アキハバラ電脳組とは、1998年4月~9月に放送されたアニメ番組。全26話。アニメーション制作は葦プロダクション。
タイトル通り物語の舞台は東京・秋葉原、時代設定は西暦2010年である。5人の女子中学生をメインキャラクターとし、それぞれが持つパタPiと呼ばれる電脳ペットを中心とした謎の組織との戦いが描かれている。
また1999年にはTVシリーズの後日談を描いた劇場版「アキハバラ電脳組 2011年の夏休み」も公開されている。こちらのアニメーション制作はTVシリーズとは異なり、Production I.Gが担当している。
2017年1月25日に、TVアニメ全26話+劇場版を収録したBlu-ray BOXが発売されることが決定した。初回限定盤には48ページに及ぶブックレットが、封入特典として予定されている。
概要
主人公である花小金井ひばりは中学1年生。夢の中の王子様に恋をし、巷で流行りの電脳ペットパタPiに心惹かれる明るく元気な少女である。
そんな彼女は中学校の入学式の帰り、夢の中の王子様にパタPiをもらうことになる。次の日デンスケと名付けたそのパタPiを学校にもっていくが、帰り道謎の女からデンスケを狙って襲われるのである。泥人形を操って襲いかかる女に対して抵抗するもデンスケを奪われそうになるひばり。その時光と共にデンスケが鎧に包まれた女性の姿に変身し…
というのが第一話のあらすじ。その後ひばりたちアキハバラ電脳組と、敵の組織との戦いが巻き起こるわけである。
重い内容のSF作品かとおもいきやギャグアニメでもあり、特に桜井弘明氏の担当回のハイテンションな演出は斬新であった。また女の子同士の友情や戦いなど非常に熱い展開で特に中盤から終盤にかけての盛り上がりは必見。
また「VSラムネ&40炎」「セイバーマリオネットJ」などと同じことぶきつかさがキャラクターデザインを行なっている。ほとんどの女性キャラクターが耳に丸い玉をつけているのが特徴。
当時の事情
このアニメが製作された1998年は「新世紀エヴァンゲリオン」が空前のブームを巻き起こしていた。
スポンサーがセガとスターチャイルドというエヴァンゲリオンと同じであった本作が2匹目のどじょうを狙うというのは仕方のないところであった。そのため大量の謎要素(この中には最終回後も説明されないものもあった)と美少女、生物とロボットをかけ合わせた兵器などエヴァンゲリオンの影響が色濃く現れている。もっとも当時のアニメはエヴァンゲリオンの影響を受けていたものがかなり多かった。
当時のエヴァンゲリオンの流行はとんでもなく、2匹目のどじょうを狙ったアニメの大量生産が行われるようになった。そしてその量は当時のアニメ制作会社の限界を超えていた。アニメ制作会社がほかのアニメ制作会社を頼ろうとしてもどこも手一杯という状況で、結果的に海外に丸投げとか制作が間に合わず不完全版が放送されるなどひどい状況であった。(詳しくはヤシガニを調べてみてください)
本作もこのような状況の中で製作されたため作画崩壊が発生(作画監督がいない回もあった)し、LD・VHS・DVD版では大幅な修正が行われた(再放送では基本的にこの修正版が使用されるが第11話「赤い靴」など修正しきれていない回もある)。テレビ版を見ていればわかるが番組初期から演出方法が定まっておらず、大量のアイキャッチが初期にはあったのに途中からなくなったり話によってキャラクターの性格や設定が違っていたり、かなりの準備不足でスタートしていたようである。
主なキャラクター(ネタバレ有り注意)
花小金井ひばり | |
突然王子様からパタPi「デンスケ」を受け取り様々な事件に巻き込まれる。赤色の制服を着ている。明るく誰とでも友だちになれる性格でアキハバラ電脳組のリーダー的存在になっている。デンスケが奪われそうになった時、愛の感情で戦う女神ディーヴァを召喚した。 さまざまな戦いの後、霊機融合(ディーヴァと精神と肉体を融合させる)に成功する。王子様に憧れていたが、黒の王子と白の王子に振り回されて最終的に決別することになる。 |
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桜上水すずめ | |
お金持ちのお嬢様で、ひばりとは生まれる前からの親友。紫色の制服を着ている。パタPi「フランチェスカ」を世界で一番優秀だと信じていて、 一足先にディーヴァを召喚したデンスケへの嫉妬の感情でディーヴァを召喚することになる。 「~でございますですわ」「はらほれまぁ」などのかなり特徴的な話し方をする。テレビ版では最後まで霊機融合が出来なかったため、終盤では置いてきぼりになることが多かった。 |
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東十条つぐみ | |
道場を経営している父と女子プロレスラーの母の間に生まれたため、常日頃から体を鍛えている女の子。しかし本人はアイドルに憧れていて、アイドルグッズに囲まれた部屋で生活している。オレンジ色の制服を着ている。はとぴょんがお気に入り。 アイドル好きであることは必死に隠しているが、みんなにはバレバレである。パタPi「テツロー」を相棒としている。パタPiを強奪をされそうになったときの恐怖の感情でディーヴァを召喚した。 |
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泉岳寺かもめ | |
様々な野望を持ってオオサカからアキハバラにやってきた転校生。大阪弁を話し、金に異常な執着を見せる。緑色の制服を着ている。お金を集めることに特化されたパタPi「ビリケン」を所持する。両親が複雑な環境にあり、スケベ爺さんの祖父シマ福郎の元で生活をする。 TV版終了後、オオサカにもどる。その時の別れの様子はドラマCD「「アキハバラ電脳組」ドラマシアター~Dennohgumi-2011・春」に収録されている。 |
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大鳥居つばめ | |
どのようにして生まれたのかまったく不明の少女。シゴーニュによって育てられたが、感情を必要としない孤独な生活をしていたため、感情を表に出すことを知らない。TVシリーズ版ではピンクの髪の色だったが劇場版では薄い紫色になっている。 登場時はひばりたちの敵として登場したが、対立した後にひばりたちと和解してアキハバラ電脳組の一員となり、ひばりの家で生活することになる。 |
北浦和うずら | |
ちっちゃいお胸が大好きな少女。TVシリーズでは8話と最終話直前に少ししか登場してないが、ラジオドラマに出演したりキャラクターソングがあったり劇場版では大活躍をする。所有パタPiは犬のような耳をつけた「エノケン」。ペットボトルやティッシュの空き箱からディーヴァのコスプレやロボットやグレネード弾を作る父親がいる。 |
デンスケ | |
花小金井ひばり所有のパタPi。白い翼を持つディーヴァ「アフロディーテ」を召喚する。小さい羽が付いている。カスタマイズも何もされておらず「ぴぃぴぃ」としかしゃべることができない。たまに言葉をしゃべることがあるがすぐに忘れてしまう。初期のドラマCD版では大谷育江が声を担当していたが、ピカチュウにそっくりであった。 |
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フランチェスカ | |
桜上水すずめ所有のパタPi。防御能力に優れたディーヴァ「ヘスティア」を召喚する。ぐるぐるメガネをしている。はずすともちろん3の目。すずめの手によってかなりのカスタマイズがされていて言葉をしゃべったり様々な機能が追加されている。頭部にミサイルなどのさまざまな武器が搭載されていて危険。 |
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テツロー | |
東十条つぐみ所有のパタPi。格闘能力の高いディーヴァ「アテナ」を召喚する。テツと呼ばれている。後ろにマイクがあり、カラオケ機能を搭載している。つぐみと共に武道の修行をしていて体力はかなりのものである。映画版ではマイクはブースターに変更、空を飛べるようになったと同時にアテナも背中から羽のような炎がつくようになった。 |
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ビリケン | |
泉岳寺かもめ所有のパタPi。射撃能力をもつディーヴァ「アンフィトルテ」を召喚する。かもめの手によりお金を集める機能に集中してカスタマイズされている。関西弁をしゃべり、くいだおれ太郎のような帽子をしている。 |
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プティアンジュ | |
泉大鳥居つばめ所有のパタPi。ほかのディーヴァを凌駕するエネルギー変換効率をもつ黒いディーヴァ「エリヌース」を召喚する。紫の体に小さな羽が付いている。ほかのパタPiが震え出すほど恐ろしい力を秘めている。つばめの無知によりパタPi「ケロちゃん」を壊してしまう。たまにしゃべることができるが、基本的に「むにぃ」としかしゃべらない。映画版ではなんでも食べようとする。 |
- 敵
豪徳寺じゅん | |
ひばりの父の務める会社でOLをしている。仕事で失敗し落ち込んでいたところを黒の王子に勧誘され、ブラッドファルコンと名乗りひばりたちのパタPiを奪おうとする。ケルベロスを召喚する。 |
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祖師谷みやま | |
女子大生をしている。セリフを七五調でしゃべる癖がある。失恋で落ち込んでいたところを黒の王子に勧誘され、デスクロウと名乗りひばりたちのパタPiを奪おうとする。スケルトンを召喚する。 |
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代官山はとこ | |
アイドルをしている。通称はとぴょん。CM撮影でしいたけが食べられず落ち込んでいたところを黒の王子に勧誘され、ダークピジョンと名乗りひばりたちのパタPiを奪おうとする。コカトリスを召喚する。じゅん・みやま・はとこは命をかけた決戦時にひばりに敗れしばらく登場しなかったが、最終決戦時に「アキハバラ電動しびれ組」を結成してひばりたちの手助けをする。 |
白の王子 | |
本名クレイン・バーンシュタイク。クリスチャン・ローゼンクロイツのエリキシルにより不死に近い体を得る。1900年ごろローゼンクロイツに誘われて科学技術を極める。その後世界大戦が起こった時、科学技術を殺し合いに使う人類に絶望する。人類に絶望したクレインは宇宙に逃亡しプリムム・モビーレという城を作り、そこで純粋な感情を持った少女が生まれるのを待つことにした。最終的にひばりに拒絶され、世界の行く末を何百年か何千年か見守ると言い残し宇宙に戻っていった。 |
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黒の王子 | |
本名は竜我崎鷹士。ひばりに敵対しているときはシューティングスターを名乗る。強力な召喚獣をあやつりひばりたちの覚醒を促す。父が自分を道具としてしか扱われてないこと、白の王子のコピーであることを知り、自分の存在意義を失った。最終話ではデンスケに似たパタPiを持つつばめに似た少女と一緒に旅に出る。 |
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竜我崎鷲羽 | |
本名クリスチャン・ローゼンクロイツ。ひばりたちの学校の校長をしながらあらゆる手を使って白の王子を地球に呼び戻そうとした。ディーヴァとの融合し永遠の命を得ることを目標としていた。エリキシルにより不死の肉体を持っていたが、最終的に体が耐え切れなかった。 |
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シゴーニュ | |
本名シゴーニュ・ラスパイユ。サンジェルマン伯爵と名乗っていた時にクリスチャン・ローゼンクロイツと出会い、エリキシルによって不死の肉体を得る。つばめを育てるが人間らしい感情より強くなることのみを優先させた。クリスチャン・ローゼンクロイツと共に白い王子を呼び戻そうとしたが、決戦時に捨て駒にされる。しかし奇跡的に生き残る。 |
楽曲一覧
放映話数 | 曲名 | 歌手 | |
OP | 1話~25話 | Birth | 奥井雅美 |
26話 | 太陽の花 -Classic version- | 奥井雅美 | |
ED | 9,15,16話 | 太陽の花 -Latin Jazz version- | 奥井雅美 |
14,19話 | 太陽の花 -Classic version- | 奥井雅美 | |
20話 | シンシア・愛する人 | 岡崎律子 | |
26話 | Birth - Epilogue.ver. - | 奥井雅美 | |
上記以外 | 太陽の花 | 奥井雅美 | |
挿入歌 | 恋しましょ ねばりましょ | 代官山はとこ | |
朱-AKA- | 奥井雅美 | ||
劇場版 | HOT SPICE | 代官山はとこ、奥井雅美 | |
ラストシーン | 奥井雅美 |
関連動画
関連項目
外部リンク
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- 0pt