『機動新世紀ガンダムX』とは、サンライズが制作したロボットアニメである。
概要は出ているか?
監督 | 高松信司 |
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シリーズ 構成 |
川崎ヒロユキ |
キャラクター デザイン |
西村誠芳 |
メカニック デザイン |
大河原邦男 石垣純哉 |
音楽 | 樋口康雄 |
制作 | サンライズ |
製作 | サンライズ テレビ朝日 |
話数 | 39話 |
本作はガンダムのテレビシリーズ7作目となる。アナザーセンチュリーシリーズとしては3作品目であり、シリーズを通して戦後を描く初めての作品となる。
「宇宙と地球の戦争」「コロニー落とし」そして「ニュータイプ」など従来までの宇宙世紀作品に多い要素を多く扱っているのが特徴で、それまでのインパクト重視の路線からは大分異なる作風となっている。
1996年4月5日から同年12月27日まで(テレビ朝日は12月28日まで)、テレビ朝日およびその系列局にて放送された。
何の予告もなく一部で放送日が変更され、全39話で終了した。これはテレビ局の編成上の都合による「放送期間短縮」であり、初代「機動戦士ガンダム」のようなスポンサー降板による「打ち切り」とは厳密には異なる。また、制作体制が非常に逼迫していたこともあって、以降のガンダムシリーズでは数年毎に一作を放映するというペースに変化することになる。
2005年よりDVD化され、2010年にはOPフィルム切り出しやその他特典を詰め込んだ初回限定生産のDVD-BOXが発売された。
なお、本作より9年後のA.W.0024年の世界を描いた、『機動新世紀ガンダムX~UNDER THE MOONLIGHT~』という外伝が、角川書店より刊行されている(※本編のキャラは基本的に登場しない)。
あなたに、ストーリーを…
かつて、戦争があった──
──そして、15年の時が流れた
戦後(A.W. アフターウォー)15年。第七次宇宙戦争によって荒廃し、総人口の9割を失った地球は、ようやく復興の兆しを見せ始めていた。戦災孤児のガロード・ランは、荒れ果てた北米大陸で何でも屋を営む逞しい少年である。
ある日ガロードは、軍需企業のエージェントから人探しの依頼を受け、廃品回収団「バルチャー」の一派、ジャミル・ニートの元から少女ティファ・アディールを救出する。しかし、彼女と依頼人のただならぬ雰囲気を察したガロードは、ティファを連れ逃亡する。彼女は戦時中に存在が確認された新人類・ニュータイプであり、軍需企業の被検体として拘束されていたのだった。
ティファの導きにより、旧地球軍が開発していたニュータイプ用モビルスーツ・ガンダムエックスと出会ったガロードは、ジャミルがティファを保護しようとしていたことを知る。かつては自身もニュータイプであり、その能力のために戦争で深い傷を負ったジャミルは、苦しむニュータイプの力になろうとしていた。ガロードとティファはジャミルの船「フリーデン」に乗り込み、ニュータイプを探す旅に出る。
私の愛馬の特徴です
本作は「ガンダムを考えるガンダム」と呼ばれ、今までのガンダムで語られてきたニュータイプとは、世界とは、という課題がメタフィクション的に視聴者に投げかけられた作品である。それは、ニュータイプではない少年ガロードとニュータイプと呼ばれる特殊能力を持つ少女ティファの二人を軸に、出会った人々との交流や別れ、そして戦いによって描かれている。
物語は4週で1エピソードという形式で作られ、1エピソードごとの起承転結がしっかりと作られているのが特徴。
また、各話のサブタイトルは登場するキャラクターの劇中のセリフがそのまま用いられており、次回予告の最後にそのセリフを言うシーンが挿入される。ちなみにその次回予告はEDテーマとセットで流れるのが特徴で、EDアニメーションそのものの映像はごくシンプル。ただしEDアニメの枠(約90秒)を丸ごと次回予告に割り振っていると言う事も出来るため、その意味では歴代最長の次回予告である。
台詞がサブタイトルとなる点を含め、ガンダムXという作品の特徴の一つと言えるが、この次回予告は「エンディングは毎回同じだから視聴率が落ちる」とテレビ局の上層部から不満が出たため作ったものだとのこと。
なお、このED演出を他作品にて再現したMADも複数投稿されている。
第3話のタイトル「私の愛馬は凶暴です」はインパクトが強いためか、意外と知られている。
エピソード一覧が見えた!
第01話 | 月は出ているか? | ジャミル | 第21話 | 死んだ女房の口癖だ | カトック |
第02話 | あなたに、力を・・・ | ティファ | 第22話 | 15年目の亡霊 | カトック |
第03話 | 私の愛馬は凶暴です | シャギア | 第23話 | 私の夢は現実です | ティファ |
第04話 | 作戦は一刻を争う! | ジャミル | 第24話 | ダブルエックス起動! | ガロード |
第05話 | 銃爪(ひきがね)はお前が引け | ジャミル | 第25話 | 君達は希望の星だ | リー将軍 |
第06話 | 不愉快だわ… | サラ | 第26話 | 何も喋るな※2 | ウィッツ |
第07話 | ガンダム、売るよ! | ガロード | 第27話 | おさらばで御座います*3 | リー将軍 |
第08話 | あの子、許さない! | エニル | 第28話 | 撃つしかないのか! | ガロード |
第09話 | 巷に雨の降るごとく | テクス | 第29話 | 私を見て | ティファ |
第10話 | 僕がニュータイプだ | カリス | 第30話 | もう逢えない気がして | ティファ |
第11話 | 何も考えずに走れ! | ジャミル | 第31話 | 飛べ、ガロード! | ジャミル |
第12話 | 私の最高傑作です | ノモア | 第32話 | あれはGファルコン! | ランスロー |
第13話 | 愚かな僕を撃て | カリス | 第33話 | どうして俺を知っている!? | ガロード |
第14話 | 俺の声が聞こえるか! | ガロード | 第34話 | 月が見えた! | ガロード |
第15話 | 天国なんてあるのかな | ロアビィ | 第35話 | 希望の灯は消さない | カリス |
第16話 | 私も人間(ひと)だから | ティファ | 第36話 | 僕らが求めた戦争だ | オルバ |
第17話 | あなた自身が確かめて | ティファ | 第37話 | フリーデン発進せよ | ジャミル |
第18話 | Lorelei(ローレライ)の海 | オルバ | 第38話 | 私はD.O.M.E… かつてニュータイプと呼ばれた者 |
D.O.M.E |
第19話 | まるで夢を見てるみたい | ルチル※1 | 第39話 | 月はいつもそこにある | ナレーション |
第20話 | …また逢えたわね | エニル |
※1:台詞自体はティファの口から発せられたものだが、この時はルチルの精神がティファに移っている。
※2:台詞ではなく無言のシーンが流れる。
※3:他のサブタイトルと同様に劇中のセリフなのだが、放送時間変更のタイミングと相まって誤解を招く要因のひとつとなった。
ストーリーの節目ごとに以下のように分けることができるが公式の呼び名なのかは不明。
- 第1話~第5話:アルタネイティヴ社編
- 第6話~第9話:サン・アンジェロ編
- 第10話~第14話:フォートセバーン編
- 第15話:故郷編
- 第16話~第19話:ローレライの海編
- 第20話:セインズアイランド編
- 第21話~第24話:ゾンダーエプタ編
- 第25話~第28話:エスタルド編
- 第29話~第30話:ニュータイプ研究所編
- 第31話~第34話:クラウド9編
- 第35話~第39話:D.O.M.E.編
私は放送時間変更問題…かつて打ち切りと呼ばれた者
制作局であるテレビ朝日では、10月の番組再編時に事前の予告なしでいきなり放送時間が土曜朝6時に変更になり、それが分からなかった視聴者が多く、打ち切られたと勘違いしたファンもいた(朝日放送は部長刑事の影響で特殊な編成となっていたため、放送枠の移動もなかった)。
作品で訴えたメッセージに関しても、ニュータイプは幻想であると定義したが、視聴者の中には単純にニュータイプ全ての否定と誤解する人もおり、当時はネット環境も今ほど整備されておらず議論や情報の場が十分でない環境も相まって非難の声も強く、本作が長年黙殺される遠因ともなった。これは特別な力を持つ事と人の革新・未来を創る事は無関係であるという意味合いであり、ニュータイプそのものの否定では無い。このニュータイプを特別視する考え方の否定は同時期の宇宙世紀作品であるクロスボーンガンダムでも語られている。
また、プラモデル販促アニメとしての側面から言っても、あまり芳しくはなかったと言われる。販促に難があったのは、平成ガンダムと呼ばれるV以降によく言われている話であるが、バンダイが俗に言うファースト世代の売り上げと比べているためだという声もある。
以上の事から放送後暫くはシリーズの中でも目立たない存在だったが、スーパーロボット大戦シリーズへの出演を切っ掛けにゲーム関係の露出が増え、以降は再評価が進み、現在は一定の人気を得るに至っている。近年発売されたプラモデル等の関連商品売り上げも好調だった。また、その丁寧に作られた作風には根強いファンも多い。
全39話(3クール)で終了したのは番組開始後に編成上の理由から期間短縮が決まったためである(DVD-BOXインタビューより)が、内容的には当初予定していたエピソードは欠けることなく盛り込まれ、打ち切りにありがちなストーリーの破綻も無く無事に話数に収まるようにエンディングまでを描ききっている。
ガロード・ランの名前は、『我が道を行く』が語源であるといわれる(我(ガ)道(ロード)・行く(ラン))。
放送枠移動の半年後から、テレビ朝日は平日17時台に報道・報道番組のスーパーJチャンネルを放送するようになった。何のことはない、テレ朝がこの枠からアニメを追い出したかっただけのことである(スーパーJチャンネル開始に伴い、電磁戦隊メガレンジャーも日曜朝に追い出された)。
登場人物で御座います
機体一覧なんてあるのかな
僕らが求めた楽曲だ
ROmantic Modeによる二つのオープニング曲は人気があり、ニコニコ動画でもよくMADに使われている。
- DREAMS - 前期オープニング曲
- 歌:ROmantic Mode / 作詞・作曲・編曲:RO-M
- Resolution - 後期オープニング曲
- 歌:ROmantic Mode / 作詞:西脇唯 / 作曲:ジョー・リノイエ / 編曲:ジョー・リノイエ、鈴川真樹
- HUMAN TOUCH - 前期エンディング曲
- 歌:Warren Wiebe / 作詞:Susanne Marie Edgren / 作曲・編曲:Tom Keane
- HUMAN TOUCH(日本語版) - 中期エンディング曲
- 歌:re-kiss / 日本語版作詞:許瑛子 / 編曲:須藤賢一
- 銀色Horizon - 後期エンディング曲
- 歌:中瀬聡美 / 作詞:小室みつ子 / 作曲:濱田金吾 / 編曲:TOM KEAN
関連動画は消さない
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