、赤座の失脚、一輝の七星剣舞祭出場、刀華が七星剣舞祭に出場できなくなる、そしてステラの父であるヴァーミリオン国王を激怒させるという結果に終わっている。
一方で親としての情も持ってはいる。
が、幼少期から規律を守ることのみを叩き込まれた人格から、徹底して公人としての自分を優先しているためにそれが表に出ることは無い。
その為、世間体を理由に家出した一輝に中学生になるまで金銭的な援助をしたり、一輝に対する自身と黒鉄の干渉を断ち切るために絶縁を持ちかける等、公人と親としての折り合いをつけられるなら一輝に利する行動もとるが、自分のやってきた事が親としても人としても許されない行いだという自覚は持っており、一輝に絶縁を断られた際には「お前はそれで(自分が親で)いいのか」と問いかけるが、今までの仕打ちをたかが進路で対立する親子喧嘩と切って捨てた一輝に対し、上から二番目の台詞をかけた。
余談
いかなる理由が有ろうと一輝に対して残酷な仕打ちをした事自体は事実である為、読者に悪印象が残るキャラだが、そもそもな話、Fランクという信じられないほど圧倒的なハンデを抱えた欠陥伐刀者が騎士の世界に行く事自体が自殺に等しい行いであるので、何が何でも一輝を止めるのは親としてでも正しい判断だと言える。
間違っていたのは手段であり、よりにもよって権力をフル活用した悪質な妨害と言う最低最悪の方法を取ったのが良くなかった。そのせいで、結果的に一輝に覚醒フラグを与えてしまい失策に繋がった。ついでに言うと、一輝と充分なコミュニケーションを取らなかったのも原因であり、もっと早い段階でしっかりと伝わるように一輝に真実を明かして言えば一輝は自然と騎士を目指す道を断念していたかもしれない。というか、「何も出来ないお前は何もするな」といった台詞で察しろと言うのはかなり無理がある。
垣間見える本音?
上記の通り家族が相手でも容赦の無い人物なのだが、規律に対する敵対行動さえ取らなければ割と寛容で、齢12歳と思われる王馬の出奔を止めなかったり、珠雫の反抗的な態度を諫めずにいたりしている。一輝に対しても苛烈な妨害工作を働いたが、あくまで騎士になる事だけに反対しているだけで、それ以外事柄に干渉する意思は一切見せていない。
彼らしからぬ振る舞いであるこれらは、厳なりの精一杯で不器用な我が子への愛情表現かもしれなければ、自分と同じ幼少期をすごして欲しくない思いがある事によるものかもしれない。
総じて色々と不器用過ぎた虐待親父ギリギリ一步手前な頑固親父であり、一輝も自分の不器用さは父親譲りである事を悟っている。
作中の関連人物
ステラ・ヴァーミリオン:未来の次男の嫁
関連タグ
卑劣漢 不器用 毒親(毒父) 哀しき悪役 毒親の被害者 被害者でもあり加害者でもある 虐待
全ての元凶(だいたいこいつのせい):前述の通り厳こそが本編開始前から一輝に降りかかった不幸の原因を作った張本人と言っても過言ではないため。
- ファニー・ヴァレンタイン大統領(スティール・ボール・ラン)
- 組織のトップ繋がり。同じく目的の為ならば手段を問わず、自身の謀略によって様々な人間の命を奪い、時には人を騙し陥れるのも厭わないところが共通。