プロフィール
概要
死穢八斎會組長の孫娘で、オーバーホールの計画の鍵を握る少女。
死穢八斎會の施設から脱走した際に、パトロール中の緑谷、ミリオと遭遇したことで、その存在が明らかになった。
人物
腰近くまで無造作に伸ばした白い髪、赤い瞳と額の右側に生えた茶色味掛かった角が特徴。この角は壊理の個性の発動や精神状態によって大きさが変動する。
服装は色味のないボタン留めのワンピース。手足にはびっしりと包帯が巻かれており、左腕の包帯の下は切り傷のような跡がいくつも確認できる。
救出後は髪の毛の長さが整えられ、角の肥大化が収まったことでより子供らしい印象に変わった。
服装は病院内の看護師が選んでいる。ちなみに最初は相澤も外出用の服を買ってきたようだが、普段着が極めて合理的な相澤には女の子の服選びはハードルが高かったらしく、上下セットのフリル付きGANNRIKI☆NEKOキャラプリントトレーナー(激ダサ)を危うく着せられるところだったとか。
ちなみに、彼女の見た目は峰田曰く美少女(15巻の裏表紙でそう言っている)
雄英に見学に来た際には、「10年後が楽しみだ」と言われていた。
個性
個性は『巻き戻し』。
触れた生物を中心に、対象を過去の構造へと修復する個性。
父方、母方のどちらの系統にも属さない、いわゆる突然変異によって生まれた存在であり、その本質については未だに明らかになっていないことが多い。
例えば怪我をした人間に向けて発動すれば怪我をする前の状態に戻すことができ、なおかつ後遺症を残すことも一切ないため、一見非常に便利な個性と思われるかもしれないが、この個性の真価はそれだけに留まらない。
この個性を研究した治崎に言わせれば、それは『この世界の理を壊す程の力』。
彼女が個性を発動すれば『怪我の修復』どころか、対象を巻き戻し続けることで存在そのものを跡形もなく消失させてしまうことさえも可能で、更に使い方によっては単なる時間的な巻き戻しに留まらず、進化の系譜を辿りヒトを猿へと退化させることさえもできるという。
壊理はこの個性が発現してから個性使用訓練を受けていないため当初は自分の力で個性をコントロールすることができなかったが、後に雄英高校での訓練によって彼女の意図した通りに巻き戻すことが可能となった。
この個性の発動中は額の角に光が迸り、個性を使ってからしばらくの間は、彼女の額の角が小さくなる現象が見られた。
また物間が彼女の個性をコピーした際に「何かを溜め込むタイプの個性」であることが判明しており、このことから、彼女の体の中には、事象を巻き戻す何らかのエネルギーが蓄えられており、その蓄積が角という形で現れていると思われる。
過去
彼女の母親である組長の娘は、結婚の際に組長と揉めて絶縁している。
親子3人で暮らしていたが、壊理が偶然発動した自らの"個性"で父親を消滅させてしまう。そのため母親に捨てられ、組長に引き取られた。
非常に特異で強力な個性をもっていたため、組長が治崎に個性の解析を頼んでいたが、死穢八斎會の復権を企む治崎の計画で"個性を消す薬"の材料として利用・囚われ、長い間死穢八斎會の施設内での生活を強いられている。(詳細は下記)
治崎による日常的な暴力と思考誘導によって強い洗脳状態に陥っており、「いつも自分のせいで誰かが死ぬ」、「自分が我慢さえすれば、だれも傷つかずに済む」という自罰的な思考に囚われている。
後に壊理の救出に向かったミリオは、彼女の暴力を前にしてじっと耐えるように目をつぶる仕草を「痛みと恐怖によって刻み込まれてしまった絶望」の証なのだと悟り、治崎に対して強い怒りを露わにした。
活躍
治崎によって八斎會の地下に幽閉されていたが、脱走してインターン初日のパトロール中の緑谷、ミリオに出会う。
彼らからの詮索を嫌う治崎と、捜査続行のために穏便に場を収めようとするミリオ、そして虐待の疑いを見過ごすことができない緑谷。
三者の間に緊張が走る中、治崎が暗がりで殺気を放ったことで、最終的には彼女自らの意思で治崎の元へと戻った。
当初サー・ナイトアイが死穢八斎會、治崎の捜査を進めており、その中で治崎の計画の一端と、治崎が彼女に行う常軌を逸した虐待の事実が明らかになった。
そして全国関係各所から集められたヒーロー達が一丸となった大規模な死穢八斎會の潜航捜査が密かに行われ、遂に本部への強制捜査が決行されることになる。
その時にも、彼女にとっては希望よりも、ヒーロー達が治崎に殺されることへの恐怖が上回っていた。しかし自分のために命がけで戦う多くの人々と、その想いを目の当たりにする中で、ついに彼女の中で「救からなくては」という意志が芽生え始め、緑谷と共に自分の力で治崎に立ち向かっていく。
救出されて病院に入院中も、自分が高熱にうなされている間にも、緑谷、ミリオ、サーの怪我のことを心配していたらしい。
緑谷、ミリオと病院で面会した際、笑顔の作り方が分からないと語り、そこで緑谷は壊理を雄英文化祭に招待を提案する。
雄英文化祭では、1年A組のパフォーマンスを見て興奮し笑顔を見せる。
治崎によって与えられた心の傷はいまだに根深いものの、雄英文化祭などを経て、徐々にではあるが、笑ったり泣いたりする年相応の感情を取り戻しつつある。
経過観察で容態は落ち着いたため、その個性を抑えることができる相澤の監督の元、雄英高校で預かることになった。
その後は教師や生徒たちに見守られながら穏やかに暮らしていたが、冬の時期から徐々に角の肥大化が始まり、相澤の指導によって個性使用訓練が開始される。
春を迎えて
超常解放戦線との戦いが決行される前日のこと、通形ミリオが彼女の元に訪れる。
「自分に向けて『巻き戻し』を試してほしい」と頭を下げたミリオに対して、彼女は笑顔でそれに応じた。
彼女自身も個性の訓練している間、ずっとミリオ達の助けになりたいと思っていたようだ。
その後、復活を遂げたルミリオンは、プロヒーローらと共に超常解放戦線との全面戦争に向かい、敵連合のメンバーとの激闘を繰り広げることとなる。
黒デク編
未成年の主張では物間と共にB組寮にいるシーンが確認される。荒れ狂う避難民の怒号が聞こえないように物間によって窓から遠ざけられていた。
最終決戦
他の避難民同様、避難所のモニターでデクと死柄木の戦いを見つめている。
ボロボロになりながら戦うデクを見て自分も助けたいと駆け出すが付き添いのエクトプラズムに制止された。
その後帰還した相澤にエクトプラズムに協力して折ってもらった角を託した。その時すでにデクは両腕を失っており、これはデクにとってこの上ない助けとなった。
また、同じシーンで「お歌したい」という夢を相澤に語っている。
「私お歌したいの。
先生。私デクさんたちに楽しくしてもらったから今日終わったらデクさんたちにお歌するの。
だからちょっとしかなくっても私も戦わせて!」
無事角の効果で両腕が再生したのを見て相澤は安堵の息を吐きながら「お歌、聞くまで死ねないぞ」とデクを激励した。
終戦後は宣言通り青山の送別会で歌を披露している他、高校生になってからは同級生と共にバンド活動に勤しんでいる様子が描かれている。
余談
- 彼女と死穢八斎會にまつわる一連のエピソードでは、作中世界の闇の部分に関する重いテーマが扱われており、作者の堀越先生も連載中は精神的に辛かったと後に吐露している。(外部リンク)
- 相澤先生が彼女のために買ってきた激ダサトレーナーは、原作の作中には登場しておらず、単行本幕間で作者によりイメージイラストが描かれているのみである。当然アニメ版にも登場していない―――と思いきや、アニメ4期・文化祭編のオープニング冒頭にて「壊理ちゃんが空に向かってトレーナーを投げ捨てる」という演出でほんの少しだけ登場を果たした。それだけでは飽き足らず、更にオープニングの終盤では「捨てられたトレーナーを拾って悲しそうにする相澤先生」という形でまたしても登場。こちらは本当に一瞬なので、注意して見なければ何をしているシーンなのかが全く分からない(ちなみに、トレーナーのカラーは緑。ボトムス(ミニスカート付きズボン)のカラーは現時点では不明である)
- ちなみにデザインを監修したのは世界的ファッションデザイナー(?)であるらしい「眼力満充子(がんりきみちみちこ)」という人物。彼女は後に単行本21巻の登場人物紹介に突如として現れ、他人の眼力を強くするという謎の個性でオールマイトや緑谷をGANNRIKI☆NEKOっぽい画風にしてしまったことがある。世界よ、ひれ伏せ‼これがGANRIKIだ‼
- 『デクとエリちゃんとお茶子は顔のパーツがほぼ同じ』と堀越先生自ら明かしている。(単行本23巻カバー下の本体表紙参照)
- 最終回ではワンカットだけ登場。セーラー服を着てどこかの学校へ通っており、友人たちと楽しく過ごしている姿を見せている。友人ともどもギターケースらしきものを背負っているため文化祭でのA組のパフォーマンスに影響を受け音楽活動を始めたのかもしれない。
関連イラスト
関連タグ
フレクト・ターン、アンナ・シェルビーノ…同じく自分の個性が原因で苦しめられた者繋がり。前者はそれが原因で世界中の人に牙を向いたヴィランの首領である。後者は自分の個性が敵組織に目をつけられ、利用された点が共通している。