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【 2009/12/25 】
【 2009/12/24 】
Yahoo! JAPANとニコニコ動画、協業開始に関する説明会を開催

 ヤフーとニワンゴは、9日に発表したYahoo! JAPANと動画共有サービス「ニコニコ動画(SP1)」の協業に関する説明会を開催した。

 Yahoo! JAPANとニコニコ動画の協業は、9日午前に発表されたもの。同日時点で、Yahoo! JAPANの動画検索におけるニコニコ動画への検索精度向上や、Yahoo!ツールバーへの対応。また、ニコニコ動画内の「ニコニコ市場」へYahoo!ショッピングの商品情報追加などが実施されている。

 説明会には、ヤフーの喜多埜裕明 取締役COO、ニワンゴの杉本誠司 代表取締役社長に加え、ニワンゴの親会社であるドワンゴの小林宏 代表取締役社長が出席。9日に開始した連携サービスのデモンストレーションのほか、協業の経緯や今後予定する連携内容を説明した。


協業の始まりは2007年7月。ヤフー側から提案

(左から)ヤフーの喜多埜氏、ドワンゴの小林氏、ニワンゴの杉本氏
 ドワンゴの小林氏によれば、「2007年7月頃にヤフーさんから声をかけていただいた」ことが、今回の協業に至る始まりだったという。小林氏は「当時は現在のようにJASRACなど各権利者団体と交渉できる状態になかった」と振り返り、「そのタイミングで声をかけていただいたという経緯から、今回の協業に強い思いを持っている」と語った。

 ヤフーの喜多埜氏は、「ヤフードメイン内のサービス強化も進める考えには変わりがないが、一方で他社が提供する良いサービスとも積極的に組ませていただいている」とコメント。そうした中で、「当社が持つ資産などを組み合わせることで、ビジネス面やネット面での活性化が図れるのではないか」と述べた。

 ニコニコ動画に対して喜多埜氏は、「他のさまざまなサービスと比較して、ユーザーの滞在時間が長い」と評価。また、「何とも言えない雰囲気も持っておられ、ヤフーにはできない良さを持っていると感じている」と付け加えた。

 ヤフーでは、ニコニコ動画と同様に動画共有サービス「Yahoo!ビデオキャスト」を運営しているが、喜多埜氏は「サービスとして少し出遅れていると認識している」とコメント。その上で、先行他社サービスを単に追従するのではなく、「Yahoo! JAPANが提供する各サービスの入り口としての活用など、ヤフーのサービス全体として強化していきたい」という考えを示した。


Yahoo!ショッピング対応で女性層や30代以上のユーザー取り込みを期待

ニコニコ市場でのYahoo!ショッピング商品の追加イメージ
 9日から協業を開始したニコニコ市場では、すでにAmazon.co.jpのアフィリエイトプログラムやドワンゴの携帯電話向けコンテンツに対応しており、ニコニコ動画の売上に占める割合は15%に上るという。また、Amazon.co.jpのアフィリエイトを通じた、商品の単純売上高は月間3億円程度だとした。

 Yahoo!ショッピングの商品情報追加では、「商品や家具、インテリア、バイク、自転車など商品カテゴリが増え、購買行為の広がりを期待している(ニワンゴの杉本氏)」という。

 ニコニコ動画の女性比率や30代以上のユーザー比率は徐々に増加傾向にあるが、2008年3月末時点での数値は男女比で男性が71%、女性が29%、年代別比で10代が28%、20代が47%、30代が18%、その他が8%となっている。

 杉本氏はこうした数値を踏まえた上で「商品ラインアップの追加によって、女性や30代以上の層への訴求が強化でき、収益面での期待が高まるのではないか」とした。また、Yahoo!ショッピングではテナント型になるため、「ショップオーナーを巻き込んだ形も、動画を軸に展開していきたい」と語った。

 ニコニコ市場を通じたYahoo!ショッピング商品の売上は、アフィリエイトという形でニワンゴ側に成果報酬が支払われる。ヤフーの喜多埜氏は、「数年前にアフィリエイトを始めたが、Yahoo!ショッピングの売上に占める割合は25%になっている」と説明。ニコニコ動画との対応によって、売上比率が一層高まることを期待しているとした。


検索インデックスの提供に関しては、負荷も見込まれるため開示先を限定して提供を行なっていくという Yahoo!ツールバーからのニコニコ動画検索にも対応した

ヤフオクをニコニコ動画のコミュニティサービスに組み込んで提供

ヤフオク連携をはじめ、複数の施策も順次提供するという
 今後の協業施策としては、ニコニコ動画とYahoo!オークションの連動、Yahoo! JAPAN IDを利用したニコニコ動画のログイン対応、ニコニコ動画サービス内の決済手段にYahoo!ウォレットの追加、Yahoo!ブログに対するニコニコ外部プレーヤー機能の提供が予定している。加えて、オーバーチュアの検索連動広告をニコニコ動画への導入も予定されている。

 このうち、Yahoo!オークションとの連動では、同サービスのAPIを利用し、ニコニコ動画内でオークションサービスを提供したい考えという。ニワンゴの杉本氏は「商品を売買する楽しみとしてオークションの存在は非常に大きい」と語り、「ニコニコ動画のコミュニティサービスとして組み込むことで、新たな楽しみ方、活用法が生まれると期待している」と述べた。

 具体的なサービス内容に関しては、API利用に対する要件定義が定まった上でになるが、杉本氏は「従来のような静止画をベースにしたものから、動画を使って具体的な商品が可能になる」と利用イメージを説明。また、「コメントを打ち込むように、入札もできるような形も考えられる」とし、「可能な限り、早い段階でサービスインしたい」と意気込みを語った。


Yahoo!ブログとの連携では、ニコニコ動画視聴画面から記事投稿ページを呼び出せる ID連携で、新規会員登録の必要なくニコニコ動画の利用が可能に

ニコニコ動画の決済手段に「Yahoo!ウォレット」も追加する このほか、オーバーチュアの検索連動広告導入も予定する

マネタイズ面に加えて、インフラ設備での協業可能性も

動画とID連携を軸に協業を進める
 なお、ドワンゴが8日付で発表した2008年9月期 中間期(2007年10月~2008年3月)の連結決算を見ると、ニコニコ動画が含まれる「ポータル事業」の売上高は8億400万円で、営業損失は5億9,400万円となっている。ポータル事業自体の売上は、着実に増加しているものの、会員数増加に伴った設備投資や回線費用の増加、収益多様化の先行投資などのため、「未だ収益への貢献には至っていない」としている。

 ドワンゴの小林氏によれば、ニコニコ動画のインフラ設備は「900万人規模まで耐えられる」としているが、今回の協業によってYahoo! JAPAN経由のトラフィック上昇も見込まれ、さらなる設備投資などによって収益化の時期が遠のいてしまう可能性もある。

 トラフィック面に関して小林氏は、「開始しないことにはわからないが、大変と言えば大変で、心の準備はしている」とコメント。想定を超えるトラフィックが発生した場合には、今回の協業内容に加えて「ヤフーさんとバックボーン面を含めて、ご相談できればと思っている」とした。

 一方、ヤフーの喜多埜氏も「ネットの事業は、先にトラフィックがあって、あとからマネタイズが生じてくるもの」と指摘。そして、「協力できる点は、できるだけ対応していきたい」と述べ、将来的な協業拡大の可能性も示した。


関連情報

URL
  ニュースリリース(PDF)
  https://info.niwango.jp/pdf/press/2008/20080509.pdf
  ニコニコ動画(SP1)
  https://www.nicovideo.jp/
  Yahoo! JAPAN
  https://www.yahoo.co.jp/
  ドワンゴ IR情報ページ
  https://info.dwango.co.jp/ir/index.html

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(村松健至)
2008/05/09 18:18


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